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WIPO - PCT Applicant's Guide 国際段階の概要

    目次

    概要
    願書
    第 I 欄 発明の名称
    第 II 欄及び第 III 欄 出願人、発明者
    第 IV 欄 代理人又は共通の代表者
    第 V 欄 国の指定
    第 VI 欄 優先権主張及び優先権の回復
    第 VII 欄 国際調査機関
    第 VIII 欄 申立て
    第 IX 欄 照合欄
    第 X 欄 出願人又は代理人の署名
    願書様式の備考
    手数料計算用紙
    明細書
    請求の範囲
    図面
    要約
    その他の様式上の要件
    手数料
    概要
    国際出願日
    国際出願の翻訳文
    欠陥の補充、及び、欠落要素若しくは部分又は誤って提出された場合の正しい要素若しくは部分の引用による補充
    記録原本及び調査用写し
    概要
    ヌクレオチド・アミノ酸の配列表
    国際調査の制限
    発明の単一性
    発明の名称及び要約
    国際調査報告
    国際調査機関の書面による見解
    概要
    補充調査請求
    第 I 欄 国際出願の表示
    第 II 欄 出願人
    第 III 欄 代理人又は共通の代表者
    第 IV 欄 補充国際調査の基礎
    第 V 欄 照合欄
    第 VI 欄 出願人、代理人又は共通の代表者の署名
    補充調査請求書の様式の備考
    手数料計算用紙
    手数料
    国際事務局による補充調査請求書の処理
    補充国際調査手続
    概要
    第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正
    国際公開
    指定官庁への国際出願の写しの送達
    概要
    国際予備審査の請求
    国際予備審査のための国際出願の翻訳文
    請求書
    第 I 欄 国際出願の表示
    第 II 欄 出願人
    第 III 欄 代理人又は共通の代表者
    第 IV 欄 国際予備審査に対する基本事項 (国際予備審査についての補正に関する記述及び言語の表示)
    第 V 欄 国の選択
    第 VI 欄 照合欄
    第 VII 欄 出願人、代理人又は共通の代表者の署名
    国際予備審査の請求書の様式の備考
    手数料計算用紙
    手数料
    国際予備審査の請求書の処理
    国際予備審査
    特許性に関する国際予備報告 (第 II 章)
    代理人及び共通の代表者による代理
    出願人への通信
    出願人、発明者、代理人、又は共通の代表者の変更
    出願人又は発明者の死亡
    国際出願又はその他の書類に署名することができない又は署名することを拒否した出願人
    明白な誤記の訂正
    請求の範囲、明細書及び図面の補正
    取下げ
    期間の計算
    郵便業務における異常
    期間が遵守されなかったことによる遅滞についての許容
    期間延長
    書簡、文書及び書類のファイリング
    国際出願の秘密保持
    生物材料の寄託についての言及
    配列表に関する要件
    締約国である先行国の承継国に対する国際出願の拡張
    ライセンシング表示
    第三者情報提供

    第 1 章 本手引及びその附属書

    はじめに
    IP 1.001.
    PCT 出願人の手引 (以下「手引」) の本部分は、国際特許出願を行うことを企図する者のための特許協力条約 (PCT) についての一般的な情報、特に PCT の手続のうち「国際段階」の情報を内容としている。これは、更に詳細な情報を内容とするいくつかの附属書によって補足されている。手引では、「附属書」の文字に続き大文字が使われている場合には常に附属書を意味している。 2 番目の部分は PCT の手続のうち「国内段階」、すなわち指定 (又は選択) 官庁に対する手続についての一般的な情報を内容としている。指定 (又は選択) 官庁とは、国際出願において指定 (又は選択) されている PCT の構成国 (締約国) 又はその締約国のために行動する国内又は広域特許庁を意味している。この国内段階には、それぞれの国内編において、各官庁に対して満たすべき要件を記載している。 2006 年以降、 英語版の手引はhttps://www.wipo.int/ja/web/pct-system/guide/index インターネットのウェブサイトのみを通じて利用可能である。電子メールによるアップデートサービスを利用すれば、本手引の読者は、毎週アップデート情報を受け取り、手引のいずれの情報がその週にアップデートされているのか知ることができる。
    IP 1.002.
    手引の本文中では、「第…条」は PCT 条約を、「規則…」は PCT 規則を、そして「第…号」は PCT 実施細則を意味している。「…項」は手引の「国際段階」又は「国内段階」巻のいずれかの本文の引用である。
    IP 1.003.
    手引に含まれている情報はきわめて包括的であるが、これは更に長い公式の文書、特に PCT 自体及び PCT に基づく規則の規定を集約し解説したものであることに留意していただきたい。手引と一致しない場合に適用されるのは、これらの規定である。完全な情報を得るためには、これらの規定を参照していただきたい。
    IP 1.004.
    PCT 及び PCT に基づく規則の規定は非常に複雑であり、特許出願の書類を作成し出願手続を行うこと自体がきわめて非常に難しいので、出願人自身が特許法の専門家でない限り弁理士又は特許代理人からの専門的な助言を受け、弁理士又は特許代理人に依頼することが強く推奨される。
    IP 1.005.
    PCT の条約規定及び PCT に基づく規則の最新版は https://www.wipo.int/ja/web/pct-system/texts/index の PCT 資料ページから閲覧又はダウンロードが可能である。これらの文書は、アラビア語、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語及びスペイン語でもご覧いただける。
    上述した各種言語の多くによる PCT 及び PCT に基づく規則を掲載した印刷物は、附属書 B (IB) に示され国際事務局の郵便用あて名、又は電子メール publications.mail@wipo.int から、 WIPO 刊行物番号 274 として国際事務局に注文することができる。写しは更に、https://www.wipo.int/publications/en/ のウェブサイトから無料でダウンロードすることもできる。刊行物のご注文には、必要な刊行物の言語も表示していただきたい。 PCT ユーザは https://www.wipo.int/patentscope/en/ の PATENTSCOPE ウェブサイトから、公開された国際出願を参照することができる。更に、公示 (PCT 公報) に一般的な通達及び情報が掲載されているので、こちらを参照することも推奨される。新締約国、手数料変更及びその他の情報が公示にすみやかに掲載される。 1978 年から現在までのすべての公示 (PCT 公報) は、次の WIPO ウェブサイトから電子形式でご覧いただける。https://www.wipo.int/en/web/pct-system/official-notices/index
    IP 1.006.
    PCT に関する最新のニュースは、月刊 のPCT Newsletter (PCT ニュースレター) から入手することができる。 PCT に新たに加盟した締約国や諸官庁と諸機関の要件の変更のみでなく、 PCT ニュースレターには PCT 締約国の最新リスト、 PCT に関する国際会議の報告、 PCT 規則の改正、 PCT 様式の変更、国際出願に関する統計、 PCT ユーザへの実務アドバイス、開催される PCT セミナーに関する情報及び PCT 手数料表が含まれている 。 PCT ニュースレターは WIPO ウェブサイトhttps://www.wipo.int/pct/en/newslett/ から利用することもできる。このウェブページには更に、 1994 年以降に公表されたすべての実務アドバイスが検索可能な状態で集められており、また 1994 年 1 月号以降の PCT ニュースレターのバックナンバーもすべて検索可能な状態で見ることができる。英語版の他に、次の言語による PCT ニュースレターダイジェスト版も用意されている。
    中国語: https://www.wipo.int/pct/zh/newslett/index.html
    日本語: https://www.wipo.int/pct/ja/newslett/index.html
    韓国語: https://www.wipo.int/pct/ko/newslett/index.html
    IP 1.007.
    PCT の背景について知りたい方は、「1970 年特許協力条約のワシントン外交会議の記録 (Records of the Washington Diplomatic Conference on the Patent Cooperation Treaty、1970)」を参照することを推奨する。これは、 WIPO ウェブサイト https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/washington でご覧いただける。
    IP 1.008.
    これ以外の参考資料としては、 PCT に基づく実施細則 (Administrative Instructions under the PCT) (https://www.wipo.int/ja/web/pct-system/texts/ai/ai_index から利用可能)、更に、 PCT 受理官庁ガイドライン (PCT Receiving Office Guidelines)、並びに、 PCT 国際調査及び予備審査ガイドライン (PCT International Search and Preliminary Examination Guidelines) (https://www.wipo.int/ja/web/pct-system/texts/ro/index からいずれも利用可能) がある。ただし、実施細則及びこれらのガイドラインは、主として PCT が様々な業務の実行を委託している機関を対象に作成されたものである。出願人の利益に関する限り、その事項は PCT 様式の備考及び手引の本文に十分反映されている。

    第 2 章 PCT の概略

    IP 2.001. 特許協力条約 (PCT) とは何か。
    特許協力条約又は PCT は、 1970 年にワシントンで締結され、 1978 年に発効した多国間条約である。この条約は、本部がジュネーブ (スイス) にある世界知的所有権機関 (WIPO) の国際事務局によって管理されている。
    IP 2.002. PCT を利用する利点は何か。
    PCT は、 PCT 締約国 (附属書 A の一覧表を参照) の一部又はすべてにおいて発明の保護を求める場合、その保護を容易に得られるようにするものである。 PCT は、複数件の個別の国内・広域特許出願に代わる。その複数の国で有効な 1 件の特許出願 (「国際出願」) について規定している。国内特許及び同様の権利を取得することに関しては、 PCT 締約国の指定に加えて、 1 件の国際出願には次の広域特許条約の締約国について広域特許に係る指定を含むことができる: アフリカ広域知的財産機関 (ARIPO) の枠組内の特許及び意匠に関する議定書 (以下「 ARIPO ハラレ議定書」)、ユーラシア特許条約、欧州特許条約、及びアフリカ知的財産機関 (OAPI) 設立条約 (以下「 OAPI 条約」)。 PCT は、国内又は広域官庁に対する国内段階における国際出願の手続を不要とするものではなく、国際段階の処理におけるすべての国際出願について実行されるいくつかの重要な手続を容易にするものである。国際段階で行われる方式審査、国際調査、任意の補充国際調査、並びに、同様に任意の国際予備審査及びそれに続き自動的に行われる国内手続の繰延べは、出願の更なる手続を行うのか否か、そして、いずれの国で出願の手続を行うのか否かについて出願人が決定するための時間及び根拠を与えるものである。

    第 3 章 PCT 手続の「国際段階」及び「国内段階」

    IP 3.001. PCT の異なる段階とは何か。
    PCT の手続には、 2 つの主な段階がある。 PCT の手続は国際出願を行うことによって始まり、(出願人にとって有利な結果となる場合には) 国内・広域特許の付与によって終わるので、「国際段階」及び「国内段階」という用語を使用する (「国内段階」という表現は手続が行われる官庁が広域官庁であっても使用される)。「国際段階」及び「国内段階」という表現は、 PCT で実際には使用されていないが、慣用になっている便利で簡潔な表現なので、本手引で使用する。
    IP 3.002.
    本手引のこの部分の主題である国際段階は 5 段階で構成される。最初の 3 つの段階はすべての国際出願について自動的に発生し、最後の 2 つの段階は選択的なものである。最初の 3 段階は、出願人による国際出願及び「受理官庁」 (附属書 C を参照) による処理、「国際調査機関」(附属書 D を参照) の 1 つによる国際調査報告及び書面による見解の作成、並びに WIPO 国際事務局 (以下「国際事務局」) による国際出願の国際調査報告を伴う公開である。 4 番目の段階には、(主国際調査を行ったものを除く) 1 つ又は複数の国際調査機関が行うことができる補充国際調査、及びその結果としての補充国際調査報告の作成が含まれる (附属書 SISA を参照)。以後、別段の記載がある場合を除き、「(主) 国際調査」のみで参照する場合には「補充国際調査」を含まず、「国際調査報告」のみで参照する場合には「補充国際調査報告」を含まない。 3 番目の段階には、出願人が自身の国際出願を基礎として特許が付与されるよう希望する国内 (又は広域) 官庁 (いわゆる「指定官庁」) に対して国際事務局が行う、公開された国際出願、国際調査報告、該当すれば補充国際調査報告、そして特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章) に関する送達が含まれている。この送達は、指定官庁から国際事務局に対する請求に応じて行われる。
    IP 3.003.
    5 番目の段階は選択的なもので (PCT 第 II 章に基づく) 国際予備審査として知られており、「国際予備審査機関」 (附属書 E を参照) の 1 つが特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) を作成することで終了する。特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) では、発明の特許性について一般的な分析を行う。国際出願の公開、国際調査報告及び該当すれば補充国際調査報告とともに、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が、出願人が自身の国際出願を基礎として特許が付与されるよう希望する国内 (又は広域) 官庁 (いわゆる「選択官庁」) に送達される。この送達は、選択官庁からの国際事務局への請求に応じて行われる。国際予備審査は、一定の条件及び資格を満たしていれば利用可能である。詳細については IP 10.004 項をご参照いただきたい。
    IP 3.004. PCT の国内段階とは何か。
    国際段階の手続の完了後、出願人は自身の国際出願を基礎として特許が付与されるよう希望する国内 (又は広域) 官庁に対し、この各官庁での手続が更に必要である。特に、出願人は、この各官庁に対し所定の国内 (又は広域) 手数料を支払い、所定の翻訳文を提出し、そして必要であれば、代理人 (特許代理人) を選任しなければならない。出願が国内段階に進む場合には、この手続に期限がある (IP 4.014 項から IP 4.016 項、 IP 5.005 項及び IP 5.006 項を参照)。所定の期間内にこの手続をしなければ、その国についての国際出願の効果は消滅する。その後、国内 (又は広域) 官庁は、出願を審査して国内法令に基づき国内 (又は広域) 特許を付与又は拒絶する。(PCT 及び本手引で「国内法令」とは、 ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約、欧州特許条約及び OAPI 条約等の広域条約も意味する (IP 2.002 項を参照))。国内 (又は広域) 官庁に対するこの手続は、通常 PCT の手続の「国内段階」と呼ばれているものであり、本手引の別部分の主題でもある。
    IP 3.005. 特定の官庁に対する国内段階移行はいつまでに行うのか。
    国内 (又は広域) 官庁に対して国内段階を開始するのか否か、そして、いつ国内段階を開始するのか決めるのは出願人である。国際段階は、ある国について、その国内 (又は広域) 官庁に対する国内段階の開始まで、又はその官庁に対する国内段階の所定の開始期限まで継続する。国内段階は異なる官庁において異なる時期に開始する可能性があるので、国際出願は、いくつかの国については国際段階にあると同時に、その他の国については国内段階にある場合も考えられる。国内段階手続又は審査が特定の官庁において開始された場合、国際段階の国際出願について行った手続は、その官庁に対して効力を持たない。

    第 4 章 出願人にとっての PCT の利用価値

    IP 4.001. PCT の利点は何か。
    PCT の利用によって、複数の国において発明の保護を求める個人又は法人 (「出願人」) は、時間、労力などの負担を軽減できる。
    IP 4.002.
    PCT の利用によって、国内段階移行時に、さまざまな国内官庁に出願すべきか否かを決定する助けとなる。
    IP 4.003.
    負担の軽減は、主として次に起因する。 PCT に基づき、出願人が 1 か所に 1 つの言語で 1 件の出願、すなわち国際出願を行い、最初の 1 件分の手数料を支払えば、この国際出願は国内又は広域出願の効果を有する。すなわち、 PCT を利用しなかった場合には出願人は各国又は各地域に別々の出願を行う必要が生じていた (ものである)。
    IP 4.004. 国際調査報告書及び書面による見解とは何か。
    国内段階で出願人にとって有益なのが、特許出願の審査において高度の経験を有しており国際調査の委託を受けた特許庁の 1 つが、国際的に定められた高度な基準に基づき各国際出願について作成する国際調査報告によって提供される「助言」である。この国際調査の委託を受けた特許庁は、附属書 D (「国際調査機関」) に列挙されている。また、請求された発明が新規とみられるのか、進歩性を有しているとみられるのか、そして産業上の利用可能性があるとみられるのか否かについて、拘束力のない予備的な見解を示す、国際調査機関が作成する書面による見解からも、詳細な助言を得ることができる。
    IP 4.005. 補充国際調査とは何か。
    出願人の請求に基づき (様式 PCT/IB/375 を参照)、主国際調査を行った機関を除く 1 つ又は複数の参加国際調査機関による補充国際調査を行うことができる (附属書 SISA を参照)。補充国際調査報告 (様式 PCT/SISA/501) は、関連する先行技術について更に包括的な概要を出願人に提供し、出願人が自身の発明について特許取得の可能性があるのか判断する好材料とすることができる (第 8 章を参照)。
    IP 4.006.
    出願人が第 II 章に基づく国際予備審査の請求を行うと、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解に基づき国際予備審査が行われ、最終的に特許性に関する国際予備報告 (第 II 章) が作成される。この報告を作成する資格を有する官庁は国際予備審査を行う目的で特別に選定されており、附属書 E (「国際予備審査機関」) に一覧が掲載されている。官庁が国際調査機関として選定されるためには、国際予備審査機関としても選定される必要があり、この逆も当てはまることから、附属書 E に掲載されている官庁は、附属書 D (「国際調査機関」) として一覧が掲載されている官庁と同一である。出願人にとって国際予備審査請求を行う更なる利益として、国際予備審査機関の審査官と対話する機会が与えられ、場合によっては国際出願の補正を行うことで特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の内容に影響を与えることも可能となる。
    IP 4.007.
    PCT の利点を更に詳細に説明する。
    IP 4.008. PCT 出願を行う利点は何か。
    PCT に基づく国際出願という単一の手続によって、 PCT を利用しない場合における、出願人が保護を求める複数の国又は地域に個別の出願を必要とする効果と正に同じ効果が確保できる。
    IP 4.009. 国際出願に使用できる言語は何か。
    国際出願が行われる官庁が認めるいくつかの言語の 1 つによって国際出願を行う。この言語は、多くの出願人にとってその国の国内若しくは広域官庁、又はその国のために行動する国内若しくは広域官庁において使用される言語又はその言語の 1 つである。
    IP 4.010. どこに国際出願を行うことができるのか。
    国際出願は 1 か所に出願する。通常、出願人の国の国内特許庁又は出願人の国のために行動する広域特許庁に出願する。又は、 PCT に基づく受理官庁の資格がある国際事務局に直接出願することもできる。
    IP 4.011. 国際出願には方式要件があるのか。
    国際出願には、所定の様式がある。国内段階においてすべての指定官庁は、この所定の様式を認めなければならないので、保護を求める多くの国の非常に異なる多様な方式要件を満たす必要はない。
    IP 4.012. 国際出願についての手数料はどこに支払うのか。
    国際出願について支払う国際手数料は、一度に 1 つの特許庁に 1 つの通貨で支払うことができる。したがって、出願時に多くの国において通常、異なる通貨で行わなければならない多くの手数料支払に伴う費用及び煩わしさを避けることができる。
    IP 4.013. パリルートと比較して、 PCT 制度の利点は何か。
    出願人には、多くの時間が与えられるだけでなく、国際調査報告、国際調査機関の書面による見解、補充国際調査報告、及び特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) によって保護の可能性について判断する確実な根拠も与えられるので、 PCT を利用しない場合に比べて、必要とされる翻訳文の作成、国内又は広域手数料の支払及び各国における代理人の選任作業並びに出費を行う前に、十分にその判断を固めることができる。結果として、指定又は選択官庁が付与した特許は、国際調査報告、国際調査機関の書面による見解、補充国際調査報告及び特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の恩恵を受けなかった場合に比べ、出願人に対して、信頼性の高いものとなる。また出願人が判断するために更に多くの時間があるので、出願人がその発明について特許保護の技術的価値及び経済的利益を評価し保護を求めることを引き続き希望する国を選択するのに有利である。したがって、出願人にとって、もはや関心のない国についての翻訳文及び出願費用の両方を大幅に節約することができる。
    IP 4.014.
    国際出願が、国際調査を行う国際調査機関で認める言語でなく、更に国際公開の言語でもない言語によって行われた場合には、出願後すみやかに適切な言語による翻訳文を提出しなければならないが、出願人が最終的に保護を取得するよう希望する国の官庁又はその国のために行動する官庁が要求するすべての翻訳文は、更に遅い時期にのみ作成するよう求められる。 12 か月の優先期間内に出願しなければならない代わりに、翻訳文は通常、 IP 4.016 項に示す期間の満了まで要求されない。
    IP 4.015.
    同様に、国内又は広域特許庁に支払う手数料は、 PCT を利用しない場合より遅く、かつ、出願人が国内又は広域特許庁において国際出願手続を行うことを決めた場合のみ支払う。通常、この国内又は広域手数料は、 IP 4.016 項に示す期間と同じ期間内に支払わなければならない。
    IP 4.016. いつまでに国内段階に移行するのか。
    2002 年 4 月 1 日から、国内階移行の期間として、すべての官庁において優先日から 30 か月の期間 (又は場合によっては更に長い期間) が適用されるが、優先日から 20 か月の国内段階移行期間が依然として適用される官庁が例外的にあり、この例外的な官庁では、優先日から 19 か月の期間内に出願人が国際予備審査請求を行った場合に限り、優先日から 30 か月の期間 (又は場合によっては更に長い期間) が同様に適用される。各官庁で適用される期間の定期的な改正は、公示 (PCT 公報)、 PCT ニュースレター、関係する国内編をご参照いただきたい。また、 WIPO ウェブサイト https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/time_limits でも、一覧表を累積的に参照可能である。
    IP 4.017.
    出願人に有利な国際調査報告 (及び該当すれば補充国際調査報告) は、多くの国内又は広域特許庁に対する出願人の立場を強め、それらの特許庁に対し特許の付与を求める出願人の立場を更に説得力あるものにする可能性が高くなる。
    IP 4.018.
    PCT 第 I 章又は第 II 章に基づく特許性に関する国際予備報告の内容が有利なものであれば、そこには国際調査報告よりも特許取得の可能性についての意見の根拠となる、はるかに多くの事項が含まれているので、特許付与を求める出願人の立場を更に強固にする。
    IP 4.019.
    国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解が出願人にとって部分的に有利で部分的に不利である場合、出願人は特許が付与されるであろう請求の範囲のみを残すように、請求の範囲を補正できる。国際調査報告及び書面による見解が出願人に不利であるため出願人が以後の手続を行わないことを決めた場合、出願人は多くの国における出願手続のための出費を節約できる。これは補充国際調査報告も同様である。
    IP 4.020.
    前項の記載は、 PCT 第 II 章に基づく特許性に関する国際予備報告の場合にも適用される。
    IP 4.021.
    PCT ルートを利用した結果としての他の重要な利点は、ここに記載されている。この利点として特に、指定官庁に対する手続の簡略化が挙げられる (たとえば、オリジナルの図面又は優先権の基礎とされた出願の謄本を各官庁に提出する必要がない、一部の国及び欧州特許庁では国内手数料が減額される等)。
    PCT 経由の広域特許
    IP 4.022. PCT 経由で広域特許を取得できるのか。
    各広域特許条約 (IP 2.002 項を参照) 及び PCT の締約国において保護を求める出願人にとって更に重要な利点は、 PCT システムと広域特許システムを組み合わせて利用できることにある。 PCT と広域特許システムは完全に互換性があるだけでなく、出願人が出願した国と無関係に両方のシステムを組み合わせた有利な利用を可能にしている。以下、 PCT を通じて特許を得ることのできる広域特許システムと PCT との組み合わせについて説明すると、 ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約、欧州特許条約及び OAPI 条約の間にそれぞれ「 ARIPO - PCT ルート」、「ユーラシア - PCT ルート」、「欧州 - PCT ルート」及び「 OAPI - PCT ルート」がある。欧州特許条約の場合、当該条約と欧州特許が拡張又は有効化できる国における PCT を組み合わせて特許を取得することもできる (IP 4.026 項を参照)。
    IP 4.023.
    たとえば、日本国特許庁 (JPO) 又は米国特許商標庁に行った PCT 出願から、いずれかの広域特許条約締約国における保護の取得を希望する出願人は、同時に広域特許を受けるために広域特許庁に出願したのと同じ効果を得ることができる。この場合、出願人は本国外でいかなる手続をとることもなく、 PCT 調査 (及び選択的に国際予備審査) の結果が知らされるまで安心して待つことができ、広域特許庁が認める公用語 (それぞれの国内段階を参照) のうち 1 つの言語によって出願されていない場合には、延長された期間 (IP 5.005 項を参照) を活用して PCT 出願の翻訳文の提出ができ、そして当該官庁に対して手続を行う代理人の選任をすることになる。
    IP 4.024.
    出願人は、優先期間の終了直前であっても受理官庁としての自国の国内官庁に PCT 出願を行い、各広域特許庁に出願した効果を自動的に得ることができる。また最初の 1 セット分の手数料を出願時に支払えばよいことも利点となる。現在、 4 地域の指定が適用可能とされる PCT 締約国の数は 50 か国を超えている。他方、出願人が自国の国内官庁に行った最初の出願に基づき別個の広域特許出願を行う選択をした場合、出願人は優先期間内に別の出願を行うと同時に、方式、手数料及び代理人の選任に関する広域特許条約の要件を満たさなければならない。
    IP 4.025. 広域特許条約の 1 つの締約国の国民であれば、 1 件の国際出願によって広域及び国内の両方の保護を取得できるのか。
    ARIPO - PCT ルート、ユーラシア - PCT ルート、欧州 - PCT ルート及び OAPI - PCT ルートを利用することによって得られる利点は、その逆のルートでも同様に得られる。すなわち、いずれかの広域特許条約の加盟国の国民、又は欧州特許を拡張することができる国の国民 (IP 4.026 項を参照) は、自身の広域官庁、そしてたとえば日本国特許庁 (JPO) 及び米国特許商標庁に別個に特許出願を行うことに代えて、国内出願に基づき、又は最初の出願として、該当すれば広域及び国内の両方の特許を取得する目的で、すべての PCT 締約国の指定を含む PCT に基づく国際出願を行うよう選択することができる。
    IP 4.026. PCT 経由で欧州特許の有効化または拡張ができるのか。
    適用可能であれば、欧州特許の拡張又は有効化手続を利用することも「欧州 - PCT ルート」の利点となる。欧州特許機構と欧州特許条約締約国でない一部の国との間には、欧州特許によって与えられた保護を拡張又は有効化することについて協定が締結されている。国際出願が拡張又は有効化国の国内特許及び欧州特許を指定することを条件に、出願人は国際出願に基づき後に付与される欧州特許を、欧州 - PCT ルートを利用して当該拡張又は有効化国に拡張することができる (IP 5.054 項及び附属書 B (EP) 並びに国内編概要 (EP) を参照)。

    第 5 章 国際出願の提出

    概要
    IP 5.001. 国際出願とは何か。
    第3条(1)

    PCT の規定に基づき出願され、 PCT と表示された出願である場合に「国際出願」という。国際出願は、 PCT の締約国において又は同締約国に対する特許を取得するための第 1 段階である。国内特許を求める場合には、締約国に「おいて (in)」といい、広域特許 (ARIPO 特許、ユーラシア特許、欧州特許又は OAPI 特許) を求める場合には、締約国に「ついて (for)」という。
    IP 5.002. 国際出願の対象は何か。
    第3条(1)

    国際出願は発明の保護を求める出願でなければならない。 PCT は、特許、発明者証、実用証、実用新案並びに種々の特許及び追加証の出願を包含している (第 2 条(i) を参照)。したがって、「発明」の範囲以外に該当する、その他の形式の産業財産、たとえば純粋な装飾デザインについての国際出願は有効ではない。
    IP 5.003. 国際出願の主な効果は何か。
    第4条(1)(ii),
    第64条(4),
    規則4.9

    国際出願の主な効果は 2 つある。その 1 つは、国内 (又は広域) 出願と同じ効果が一般的に生じることである。この効果は、国際出願日として認められた日に発生する (IP 6.005 項を参照)。この効果は、出願人がその国において又はその国について特許を受けることを希望する「指定国」において又は関して生じる。米国における国際出願の先行技術としての効果については国内編 (US) を参照。
    IP 5.004. 「選択国」とは何か。
    第31条(1),
    第31条(4)(a)

    指定国について出願人が国際予備審査を請求している場合、その指定国を PCT 用語で「選択国」という。
    IP 5.005.
    第22条(1),
    第23条(1)

    国際出願のもう 1 つの主要な効果は、次項に述べられていることに従うことを条件として、優先日 (「優先日」の定義については IP 5.058 項を参照) から 30 か月が経過するまで、いずれの指定官庁も国際出願の処理又は審査をすることができず、指定官庁に対する手数料の支払及び指定官庁に対する国際出願の翻訳文の提出をそれぞれ、当該 30 か月以内に遵守すればよい点である。ただし、一部の指定官庁に関しては (現在 2 か国)、新たな 30 か月の期間ではなく、これまでの 20 か月の期間 (ルクセンブルクについて) 若しくは 21 か月の期間 (タンザニア連合共和国について) が適用されている。これは、現段階で関連する国内法令と改正された PCT 規定 (PCT 第 22 条(1)) との整合性が持たれていないために、このような官庁では、整合性を持たない旨の宣言を行っているからである。この宣言は、それぞれの官庁が取り下げるまで有効となっている。更にその他の一部の指定官庁では、、30 か月よりも遅く満了する期間を定めている (詳細な情報については、 IP 4.016 項及び国内編 (概要) を参照)。国際出願のこの効果を一般に、国内 (又は広域) 官庁に対する特許審査及び特許付与手続の「繰延べ」効果という。
    IP 5.006.
    第39条(1),
    第40条(1)

    優先日から 19 か月以内に国際予備審査請求が行われている場合、いずれかの指定国の官庁が、 2002 年 4 月 1 日から施行されている第 22 条(1) に基づく 30 か月の期間が同官庁に適用される国内法令と整合していない旨を国際事務局に通告していれば、その国についての繰延べ効果は 10 か月延長され、選択官庁に対する手数料の支払及び国際出願の翻訳文の提出は、優先日から 30 か月以内に行うことができる (詳細な情報については国内段階及び国内編を参照; 一部の官庁では更に遅い期間が適用される)。
    IP 5.007. 国際出願日から優先権を主張できるのか。
    第8条,

    国際出願日が付与された国際出願は、工業所有権の保護に関するパリ条約の意味における「正規の国内出願」と同じであるから、パリ条約に規定された期間と条件でその後出願される国内出願、広域出願又は他の国際出願における優先権の主張の基礎とすることができる。
    IP 5.008. どこに国際出願を行うべきか。
    第10条,
    規則19.1(a),
    規則 19.2

    附属書 B には、締約国の国民及び居住者が出願人として国際出願を行うことができる当局を表示する。 PCT 語では、これらの当局を「受理官庁」という (その当局が国際出願を受理するからである)。附属書 B には、受理官庁の正式名称、住所、電話番号、ファクシミリ番号、更に利用できる場合には電子メール・インターネットのアドレスが、附属書 C には、各受理官庁の要件が記載されている。複数の出願人がすべて同じ締約国の国民・居住者でない場合、少なくとも出願人の 1 人が居住者若しくは国民である締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁は、その出願人の行った国際出願を管轄する。その代わりに、その出願人が居住者又は国民である締約国と無関係に、出願人の選択で、国際事務局を受理官庁として国際出願を行うことができる。出願人が複数人の場合には、少なくとも出願人の 1 人が締約国の居住者又は国民であれば、受理官庁としての国際事務局に国際出願を行うことができる。 PCT 及び ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約、欧州特許条約若しくは OAPI 協定の締約国の居住者又は国民は通常 ARIPO 、ユーラシア特許庁、欧州特許庁又は OAPI にそれぞれ国際出願を行うよう選択することができる。国内法令に基づき適用される国家安全保障の法規を遵守することは、出願人の責任とする。当該規定に関連して受理官庁が適用することのできる方法に関しては IP 6.010 項を参照。
    IP 5.009. 国際出願を行う目的で異なる複数の受理官庁から選ぶことができるのか。
    第31条(2)(a),
    規則 18.1,
    規則54

    たとえば、出願人が 2 人以上であって 2 か国以上の締約国の国籍及び住所を含む場合、又は、出願人が 1 人であって 2 か国以上の締約国の国籍・住所を有する場合、出願人は複数の受理官庁から選択することができる。
    IP 5.010. 国際出願の要素とは何か。
    第3条(2),
    第7条

    国際出願は、願書、明細書、請求の範囲、図面 (図面が発明の理解に必要な場合) 及び要約を含まなければならない。それぞれの詳細については、次に述べる。
    IP 5.011. 国際出願の要素をどのような順序で並べるのか。
    第207号(a)
    国際出願の要素は、願書、明細書、請求の範囲、要約、図面 (ある場合) の順序で並べなければならない。配列表を含む出願については後述を参照。該当する場合、明細書の配列表は別個の電子ファイル (XML) として提出しなければならない。
    IP 5.012. 国際出願の用紙にどのように番号を付すのか。
    規則11.7(a),
    第207号(b)

    国際出願を構成するすべての用紙には、アラビア数字の 3 種類の連続番号を付さなければならない。第 1 番目の連続番号は願書に付すもの、第 2 番目の連続番号は明細書、請求の範囲及び要約に付すもの (IP 5.106 項を参照)、第 3 番目の連続番号は図面に付すもの (IP 5.140 項を参照) である。
    IP 5.013. 国際出願に使用する言語は何か。
    第3条(4)(i),
    規則12.1(a),
    規則12.1(c),
    規則12.1(d),
    規則12.4(aの2),
    規則48.3(b)

    国際出願に使用する言語は、受理官庁によって異なる。受理官庁の一部は、 2 つ以上の言語から選ぶことを認めている。明細書の配列表部分が含まれている場合、言語の要件は配列表における言語依存フリーテキストのみに適用される。所定の受理官庁に対して行う国際出願に使用できる言語は、配列表における言語依存フリーテキストを含めて、附属書 C に記載されている。国際出願が、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語又はスペイン語 (すなわち国際出願を国際公開する言語。 IP 9.017 項から IP 9.020 項までを参照) 以外の言語で行われた場合、又は国際出願の言語が国際調査を行う国際調査機関で認められない言語 (IP 7.002 項及び附属書 D を参照) であった場合には、国際調査・国際公開のための国際出願の翻訳文を提出しなければならない。国際出願若しくは国際公開の言語、又は主国際調査について提出した翻訳文の言語が、いずれも補充国際調査を行う機関で認められないものであれば、同様に補充国際調査のために翻訳文が要求される (附属書 SISA を参照)。更に、国際出願又は国際公開の言語が国際予備審査を行う国際予備審査機関で認められないものであれば、同様に国際予備審査のために翻訳文が要求される (附属書 E を参照)。明細書の配列表部分が含まれている場合、翻訳文の要件は配列表における言語依存フリーテキストのみに適用される。言語に関する要件及び翻訳文の提出に関しての詳細は、 IP 6.013 項から IP 6.020 項、 IP 8.012 項、 IP 9.017 項から IP 9.019 項及び IP 10.011 項で述べる。多くの場合、この要件は、国際段階での手続のために 1 つの翻訳文のみ提出しなければならないという形で運用される。通常、国際出願のすべての要素は同一の言語によらなければならないが、受理官庁が認める場合、配列表における言語依存フリーテキストについては例外とされる。ただし願書は、提出に関する限り、受理官庁が認める国際公開の言語 (附属書 C を参照) によって作成しなければならず、図面の文言事項 (もしあれば) 及び要約はその国際出願を国際公開する言語によって作成することができる (IP 6.018 項及び IP 6.019 項を参照)。
    IP 5.014.
    規則19.4(a)(ii)
    国際出願が受理官庁で認められる言語によって行われなかった場合については 、 IP 6.034 項を参照。
    願書
    IP 5.015. 願書様式はどのようなものか。
    規則3.1,
    規則3.2,
    規則3.4,
    規則4,
    規則89の2.1,
    規則89の3,
    第102号

    国際出願を電子的に行う場合、願書様式は該当する電子出願システムによって生成される。国際出願を行う手段については、 IP 6.003 項を参照。
    紙形式の国際出願を認める受理官庁に、国際出願を紙形式で行う場合、願書は印刷済の様式 (様式 PCT/RO/101) に所定の表示を記入したもの、又は実施細則の要件を満たすコンピュータ印字で表示したものを作成しなければならない。記入済の見本及び未記入の印刷済の様式 PCT/RO/101 は下記のインターネットウェブサイトから入手できる。国際出願を企図する出願人は更に、紙形式での出願を予定している受理官庁から、又は国際事務局から無料で印刷済の様式 PCT/RO/101 を入手することもできる。願書作成を容易にするために、国際事務局はダウンロード可能な PDF (Portable Document Format) 形式の願書様式を同ウェブサイトに用意している。願書様式は https://www.wipo.int/web/pct-system/forms/index からダウンロードし、コンピュータで記入又はプリントアウトしてタイプライタで記入することができる。願書様式、及び編集可能なバージョンの作成方法に関するガイドは、上掲のウェブサイトから入手することができる。
    IP 5.016. 願書にはどのような表示を含む必要があるのか。
    第4条(1),
    第43条,
    第44条,
    第45条,
    規則3,
    規則4.1,
    規則4.9(a),
    規則4.10,
    規則4.11,
    規則4.14bis,
    規則4.15

    願書には、 PCT に従い国際出願を処理すべき旨の請求が含まれており、更に、所定の表示を含まなければならない。願書には、発明の名称を記載しなければならない。願書には、出願人、(通常は) 発明者、及び代理人 (いる場合) を表示しなければならない。願書を提出することによって、国際出願日において PCT に拘束されるすべての締約国が指定されたことになり、更に、利用可能なすべての種類の保護の付与並びに広域及び国内特許の両方の付与を求めることにもなる。願書には、該当すれば、優先権主張、管轄国際予備調査機関の出願人による選択の表示及び該当する先の国際調査、国際型調査又はその他の調査への言及を記載すべきである。願書には署名しなければならない。願書様式の各欄の記入の詳細については、その書式の各欄について以下に説明する。願書の言語については IP 5.013 項を参照。
    IP 5.017. 書類番号の表示は必要なのか。
    第109号
    出願人の書類番号があれば 25 文字以内で願書様式の第 1 用紙に設けた出願人の書類番号のための欄に記載することが推奨される。書類番号は、ラテンアルファベット若しくはアラビア数字、又はその両方によって構成することができる。英数字の間を分離するためにハイフン (「-」) を使用することができる。受理官庁、国際事務局、国際調査機関及び国際予備審査機関は、この出願人の書類番号を出願人に対する通信に使用する (国際出願の他の要素又は国際出願に関する 書類における出願人の書類番号の記載については、 IP 5.105 項、 IP 10.015 項及び IP 11.071 項を参照)。
    IP 5.018. 願書の様式上の要件は何か。
    規則 11.9(d)
    様式上の要件として、願書の文言は、大文字が 0.21 センチメートル以上の文字を使用しなければならない。
    第 I 欄 発明の名称
    IP 5.019. 発明の名称に関する要件は何か。
    規則4.3,
    規則5.1(a)

    発明の名称は、簡潔 (英語の場合又は英語に翻訳した場合に 2 語以上 7 語以内であることが望ましい) かつ的確なものでなければならない。出願人は、同じ発明の名称を願書の第 I 欄及び明細書の冒頭に記載しなければならない (IP 5.094 項を参照)。
    第 II 欄及び第 III 欄 出願人、発明者
    IP 5.020. 誰が国際出願を行うことができるのか。
    第9条(1),
    第9条(3),
    規則 18.1,
    規則 18.3

    締約国の居住者又は国民は国際出願を行うことができる。出願人が 2 人以上いる場合には、その出願人の少なくとも 1 人が締約国の国民又は居住者であることが要求される。締約国は「 PCT 締約国」(附属書 A) に記載されている。住所及び国籍に関する問題については IP 5.023 項を参照。
    IP 5.021.[削 除]
    IP 5.022. 異なる指定国について異なる出願人を表示できるのか。
    第9条(3),
    第203号(b)

    すべての国際出願において、異なる指定国について異なる出願人を記載できる。ただし、 1 つの締約国について 2 種類以上の保護が得られる場合 (IP 5.055 項及び附属書 B を参照)、異なる種類の保護のために異なる出願人を表示することはできないことに留意されたい。更に、 1 つの締約国の国内及び広域指定については、同一の出願人を表示しなければならない。
    IP 5.023. 住所及び国籍をどのように決定するのか。
    規則 18.1
    出願人が締約国の居住者又は国民であるのか否かの問題は、その国の国内法令によるものであり、受理官庁が決定する。もっとも、いかなる場合でも、締約国において現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有することは、その締約国における住所とみなされ、締約国の国内法令によって設立された法人は、その締約国の国民とみなされる。出願人の住所又は国籍の問題が国際事務局を受理官庁として行われた国際出願に関連して生じた場合、国際事務局は、当該締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁にその問題を決定するよう要請し、その要請を出願人に通知する。出願人は、住所又は国籍の問題に関する答弁書をその国内官庁に直接、提出する機会が与えられ、その官庁がその問題についてすみやかに決定する。
    IP 5.024. 出願人をどのように特定するのか。
    規則4.5
    出願人は、その氏名又は名称及びあて名を記載し、更に出願人が発明者若しくは発明者のうちの 1 人でもある場合にはその氏名又は名称及びあて名の記載の隣の第 II 欄の「この者は発明者でもある」若しくは第 III 欄の「出願人及び発明者」のチェックボックスをマークすることによって特定しなければならない。出願人が会社又はその他の法人である (すなわち、自然人でない) 場合には、「出願人である」のチェックボックスをマークしなければならない。出願人が受理官庁で登録されている場合には、出願人がそのように登録されている番号若しくはその他の表示を第 II 欄又は第 III 欄に表示することもできる。出願人の国籍及び住所も記載しなければならない (IP 5.031 項を参照)。発明者の特定については、 IP 5.035 項を参照。出願人の名義、氏名又は名称及びあて名の事後変更については、 IP 11.018 項から IP 11.022 項を参照。
    IP 5.025. 願書に氏名又は名称をどのように記載するのか。
    規則4.4(a),
    規則4.19(a)

    自然人の氏名は、姓を名の前に記載しなければならない。学位、肩書き及びその他の氏名の一部でない記載は、省略し なければならない 。 姓は大文字で記載することが望ましい (IP 5.015 項記載のアドレスから願書様式の記入済見本を参照)。
    IP 5.026.
    規則4.4(b)
    法人の名称は、完全な公式の名称を記載しなければならない (大文字で記載することが望ましい)。
    IP 5.027. 願書にあて名をどのように記載するのか。
    規則4.4(c)
    郵便物がすみやかにあて名に配達されるための慣習上の要件を満たすように記載し、すべての該当する行政単位を (住居番号があれば) 住居番号まで記載しなければならない。あて名には国名も含む。
    IP 5.028. どのような場合に、電話番号、ファクシミリ番号又は電子メールアドレスを記載することが推奨されるのか。
    規則4.4(c)
    代理人も共通の代表者も第 IV 欄に記載されていない場合には、願書に最初に記載されている出願人の電話番号、ファクシミリ番号及び電子メールアドレスを記載することが推奨される (IP 5.041 項から IP 5.051 項を参照)。各官庁からの通知を早期かつ確実に受領することを可能とするために、通知を受領するための電子メールアドレスを提示することが強く推奨される。
    IP 5.029. 受理官庁又はその他の PCT 当局は電子メールで通知を送付するのか。
    願書様式第 II 欄に電子メールアドレスが表示されている場合には、電子メールによる通知のサービスを提供している受理官庁・国際調査機関 (補充調査のために指定された機関としての権能を含む)、及び国際事務局は、国際出願に関する通知を出願人に電子メールで送付し、これによって処理又は郵送における遅滞を回避する。この場合には、関係する官庁が紙形式の確認書を追加的に送付する意向を持たない限り、通常であれば紙形式の通知が郵送されないことに留意されたい。いずれの機関が電子メールによって通知を送付するのかに関する詳細は、附属書 B に掲載されている。電子メールアドレスが提示されていない場合、又は出願人が願書様式第 II 欄の対応するチェックボックスをマークして、通知を郵送のみによって受領することを選択している場合、又は受理官庁若しくは国際調査機関 (補充調査のために指定された機関としての権能を含む) が電子メールによる通知の送付を行わない場合、通知は郵便のみによって所定のあて名に送付される。電子メールアドレスの詳細を最新のものとして、電子メールの受信がブロックされる状態を回避するのは、いかなる理由があろうとも出願人の責任である。願書に表示した電子メールアドレスに変更があれば、規則 92 の 2 に基づき、望ましくは国際事務局に直接、変更を記録するよう請求すべきである (IP 11.018 項から IP 11.022 項を参照)。
    IP 5.030. 通知を送付するための特別のあて名を記載することができるのか。
    規則4.4(d)
    第 II 又は第 III 欄には各出願人につき 1 つのあて名だけを記載することができる。しかし、代理人又は共通の代表者が願書の第 IV 欄に記載されていない場合には、通知を送付するための特別のあて名をその欄に記載することができる。第 IV 欄に出願人が共通の代表者として記載されている場合、第 II 又は第 III 欄に記載された出願人用のあて名以外の通信用のあて名を第 IV 欄 (IP 5.047 項及び IP 5.051 項を参照) に記載することができる。
    IP 5.031. 願書に出願人の国籍及び住所をなぜ記載しなければならないのか、どのように記載する必要があるのか。
    第9条(1),
    規則 18,
    規則 19

    この情報は、出願人が国際出願をする資格を有するのか否かを決定し、また受理官庁の管轄を決定するために必要である。出願人が国民である国及び居住者である国の名称を記載しなければならない。居住国が特に記載されていないがあて名に国名が記載されている場合、あて名に記載された国が居住国とみなされる。国際出願が「非管轄」受理官庁に提出された場合の手続については、 IP 6.035 項を参照。国名の記載方法については IP 5.033 項を参照。
    IP 5.032. 出願人に関する表示は、すべての出願人について記載する必要があるのか。
    規則26.2の2(b)
    出願人が複数人いる場合、すべての出願人について、 IP 5.024 項から IP 5.031 項で概略を述べた表示を記載することが推奨される。ただし、受理官庁に対して国際出願をする資格を有する少なくとも 1 人の出願人について、あて名、国籍及び居住国が記載されていれば、受理官庁は、他の出願人に関して欠落している表示を提出するよう出願人に求めることはない。
    IP 5.033. 国名をどのように記載するのか。
    第115号
    国名は、その国の完全な名称、略称若しくは 2 文字コード、又はその組合せによって記載できる。この原則は国名を記載する必要がある場合、願書のすべての欄において適用される。「国名及び 2 文字コード」(附属書 K) には、 PCT に基づく出願に関する書類において国、領域及び政府間機関 (並びにその官庁) を表示する場合に使用される、短縮名及び 2 文字コードの一覧が包括的に記載されている。この一覧は、産業財産情報及び文献に関する WIPO ハンドブック (WIPO Handbook on Industrial Property Information and Documentation) に WIPO 標準 ST.3 として掲載され、インターネットの次のウェブサイトから入手できる。https://www.wipo.int/standards/en/pdf/03-03-01.pdf
    IP 5.034. 複数の出願人の誰を最初に記載するのか。
    共通の代理人又は共通の代表者が選任されていない場合には、最初に記載されている出願人が受理官庁に対して国際出願をする資格を有していれば、その出願人をすべての出願人の代表者とみなすので、すべての出願人を代表し、通知を送付する出願人を最初に記載することが推奨される (IP 5.048 項を参照)。しかし、すべての出願人を代表する代理人又は共通の代表者が願書の第 IV 欄に記載されていれば、 通知は共通の代理人又は代表者に送付される (IP 11.015 項から IP 11.017 項も参照)。
    IP 5.035. 発明者は、どのような場合に、どのような方法で特定する必要があるのか。
    第4条(1)(v),
    第4条(4),
    規則4.1(a)(iv),
    規則4.6

    出願人として第 II 欄に特定された者が発明者でもある場合には、「この者は発明者でもある」のチェックボックスをマークすれば十分である。第 III 欄に発明者の氏名及びあて名を繰返す必要はない。発明者が第 III 欄に表示されている場合には、発明者が出願人でもあれば「出願人及び発明者」のチェックボックスをマークしなければならない。発明者が出願人でない場合には、「発明者のみ」のチェックボックスをマークする。発明者がすべての指定国について同じでない場合については、 IP 5.038 項を参照。発明者が死亡している場合については、 IP 11.023 項から IP 11.026 項を参照。
    IP 5.036. どのような場合に願書様式の「発明者のみである」のチェックボックスをマークする必要があるのか。
    第4条(4),
    規則4.1(c)(i)

    発明者が出願人でない場合には「発明者のみである」のチェックボックスをマークし、第 III 欄の 1 つの欄に発明者の氏名及びあて名を記載しなければならない。すべての指定官庁の国内法令において、国内出願時に発明者の氏名を提出することが要求されていなければ、発明者の氏名及びあて名の記載を願書で省略することができる。附属書 B には、各指定官庁又は政府間機関についての要件が記載されている。しかし、発明者の氏名及びあて名の記載が要求されることが一般的なので、その記載を妨げる特別な理由がない限り、常に願書に発明者の氏名及びあて名を記載することが推奨される。
    IP 5.037. 願書様式に発明者の氏名及びあて名を表示する必要があるのか。
    規則4.4
    発明者の氏名及びあて名の記載については、 IP 5.025 項及び IP 5.027 項で出願人に関して述べた事項が適用される。発明者が出願人でない限り、その発明者の国籍及び住所のある国の記載は要求されない。発明者の名義、氏名又はあて名の事後変更については、 IP 11.018 項及び IP 11.020 項を参照。
    IP 5.038. すべての指定国について発明者が同一でない場合には、どのように記載する必要があるのか。
    規則4.6(c)
    発明者の記載に関し指定国の国内法令の要件が同一でない場合、 PCT は、異なる指定国について異なる発明者を記載することを認めている。記載された者がいずれの指定国についての発明者であるのか表示する方法については、願書様式の追記欄の 1 (iii) を参照 (IP 5.015 項記載のアドレスから願書様式の記入済見本を参照)。すべての発明者がすべての指定国について同一である場合が通常であるが、この場合、追記欄における特別の表示は要求されない。
    IP 5.039. 複数の出願人の場合、いずれの指定国についての出願人であるのか、どのように記載するのか。
    国の指定全般については、下記の IP 5.052 項から IP 5.054 項に詳細に記載されている。第 II 欄及び第 III 欄の各欄の下部には 2 つのチェックボックスがある (IP 5.015 項記載のアドレスから願書様式の記入済見本を参照)。第 II 欄に表示した出願人及び他に出願人がいればその各出願人についてこのチェックボックスの 1 つ (1 つだけ) をマークする。第 III 欄に表示した者が「発明者のみ」の場合には、いずれのチェックボックスにマークしてはならない。次にこの 2 つのチェックボックスについて、第 II 欄及び第 III 欄それぞれを別個に説明する。
    第 II 欄
    「⬜ すべての指定国」
    このチェックボックスは、第 II 欄に表示された者がすべての指定国について出願人の資格を優先する場合にマークしなければならない。
    「 ⬜ 追記欄に記載した指定国」
    このチェックボックスは、出願人がすべての指定国について 1 人の出願人でない特別の場合に限りマークしなければならない。たとえば、 3 人の出願人それぞれが異なる国についての出願人である場合には、第 II 欄に表示されている者がいずれの国の出願人であるのか願書様式の追記欄に記載しなければならない (この場合の他の 2 人の出願人については、第 III 欄に関する下記の説明を参照)。追記欄の使用方法は追記欄自体の 1 (ii) に詳細に説明されている (IP 5.015 項記載のアドレスから願書様式の記入済見本を参照)。
    第 III 欄
    「⬜ すべての指定国」
    このチェックボックスは、「出願人及び発明者」又は「出願人のみ」と表示された者がすべての指定国について出願人の資格を優先する場合にマークしなければならない。
    「 ⬜ 追記欄に記載した指定国」
    このチェックボックスは、出願人がすべての指定国について 1 人の出願人でない特別の場合に限りマークしなければならない。たとえば、 3 人の出願人それぞれが異なる国についての出願人である場合には、第 III 欄に「出願人及び発明者」又は「出願人のみ」と表示されている他の 2 人の出願人がそれぞれ、いずれの国の出願人であるのか願書様式の追記欄に記載しなければならない (この場合の最初の出願人については、第 II 欄に関する上記の説明を参照)。追記欄の使用方法は追記欄自体の 1 (ii) に詳細に説明されている (IP 5.015 項記載のアドレスから願書様式の記入済見本を参照)。
    IP 5.040.[削 除]
    第 IV 欄 代理人又は共通の代表者
    IP 5.041. 出願人は、 PCT の受理官庁、国際事務局及びその他の国際機関に対して代理人による代理が必要なのか。
    第27条(7),
    第49条,
    規則2.2,
    規則90.1

    附属書 C は、各受理官庁について出願人が代理人による代理の必要があるのか否かについて記載している。既に述べたように (IP 1.004 項を参照)、国際出願の慎重な作成及び国際出願の的確な処理の重要性を考慮すると、出願人は専門的な弁理士又は特許代理人に依頼することが強く推奨される。
    IP 5.042. 誰を代理人として選任できるのか。
    第49条,
    規則83.1の2,
    第106号

    受理官庁に対し代理人として行動できる者 (附属書 C を参照) であれば、その受理官庁に対して行う国際出願についての代理人として選任されることができる。受理官庁としての国際事務局に国際出願が出願された場合、出願人 (又は出願人が 2 人以上であれば、出願人のうちのいずれか) が居住者若しくは国民である締約国の、又はそのために行動する国内 (若しくは広域) 官庁に対して手続する権能を有する者は、代理人として選任されることができる (附属書 C を参照)。受理官庁に対し出願人を代理して手続することができる代理人が選任された場合には、自動的に国際事務局、国際調査機関及び国際予備審査機関に対して手続することもできる。
    IP 5.043. どのように代理人を選任するのか。
    第4条(1)(iii),
    規則4.1(a)(iii),
    規則4.7,
    規則90.3

    IP 5.044 項に従うことを条件として、国際出願が出願人によって署名されている場合には、願書の第 IV 欄 (5.015 項記載のアドレスから願書様式の記入済見本を参照) で指名することによって代理人を選任することができる (IP 5.088 項及び IP 5.089 項も参照)。その他の場合、代理人の選任は、出願人の署名した別の書面 (「委任状」) で行わなければならない。願書の第 IV 欄又は委任状での表示は、 IP 5.025 項から IP 5.028 項に記載されている方法によって代理人の氏名及びあて名を記載して行わなければならない。代理人の電話番号、ファクシミリ番号・電子メールアドレスも表示することが推奨される。各官庁からの通知を早期かつ確実に受領することを可能とするために、通知を受領するための電子メールアドレスを提示することが強く推奨される。代理人が受理官庁で登録されている場合には、代理人がそのように登録されている番号又はその他の表示も記載することができる。複数の出願人がいる場合、そのすべての出願人が願書又は別個の委任状に署名していれば、すべての出願人を代表する代理人を願書での指名若しくは別個の委任状又は両者 の組合せによって選任できる。 委任状の見本は https://www.wipo.int/en/web/pct-system/forms/pa/index の WIPO ウェブサイトにおいて編集可能な PDF 形式で入手できる。別個の委任状は、受理官庁若しくは国際事務局、又は特に国際調査機関若しくは国際予備審査機関に対する手続のために選任する場合には、その関係機関に提出しなければならない(IP 5.045 項を参照)。包括委任状が、受理官庁として行動する官庁に対し出願人を代表する権能を代理人に与えており、この包括委任が国際出願を行う委任を含んでいる場合には、事前に受理官庁に提出した包括委任状による選任を実行するために、関係する受理官庁がこの要件を放棄していない限り (IP 5.044 項を参照)、その包括委任状の写しを国際出願に添付し、願書の第 IX 欄のその写しの表示をしなければならない。包括委任状は、受理官庁 (国際事務局ではない、ただし国際出願が受理官庁としての国際事務局に対して行われる場合を除く)、又は特に国際調査機関若しくは国際予備審査機関に対する手続のために選任する場合には、その関係機関に寄託しなければならないことに留意されたい (IP 5.045 項を参照)。
    IP 5.044. 国際出願には委任状又は包括委任状の写しの提出が常に要求されるのか。
    規則90.4(d),
    規則90.4(e),
    規則90.5(c),
    規則90.5(d)

    受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関又は国際事務局は、委任状を別個に提出する要件を放棄することができる。更に受理官庁、国際調査機関又は国際予備審査機関は、願書、国際予備審査の請求書又は個別の通知に包括委任状の写しを添付する要件を放棄することもできる。受理官庁又は各機関は、これらの要件を、原則として又は一定の場合にのみ放棄することができる。いずれかの放棄が適用される場合、出願人は別個の委任状又は包括委任状の写しを提出しなくてもよい。この放棄及びそれに関する条件は公示 (PCT 公報) で公表される (更に附属書 C 、 D 及び E も参照)。なお、いずれにしても、他のケースで別個の委任状又は包括委任状の提出要件が放棄されている場合であっても、取下げについては委任状を提出しなければならないので留意されたい。受理官庁が行う放棄は、その官庁についてのみ適用され、 PCT 手続に関連する他の機関すべてに必ず適用されるわけではない。署名の要件については、 IP 5.088 項から IP 5.091 項を参照 。 取下げに関する特別の要件については、 IP 11.048 項から IP 11.061 項を参照。
    IP 5.045. 国際出願を行った後に新たな代理人又は追加代理人を選任できるのか。
    規則90.1(d)(ii),
    規則90.6(b)

    国際調査機関若しくは国際予備審査機関に対して出願人を包括的に又は個別的に代理する更なる代理人を、いつでも選任することができ、包括的に選任された代理人は、代理人を選任する委任状に復代理人を選任することができない旨の記載がなければ出願人を代理する復代理人を選任することができる。新たな代理人の選任は、新たな代理人を選任する委任状に前の代理人を解任しない旨の記載がなければ、前の代理人の解任とみなされる。
    IP 5.046.
    第27条(7),
    規則4.7,
    規則90.3

    受理官庁に対して代理人による代理が必要な場合には (IP 5.041 項を参照)、受理官庁による国際出願の受理及び処理を確実にするために、国際出願の出願時までに代理人を選任することが推奨される。代理人を選任しなければならないという要件の遵守に関する受理官庁の実務は、一般的に国内 (又は広域) 出願の場合における受理官庁の実務と同じである。代理人の選任が義務付けられていなければ、代理人の選任は国際出願時又は後のいずれにおいても行うことができる。
    IP 5.047. 法人の出願人のために願書に署名した者は代理人としてみなされるのか。
    その答えは、法人の出願人に代わり行為するための委任の性質によって異なる。すなわち、その者が、法人の出願人を代表して署名をしたのか、選任された代理人として署名をしたのか、そのいずれかによって異なる。その者の氏名が第 IV 欄に記載され「代理人」のチェックボックスがマークされている場合、その者は代理人とみなされ委任状が要求される場合がある。法人の出願人が第 IV 欄に記載され「共通の代表者」のチェックボックスがマークされている場合には、署名した者を代理人とみなさない。単に共通の代表者としての法人の出願人に対する通信のあて名の一部としてある者が表示されているという事実 (IP 5.051 項を参照) だけでは、その者を代理人としてみなすということを意味しない。
    IP 5.048. 複数の出願人の 1 人が共通の代表者として出願人全員を代表することができるのか。
    規則2.2の2,
    規則90.2

    すべての出願人によって共通の代理人が選任されていない場合には、その出願人の 1 人をすべての出願人の共通の代表者として他の出願人によって選任することができる (IP 11.005 項を参照)。共通の代理人も共通の代表者も選任されていない場合には、受理官庁に対し国際出願を提出する資格を有する最初に記載された出願人を自動的にすべての出願人の共通の代表者と「みなす」解釈がされる (IP 11.006 項を参照)。
    IP 5.049.
    代理人及び共通の代表者に関する規定の詳細な説明は、 IP 11.001 項から IP 11.014 項に記載する。
    IP 5.050. 通知は電子メールで受領するのか。
    願書様式第 IV 欄に電子メールアドレスが表示されている場合には、電子メールによる通知のサービスを提供している受理官庁・国際調査機関 (補充調査のために指定された機関としての権能を含む)、及び国際事務局は、国際出願に関する通知を代理人又は共通の代理人が表示したアドレスに出願人に電子メールで送付し、これによって処理又は郵送における遅滞を回避する。この場合には、関係する官庁が紙形式の確認書を追加的に送付する意向を持たない限り、通常であれば紙形式の通知が郵送されないことに留意されたい。電子メールアドレスが提示されていない場合、又は代理人若しくは共通の代表者が願書様式第 IV 欄の対応するチェックボックスをマークして、通知を郵送のみによって受領することを選択している場合、又は受理官庁若しくは国際調査機関 (補充調査のために指定された機関としての権能を含む) が電子メールによる通知の送付を行わない場合、通知は郵便のみによって所定のあて名に送付される。出願人及び代理人又は共通の代表者の両方に関して電子メールアドレスが表示されている場合、電子メールによる通知は、選任された代理人又は共通の代表者のみに送付される (IP 5.029 項も参照)。
    IP 5.051. どのような場合に、どのように、通知のための特別のあて名を提出できるのか。
    規則4.4(d),
    第108号

    通知は、選任された代理人又は共通の代表者がいればその者に送付される。代理人も共通の代表者も選任されていない場合には、第 II 欄若しくは第 III 欄に記載された出願人 (1 人が出願人として記載されている場合のみ) 又は共通の代表者とみなされる出願人 (出願人として 2 人以上の記載がある場合) のあて名に送付される (IP 5.048 項及び IP 11.006 項を参照)。ただし、出願人が別のあて名に通知を送付するよう希望する場合には、そのあて名を、代理人又は共通の代表者の指定に代えて第 IV 欄に記載しなければならない。この場合には、そしてこの場合に限り、第 IV 欄最下段のチェックボックスにマークしなければならない (すなわち、第 IV 欄の「代理人」又は「共通の代表者」のいずれかのチェックボックスにマークがされている場合には、最下段のチェックボックスをマークしてはならない)。
    第 V 欄 国の指定
    IP 5.052. 国の指定とは何か。
    第4条(1)(ii),
    規則4.9(a)

    国の指定とは、出願人が、その国において又はその国について、自身の発明に関して保護を求めることができる締約国を表示することである。 2004 年 1 月 1 日より後に行われた国際出願については、願書の提出によって、次の事実を自動的に構成する。
    (ⅰ) 国際出願日における、条約によって拘束されるすべての締約国の指定。
    (ii) 国際出願が、第 43 条及び第 44 条が適用される各指定国に関して、その国を指定することによって利用可能なすべての種類の保護の付与を求めている旨の表示。
    (ⅲ) 国際出願が、第 45 条(1)が適用される各指定国に関して、広域特許の付与、そして第 45 条(2)が適用されない限り、国内特許の付与も求めている旨の表示。
    これは、出願人が 2004 年 1 月 1 日以降に発行された願書様式 PCT/RO/101 を使用しなかった場合、又は国際出願日が 2004 年 1 月 1 日以降の日付に変更された場合であっても有効である。
    IP 5.053. すべての PCT 締約国の自動的な指定からいずれかの国を除外できるのか。
    規則4.9(b)
    締約国が自動的にすべて指定される例外として、ドイツ、日本及び韓国は、指定から除外することができる。この例外の理由は、これらの国がその国の指定官庁に適用される国内法令に基づき、その国の指定を含む国際出願であって同国において有効な先の国内出願に基づく優先権を主張しているものについて、当該先の国内出願の効果が消滅する旨の規定が含まれている旨を国際事務局に通告しているからである。したがって、出願人が国内優先権を主張した出願を喪失する不測の事態を避けるよう希望するのであれば、チェックボックスにマークすることができる。この件に関する更なる詳細事項、及びその場合に適用される特定の条件については、これらの国それぞれに関して、附属書 B で説明されている。
    IP 5.054. 欧州特許機構と拡張又は有効化協定を有する国に欧州特許を拡張又は有効化するための手続は、国際出願をすることによって利用できるのか。
    国際出願に基づき与えられた欧州特許は、必要な条件が満たされていれば、欧州特許機構と拡張又は有効化する趣旨の拡張又は有効化協定を有する国に拡張することができる。この手続は、国際出願の願書を提出することによって、欧州特許庁の指定及び拡張又は有効化協定を締結しているすべての国であって PCT 締約国でもある国の国内特許を求める指定を構成する場合に利用することができる。附属書 B (EP) には、このように欧州特許を拡張又は有効化することができる国に関する情報が含まれている。適用される手続の詳細は、国内段階移行時に行う措置及び支払う手数料を含み、欧州特許庁公報に公表されている (No.1 - 2/1994 、 75 から 88 頁、 No.11/1997 、 538 から 542 頁、及び 2/2015 、 A18 から A20)。国内編概要 (EP) も参照。
    IP 5.055. 特許以外の種類の保護を選択可能なのか、可能な場合にはどのようにするのか。
    第4条(1)(ii),
    第4条(3),
    第43条,
    第44条,
    規則4.1(b)(iii),
    規則4.11,
    規則49の2.1

    IP 5.052 項に記載したように、願書を提出することは、第 43 条又は第 44 条が適用される各指定国に関して、その国を指定することによって利用可能なすべての種類の保護の付与を求めている旨の表示を構成する。この種の保護の例としては、発明者証、実用証、実用新案、「小特許」、追加特許、追加証又は追加発明者証などがある。国際段階では、特定の指定官庁について特定の保護を取得するよう希望する旨を表示することができない。その後、求められる保護の種類は、各指定官庁に対する国内段階へ移行する時点でのみ選択することができる。ただし、ある指定官庁について特定の保護の種類を取り下げることは可能であるので留意されたい。各指定国について利用可能な保護の種類については、附属書 B に詳細が記載されている。
    IP 5.056. 原出願があれば国際出願に含まなければならないのか。
    国内段階移行時に、追加的権利 (追加特許、追加証若しくは追加発明者証) を求めている場合、又は出願人が国際出願を継続若しくは一部継続出願として扱うよう希望する場合、出願人はその情報及び原出願若しくは原特許を、指定国の名称に続き「追記欄」に表示することができる (追記欄の第 2 項及び第 3 項を参照)。
    IP 5.056A. 願書に記載された継続若しくは一部継続出願、親出願又は登録について、表示の訂正又は追加ができるのか。
    規則26の4,
    第317号の2,
    第419号の2

    出願人は優先日から 16 か月以内に国際事務局に通知を行うことによって、規則 4.11 でいう表示の願書における訂正又は追加が可能であり、この期間経過後に国際事務局が当該通知を受領した場合であっても、国際公開の技術的準備が完了する前に国際事務局に通知が到達していれば、この期間の最終日に国際事務局が受領したものとみなされる。国際事務局は規則 26 の 4.1 に基づき訂正又は追加された情報があれば出願人に通知する。出願人が規則 26 の 4.1 に基づく通知を受理官庁に提出した場合、受理官庁は通知の受領日を記載し、すみやかに国際事務局に送付する。その後、通知は記載日に国際事務局が受領したものとみなされる。規則 4.11 でいう表示の訂正又は追加を期限内に受領しなかった場合、国際事務局は、その追加又は訂正書面を関係する指定又は選択官庁に直接提出するよう出願人に通知する。
    第 VI 欄 優先権主張及び優先権の回復
    IP 5.057. 先の出願に基づきどのように優先権の主張ができるのか。
    第8条(1),
    規則4.1(b)(i),
    規則4.10

    いずれの国際出願も、工業所有権の保護に関するパリ条約の同盟国、若しくは当該条約の同盟国ではないが世界貿易機関 (WTO) の加盟国である国において行われた、又はその国について行われた、 1 件又は複数件の先の出願に基づき優先権を主張する申立てを伴うことができる
    (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/paris_wto_pct 参照)。なお、パリ条約の同盟国ではないが WTO の加盟国である国において又はその国について行われた先の出願に基づき優先権が主張されている場合、 WTO に加盟していない PCT 締約国は、この優先権主張の効果を承認する必要はない。先の広域機関 (ARIPO 、ユーラシア、欧州、 OAPI 若しくはその他の同様の広域機関であって広域特許の付与について規定しており、その広域特許の少なくとも 1 つの締約国がパリ条約同盟国又は WTO 加盟国でもある場合) に対する出願、又は先の国際出願も、優先権主張の基礎とすることができる。優先権は願書で主張しなければならない。優先権の主張には、先の出願を特定可能とするために必要な表示を含まなければならない。先の出願が国内出願の場合には、その出願を行った国、日付及び番号を記載しなければならない。先の出願が広域出願の場合には、優先権主張にその出願が行われた官庁を記載しなければならない。先の出願の基礎とされた広域特許協定の締約国のすべてが、工業所有権の保護に関するパリ条約 (パリ条約) の同盟国でもある状況、又は WTO の加盟国でもある状況に該当しない場合に限り、当該先の広域出願を行ったパリ条約同盟国若しくは WTO 加盟国の少なくとも 1 か国を、優先権主張に記載しなければならない。先の出願が国際出願の場合には、優先権主張にその国際出願が行われた受理官庁を記載しなければならない。出願先の国、又は該当すれば出願先の官庁を記載する目的で、 2 文字コード (「国名及び 2 文字コード」(附属書 K) 及び IP 5.033 項を参照) を使用することができる。出願後であっても一定の条件に基づき、受理官庁又は国際事務局へ通知を提出することによって優先権主張の補充又は追加をすることができる (IP 6.038 項から IP 6.044 項を参照)。
    IP 5.058.「優先日」とは何を意味するのか。
    国際出願が優先権主張を含む場合、「優先日」は、その優先権が主張された出願の出願日を意味する。国際出願が優先権主張を含まない場合、「優先日」は、国際出願の出願日を意味する。国際出願に 2 つ以上の優先権主張を含む場合、「優先日」は優先権主張の基礎とされた最先の出願の出願日を意味する。
    IP 5.059.「優先期間」とは何を意味するのか。
    規則2.4,
    規則80.5

    「優先期間」とは、国際出願において優先権主張の基礎とされた最先の出願の出願日から 12 か月の期間を意味する。先の出願の出願日はこの期間に含まれない。下記に従うことを条件として、優先権主張を有効とするために、国際出願は常に優先期間内に行わなければならず、行わなければ優先権を失う。なお、一部の場合 (規則 2.4 (b) 及び 80.5 を参照)、更に遅い日に優先権が消滅する。更に、国際出願が優先期間経過後であるが一定の期間内に行われた場合には、 限定された条件に基づき、優先権の回復を請求することができる (IP 5.062 項から IP 5.069 項を参照。ただし、すべての締約国に適用されるわけではない)。
    IP 5.060. 国際出願の優先権の権利を支配する原則は何か。
    第8条(1),
    第8条(2)(a),
    規則4.10

    PCT は、優先権の権利を支配する工業所有権の保護に関するパリ条約第 4 条の規定を変更するものではない。加盟国 WTO は、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS 協定) 第 2 条第 1 項の規定に従いパリ条約第 4 条出願を適用するよう要求される。国際出願は、各指定国における正規の国内出願の効果を有するので、正規の国内出願とまったく同様に他の出願に基づき優先権の主張をすることができ、後の出願における優先権の主張の基礎とすることもできる。 PCT の手続に関する限り、優先権の主張が PCT の規定する期間を計算するための優先日を決定するので優先権の主張は特に重要である。もっとも優先権の主張の有効性は、国際段階で実質的に決定されるものではない (ただし、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章又は第 II 章) を作成するときには、同目的でこの有効性が考慮される)。更に、補充の可能性 (IP 6.038 項から IP 6.044 項を参照) を条件として、優先権主張の基礎となる出願がパリ条約若しくは WTO の加盟国において行われなかった場合、優先期間の満了から 2 か月経過後に国際出願が行われた場合 (IP 5.062 項及び IP 6.038 項を参照)、又は優先権主張がその日付及び状況に応じて国・官庁に関する記載すべき項目を含んでいない場合など、 PCT に基づく手続に関して優先権が主張されなかったものとみなされる。
    IP 5.061. 優先権を主張する場合には、優先日をどのように記載するのか。
    第110号
    国際出願又は通信に記載する日付は、日についてはアラビア数字、月についてはその名称及び年についてはアラビア数字を用いて日月年の順に記載する。願書では、この記載の後、下又は上に、日の数字及び月の数字それぞれを 2 桁のアラビア数字、そして年の数字を 4 桁のアラビア数字で、この順序で、ピリオド、スラッシュ又はハイフンで区切った日付を括弧内に繰り返し記載すべきである (たとえば「 20 March 2006 (20.03.2006)、又は 20 March 2006 (20/03/2006)、又は 20 March 2006 (20 - 03 - 2006)」)。
    IP 5.062. 国際出願を優先期間満了後に行った場合の帰結は何か。
    規則26の2.3
    国際出願の国際出願日が、優先期間の満了の日の後であるが (IP 5.059 項を参照)、当該満了の日から 2 か月以内であれば、優先権の回復を請求しているのか否か (後述を参照)、又は当該請求が受理官庁で許容若しくは拒否されたのか否かと無関係に、 PCT 手続の国際段階に関する限り、優先権主張の無効は宣言されない。当該優先権主張が、国際出願における唯一又は最先の優先権主張である場合には、国際段階における期間すべての計算の基礎とされる。ただし、国際出願において優先権主張が保持されているという事実は、国内段階における優先権主張の有効性を確約するものではない。
    この優先権主張に関して、出願人は受理官庁に対して優先権の回復を請求できる (優先権の回復に関する手続については以下の項を参照)。ただし一部の受理官庁は、当該官庁に適用される国内法令が、この優先権の回復の請求について定めた規定と整合していない旨を規則 26 の 2.3 (j) に基づき国際事務局に通告している。したがって、これらの受理官庁では当該規定を適用しておらず、回復の請求を認めない。規則 26 の 2.3 (a)に基づく当該請求を認めない官庁の一覧は、 WIPO ウェブサイト https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp# R _ 26bis_ 3 _j で確認することができる。国際出願を行う前に、出願人が回復の請求の必要性に気付いている場合には、その限りにおいて当該請求を認める管轄受理官庁に国際出願を行うよう考慮すべきである。たとえば、受理官庁としての国際事務局は当該請求を認めており、 PCT の全締約国の国民又は居住者による国際出願を管轄している。国際出願後に初めて回復の請求の必要性が明らかになった場合、出願人は受理官庁に対して、規則 19.4 (a)(iii) に基づき受理官庁としての国際事務局に国際出願を送付するよう請求することができる。
    IP 5.063. 優先権の回復の請求を行う期間はいつか。
    規則26の2.3(e)
    優先権の回復を請求する要件を満たすための期間は、優先期間の満了の日から 2 か月である。受理官庁が出願人に対し、国際出願を適時に行わなかった理由の陳述を裏付ける申立て又は証拠を提出するよう要求する場合 (IP 5.064 項を参照)、受理官庁は、事情に応じて当該書類を提出するための相当の期間を出願人に認める。
    IP 5.064. 優先権の回復の請求は受理官庁にどのように行うべきか。
    規則4.1(c)(v),
    規則26の2.1(a),
    規則26の2.3

    出願人が優先権の回復を請求する旨の選択肢は、願書様式第 VI 欄に含まれており、これと同様の選択肢がePCT に含まれている。複数の優先権が主張されている場合、出願人は、いずれの優先権主張の回復を請求するのか明らかにする表示を追加するだけでよい。優先権の回復の請求は、受理官庁あての書簡によって願書と別個に行うこともできる。
    優先権の回復請求が認められるためには、次の要件を満たさなければならない。
    - 国際出願には、先の出願の優先権主張を含まなければならない。更に、優先期間の満了の日から 2 か月以内に国際出願が行われなければならない。国際出願の出願時に関係する優先権主張が含まれていない場合には、優先期間の満了から 2 か月以内に (規則 26 の 2.3 (c) 及び(e) を参照)、規則 26 の 2.1 (a) に従い優先権主張を追加しなければならない (IP 6.038 項から IP 6.040 項を参照)。
    - 回復の請求では、優先期間内に国際出願が行われなかった理由を記載すべきである。この理由の陳述は、願書様式中の回復請求の添付書類として別個に提出すべきであり、又は規則 26 の 2.3 (e) に基づく期間内に遅延提出することもできる。理由の陳述は、官庁が適用する回復のための基準のうち出願人が満たそうとしている基準 (附属書 C 及び IP 5.065 項を参照) を考慮して作成すべきである。
    - 該当すれば、規則 26 の 2.3 (e) に基づく期間の満了前に、回復請求手数料を支払わなければならない (優先権の回復の請求について受理官庁が手数料を要求するのか否かについては附属書 C を参照)。手数料の支払期間は、規則 26 の 2.3 (e) に基づく期間の満了後 2 か月まで延長することができる (規則 26 の 2.3 (d))。
    - 受理官庁が要求する場合には、回復の請求に添付して、理由の陳述を裏付ける申立て又はその他の証拠を提出するのが望ましいが、受理官庁からの求めに応じて提出することもできる (規則 26 の 2.3 (f)) (適用される期間については IP 5.063 項を参照)。
    IP 5.065. 受理官庁が適用する回復のための基準は何か。
    規則26の2.3(a),
    規則49の3.1(a),
    規則49の3.1(b)

    回復のための基準は 2 つある。状況により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず優先期間内に国際出願が行われなかった場合、又は、故意ではなく優先期間内に国際出願が行われなかった場合である。該当する規則を適用するすべての官庁は (IP 5.062 項を参照)、これらの判断基準のうち少なくとも 1 つを適用しなければならない。受理官庁が希望すれば、回復の基準 2 つをいずれも適用し、それぞれのケースでいずれの基準を適用するよう求めるのか出願人の選択に任せることもできる。なお、いっそう厳格な基準である「相当な注意」について受理官庁から肯定的な判断を得たほうが出願人にとって有効である。これは、緩い基準である「故意ではない」を用いた肯定的な判断と異なり、「相当な注意」を用いた肯定的な判断はすべての指定国で原則として有効とされるからである。更に受理官庁は、出願人の請求があれば、最初に「相当な注意」の基準を適用し、その後、この基準に適合しないと受理官庁が判断した場合、「故意ではない」の基準を適用することができる。
    IP 5.066. 優先権の回復の請求の理由の陳述には何を記載しなければならないのか。優先権の回復の請求を裏付けるために、どのような追加情報が要求される可能性があるのか。
    規則26の2.3(f)
    理由の陳述には、優先期間内に国際出願を行わなかった理由を表示すべきである。ここには、状況により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず、又は故意ではなく、優先期間内に国際出願が行われなかったと受理官庁が判断することができる、関連するすべての事実及び事情を含むべきである。規則 26 の 2.3 (f) に基づき受理官庁は、理由の陳述を裏付ける申立てその他の証拠を要求すること、又は一部の証拠が既に提出されていれば、追加証拠を提出するよう要求することができる。優先権の回復の請求の理由の陳述、及び状況によってはそれを裏付ける申立て又は証拠を提出する場合、出願人は、国際出願の国際公開後、国際事務局がこれらの書類すべてを原則として PATENTSCOPE 上で公衆の利用可能な状態に置くことに留意しなければならない (例外については IP 5.067 項を参照)。請求それ自体の裏付けに必要ではない私的又は秘密情報があれば、除外しておくことが望ましい。
    IP 5.067. 出願人は優先権の回復の請求に関する特定の書類を国際事務局に送付しないよう請求することができるのか。
    規則26の2.3(hの2)
    通常、受理官庁は、優先権の回復の請求に関して提出された書類すべてを国際事務局に送付する。ただし出願人は、その請求に関する特定の書類又はその一部を送付しないよう理由を示した請求をすることができる。受理官庁は更に、そのような書類を発見した場合、出願人に直接連絡して、送付を省略するための理由を示した請求を行うよう求めることもできる。受理官庁は出願人の請求に基づき、いずれかの書類が国際出願について公衆に周知する目的に明らかに資さず、当該書類の公開又は公衆による利用により、いずれかの者の個人的な又は経済的な利益が明らかに損なわれ、当該書類又はその一部を利用する優先的な公共の利益がないと判断した場合、当該書類又はその一部を国際事務局に送付しない。「相当な注意」の基準を充足している旨を証明するために必要となる不可欠な情報が送付されず、指定・選択官庁で利用することができない場合、出願人による優先権の回復の請求が国内段階で検査され、指定・選択官庁に対して同等の情報を再び提出するよう要求される可能性が高くなることに出願人は留意すべきである。
    IP 5.068. 請求を拒否しようとする受理官庁に意見を述べる機会はあるのか。
    規則26の2.3(g)
    受理官庁が優先権の回復の請求を拒否しようとする場合には、その意向について出願人に通知しなければならない。出願人はその後、拒否の意向に関する通知書 (様式 PCT/RO/158) で指定された合理的な期間内に、拒否の意向に対して意見を述べる機会が与えられる。この通知書は実務上、申立てその他の証拠を提出する求めとともに出願人に送付される。
    IP 5.069. 受理官庁が行った決定の指定官庁における効果は何か。
    規則49の3.1
    受理官庁が「相当な注意」の基準に基づき優先権を回復した場合には、指定官庁が規則 49 の 3.1 (g) に基づき法令が適合しない旨の通知を行わない限り、当該回復は原則としてすべての指定官庁で効力を有する。受理官庁が「故意ではない」の基準に基づき優先権を回復した場合には、当該基準又は出願人からみて当該基準より有利な基準に基づく優先権の回復を規定する指定国において、当該回復は効力を有する。受理官庁が優先権の回復を拒否する場合には、指定官庁が規則 49 の 3.1 (g) に基づき法令が適合しない旨の通知を行わない限り、その指定官庁の法域において回復が不可能であるのかいつでも検査することができる。
    更に、回復の実体要件の 1 つが満たされていることについて合理的な疑義がある限定された状況において、指定官庁は回復の肯定的な決定を検査することができる。たとえば国際段階における関係手数料が支払われていないなど、純粋に方式的な理由に対して検査を行うことはできない。
    IP 5.070. いつ、誰に優先権書類を提出するのか。
    規則4.1(c)(ii),
    規則 17.1,
    規則 17.2(a),
    第411号

    優先日から 16 か月経過前に (出願人が PCT 第 23 条(2) の規定に従い国際出願の早期処理を請求する場合には、その請求前に)、出願人は、(国内、広域、国際出願を問わず) 先の出願の認証謄本を (既に、国際出願とともに受理官庁に提出している場合を除き) 国際事務局又は受理官庁に提出しなければならない。認証謄本については、優先日から 16 か月の経過後であるがその国際出願の国際公開の日前に国際事務局に到達していれば、当該 16 か月の期間の最終日に国際事務局に到達したものとみなされる。この謄本は、先の出願を受理した当局が証明したものでなければならない。この当局が受理官庁と同じである場合、出願人は、認証謄本を提出する代わりに、優先日から 16 か月以内に、その当局に認証謄本を作成し国際事務局に送付するよう請求することができる。この場合には、受理官庁に支払う通常の手数料を、送付の請求時に支払うべきである。出願人にとって最も簡単な方法は、国際出願時に、同目的で願書様式 PCT/RO/101 に設けられている第 VI 欄のチェックボックスをマークしてこの請求を行うことである。更に、規則 17.1 (bの 2) 及び第 715 号(a) の規定に従い国際事務局が電子図書館から優先権書類を入手することができる場合、出願人は国際公開日前に、この電子図書館から優先権書類を取得するよう国際事務局に請求することができる (IP 5.070B 項を参照)。国際事務局はこの業務について手数料を課さない。出願人にとって最も簡単な方法は、国際出願時に、同目的で設けられている第 VI 欄のチェックボックスをマークして、この請求を国際事務局又は受理官庁に行うことである。
    IP 5.070A. 自身の先の出願が電子図書館から PCT 制度で利用可能であることをどのように知ることができるのか。
    PCT 制度において唯一利用可能な「電子図書館」は、 WIPO 優先権書類デジタルアクセスサービス (DAS) である。このサービスは、国際事務局及び多数の国内官庁の受理官庁に対し提出された先の出願書類を優先権書類としての利用のために入手可能としている。ただし、国内官庁間で相互に優先権書類を相互利用する一部のシステムと異なり、出願人が後述する方法によって自身の書類を入手可能とする特別の手段を講じた場合に限り、先の出願書類を入手することができる。
    IP 5.070B. 電子図書館、特に DAS を利用して国際事務局が優先権書類を取得可能とするためには、どのような手段を講じる必要があるのか。
    国際事務局が先の出願を利用できる状態とするために出願人が従わなければならない手続上の手段は DAS ウェブサイト https://www.wipo.int/das/en/description.html 及び参加庁の各ウェブサイト (https://www.wipo.int/das/en/participating_offices.html からリストを参照) に記載されている。この手段を講じることによって出願人はアクセスコードを取得する。その後に出願人は第 VI 欄の適切なチェックボックスをマークして、それぞれ特定した優先権書類のアクセスコードを表示すべきであり、又はこの情報を含む書簡を国際事務局に提出すべきである。
    IP 5.070C. DAS を利用して取得可能な先の出願書類を国際出願とするためには、どのような手段を講じる必要があるのか。
    出願人は他の官庁 (第 2 庁) に特許出願を行う時点で国際出願から優先権を主張することもできる。国際出願を国際事務局の受理官庁に対して行った場合、出願人はこの受理官庁に書簡を送付して出願書類が DAS を利用して取得可能とするよう請求し、次に DAS から出願書類を取得するよう第 2 庁に請求することができる。他の受理官庁に対して行った国際出願については https://www.wipo.int/das/en/participating_offices.html から官庁のリストをチェックして、特定の参加官庁が、国内出願に加え、その受理官庁に対して行われた国際出願を DAS から取得可能としているのか否かについて確認すべきである。
    IP 5.070D.
    国際事務局は、出願人に優先権書類を受領又は取得した日を通知する。指定官庁は、国際事務局に対して優先権書類の謄本を請求することができる。出願人が先の出願の謄本を提出している場合、又は謄本の送付若しくは取得を請求して上述した所定の手数料を支払っている場合、指定官庁は、出願人に先の出願の認証謄本の提出を要求することができない。いずれの場合でもなく、優先権を主張している先の出願が国内官庁としての権能を有する指定官庁に対して提出されていない場合、又は指定官庁が電子図書館から優先権書類を利用することができない場合、指定官庁は優先権の主張を無視することができる。ただし指定官庁は、状況において合理的な期間内に優先権書類を提出する機会を事前に出願人に与えなければならない。出願人が優先権書類 (優先権証明書を含む) の (証明不要の) 写し 1 通を提出する義務については、 NP 5.009 項及び関係する国内編を参照。
    IP 5.071.
    規則 17.2(b)
    国際公開後の優先権書類の写しの入手に関する情報については、 IP 9.023 項を参照。
    第 VII 欄 国際調査機関
    IP 5.072. 出願人は国際調査機関の選択を表示する必要があるのか。
    規則4.1(b)(iv),
    規則4.14bis

    国際調査を管轄する国際調査機関が 2 つ以上ある場合、出願人は、選択した国際調査機関を第 VII 欄の適当な余白に表示しなければならない。管轄国際調査機関の詳細については附属書 C 及び IP 7.002 項を参照。
    IP 5.073. 国際調査機関に先の調査の結果を考慮するよう請求できるのか。
    規則4.1(b)(ii),
    規則4.12,
    規則12の2,
    規則 16.3,
    規則23の2,
    規則41.1

    国際調査を行うとき、出願人が、先の国際、国際型又は国内調査の結果を考慮するよう国際調査機関に請求しており(規則 4.12)、規則 12 の 2.1 に基づく要件をすべて満たしている場合であって、当該先の調査が、国際調査機関として行動する官庁と同一の官庁で行われた場合、その国際調査機関は、当該先の調査の結果をできる限り考慮しなければならない (規則 41.1 (i))。ただし他の国際調査機関又は国内 (若しくは広域) 官庁が先の調査を行っている場合、国際調査機関は、先の調査の結果を考慮するのか否かを選択することができる (規則 41.1 (ii))。国際調査機関は、先の調査の結果を考慮する範囲において、第 16 条(3)(b) に基づく取決めで定める程度及び条件に基づき、調査手数料を減額しなければならない (規則 16.3)。国際調査機関は、この調査手数料を減額する程度及び条件について自由に定めることができる。第 16 条(3)(b) に基づく取決めの全文については次のウェブサイトを参照されたい https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements (更に IP 5.198 項も参照)。
    先の調査の結果を国際調査機関が考慮するよう出願人が請求するための選択肢は願書様式第 VII 欄の続き (項目 1) に含まれており、これと同様の選択肢がePCT に含まれている。出願人は、第 VII 欄の続き (項目 1) の対応するチェックボックスをマークし、先の調査が行われた先の出願を (国内、広域又は国際のいずれであれ) 出願日、出願番号及び出願国によって特定するだけでよい。
    規則12の2.1(a)
    出願人は一般的に、先の調査の結果を考慮するよう請求するのであれば、出願時に先の調査の結果の写しを国際出願に添付して、受理官庁に提出すべきである。もっとも次の場合、出願人は先の調査の結果の写しを提出する必要はない。
    規則12の2.1(c)
    - 先の調査が同一の国際調査機関又は国際調査機関として行動する官庁と同一の官庁によって行われた場合。
    規則12の2.1(b)
    - 先の調査が願書様式第 VII 欄で選択した国際調査機関によって行われなかったが、受理官庁として行動する官庁と同一の官庁によって行われた場合。この場合に出願人は、願書様式第 VII 欄の続き (項目 1) のチェックボックスにマークすることによって、受理官庁に対して、先の調査の結果を作成して国際調査機関に直接送付するよう請求することができる。この請求は手数料の支払を条件とすることができる。
    規則12の2.1(d)
    - 先の調査が受理官庁又は国際調査機関によって行われなかったが、当該先の調査の結果の写しが、受理官庁又は国際調査機関が認めた形式及び方法で、たとえば電子図書館により当該官庁又は機関が入手可能である場合において、出願人が当該事実について願書様式第 VII 欄の続き (項目 1) の対応する部分に記載した場合。
    出願人は、複数の調査結果を考慮することを希望するのであれば、それぞれの先の調査すべてについて、上述した事項を特定しなければならない。更に出願人は、複数の先の調査の結果を考慮することを国際調査機関に請求するのであれば、願書様式の第 VII 欄の続き「先の調査及び先の分類の結果の利用」を含む用紙を必要枚数だけ複製し、「第 VII 欄の続きの項目 1 の続葉」と記入することによって要件を満たし、先の出願それぞれの必要情報を提供すべきである。
    IP 5.073A. 国際調査機関は先の調査に関して受理官庁が送付したもの以外の書類を提出するよう出願人に要求することができるのか。
    規則4.12,
    規則12の2.2

    出願人が既に手続している場合を除き、国際調査機関は、先の出願の写し、(必要であれば) 国際調査機関が認める言語による当該先の出願の翻訳文、(必要であれば) 国際調査機関が認める言語による先の調査の結果の翻訳文の提出、先の調査の結果に列挙された文献の写しの提出を求めることができる (様式 PCT/ISA/238)。ただし次の場合、国際調査機関は、上述した書類又はその一部の提出を出願人に求めることができない。
    規則12の2.2(b)
    - 先の調査が同一の国際調査機関又は国際調査機関として行動する官庁と同一の官庁によって行われた場合。
    規則12の2.2(c)
    - 出願人が願書様式第 VII 欄の続き (項目 1) のチェックボックスにマークすることによって、国際出願が、異なる言語で出願されたことを除いて先の調査が行われた先の出願と同一又は実質的に同一である旨を申し立てている場合、国際調査機関は、先の出願の写し又はその翻訳文を要求することができない。
    規則12の2.2(b)
    - 国際調査機関が利用可能な形式及び方法で、先の出願又は先の調査の結果に列挙された文献の写し、先の出願の翻訳文、又は先の調査の結果の翻訳文が、当該国際調査期間が認めた形式及び方法で入手可能であり、出願人が願書様式第 VII 欄の続き (項目 1) のチェックボックスをマークすることによりその旨を記載していた場合。
    IP 5.073B. 出願人が先の調査の結果を考慮するよう請求していない場合についても、受理官庁は先の調査及び先の分類の結果を国際調査機関に送付するのか。
    規則23の2.2(a),
    規則41.2

    国際出願が先の出願の優先権を主張している場合、出願人が願書様式第 VII 欄の続きの項目 1 に何ら記載していなくても、先の出願が受理官庁として行動する官庁と同一の国内又は広域官庁に出願されており、かつ、当該官庁が当該先の出願についての先の調査を行った場合には、受理官庁は、先の調査及び先の分類の結果の写しを国際調査機関へ送付しなければならない (ただし、そのような写しが国際調査機関によって入手可能である場合を除く)。先の出願が異なる官庁に出願されたが、受理官庁が当該先の調査及び先の分類の結果を入手可能である場合には、受理官庁は先の調査及び先の分類の結果の写しを送付することができる。受理官庁は、国際出願の出願時に先の調査及び先の分類の結果を入手可能である場合に限り、その送付が義務づけられる。
    規則23の2.2(e)
    一部の官庁は、出願人の承諾を得ずに先の調査及び先の分類の結果の写しを送付することは国内法令に適合しない旨を国際事務局に通告している (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp 参照)。国際事務局にその旨を通告している受理官庁に国際出願を行う場合であっても、出願人は願書様式第 VII 欄の続きの項目 2.3 の最初のチェックボックスにマークすることによって、受理官庁が先の調査及び先の分類の結果を国際調査機関に送付することを承諾できる。この状況に該当するのは、次の受理官庁に国際出願を行う場合のみである: オーストラリア特許庁、フィンランド特許登録庁 (PRH)、ハンガリー知的財産庁 (HIPO)、産業財産庁 (チェコ共和国)、シンガポール知的財産庁、イスラエル特許庁、日本国特許庁 (JPO)、ノルウェー産業財産庁、スウェーデン知的財産庁 (PRV)、米国特許商標庁 (USPTO)。
    先の調査が国際出願に関するものであり、当該先の調査が願書様式第 VII 欄で選択した国際調査機関と異なる国際調査機関によって行われた場合、出願人は願書様式第 VII 欄の続きの項目 2.3 の 2 番目のチェックボックスにマークすることによって、受理官庁が先の調査及び先の分類の結果を願書様式第 VII 欄で選択した国際調査機関に送付することを承諾できる。
    IP 5.073C. 出願人は先の調査の結果を国際調査機関に送付しないよう受理官庁に請求できるのか。
    規則23の2.2(b)
    一部の官庁は、出願人の請求により、国際調査機関に先の調査の結果を送付しないことを決定することができる旨を国際事務局に通知している (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp 参照)。その旨を国際事務局に通知している受理官庁、すなわち、フィンランド特許登録庁 (PRH)、ドイツ特許商標庁、スウェーデン知的財産庁(PRV) に国際出願を行う場合、出願人は願書様式第 VII 欄の続きの項目 2.2 のチェックボックスにマークすることによって、先の調査の結果を国際調査機関に送付しないよう受理官庁に請求することができる。
    IP 5.073D. 出願人が規則 4.12 に基づく請求を行っていない場合、国際調査機関は先の調査の結果を考慮するのか。
    規則41.2
    国際出願が、国際調査機関として行動する官庁と同一の官庁によって調査が行われた先の出願に基づく優先権の主張を伴う場合には、当該国際調査機関は、国際調査を行うに当たり当該先の調査の結果を考慮しなければならない。受理官庁が先の調査又は先の分類の結果の写しを国際調査機関に送付した場合、又は、当該写しが、たとえば電子図書館により当該国際調査機関が入手可能である場合には、当該国際調査機関は、国際調査を行うに当たりこれらの結果を考慮することができる。
    第 VIII 欄 申立て
    IP 5.074. 何の申立てを第 VIII 欄ですることができ、第 VIII 欄(i) から (v) までに含むことができるのか。
    出願人は 1 つ又は複数の指定国で適用される国内法令に関して、所定の標準文言を使用して第 VIII 欄(i) から (v) までの関連する欄 (これはすべて選択的な申立て用紙である) に記載することによって、下記の規則 4.17 に基づくいずれかの申立てを含むことができる。
    規則4.17(i),
    規則51の2.1(a)(i)

    - 第 VIII 欄 (i) : 発明者の特定に関する申立て (発明者の氏名又は名称及びあて名がその他の方法で、すなわち、通常では第 II 欄・第 III 欄に記載されている場合には、この申立てをする必要はない)
    規則4.17(ii),
    規則51の2.1(a)(ii)

    - 第 VIII 欄 (ii) : 出願し及び特許を与えられる国際出願日における出願人の資格に関する申立て (国際出願日後に初めて出願人の資格を取得した場合、この申立は適用されない)
    規則4.17(iii),
    規則51の2.1(a)(iii)

    - 第 VIII 欄 (iii) : 先の出願の優先権を主張する国際出願日における出願人の資格に関する申立て (国際出願日後に初めて出願人の資格を取得した場合、この申立は適用されない)
    規則4.17(iv),
    規則51の2.1(a)(iv)

    - 第 VIII 欄 (iv) : 発明者である旨の申立て (米国に関してのみ有効) (出願が国内段階に移行した後は発明者との連絡が更に困難になるおそれがあるので、国際段階で発明者である旨の申立てを行っておくことが有益であろう)
    規則4.17(v),
    規則51の2.1(a)(v)

    - 第 VIII 欄 (v) : 不利にならない開示又は新規性喪失の例外に関する申立て
    IP 5.075. 申立ての目的は何か。
    規則4.17,
    規則51の2.1,
    規則51の2.2

    規則 4.17 にいう申立ての目的は、出願人が規則 51 の 2.1 に規定する指定官庁の国内要件の一部を国際段階で予め充足させることである。多くの指定官庁の国内法令では、国内段階において、たとえば出願し及び特許を与えられる出願人の資格など特定の事項に関する書類又は証拠の提出を出願人に要求している。出願人は一般的に、国際段階で規則 4.17 に基づく申立てを行うことによって、このような要件を有するいずれかの国内官庁に対して、その申立ての対象である特定の事項に関する書類又は証拠を提出する必要がなくなる。たとえば出願人が国際段階で規則 4.17 (ii) に関する申立てを行った場合、出願人は一般的に、出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する書類又は証拠 (たとえば発明者から出願人への権利移転を示す譲渡書類) の提出を国内法令に基づき要求している国内官庁に対して、そのような更なる書類又は証拠を国内段階で提出する必要がなくなる (IP 5.081 項も参照)。 PCT は国際段階で申立てを行うよう要求していないが、申立てを行う場合には標準文言によって作成すべきである (IP 5.076 項から IP 5.078 項参照)。これ以外の申立ては第 VIII 欄(i) から(v) のいずれにも含んではならない。
    IP 5.076. 申立てを願書中にどのように記載するのか。
    規則4.17,
    第211号,
    第212号,
    第213号,
    第214号,
    第215号

    申立てはそれぞれ適切な用紙 (第 VIII 欄(i) から(v) まで) に行うべきである。「申立て用紙続葉」(第 VIII 欄(i) から(v) までの続き) は、いずれか 1 件分の申立てが対応する用紙に適合しない場合に使用すべきである。申立ては第 211 号から第 215 号までに規定される標準文言を使用して記載しなければならない。米国の指定における発明者である旨の申立てに関する場合 (詳細については IP 5.077 項を参照) を除き、出願人は適合する標準文言によるこれらの項目及び要素を選択し、その事項における事実、事象の時系列などを考慮して、これを適切な順序で配置しなければならない。この申立てを行う場合の詳細な手引が願書様式の備考に含まれている。申立てを行わない場合には、いずれの申立て用紙も願書に含んではならない。
    IP 5.077. 米国の指定に関して、発明者である旨の申立ての文言はどこに記載されているのか。
    規則4.17(iv),
    第214号(a),
    第214号(b)

    米国のみを指定する場合に使用される発明者である旨の申立ての文言については、第 214 号に定める文言を使用しなければならず、いかなる部分も省略又はその様式で使用されている順序以外では記載することが許されないので、願書様式の第 VIII 欄(iv) に予め印刷されている。国際出願日後にこの申立てを行う場合には、申立てに追加して、 PCT 出願番号をその目的で設けられた余白に記載しなければならない。更に、発明者が複数人いる場合には、同一の申立書 (の写し) に発明者全員が署名していない場合であっても、すべての発明者を含む完全な申立てにすべての発明者が署名及び日付を記入し、各発明者の氏名、居所及び住所を記載しなければならない。
    IP 5.078. 申立ての標準文言を常に使用しなければならないのか。
    規則51の2.2
    標準文言を常に使用すべきであり、そうでなければ指定官庁は国内段階で新たな申立て又は更なる証拠を提出するよう出願人に要求することができる。ただし国際事務局は、申立てが標準文言で行われていなかった場合であっても、その申立てを公開するので留意されたい。その場合の申立てを認めることができるのか否かは、関係する指定官庁それぞれの決定による。すなわち、その申立てを指定官庁が認めるのか否かについて出願人は何の保証も得られないことになる。特別な状況において規則 4.17 に基づく標準文言が適切でない場合、出願人は国内段階で要件を満たすことを検討すべきである。
    IP 5.079. 規則 4.17 に基づく申立てには署名しなければならないのか。
    規則4.17(iv),
    第214号(a),
    第214号(b)

    米国を指定する場合の発明者である旨の申立てに限り、すべての発明者が署名及び日付を記入しなければならない。その他の申立てに署名は不要である。
    IP 5.080. すべての指定官庁は国内法に基づき規則 4.17 に基づく申立てを認めるのか。
    規則51の2.2
    特別の国内要件を有するすべての指定官庁が PCT に基づきこの申立てを認めている。いずれの国が各申立てについて実体的な情報を要求しているのかに関する情報は、関係する指定官庁の対応する国内編 (概要) の「 国内官庁の特別の要件 」及び国内段階の NP 5.003 項から NP 5.005 項を参照。
    IP 5.081. 指定官庁は国内段階で更なる証拠を要求することができるのか。
    規則51の2.2
    問題となる申立てが規則 4.17 (i) から (iv) までのいずれか 1 つに該当する場合には、その申立てが真実であることを疑う合理的な理由がない限り、指定官庁はその申立ての対象に関する書類又は証拠を要求することができない。ここでいう申立てが規則 4.17 (v) に該当するものであれば、不利にならない開示及び新規性喪失の例外に関する問題は特許性の実体的な問題であるため、指定官庁は更なる書類又は証拠を要求することができる。なお、申立てが行われたという事実それ自体は、申し立てられた事項を立証するものではない。その事項の判断は適用される国内法令に従い指定官庁に委ねられている。
    IP 5.082. 指定官庁は、自己に関係する申立てをどのように受領するのか。
    規則48.2(a)(x),
    規則48.2(b)(iv)

    すべての申立ては公開された国際出願 (IP 9.015 項を参照) の一部を構成するので、関係する各指定官庁に別個の送達は行われない。
    IP 5.083. 第 VIII 欄のチェックボックスの目的は何か。
    第 VIII 欄のチェックボックスは、行われた申立てがその事案に従い第 VIII 欄(i) から (v) までのものに対応しているのか受理官庁が検証できるように、出願人が記入すべきである。
    国際出願時に出願人が申立てを行わないことを選択した場合又は出願時に申立てを利用することができなかった場合には、願書に申立てのための選択的な用紙を含んではならず、第 VIII 欄に含まれるチェックボックスをマークしてはならない。
    IP 5.083A. 規則 4.17 の申立ては国際段階で補充又は追加することができるのか。
    規則26の3.1
    国際事務局に提出する通知によって申立ての補充又は新たな (欠落している) 申立ての追加をすることができる。更なる詳細については IP 6.045 項から IP 6.050 項を参照。ただし申立ては 、いったん行った後に取り下げることができないので留意されたい。
    第 IX 欄 照合欄
    IP 5.084. 照合欄の目的は何か。
    規則3.3,
    第313号

    第 IX 欄は、国際出願を構成する書類・国際出願に添付される書類を受理官庁が確認し、特に出願時の国際出願に、(a) から (f) までに記載の紙形式による用紙が実際に含まれているのかチェックすることができるように、出願人が記入すべきである。
    IP 5.085.
    国際出願の各要素を構成する各用紙の実際の枚数及びその合計を記載すべきである (用紙の番号の付け方については IP 5.012 項を参照)。願書の用紙については、少なくとも 4 枚ある (「第 1 用紙」、「第 2 用紙」、「第 3 用紙」及び「最終用紙」)。 1 枚又は複数枚の選択的用紙 (第 III 欄の「続葉」、又は「追記用紙」、「申立て用紙」又は「申立て用紙続き」) を用いる場合、枚数は更に増加する。
    IP 5.086.
    第27条(2),
    規則 13の2,
    規則51の2.1,
    第209号

    第 IX 欄の記入方法及び国際出願に添付して提出する必要がある書類の種類の詳細については、願書様式の備考を参照。指定官庁に関する一部の事項の詳細については、国内編を参照。
    IP 5.087.
    規則3.3(a)(iii),
    規則8.2,
    第201号

    更に出願人は、要約とともに公表する図 (もしあれば) の番号を第 IX 欄に記載しなければならず (IP 5.170 項を参照)、併せて国際出願をした言語も記載することが望ましい。
    第 X 欄 出願人又は代理人の署名
    IP 5.088. 誰が、いつ国際出願に署名するのか。
    規則4.1(d),
    規則4.15,
    規則26.2の2(a),
    規則51の2.1(a)(vi),
    規則90.3

    出願人、又は出願人が 2 人以上の場合にはすべての出願人が、国際出願の願書の第 X 欄に署名しなければならない。ただし、出願人が 2 人以上の場合には、願書に出願人の少なくとも 1 人による署名があれば、受理官庁は欠落している署名を提出するよう出願人に求めることはない。もっとも、この場合であっても、指定官庁によっては、その官庁に適用される国内法令に基づき、その指定国についての出願人であって願書に署名していない者が署名することによって、国際出願を確認するよう要求することができるので留意されたい。 IP 5.089 項に記載した所定の条件を満たす場合には、出願人に代わって代理人が署名することができる。
    IP 5.089. 代理人は国際出願に署名することができるのか。
    規則2.1,
    規則4.1(d),
    規則4.15,
    規則90.3,
    規則90.4,
    規則90.5

    代理人は国際出願に署名することができるが、この場合の代理人は、出願人自身が署名した個別の委任状によって代理人として選任される必要がある。受理官庁が委任状を別個に提出する要件を放棄していない限り、委任状を受理官庁に提出しなければならない (IP 5.041 項から IP 5.051 項、及び IP 11.001 項から IP 11.014 項を参照)。出願人が 2 人以上の場合には、すべての出願人又は一部の出願人のみのために、代理人が願書に署名することができる。この場合の代理人は、その出願人が署名した 1 通又は 2 通以上の委任状によって代理人として選任される必要がある。国際出願に署名する代理人を選任する委任状がなく、受理官庁が委任状を提出するよう要求している場合には、委任状が提出されるまで、署名はないものとして扱われる。包括委任状については、 IP 5.043 項及び IP 11.009 項を参照。
    IP 5.090. 国際出願にどのように署名するのか。
    署名は鮮明に複写できるよう、黒色の消えにくいインクで署名すべきである。国際出願に署名する各人の氏名を署名の次に記載すべきである (タイプ印書が望ましい)。法人を代表して署名する場合には、署名をする者の資格も記載すべきである。
    IP 5.091. どのような場合に署名に代えて印鑑を使用できるのか。
    規則2.3
    受理官庁としての中国国家知識産権局 (CNIPA)、日本国特許庁 (JPO) 及び知識財産処 (MOIP) (韓国) に対して行われた国際出願では、署名に代えて押印することができる。
    願書様式の備考
    IP 5.092. 願書様式の備考とは何か。
    願書様式の備考は、願書様式の記入の便宜となることを意図している。この備考には、願書様式の各欄について、何を記載する必要があるのか、どのように記載するのかについて記載されている。しかし、この備考を願書とともに提出する必要はないし、願書の一部として数えてはならない。
    手数料計算用紙
    IP 5.093. 手数料計算用紙とは何か。
    手数料計算用紙は、出願人が受理官庁に支払う手数料の総額を計算する助けとなるものである。通常、この用紙は、出願人が受理官庁から受け取る願書様式に添付されている。しかし、この用紙は、願書様式の一部でなく、願書の用紙として数えないし、この用紙を使用することも必須でない。しかし、出願人が手数料計算用紙に記入して受理官庁に提出することが強く推奨される。これは、受理官庁が手数料の計算をチェックし、計算ミスを特定する助けになるからである。 2 つ以上の国際調査機関が国際調査の管轄を有する場合には (IP 7.002 項を参照)、出願人が選択し願書様式の第 VII 欄 (IP 5.072 項を参照) に表示した国際調査機関を、適用される調査手数料の額 (IP 5.187 項を参照) とともに手数料計算用紙にも表示すべきである。手数料計算用紙の記入の詳細については手数料計算用紙の備考を参照。一般的な手数料の支払に関する情報については、 IP 5.184 項から IP 5.199 項を参照。
    明細書
    IP 5.094. 明細書はどのように作成するのか。
    第5条,
    規則5,
    第204号

    明細書には、当該技術分野の専門家が実施することができる程度に明確かつ十分に、発明を開示しなければならない。明細書には、願書の第 I 欄に記載されている発明の名称から記載すべきである。規則 5 は、通常 6 つの部分からなる明細書の「記述方法及び順序」に関する詳細な要件を規定している。これらの 6 つの部分は、次の見出しを付すべきである。「技術分野」、「背景技術」、「発明の開示」、「図面の簡単な説明」、「発明を実施するための最良の形態」又は、適当であれば (IP 5.096 項を参照)、「発明を実施するための形態」及び「産業上の利用可能性」。
    IP 5.095.
    発明の開示に要求される当該技術分野の専門家が実施できる程度の詳細さは国内官庁の運用によって異なる。したがって、明細書を作成する場合には、国内の運用 (たとえば、日本及び米国における運用) を十分考慮することが推奨される。そうすれば、国内段階 (IP 5.111 項を参照) において必要な明細書の補正を回避することができる。
    IP 5.096.
    規則5.1(a)(v)
    IP 5.095 項で述べたことは、「発明を実施するための最良の形態」の記載要件についても同様である。少なくとも 1 つの指定官庁 (たとえば、米国特許商標庁) が「最良の形態」の記載を要求している場合には、最良の形態を明細書に記載しなければならない。
    IP 5.097.
    IP 5.094 項から IP 5.096 項で述べたことを十分考慮して作成された明細書は、すべての指定官庁で認められる。この明細書の作成は、国内特許出願を作成するときより多くの注意を必要とするが、複数国の出願に PCT ルートを利用しないで複数の出願を作成する場合に必要な労力より少ない。
    IP 5.098.
    請求の範囲における発明の単一性についての要件は、 IP 5.114 項から IP 5.123 項で述べる。
    IP 5.099. 明細書の配列表部分についてどのような特別の要件があるのか。
    実施細則附属書C,
    規則12.1(d),
    規則5.2,
    第208号,
    第513号

    国際出願に、実施細則附属書 C に基づき配列表中に記載することが要求されるヌクレオチド・アミノ酸の配列の開示が含まれている場合には、附属書 C で規定する標準 (WIPO 標準 ST.26) に準拠する明細書の配列表部分を含まなければならない。 WIPO 標準 ST.26 に基づき、配列表は XML 形式によるものが要求される。配列表中に言語依存フリーテキストが含まれている場合には、その目的で受理官庁が認める言語によって提出しなければならない。受理官庁が認める場合には、同一の配列表内で、英語及びその他の言語、すなわち 2 言語による同一の言語依存フリーテキストを提出することができる (各受理官庁の要件については PCT 出願人の手引、附属書 C を参照されたい)。国際調査の目的で提出するものを含むヌクレオチド・アミノ酸の配列表に関する更なる詳細については、 IP 7.005 項から IP 7.012 項を参照。
    IP 5.100. 配列表を含む国際出願は、どのように行うことが最善なのか。
    実施細則附属書C,
    実施細則附属書F,
    規則19.4(a)(iiの2),
    第208号,
    第702号

    国際出願の一部を構成する配列表を含む国際出願は、配列表を XML 形式で電子的に提出するよう要求されていることから、電子形式で行うことが最善である。出願として望ましい方法は、電子文書形式による方法、電子形式の国際出願に関して受理官庁が認める送付手段による方法である (附属書 F)。 XML 形式によって提出された配列表を認めない受理官庁は、規則 19.4 に基づき受理官庁としての国際事務局に国際出願を送付する。配列表は実施細則の附属書 C に従い作成したもの (WIPO 標準 ST.26 準拠) が要求され、 WIPO Sequenceソフトウェアを使用して作成することが望ましい (IP 5.104 項を参照)。出願人は、主要部分を紙形式で作成し、配列表を別個に電子形式で別個に作成した、国際出願書類の提出を控えるよう強く要請される。国際出願を紙形式で行う場合には、 XML 形式の配列表を (たとえば電子媒体によって) 国際出願に添付することが要求される。
    IP 5.101. 配列表の提出手数料はどのように計算するのか。
    規則 13の3.1,
    料金表,
    第707号,
    実施細則附属書C

    WIPO 標準 ST.26 に従い XML 形式で提出された配列表について、頁手数料の支払は不要である。
    IP 5.102. 配列の開示と思われる別個の電子ファイルが XML 形式以外で提出された場合にはどうなるのか。
    実施細則附属書C
    IP 5.099 項及び IP 5.100 項で説明したように、明細書の配列表部分が含まれる場合には WIPO 標準 ST.26 に準拠した XML 形式で提出しなければならない。出願人が出願時に、 XML 以外の形式 (たとえば PDF 又は WIPO 標準 ST.25 の TXT 形式) によって配列を開示する別個の電子ファイルを添付していた場合、受理官庁は出願人に通知を行い、各用紙の内容を明細書の主要部分に追加することを希望しているのか確認を求める。出願人がそのような意思を有する場合には、ファイルの内容が明細書の一部を構成する旨の確認を受理官庁に対して行い、そのファイルが明細書の主要部分のために認められる形式でなければ、その形式 (たとえば PDF) による内容を再提出しなければならない。一部の受理官庁はファイルを認められる形式に直接変換し、出願人に確認を求めることもある。明細書の主要部分として追加された各用紙は国際出願手数料の計算において考慮される。出願人は事後的に (第 34 条に基づき又は国内段階移行時に) 明細書を補正し、 WIPO 標準 ST.26 に準拠した明細書の配列表部分を取り入れることができる。出願人が確認しなかった場合、又は 30 枚を超える各用紙に適用される手数料を支払わなかった場合、出願時に提出されたファイルの内容は無視され、国際出願の一部を構成しないものとされる。
    IP 5.103. すべての受理官庁は、電子形式による配列表の提出を認めるのか。
    規則19.4(a)(iiの2)
    電子形式による国際出願を認める用意がある受理官庁は附属書 C に記載されている。 XML 形式によって提出された配列表を認めない受理官庁は、規則 19.4 に基づき受理官庁としての国際事務局に国際出願を送付する。
    IP 5.104. 国際事務局は、電子形式の配列表を作成するために何らかのソフトウェアの使用を推奨しているのか。
    所定の標準に準拠していることを確約する目的で、配列表は WIPO Sequence を使用して (https://www.wipo.int/standards/ja/sequence/index.html の WIPO ウェブサイトからダウンロード可能) 作成すべきである。
    IP 5.105. 明細書の様式上の要件とは何か。
    規則 11,
    第109号

    規則 11 は、国際出願において満たさなければならない様式上の要件を規定している。用紙は、 A4 サイズ、白色、耐久性のあるものでなければならない。用紙の余白は、少なくとも上端、下端及び右端に 2 センチメートル並びに左端に 2.5 センチメートルとし、下端及び右端が 3 センチメートル並びに上端及び左端が 4 センチメートルを超えてはならない。余白は、完全な空白としておかなければならない。ただし、用紙の上端から 1.5 センチメートル以内の上端の余白の左隅部に、出願人は 25 文字以内の書類番号を付すことができる。書類番号は、ラテンアルファベット若しくはアラビア数字、又はその両方によって構成することができる。英数字の間を分離するためにハイフン (-) を使用することができる。明細書の記載事項は、大文字の大きさが縦 0.28 センチメートル以上の文字で記載しなければならない。
    IP 5.106. 頁及び行の番号をどのように付けるのか。
    規則11.7,
    規則11.8,
    規則11.9,
    第207号

    頁の番号は、用紙の 2 センチメートルの余白を除く上端又は下端の中央に付す (すなわち、頁の番号は、用紙の上端であれば 2 センチメートルの余白の下、用紙の下端であれば 2 センチメートルの余白の上でなければならない)。各用紙には 5 行目ごとに番号を用紙の左端の余白の右半分に付すことが強く推奨される。明細書はタイプ印書又は印刷する。タイプ印書による場合、行の間隔は、 1.5 文字の幅とし、直接に複製できるような暗色の退色性のない色で記載しなければならない。大文字の大きさは、縦が 0.28 センチメートル以上でなければならない。
    IP 5.107. 化学式又は数式はどのように作成するのか。
    規則 11.9(b),
    規則 11.10(b)

    明細書、請求の範囲及び要約に化学式又は数式を含むことができる。このような式は手書き又は必要であれば作図によって表示することができるが、ステンシルや転写などの適切な製図用具又は素材を使用することが推奨される。実務上の理由から、複数の式を明細書中の 1 枚又は複数枚の用紙に一括して表示し、これに明細書と通しの頁番号を付すことができる。この場合には、それぞれの式を参照符号で特定し、必要に応じて明細書にその式の引用を記載することが推奨される。化学式又は数式は、一括して、請求の範囲の後に図面として掲載することもできる。この場合には、化学式又は数式は図面の要件を満たすように作成しなければならず、用紙は図面の用紙として頁番号を付さなければならない (IP 5.157 項を参照)。
    IP 5.108.
    規則 11.9(b),
    規則 11.9(d),
    規則 11.13(h)

    化学式又は数式には、一般に使用されている図記号を使用しなければならず、完全に明瞭な方法で作成しなければならない。タイプ印字されていない数字、文字及び図記号は、判読できる状態とし、国際出願で表示される要素の種類と無関係に、それぞれの式の態様は同一でなければならない。国際出願の本文中に表示される化学式又は数式は、ラテンアルファベット (又はギリシャ文字) の大文字で少なくとも高さ 0.28 センチメートルの図記号を付さなければならない。この図記号を図面の用紙に表示する場合には、少なくとも高さ 0.32 センチメートルとしなければならない。明細書又は図面の用紙に表示される式で使用する数学記号は、文中からその意味が明白でない限り、すべて明細書で説明すべきである。いずれにしても、使用する数学記号は一覧にまとめることができる。
    IP 5.109. 表はどのように作成するのか。
    規則 11.10(c),
    規則 11.10(d)

    便宜上、表は明細書中の 1 枚又は複数枚の用紙に一括して表示し、これに明細書と通しの頁番号を付すことができる。 2 枚以上の表が必要な場合には、それぞれの表をローマ数字 (明細書若しくは図面の頁番号、又は図の番号から独立した数字)、ラテンアルファベット (又はギリシャ文字) の大文字、表の内容を示す表題、又はその他のいずれかの方法によって特定すべきである。表中の線及び列は、そこで示す事項の説明で始め、必要であれば、そこで使用する単位を示すべきである。可能な限り、表はすべて用紙の縦方向に記載すべきである。縦方向では表を十分に記載することができない場合には、表の上部を用紙の左側として横方向に記載することができる。
    IP 5.110. 明細書中の明白な誤記はどのように訂正することができるのか。
    規則91
    明白な誤記の訂正手続は、 IP 11.033 項から IP 11.044 項に説明されている。明細書の 1 枚の用紙全体の欠落は、国際出願日に影響を与えずに訂正することができない (IP 6.025 項及び IP 6.026 項を参照)。明白な誤記の訂正以外の変更は、補正とみなされる (IP 5.111 項を参照)。
    IP 5.111. 国際段階において明細書を補正することができるのか。
    第28条,
    第34条(2)(b),
    第41条(1),
    規則52,
    規則78

    出願人が国際予備審査の請求書を提出した場合のみ、国際段階において明細書を補正することができる (IP 10.001 項を参照)。各指定官庁又は選択官庁に対する国内段階においても明細書を補正することができる (国内段階を参照)。国際段階における請求の範囲の補正については別の規定が適用される (IP 5.127 項を参照)。
    請求の範囲
    IP 5.112. 請求の範囲はどのように作成するのか。
    第611条(1)(iii)(e),
    規則6.1,
    規則6.2,
    規則6.3,
    規則6.4

    請求の範囲には、「保護が求められている事項を明示」しなければならない。請求の範囲は明確かつ簡潔でなければならない。請求の範囲は、明細書によって十分な裏付けがされていなければならない。規則 6 は、請求の範囲の数及び番号の付け方、国際出願の他の部分の引用、請求の範囲の記述方法及び従属請求の範囲について詳細な要件を規定している。請求の範囲の記述方法について、適当と認められる場合には 2 つの部分に分けなければならない。すなわち、先行技術の陳述と保護が求められている特徴の陳述 (「特徴部分」) である。
    IP 5.113.
    規則6.4(a)
    原則として、 PCT の規定に従い、 2 つ以上の他の請求の範囲を引用する従属請求の範囲 (「多数従属請求の範囲」) は、引用しようとする請求の範囲を択一的な形式によってのみ引用しなければならない。また、多数従属請求の範囲は、他の多数従属請求の範囲のための基礎として用いてはならない。しかし、ほとんどの締約国の国内法令は上述した請求の範囲の記述方法と異なる方法を許しており、この異なる請求の範囲の記述方法を用いることも PCT の規定に従い許されている。異なる請求の範囲の記述方法を許している指定国については、出願人は、いずれの起草方法を採用するのか決めなければならない。その異なる請求の範囲の記述方法を用いる場合には、この記述方法を許さない国の国内段階において請求の範囲を補正する必要がある。また、異なる請求の範囲の記述方法が用いられている場合、そのような記述方法を許さない国の国内官庁は、国際調査機関として行動するときに第 17 条(2)(b) の規定に従い有意義な調査 が行うことができなかった旨を表示することができる (IP 7.014 項を参照)。
    IP 5.114.「発明の単一性」の要件の意味は何か。
    第3条(4)(iii),
    規則 13,
    規則45の2.5(a)

    1 件の国際出願は、請求の範囲が 1 つの発明又は単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明にのみ関係するように作成すべきである。この原則は、第 3 条(4)(iii) 及び規則 13 に規定されている。この要件の遵守は、受理官庁も国際事務局もチェックしないが、国際調査機関がチェックし、国際調査機関 (IP 7.015 項から IP 7.021 項を参照)、補充調査のために指定された機関 (IP 8.044 項を参照) 及び国際予備審査機関 (IP 10.072 項を参照) における手続においては重要であり、また指定官庁及び選択官庁に対する国内段階でも意味がある。明らかに異なる発明について別個の調査及び審査が必要であるから、国際調査又は国際予備審査が 2 つ以上の発明 (又は 2 つ以上の群の発明) をカバーする場合には、追加調査手数料が必要である。(発明の単一性が補充国際調査にどのように影響を与えるのかに関しては、 IP 8.043 項を参照)。
    IP 5.115. 発明の単一性の要件はどのように満たすのか。
    規則 13.2,
    規則 13.3,
    第206号

    請求の範囲に記載されている発明の間に 1 つ以上の又は対応する「特別な技術的特徴」を含む「技術的な関係」がある場合に限り、発明の単一性が認められる。「特別な技術的特徴」という表現は、請求の範囲に記載された各発明が全体として先行技術に対した貢献を明確にする技術的特徴をいう。一群の発明が単一の発明概念を形成するように連関しているのか否かの決定は、それらの発明が別個の請求の範囲に記載されているのか、又は単一の請求の範囲に選択的に記載されているのかと無関係に行われる。請求の範囲が先行技術を回避しているという仮定に基づく発明の単一性の最初の決定は、先行技術調査の前に行うが、その調査結果に基づき再検討することができる。実施細則の附属書 B に、国際出願が規則 13 で定める発明の単一性の要件を満たすのか否かについての判断基準が記載されている。次の項で、この附属書に記載されている重要な判断基準の一部を記載する。次の 3 つの特別の場合について詳細に説明する。
    (i) カテゴリが異なる請求の範囲 (たとえば生産物、生産方法、使用方法、及び装置又は手段) の組合せ
    (ii) いわゆる「マーカッシュ形式」
    (iii) 中間体及び最終生産物の場合
    IP 5.116. 1 つの国際出願にカテゴリの異なる請求の範囲を組み合わせることができるのか。
    規則 13 に定める発明の単一性に関する判断方法は、特に同一の国際出願にカテゴリの異なる請求の範囲の次の組合せのいずれか 1 つを含むことを認めているものと解釈される。
    (i)ある生産物の独立請求の範囲に、その生産物の生産に特に適用される方法の独立請求の範囲及びその生産物の用途の独立請求の範囲を付加した場合
    (ii)ある方法の独立請求の範囲に、その方法の実施のために特に設計された装置又は手段の独立請求の範囲を付加した場合
    (iii)ある生産物の独立請求の範囲に、その生産物の生産に特に適用される方法の独立請求の範囲及びその方法の実施のために特に設計された装置又は手段の独立請求の範囲を付加した場合
    方法が生産物の生産に特に適用されるとは、その方法が本質的にその生産物を生産することであり、装置又は手段が方法の実施のために特に設計されたとは、その装置又は手段の先行技術に対する貢献と先行技術に対する方法の貢献とが対応することであると理解される。
    IP 5.117.
    請求の範囲に記載された装置又は手段の先行技術に対する貢献と請求の範囲に記載された方法の先行技術に対する貢献とが対応する場合には、その装置又は手段がその方法の「実施のために特に設計された」ものとみなされる。したがって、その装置又は手段が単に請求の範囲に記載された方法の実施に使用できるだけでは十分でない。
    IP 5.118. 何が「マーカッシュ形式」として認められるのか。
    化学分野の発明における共通の記載形式である単一の請求の範囲に発明の選択肢を含むいわゆる「マーカッシュ形式」の場合も、規則 13.2 が適用される。この特殊な場合において、規則 13.2 に定める技術的な相互関係、及び同一又は対応する特別な技術的特徴の要件は、当該選択肢が同一の性質を持っている場合に満たされるものとみなす。
    IP 5.119
    マーカッシュ群が化合物の選択肢である場合、次の基準が満たされる場合に同様の性質を持つものとみなす。
    (i) すべての選択肢が共通の性質又は活性を持ち、かつ、
    (ii) (a) 共通の構造が存在する、すなわち、重要な構造部分がすべての選択肢に共有されている、又は、
    (b) 共通の構造が判断基準となり得ない場合、すべての選択肢が当該発明の関係する技術分野において一群のものとして認識される化学物質群に属する。
    IP 5.120
    選択肢を取扱う場合、少なくとも 1 つのマーカッシュ選択肢が先行技術に対して新規でないことを示し得るならば、発明の単一性の問題は、審査官により再検討される。再検討は、必ずしも発明の単一性の欠如の異議を提起することを意味しない。
    IP 5.121.中間体及び最終生産物の両方を請求の範囲に記載することができるのか。
    中間体及び最終生産物を含む状態は、規則 13.2 にも規定されている。ここで「中間体」という用語は、中間体又は出発物質を意味している。この中間体は物理的又は化学的変化によってその自己同一性を失い、最終生産物を生産するのに使用される。次の 2 つの条件を満たす場合には、発明の単一性は、中間体及び最終生産物の関係において、存在するものとみなされる。
    (i) 中間体及び最終生産物が次の点において同一の主要な構造的要素を持つ、
    (a) 中間体及び最終生産物の基本的化学構造が同じであるか、又は、
    (b) これら 2 つの物質の化学構造が技術的に密接に相互に関連しており、中間体が主要な構造部分を最終生産物に組み込んでいる。
    (ii) 中間体及び最終生産物が技術的に相互に関連づけられている、これは最終生産物が中間体から直接製造されるか、又は同一の主要な構造的要素を含む少数の中間体から分離されることを意味する。
    IP 5.122
    発明の単一性は、構造が知られていない中間体と最終生産物との間にも存在すると考えられる場合がある。たとえば、既知の構造の中間体と構造が知られていない最終生産物、又は未知の構造の中間体と未知の最終生産物との間である。このような場合に、発明の単一性を満たすためには、たとえば、当該中間体が最終生産物と同じ主要な要素を含むか、又は中間体が主要な要素を最終生産物に組み込む場合のように当該中間体及び最終生成物が技術的に密接に相互に関係づけられている旨の結論に導く十分な証拠が存在しなければならない。
    IP 5.123.すべての指定官庁及び選択官庁は、 PCT 規則 13 に規定する発明の単一性の要件を満たす国際出願を受理しなければならないのか。
    第27条(1),
    規則 13

    第 27 条(1)の規定に基づき、国内法令 (第 2 条(x)で定義されている) は、国際出願がその形式又は内容について、 PCT に定める要件と異なる要件又はこれに追加する要件を満たすことを要求してはならないので、規則 13 で定める発明の単一性の要件を満たす国際出願は、すべての指定官庁及び選択官庁で認められる。
    IP 5.124.請求の範囲の様式上の要件とは何か。
    規則 11,
    規則11.4(a)

    請求の範囲の様式上の要件は、 IP 5.105 項に述べた明細書の様式上の要件と同じである。請求の範囲は、別の用紙で書き始めなければならない。
    IP 5.125.請求の範囲に表を含むことができるのか。
    規則 11.10(c)
    請求の範囲は、そこに包含される保護対象からみて望ましい場合には、表を含むことができる。この場合には、関連する請求の範囲の本文に表を含まなければならない。表を請求の範囲に添付させることはできず、明細書中に含まれる表の引用を行うこともできない (IP 5.109 項を参照)。
    IP 5.126.請求の範囲中の明白な誤記はどのように訂正することができるのか。
    規則91
    明白な誤記の訂正の手続は、 IP 11.033 項から IP 11.044 項で説明されている。請求の範囲の 1 枚の用紙全体の欠落は、国際出願日に影響を与えずに訂正できない (IP 6.025 項及び IP 6.026 項を参照) 。請求の範囲中の明白な誤記が国際調査に影響を与えるであろう場合のみ、訂正を請求することが推奨される。これ以外の訂正は請求の範囲の補正によって行うべきである (IP 5.127 項を参照) 。
    IP 5.127.国際段階において請求の範囲を補正することができるのか。
    第28条,
    第34条(2)(b),
    第41条(1)

    国際調査報告の受領時に、第 19 条に基づき請求の範囲を補正することができる (IP 9.004 項から IP 9.011 項を参照) 。また、出願人が国際予備審査を請求した場合には国際予備審査において (IP 10.024 項及び IP 10.067 項を参照) 及び国内段階においても、明細書を補正することができる。
    図 面
    IP 5.128.国際出願に必要な図面はいつ提出するのか。
    第3条(2) 第7,
    規則7.1

    発明の理解のために必要であれば、国際出願は図面を含まなければならない。また、発明の理解のために必要でない場合であっても発明の性質上図面によって説明することができる場合、出願人はその図面を含むことができ、更に指定官庁は国内段階において出願人に対しその図面を提出するよう要求することができる。
    IP 5.129.何が図面とみなされるのか。
    規則7.1
    斜視図、拡大図、断面図及び横断面図、及び異なる尺度での詳細図はすべて図面とみなされる。図面には、機能図及び 2 つ以上のパラメータ間の関係を示す特定の現象の図解等の、工程図及び図表も含む。
    IP 5.130
    規則 11.10
    化学式又は数式及び表が、明細書、請求の範囲又は要約に含まれている場合には、図面とみなされず、したがって図面と同じ要件の対象とならない (IP 5.131 項から IP 5.133 項までを参照)。ただし、そのような図形様式のものを図面として提出でき、この場合には図面と同じ要件の対象となる。
    IP 5.131.図面をどのように作成するのか。
    規則 11.10,
    規則 11.11,
    規則 11.13

    図面は 1 通又は複数通の別個の用紙で作成しなければならない。明細書、請求の範囲又は要約に図面を含むことはできない。図面には、不可欠な場合における単語又は語句を除き、文言事項を記載することができない。規則 11.10 から 11.13 には、その他の図面の様式上の要件が詳細に規定されている。指定官庁は、国内段階においてこの要件を満たしている図面を認めなければならない。国際出願とともに提出された図面が規則 11 を満たしていれば、新たに国内基準に従い作成した図面を国内段階において要求されることはない。明細書 (IP 5.105 項を参照) と同様に書類番号を図面の各用紙にも表示することができる。
    IP 5.132
    規則 11.2(a)
    図面は、写真、静電的方法、写真オフセット及びマイクロフィルムによって、直接に何部でも複製できるように作成しなければならない。
    IP 5.133
    規則 11.2(a),
    規則11.2(b),
    規則 11.2(c),
    規則 11.3,
    規則11.5,
    規則11.6(c),
    規則 11.12

    図面は、可撓性のある、丈夫な、白色の、滑らかな、光沢のない、耐久性のある A4 サイズ (29.7 センチメートル× 21 センチメートル) の用紙に作成しなければならない。用紙にはしわ及び裂け目があってはならない。また、用紙を折ってはならない。各用紙においては、合理的な範囲を超えて消してはならず、また、訂正、重ね書き及び行間挿入を行ってはならない。各用紙の片面のみを使用することができる。用紙について使用できる面は 26.2 センチメートル× 17.0 センチメートルを超えてはならない。用紙の使用できる面を囲む枠を含んではならない。遵守すべき最少の余白は、上端及び左端が 2.5 センチメートル、右端が 1.5 センチメートル、下端が 1.0 センチメートルである。
    IP 5.134.図面中の図を特別な方法で並べるのか。
    規則 11.10(d),
    規則 11.13(j)

    図面を構成する図はすべて、各図が完全に分離できる方法で、不必要な間隔を置くことなく、1 枚又は複数枚の用紙に一括しなければならない。ただし、各図を線で分離してはならない。
    IP 5.135
    規則 11.10(d),
    規則 11.13(j)

    可能な限り、図面中のすべての図は用紙の縦方向 (すなわち、短辺が上端及び下端となる方向) に記載すべきである。縦方向では図面又は表を十分に記載することができない場合には、図面又は表の上部を用紙の左側として横方向に記載することができる。したがって、高さより幅が大きな図は、図の底部が用紙の右端の辺に沿って平行となるように記載することができる。この場合に他の図を同一の用紙に記載するときには、当該図も同じ方法で記載し、同一用紙のすべての図が同じ方向に向くよう置くべきである。同様の考え方が表並びに化学式及び数式にも適用される (IP 5.107 項及び IP 5.109 項を参照)。
    IP 5.136
    図面は、請求の範囲における発明を適切に示すのに必要な数だけ記載すべきである。図は、平面図、正面図、断面図、斜視図を使用することができる。必要であれば、部分又は要素の尺度を拡大した詳細図を使用することができる。各種部品の組立関係又は順序を示すための、同一図の別個の部品を括弧で囲んだ分解図は認められる。 1 つの図を他の図の輪郭線上又は線内に配置してはならない。
    IP 5.137
    発明が既存の装置及び機械の詳細を改良したものに関する場合には、図面を容易に理解できるように、その装置又は機械のいずれの部分に改良が施されているのかを示す全体図を記載することが望ましい。たとえば、発明がダイアフラムポンプの弾性ダイアフラムの設置方法に関するものである場合には、通常では最初の図で、その発明によって改良されたポンプ全体を示し、続いてその発明の詳細をその他の図で示すことになろう。他方、このダイアフラムポンプを含む機械全体、たとえばこのダイアフラムポンプで燃料を循環させる自動車などを示す必要はない。
    IP 5.138
    できる限り少ない数の図によって発明の対象が完全かつ明確に特定できるために、図は代表的であって説明されない部品を最小限とするものを選択すれば十分である。この目的に適えば、発明の対象を示す様々な図に代わって 1 つの斜視図で示せば十分な場合もある。所望の目的を達成する最も簡便な図を選択すべきである。
    IP 5.139
    規則 11.13(i)
    2 枚以上の用紙に描く図が単一の完全な図を構成する場合、複数の用紙に描く図は、完全な図を得るように合わせたときに各用紙に示されているいずれの図のいずれの部分も隠さないように配置する。別個の用紙に描かれた部分図は、端部と端部とが連結できるように、すなわち 1 つの部分図に他の部分図のいずれかの部分を含まないように記載しなければならない。非常に長い図は、いくつかの部分に分割して、上から順番に並べることによって単一の用紙に描くことができる。ただし、異なる部分の関係は明確かつ明瞭でなければならない。したがって、各部分図によって構成される全体図を小さな尺度で記載し、各部分が示す位置を表示することが推奨される。
    IP 5.140.図面の番号をどのように付すのか。
    規則11.7,
    第207号(b)

    図面のすべての用紙には、参照符号に用いた番号と混同を回避するために、それよりも大きめの番号で各用紙の余白を除く上端又は下端の中央に (明細書の用紙と同様に、 IP 5.106 項を参照) 番号を付さなければならない。用紙には、異なる系列の番号を使用する (IP 5.012 項を参照) 。図面の各用紙の番号は、斜線で区分された 2 つのアラビア数字でなければならない。 1 番目の数字は用紙の番号で 2 番目の数字は図面の用紙の合計数である。たとえば、「 2/5 」は全部で 5 枚ある場合の 2 番目の図面に用紙に用い、「 1/1 」は用紙が 1 枚の場合に用いる。
    IP 5.141
    規則 11.13(k),
    規則49.5(f)

    各図面中の異なる図には、用紙の番号と無関係に、アラビア数字によって、可能であれば書かれてある順序に従い連続番号を付さなければならない。番号の前には、国際出願の言語と無関係に「 Fig.」の表示を付すべきである。発明の請求の範囲を示すために 1 つの図で十分であれば、図に番号を付してはならず、「 Fig.」の語も用いてはならない。図を特定する数字及び文字は単純かつ明確なものでなければならず、括弧、丸、インバーテッドコンマ (〝〟など) 等と併用してはならない。ただし、 1 つの完全な図を示すための部分図については、それらが同一の用紙に描かれているのか複数の用紙に描かれているのかと無関係に例外とし、この場合には、その完全な図を、同一の数字に通常ではラテンアルファベットの大文字を続けた態様 (例、 Fig.7B) で特定することができる。
    IP 5.142
    各用紙における異なる図は、可能な限り、左から右に、上から下に字が増えていく順序で記載することが望ましい。 2 つの図のうちの 1 つの図が、他の図の詳細を大きな尺度で示す図であれば、各図に別個の番号を付し、可能であれば連続した番号を付すべきである。
    IP 5.143.図面をどのように描くのか。
    規則 11.13
    図面は、耐久性のある、黒色の、十分に濃厚な、均一の太さの、かつ、明瞭な線及び画で着色することなく作成しなければならない。いかなる場合でも、線及び画の太さは、図面及びその複製について、尺度、性質、作成作業及び完全な視認性を考慮しなければならない。図面中の線はすべて、通常では製図用具を用いて描かなければならないが、たとえば不定形状の図表、装飾的な構造物又は曲線による引出線といった、その性質からして製図用具が使用できないものについては例外とする (IP 5.145 項を参照) 。
    IP 5.144.同一の図面に異なる太さの線を使用できるのか。
    異なる太さの線及び画が異なる意味を有している場合には、同一の図面で異なる太さのものを使用することができる。たとえば、次のように使用することができる。
    - 端部、輪郭図、断面図には太い実線
    - 引出線 (IP 5.145 項を参照)、ハッチング、付加要素の輪郭部分、湾曲又は円形端部で接続している面の交差部分の想像線には細い実線
    - 区切り図、区分け部分又は中途図にはフリーハンドの細い実線
    - 隠れている端部及び外郭には短い線による細い破線
    - 横断面の正面における対象図の軸及び基準線、可動要素の特別な位置には細い一点鎖線
    - 横断面の輪郭には 2 本の太線で終わる 1 本の細線
    IP 5.145.引出線をどのように表示するのか。
    引出線 (指示線ともいう) 、すなわち参照符号 (たとえば参照番号) とそれが引用する詳細部分とを結ぶ線は、直線又は曲線を使用することができ、できる限り短くすべきである。引出線は参照符号のすぐ脇から始まり、表示する特徴部分まで延ばさなければならない。一部の参照符号には、引出線を省略することができる。このようにいずれの部分にもつながらない種類の参照符号は、それが配置されている面又は断面を示すものとする。この場合には、誤って引出線を使用しなかったのでないことを明示するために、参照符号に下線を付すことができる。引出線は図面の他の線と同じ方法で描かなければならない (IP 5.143 項を参照) 。
    IP 5.146.引出線に矢印を使用できるのか。
    引出線の端部には、意味が明確であれば矢印を使用することができる。矢印によって次を指すことができる。
    (i) いずれにも触れていない矢印は、それが指す方向全体部分を示す。
    (ii) 線に触れている矢印は、その矢印の方向から見た、その線で表示された面を示す。
    (iii) 矢印は、適切であれば、動作方向を示すためにも使用することができる。
    IP 5.147.断面をどのように表示するのか。
    規則 11.13(b)
    断面図を特定して表示する場合、当該図の記載及び特定に関して遵守しなければならない一定の条件がある。その詳細及び記載の方法については、 IP 5.148 項及び IP 5.149 項で述べる。
    IP 5.148
    ある図が他の図の断面図である場合、該当する他の図にはその部分の位置を示すべきであり、併せて両端に視点方向を表示することができる。更に、特に複数の断面図を同一図中に示す場合には、各部分がすぐに特定できるように、各断面線の両端を、その断面を示す図を特定するための同一のアラビア数字又はローマ数字 1 文字による線図で表示すべきである。断面図は、切断面にされたときの対象物の当該部分を示すものである。工業製図では、断面図は、それを見る者の視点からその切断面を見たときにその切断面の向こうにある対象物の部分を示すものである。断面図は一般に平面を表示し、平面でない場合には、その詳細を特定しなければならない。断面図は、どのような態様であっても、必ずその切断面に従うものでなければならない。
    IP 5.149
    断面図は、通常の図面を作成するのと同じ方法、すなわち、断面部分には等間隔の平行斜線でハッチングを施し、ハッチングされる全体面積を基準として斜線の間隔を選択する方法で作成及び作図をしなければならない。ハッチングは、参照符号や引出線が明確に読めることを妨げてはならない。したがって、ハッチングされた部分の外に参照符号を置くことができない場合には、参照符号を挿入する部分のハッチングを破線とすることができる。一部の種類のハッチングには特別な意味がある。ハッチングは、周囲の軸又は主要な線から実質的に異なる角度を有するべきであり、その角度は 45 度であることが望ましい。同一項目の異なる断面部分は、同一の方法でハッチングしなければならない。近接して並んで配置されている異なる要素のハッチングは、異なる角度で行うべきである。広い面積をハッチングする場合には、ハッチングされる領域の外郭線の内側に沿って、その端部だけを描くことによって領域を示すことができる。
    IP 5.150.図面中の図はどのような大きさとするのか。
    規則 11.13(c)
    図の大きさは、その 3 分の 2 のサイズに直接縮小した場合にすべての要素の詳細が明確に識別できる大きさとすべきである。例外としては、要求された場合、図面の尺度を図説することができる。図面又は明細書において、「原寸大」「縮尺 1/2 」などの記載は、他の様式に複製したときに意味を失うので、することができない。
    IP 5.151
    規則 11.13(g)
    各図の各要素は、図を明確にするために異なる比率を使用することが欠かせない場合を除き、その図中の他の要素と同じ比率としなければならない。このように、ある図内の異なる比率を明確にする必要がある場合、これを表現するためには、異なる比率を使用する代わりに、最初の図の対応する要素を拡大した尺度で示す付記図を追加することが望ましい。この場合には、第 2 の図で示す拡大された要素を第 1 の図中に細線又は「一点鎖線」による丸で囲み、第 1 の図の明瞭さを損なわないように、その対応する位置を示すことが推奨される。
    IP 5.152.番号、文字、参照符号等の記載をどのように表示して図面に適用するのか。
    規則 11.13(e)
    番号、文字、参照符号、その他の図面用紙上に示された図や図面用紙の番号などのデータ、認められる文言事項、尺度の目盛などは、単純かつ明確でなければならず、括弧、インバーテッドコンマ (〝〟)、丸、外郭などとともに使用してはならない。秒、分、又は角度を示す標識は認められる。番号、文字、参照符号等は図表と同じ方向に配置し、用紙を回転させる必要がないようにすべきである。図面の完全な理解を妨げることがないように、このような番号、文字、参照符号は、図面の混み合って複雑な部分に置いてはならず、したがって線が交差したり混在したりすることは、ごく限られた場合だけとすべきである。一般原則として、番号、文字、参照符号はその対称となる部分にできる限り接近させて配置すべきである。
    IP 5.153
    規則 11.13(h)
    図面に使用するすべての数字及び文字は、 3 分の 2 に縮小したときに容易に読むことができるように、最少でも 0.32 センチメートルの大きさとしなければならない。文字には、通常ではラテンアルファベットを使用すべきである。ただし、たとえば角度や波長などを示すために習慣的に使用されている場合には、ギリシャ文字も認められる。
    IP 5.154
    規則 11.13(l)
    参照符号は、明細書、請求の範囲、図面との間で整合するように使用する。特に、明細書で言及していない参照符号を図面中に表示してはならず、この逆も認められない。図面の特徴自体について説明がない場合には、その図面の特徴を参照符号で特定してはならない。この状況は、明細書の補正で頁又は全段落を削除した結果として生じることがある。この解決策の 1 つとして、明細書で削除された参照符号を図面から削除する方法があろう。いずれかの理由によって図面が削除されたときには、その図面にのみ関連する参照符号であって明細書及び請求の範囲に記載されているものも、すべて削除すべきである。
    IP 5.155
    規則 11.13(m)
    同一の特徴を参照符号で表示する場合、国際出願の手続中は、同一の符号で表示しなければならない。ただし、発明の請求の範囲に複数の派生形や実施例が記載されており、それぞれが特定の図を参照しており、それぞれの派生形が同一又は基本的に同一の機能の特徴を有しているのであれば、その特徴を明細書に記載する場合には、その特徴が関連する図の番号に、その特徴の番号であってすべての派生形に共通の番号を続けた数字で構成される、単一の数字による参照符号で表示することができる。たとえば、共通の特徴である「 15 」は図 1 では「 115 」で表示されるが、これに対応する特徴は図 2 では「 215 」で表示される。これによって、個々の特徴と、それを考慮すべき図とを同時に示すことができる。特定の図のグループに関して複数の派生形又は実施例をそれぞれ記載する場合には、共通の参照符号の前にその特別な派生形又は実施例が関係する番号を付すことによって、多くの図面の頁からなる複雑なケースであっても、その読解が容易になる。ただし、これを使用する場合には、その旨を明細書で説明すべきである。
    IP 5.156.図面に文言事項を含むことができるのか。
    規則 11.11
    図面には、文言事項を含んではならない。ただし、絶対に不可欠である場合の「水」「蒸気」「開」「閉」「 AB 断面」等の語句、及び電気回路、ブロック図、工程図などの場合の理解のために欠かすことができない短いキャッチワードを除く。大量の文言事項は、理解だけでなく翻訳にも支障を来すので避けるべきである。これらの語句は、翻訳したときに図面のいかなる線も隠すことなくその翻訳文を貼り付けることができる配置となるように使用しなければならない。
    IP 5.157.図面に図記号を使用することができるのか。
    規則 10.1(d),
    規則 10.1(e)

    既知の機器は、普遍的に理解されている従来からの意味を有しており、当該技術分野の専門家に一般的に認められている図記号で示すことができる。ただし、請求の範囲に記載されている発明の保護対象を理解するためにその詳細を説明する本質的な必要がないことを条件とする。その他の記号及び図記号は、それが現存している従来の図記号と混同するおそれがなく、判別できる態様であること、すなわち、単純であること、そして明細書の本文中で明確に説明できることを条件として使用することができる。断面図に表示される物質の性質に関しては、各種のハッチングが、それぞれ別個の従来からの意味を有している。
    IP 5.158.陰影は使用することができるのか。
    陰影は、それが図の理解を助け、容易に判読できない程度まで目立つものでなければ、図中で使用することができる。たとえば、球状、円筒状、円錐状の要素などの形状を示すために陰影を使用することができる。平面部分にも、軽く陰影を加えることができる。このような陰影は、その部分の斜視図に使用することはできるが、断面図に使用することはできない。陰影には間隔を有する複数の線のみを使用することができ、領域全面を黒色とすることはできない。陰影の線は細くなければならず、できる限り少ない数で、図面の他の部分と対比させなければならない。
    IP 5.159.写真又はカラー図面を提出することができるのか。
    PCT は写真又はカラー図面について規定していない。しかし、 (たとえば結晶構造など) 示すべきものを白黒図面で示すことが不可能であれば提出が認められる。例外的に写真・カラー図面を提出する場合には、 A4 サイズの用紙に最小限の余白を遵守したもの (IP 5.133 項を参照) が要求される。写真・カラー図面が提出された場合、受理官庁は差替え用紙を必ずしも要求しないが、国際公開に関して、すべての画像は (グレースケールではなく) 白黒に変換される。この結果、国際出願における発明の開示に影響を与え、国際及び国内段階における国際出願の処理に影響を与える可能性がある詳細部分が失われるおそれがある。一部の受理官庁が採用する出願用ソフトウェアには、写真・カラー図面を国際出願の一部として提出する旨の特別な表示を可能にするものがある。この表示が行われている場合には、オリジナル図面が PATENTSCOPE から利用可能である旨の注記が公開国際出願のフロントページに表示され、カラー図面を受け入れる各官庁における国内段階処理を支援するであろう。ただしこれは、その他の官庁が要求する場合に、保護対象を追加することなくそのカラー画像に相当する真正な白黒図面を提出する必要性を取り除くものではない。
    IP 5.160.図面で使用した参照符号の一覧を明細書に含むことができるのか。
    規則 11.13(n)
    複雑な保護対象を扱い、多数の図面を含む国際出願の場合には、明細書の最終部分に、明細書の一部としてすべての参照符号の一覧の別紙を含むことができる。この一覧は、適切であればどのような様式でもよく、すべての参照符号を、それが示す特徴の特定を伴い記載することができる。これによって、使用されている各種の参照符号の意味を容易に参照することができ、図面も容易に理解できる利点がある。
    IP 5.161.図面中の明白な誤記はどのように訂正することができるのか。
    規則91
    明白な誤記の訂正の手続は、 IP 11.033 項から IP 11.044 項に説明されている。図面の 1 枚の用紙全体 の 欠 落 は 、 国 際 出 願 日 に 影 響 を 与 え ず に 訂 正 す る こ と が で き な い (IP 6.025 項(i)(b)及び IP 6.026 項を参照) 。明白な誤記の訂正以外の変更は、補正とみなされる (IP 5.162 項を参照) 。
    IP 5.162.国際段階において図面を補正することができるのか。
    第28条,
    第34条(2)(b),
    第41条(1)

    出願人が国際予備審査を請求した場合のみ、国際段階において図面を補正することができる (IP 10.001 項を参照) 。国内段階においても図面を補正することができる。
    IP 5.163.
    図面、又は例外的には要約とともに掲載する図面については、 IP 5.171 項を参照。
    要 約
    IP 5.164.要約はどのように利用されるのか。
    第3条(3),
    規則8.3

    要約は具体的な技術調査のための検索ツールとして供され、特に科学者、技術者、研究者が、国際出願それ自体を参照する必要があるのか否かについて意見を構築するための支援となる。要約は単なる技術情報目的で供され、その他の目的、特に求める保護範囲の解釈目的で考慮してはならない。
    IP 5.165.通常、要約にどのような内容を含むのか。
    規則8.1(a)
    要約は、明細書、請求の範囲、明細書、及び該当すれば図面に含まれている開示の概要で構成されるべきある。要約では発明が属する技術分野を表示し、技術的課題、発明を通じた課題の解決手段の要旨、及び発明の主たる用途が明確に理解できる方法で作成すべきである。該当すれば要約には、国際出願に含まれている化学式すべての中で、発明の特徴を最もよく示す化学式も含むべきである。要約は、主としてその発明が属する技術分野において何が新しいのかについて述べるべきである。これに関しては WIPO 標準 ST.12/A に更に詳細な手引が記載されている。
    IP 5.166.発明の性質が装置、方法、製品又は組成物の変形に関する場合、要約には何を含むのか。
    発明の性質が装置、方法、製品又は組成物の変形に関するものであれば、要約はその変更の技術的な開示を行うべきである。発明が基本的な性質のものであれば、その技術的な開示全体が新規な技術となる可能性があるので、要約はその全体を開示すべきである。国際出願が、製造物、特に化合物又は組成物に関するものであって、その生成又は使用方法についての開示内容が記載されている場合には、この内容についても要約すべきである。開示に代替物を記載している場合には、要約で望ましい代替物を扱い、簡略に説明できればその他の物を特定すべきである。このように簡略な説明ができなければ、その他の物が存在していること、及びそれが望ましい代替物と本質的に異なっているのか否かを述べるべきである。
    IP 5.167.要約には何を含むのか。
    該当すれば、そして国際出願に該当する情報が記載されていれば、要約には少なくとも次を含むべきである。(1)発明が機械、装置、又はシステムであれば、その機構及び操作;(2)発明が物品であれば、その製造方法;(3)発明が化合物であれば、その素性及び生成;(4)発明が混合物であれば、その成分;(5)発明が方法であれば、そのステップ。なお、装置の余分な機構及び設計を記載してはならない。
    IP 5.168.化合物又は組成物に関する化学発明の場合、要約には何を含むのか。
    規則8.1(a)(ii)
    特に化合物又は組成物に関する化学発明については、その化合物又は組成物の一般的な性質及びその使用について、たとえば、「この化合物はアルキルベンゼンスルフォニル尿素に属し、経口抗糖尿病薬として利用できる」というように記載すべきである。属の具体例は、代表的な例とすべきである。方法については、反応の種類、試薬及び方法条件について記載すべきであり、一般には 1 つの例で説明する。該当すれば、国際出願に記載されているすべての化学式のうち、その発明の特徴を最もよく示す化学式を記載すべきである。
    IP 5.169.要約に記載してはならないものは何か。
    規則8.1(c)
    要約には、請求の範囲に記載されている発明の利点若しくは価値の主張又はその発明の思惑的な利用について記載してはならない。
    IP 5.169A.要約はどのような長さにするのか。
    規則8.1(b)
    要約は、開示可能な限りにおいて簡潔なものとしなければならない。「この開示は…に関する」 「発明はこの開示によって定義される」 「この発明は…に関する」など黙示的な表現は使用してはならない。英語で作成する場合には 50 ワード以上 150 ワード以内であることが望ましい。これは英語以外の言語で作成した要約を英語に翻訳する場合にも適用される。
    英語以外の言語で要約を作成した出願人に手引を提供する目的で、国際事務局は過去の国際出願の要約を分析している。この分析によると、次のいずれか 1 つの公開言語によって、それぞれ対応する単語数又は文字数の範囲で作成された要約は、英語に翻訳した場合、平均的に 50 ワードから 150 ワードまでの範囲になるものと考えられる。アラビア語は 35 ワードから 110 ワード;中国語は 80 字から 240 字;フランス語は 50 ワードから 150 ワード;ドイツ語は 40 ワードから 120 ワード;日本語は 100 字から 300 字;韓国語は 30 ワードから 130 ワード;ポルトガル語は 50 ワードから 150 ワード;ロシア語は 35 ワードから 110 ワード;スペイン語は 50 ワードから 150 ワード。
    IP 5.170.どのような場合に要約とともに掲載する図を表示するのか。
    規則3.3(a)(iii),
    規則8.2

    国際出願に図面がある場合、出願人は、その発明の特徴を最もよく示すものとして要約とともに公表する図面中の図の番号を願書の照合欄に表示すべきである。
    IP 5.171.いずれの図を要約とともに掲載すべきか。
    要約を説明する図は、請求の範囲に記載されている発明を最もよく示す図でなければならず、国際出願に添付されている図面から選択しなければならない。一般的に 1 つの図のみを記載すべきである。 1 つの図で必要な情報が伝えられない場合には、例外的に複数の図で要約を説明することができる。大量の文言事項を含む図は、要約に添付する要約をフロントページのサイズに縮小した場合、文言事項の判読が困難になるので避けるべきである。更に、要約に添付する図に大量の文言事項を含む場合には、翻訳された文言事項が図面の下方又は側方に配置されることから、発明の理解を妨げるおそれがある。要約を理解するためにいずれの図も有用でないことが判明した場合には、照合欄に図を記載する必要はない。国際出願を国際公開する時点で要約とともに公表されることになる 1 枚又は複数枚の図面は、要約に含んではならない。
    IP 5.171A.要約に参照符号を付すのか。
    規則8.1(d)
    要約は明確かつ容易に理解可能とすべきである。国際出願に図面が含まれている場合には、要約に記載されており図面に表示されている主要な技術的特徴それぞれの後に、括弧で囲んだ参照符号を記載すべきである。要約に使用される参照番号は、関係する各図に表示した参照符号に対応していなければならない。
    IP 5.172.要約はどのように表示する必要があるのか。
    第207号,
    規則 11

    要約は、別個の用紙を用いて作成し、その用紙には請求の範囲に続く番号を付さなければならない (IP 5.012 項を参照)。要約は明細書に適用されるものと同様の様式上の要件に従わなければならない (IP 5.105 項を参照)。
    IP 5.173.要約の欠落又は欠陥があった場合どうなるのか。
    規則26.2,
    規則38.2,
    規則38.3

    受理官庁は、要約の欠落を発見した場合、補充通知の日から 2 か月以内に要約を提出するよう出願人に求める。要約が期間内に受理官庁に提出されなかった場合、国際出願は取り下げられたものとみなすことができる。受理官庁が出願人に要約の提出を求めなかった場合には、国際調査機関が要約を作成する。要約が前項に概要を説明した要件を満たしていない場合も同様である (IP 7.022 項も参照)。要約が国際調査機関によって作成された場合、出願人は、国際調査報告の郵送の日から 1 か月以内に意見を述べることができる。
    IP 5.174.国際調査機関が容認した後であっても要約を補充することができるのか。
    規則38.3
    出願人は、国際調査報告の郵送日から 1 か月以内であれば、要約の修正案を国際調査機関に提出することができる。これに従い要約を修正するのか否かは国際調査機関の判断に委ねられる。
    その他の様式上の要件
    IP 5.175.国際出願で充足が要求される、その他の様式上の要件は何か。
    規則9

    国際出願には、道徳又は公の秩序に反する事項、誹謗する記述及び明らかに関連性のない又は不必要な事項を含むことはできない。受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際事務局が規則 9 の規定が遵守されていないことを注記した場合、その官庁又は機関は国際出願を訂正するよう出願人に示唆することができる。規則 9 に基づく欠陥の補充手続は IP 6.052 項を参照。
    IP 5.176.
    規則10
    技術用語及び使用する記号 (メートル単位等) についての所定の要件は、規則 10 で規定されている。規則 10 で規定されている技術用語は、すべての指定官庁で認められる。
    IP 5.177.国際出願について様式上の要件はあるのか。
    第3条(4)(ii),
    規則 11

    国際出願は、複製のための適合性、使用する用紙、書き方 (通常、タイプ印書又は印刷) 等の所定の様式上の要件を満たさなければならない。詳細は規則 11 で規定されている。これらの要件は、ほとんど主要な特許庁が国内出願に (又はユーラシア特許庁がユーラシア特許出願に、欧州特許庁が欧州特許出願にそれぞれ) 適用する要件に非常に類似している。
    IP 5.178.願書における氏名若しくは名称又はあて名をラテンアルファベット以外の文字で表示できるのか。
    規則4.16
    氏名若しくは名称又はあて名をラテンアルファベット以外の文字で記載する場合 (たとえば、中国語、キリル文字又は日本語) には、英語に音訳又は翻訳しなければならない。詳細については規則 4.16 を参照。
    IP 5.179.国際出願の写しを何通提出するのか。
    規則 11.1(a),
    規則 11.1(b),
    規則21

    国際出願又は該当すれば国際出願の翻訳文は、受理官庁の要件に応じて 1 通、 2 通又は 3 通提出しなければならない。附属書 C に関連する情報が記載されている。規則 21 も参照。
    IP 5.180
    規則 21.1,
    規則22.1(a),
    規則23.1(a),
    第305号

    すべての国際出願は 最終的に 3 通要求されることに留意されたい。 1 通は受理官庁が保管し (「受理官庁用写し」)、もう 1 通は受理官庁から国際事務局に送付されて国際事務局が保管し (「記録原本」)、更にもう 1 通は受理官庁から国際調査機関に送付されて国際調査機関が保管する (「調査用写し」)。出願人が要求される部数に満たない部数を提出した場合 (IP 5.179 項を参照)、受理官庁は、必要な部数を作成する責任を負い、手数料を出願人から徴収することができる。
    IP 5.181.どのような場合に国際出願の翻訳文の提出が要求されるのか。
    規則12,
    規則12.3,
    規則 21.1,
    規則22.1(a),
    規則23.1(a),
    第305号の2

    国際出願が受理官庁で認められる言語であるが国際調査を行う国際調査機関で認められない言語によって行われた場合、出願人は、国際出願の翻訳文を提出しなければならない (詳細は IP 6.013 項から IP 6.020 項を参照)。この場合に受理官庁は、出願時の言語による国際出願の写しを国際事務局に送付し (「記録原本」)、別の写しを国際調査機関に送付し (「調査用写し」)、更に 1 通を保管する (「受理官庁用写し」)。受理官庁が国際出願の翻訳文を受領すれば、受理官庁は 1 通を国際事務局に送付し (「記録原本-翻訳文 (規則 12.3)」)、 1 通を自己が一件書類として保管し (「受理官庁用写し-翻訳文 (規則 12.3)」)、 3 通目を、願書の写しとともに国際調査機関に送付する (「調査用写し-翻訳文 (規則 12.3)」)。出願人が提出した写しの部数が要求される部数に満たなかった場合 (IP 5.179 項を参照)、受理官庁は、追加の写しを作成する責任を負い、手数料を出願人から徴収することができる。
    IP 5.182
    規則12.4,
    規則 21.1,
    規則22.1(a),
    第305号の2

    国際出願が受理官庁及び国際調査を行う国際調査機関で認められる言語であるが国際公開の言語でない言語によって行われた場合、出願人は、国際出願の翻訳文を提出しなければならない (詳細は IP 6.013 項から IP 6.023 項を参照)。この場合に受理官庁は、出願時の言語による国際出願の写しを国際事務局に送付し (「記録原本」)、別の写しを国際調査機関に送付し (「調査用写し」)、更に 1 通を保管する (「受理官庁用写し」)。受理官庁が国際出願の写しを受領すれば、受理官庁は 1 通を国際事務局に送付し (「記録原本-翻訳文 (規則 12.4)」)、 1 通を自己が一件書類として保管する (「受理官庁用写し-翻訳文 (規則 12.4)」)。したがって、受理官庁から国際調査機関に国際出願の翻訳文の写しを送付することはない。出願人が提出した翻訳文が要求される部数に満たなかった場合 (IP 5.179 項を参照)、受理官庁は、追加の写しを作成する責任を負い、手数料を出願人から徴収することができる。
    IP 5.183
    規則62.1(i),
    第420号

    国際予備審査機関が国際調査機関としての同一の国内官庁又は政府間機関の一部でない場合、国際事務局は、国際調査報告の受領後すみやかに、又は国際予備審査の請求書を国際調査報告の後に受領した場合には当該請求書の受領後すみやかに、国際出願及び国際調査報告の写しを、国際調査機関の書面による見解とともに国際予備審査機関に送付する。国際出願が行われた言語及び国際出願が国際公開される言語のいずれも国際予備審査を行う国際予備審査機関で認められない言語である場合、出願人は、国際予備審査の請求書とともに、国際出願の翻訳文であって、その国際予備審査機関が認める言語によるものであり、かつ、国際公開の言語によるものを提出しなければならない。国際調査機関及び国際予備審査機関が同一の国内官庁又は政府間機関の一部である場合、このような翻訳文は要求されない。国際調査報告に代えて第 17 条(2)(a)の規定に基づく宣言が提出された場合、上述した国際調査報告についての言及は、この宣言についての言及とみなされる。
    手数料
    IP 5.184.国際出願についてどのような手数料を支払うのか。
    第3条(4)(iv)
    国際出願について支払わなければならない手数料は 3 種類ある。
    規則14
    (i) 受理官庁は、国際出願の受理とチェックに関する任務を遂行するため並びに国際事務局及び国際調査機関に国際出願の写しを送付するために必要な「送付手数料」を定め、これを受領する。
    規則 16.1
    (ii) 国際調査機関は、国際調査を行い、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解を作成するために必要な「調査手数料」を定め、これを受領する。
    規則 15.1,
    規則96

    (iii) 国際事務局は、国際出願の公開、該当すれば特許性に関する国際予備報告の国際調査機関に代わっての発行 (PCT 第 I 章)、並びに、出願人、受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関並びに指定及び選択官庁への各種通知の送付を含む、各種任務を遂行するために必要な「国際出願手数料」を、 PCT 規則附属書の手数料表に従い受領する。
    IP 5.185.手数料は誰に支払うのか。
    規則 14.1(a),
    規則 15.1,
    規則 16.1(b)

    IP 5.184 項で述べた 3 種類の手数料はすべて、国際出願が提出された受理官庁に支払う。この支払後に受理官庁は、国際出願手数料を国際事務局に送金し、調査手数料については、国際調査機関、又は実施細則附属書 G に従い受取人としての官庁に更に送金する目的で、国際事務局に送金する。
    IP 5.186.手数料はいずれの通貨で支払うのか。
    規則 14.1(b),
    規則 15.2,
    規則 16.1(b)

    通常、 IP 5.184 項で述べた手数料は、受理官庁の国の通貨で支払う。この点に関する完全な情報は附属書 C に記載されている。また調査手数料については附属書 D に記載されている。
    IP 5.187.手数料の額はいくらか。
    規則 14.1(b),
    規則 15.2,
    規則 16.1(a)

    附属書 C 、また調査手数料については附属書 D に、 IP 5.184 項で述べた手数料の額が記載されている。出願人が 2 つ以上の管轄国際調査機関から選択することができる場合 (IP 7.002 項を参照)、調査手数料の額は、いずれの国際調査機関が選択され、願書様式の第 VII 欄 (IP 5.072 項及び IP 5.093 項を参照) 及び手数料計算用紙 (IP 5.093 項を参照) に表示されたのかによって異なる。
    IP 5.188.どのような手数料の減額が受けられるのか。
    出願人が自然人であり、かつ、 1 人当たりの国内総生産額 25,000 米国ドル未満 (国際連合が公表する、 2005 年基準の米国ドル換算による直近 10 年間の 1 人当たりの実質国内総生産) の国であって、国際事務局が公表する直近 5 年間の平均出願件数によると、その国の自然人である国民及び居住者が行う国際出願の件数が (100 万人当たり) 年間 10 件未満又は (絶対数で) 50 件未満である国として、一覧表に掲げる国の国民かつ居住者である場合には、手数料表第 5 項に従い国際出願手数料の 90 %減額を受ける資格を有する。更に、国際出願手数料の 90 %減額を受ける資格を有する出願人は、受理官庁としての国際事務局に対して行った国際出願について送付手数料を支払わなくてよい。この手数料減額 (すなわち、国際出願手数料が 90 %減額されること、及び受理官庁としての国際事務局に出願が行われた場合に送付手数料の支払が不要になること) は、自然人であるのか否かを問わず、国際連合により後発開発途上国に分類される国として一覧表に掲げる国の国民であり、かつ、居住者である出願人にも同様に適用される。 (手数料減額の資格を有する国民及び居住者のリストについてはhttps://www.wipo.int/documents/d/pct-system/docs-en-fee-reduction-january.pdf を参照) 。ただし、出願人又は複数の出願人すべてが国際出願時において、その出願の真正かつ唯一の所有者であり、手数料減額の資格を持たない他の当事者に、発明について権利の譲渡、付与、移転又はライセンスの義務を負わない場合に限り、手数料減額の資格を有することに留意されたい。出願人が複数人である場合、それぞれの出願人が上述した基準のいずれか 1 つを満たさなければならない。 1 人又は複数人の出願人すべてが減額の資格を有する場合、この減額は願書の第 II 欄及び第 III 欄に記載された氏名、国籍及び居住地に基づき適用され、特別の請求を行う必要はない。手数料の減額は、複数の出願人のうち 1 人以上が PCT 締約国からの者ではない場合であっても適用されるが、各人が上述した基準を満たしており、そのうち少なくとも 1 人が PCT 締約国の国民又は居住者であって、したがって国際出願を行う資格を有していることを条件とする。上述した、国民及び居住者が国際出願手数料の 90 %減額を受ける資格を有する PCT 締約国の情報は、附属書 C 、特に附属書 C (IB) に示されている。その他の国に関しては、国際事務局に確認されたい。なお、電子形式での国際出願についての減額、そして国際出願手数料の 90 %の減額の両方が適用される場合には、電子形式での国際出願についての減額を行った後に、 90 %の減額の計算を行う。
    IP 5.189.電子形式で行われる出願について手数料は減額されるのか。
    規則89の2,
    規則89の3,
    第702号,
    第707号

    国際出願を行う出願人は、電子形式での国際出願を認める受理官庁に電子形式で国際出願を行い、かつ、実施細則の第 7 部及び附属書 F 又は基本的な共通する基準を満たす場合、国際出願手数料の減額を受ける資格を有する。
    この減額は、願書並びに明細書、請求の範囲及び要約の文言事項が文字コード形式によるものでなければ、 100 スイス・フラン若しくはその換算額、又は、願書が文字コード形式によるものであるが、明細書、請求の範囲及び要約の文言事項が文字コード形式によるものでなければ、 200 スイス・フラン若しくはその換算額、又は、願書並びに明細書、請求の範囲及び要約の文言事項が文字コード形式によるものであれば、 300 スイス・フラン又はその換算額である。
    IP 5.190.
    オーストリア特許庁、欧州特許庁 (EPO) 及びスペイン特許商標庁に支払う国際調査手数料並びに予備審査手数料は、一定の条件に基づき 75 %の減額が受けられる (附属書 D 及び E を参照)。
    IP 5.191.手数料はいつ支払うのか。
    規則14,
    規則 15.3,
    規則 16.1(f)

    IP 5.184 項で述べた手数料はすべて同時に支払うことができ、受理官庁に対する国際出願時に支払えば何の問題も生じない。しかし、すべての手数料は、受理官庁によって国際出願が受理された日から 1 か月以内に支払うことができ、支払を受理したものとみなされる日は、受理官庁が決定する。後者の手続には、国内出願に関する支払の場合に適用される規則と同一の規則を採用している
    IP 5.192.手数料の額が改定された場合どうなるのか。
    規則 15.3,
    規則 16.1(f)

    支払われる通貨による国際出願手数料又は調査手数料の額が改定された場合、その発効日以降は、新しい額で支払わなければならない。しかし、国際出願を受理した日から支払日までに当該手数料の額が変更された場合には、国際出願を受理した日に適用される額を支払う。このシステムは、国際出願が受理官庁に行われた日に適用される額に基づく国際出願の手数料を 1 か月以内に支払うことを出願人に認めるものである。
    IP 5.193.手数料を支払わなかった場合又は全額を支払わなかった場合どうなるのか。
    規則 16の2.1,
    規則 16の2.2

    手数料の支払期間内に出願人が手数料の一部又は全部を支払わなかった場合、受理官庁は、通知の日から 1 か月以内に、後払手数料とともに未払額を支払うよう出願人に求める。出願人が通知に定めた額 (後払手数料を含む) を支払った場合、この支払の欠陥は、国際出願に何の影響も与えない。後払手数料の額は、未払額の 50 %、又はその 50 %の額が送付手数料未満であれば送付手数料に等しい額である。後払手数料の額は、手数料表第 1 項に示す国際出願手数料の 50 %の額を超えてはならないが、 30 枚を超える国際出願の各用紙についての手数料は考慮されない (附属書 C を参照)。
    IP 5.194
    手数料の支払期間内に出願人が手数料の一部又は全額を支払わなかった場合であって、受理官庁が前項で述べる通知を送付して未払額を支払うよう求める前に、受理官庁が支払額を受領した場合、未払額に関する支払は、その手数料の支払期間内に支払われたものとみなされる。
    IP 5.195
    規則 16の2.1(c),
    規則27.1,
    規則29.1,
    第321号

    送付手数料、国際出願手数料及び調査手数料が、不足額を後払手数料 (IP 5.193 項を参照) とともに支払う旨の受理官庁からの求めに定められた期間を含む、所定の期間内に所定の通過によって支払われなかった場合、国際出願は取り下げられたものとみなされ、受理官庁から出願人にその旨がすみやかに通知される。ただし、いずれの支払も、受理官庁が第 14 条(3)の規定に基づき国際出願が取り下げられたものとみなされる旨の宣言前に受領した場合には、適用される期間の満了前に受領したものとみなさなければならない。
    IP 5.196
    支払われた額が、送付手数料 (該当する場合)、国際出願手数料及び調査手数料 (該当する場合) を賄えない場合、支払われた額は出願人が指定した目的に充当され、そのような指定がなければ、実施細則に従い受理官庁が指定した目的に充当され、その旨をすみやかに出願人に通知する。
    IP 5.197.どのような場合に手数料を払い戻すのか。
    規則 15.4,
    規則 16.2

    PCT に送付手数料の払戻しの可能性に関する規定はない。国の安全に関する規定によって国際出願として扱われない場合、又は受理官庁が第 11 条(1)の規定に基づき国際出願に対し国際出願日が認められない場合には、調査手数料及び国際出願手数料が払い戻される。一般的に、国際出願に欠陥がある場合 (IP 6.005 項を参照) には、このような否定的な決定が行われる。記録原本を国際事務局に送付する前又は調査用写しを国際調査機関に送付する前に、国際出願が取り下げられた場合、又は取り下げられたものとみなされた場合、受理官庁は、それぞれの場合に応じて国際出願手数料又は調査手数料を出願人に払い戻す。
    IP 5.198.どのような場合に国際調査手数料の払戻しを請求できるのか。
    規則 16.3,
    規則41.1

    調査用写しを国際調査機関に送付した後であって国際調査の開始前に、国際出願が取り下げられた場合、又は取り下げられたものとみなされた場合、ほとんどの国際調査機関は、調査手数料の一部又は全部を払い戻す (附属書 D を参照)。国際調査機関が国際調査を行うとき、先の調査結果を、規則 41.1 (i)に基づき考慮しなければならない場合、又は規則 41.1 (ii)に基づき考慮することができる場合には (IP 5.073 項も参照)、規則 16.3 に従い、国際調査機関は、第 16 条(3)(b)に基づく取決めで定める程度及び条件に基づき、調査手数料を減額しなければならない。国際調査機関は、この調査手数料を減額する程度及び条件について自由に定めることができる。
    IP 5.199
    国内段階における手数料の払戻し又は減額については、国内段階の NP 4.007 項及び国内編 (概要) を参照。

    第 6 章 受理官庁による国際出願の処理

    概要
    IP 6.001.受理官庁における主な処理手続は何か。
    受理官庁において、国際出願が受ける主な処理手続は次のとおりである。
    第10条
    (i)国際出願及び関連手数料が受理官庁によって受理される。

    (ii)国際出願が、言語、様式及びその内容についての PCT の所定の要件を満たしているのか否かを決定するために、受理官庁がチェックする (受理官庁によるチェックは形式的なものであり、発明の実体には介入しない)。
    規則 20.1,
    規則20.3,
    規則26.1

    (iii)受理官庁によるチェックの結果、国際出願が手数料、言語、様式及びその内容についての所定の様式上の要件を満たしていない場合、受理官庁は出願人に対し必要な補充をするよう求める。
    規則20.2

    (iv)該当すれば補充を行った後 (IP 6.024 項から IP 6.053 項を参照)、受理官庁によるチェックの結果国際出願が PCT の規定する要件を満たしている場合、受理官庁は国際出願に国際出願日を認める。
    規則22,
    規則23

    (v)国際出願のその後の手続において国際調査機関及び国際事務局が責任を負う処理手続を実行することができるように、国際出願、及び該当すればその翻訳文、及びその他の関係書類の写しが受理官庁から国際調査機関及び国際事務局に送付される。
    IP 6.002.[削 除]
    IP 6.003.受理官庁にはどのように国際出願を行わなわなければならないのか。
    規則29,
    規則89の2.1,
    規則92.4,
    第703号

    各受理官庁は、国際出願として認められる提出手段を特定している。大半の受理官庁は電子形式での国際出願を認め、これを推奨している。各受理官庁の関係する情報については、附属書 B 及び C を参照。
    電子形式での若しくは電子手段による国際出願のみを認める旨を国際事務局に通知している官庁又は機関は、そこの紙形式で提出された書類を、受領しなかったものとして扱うことができる。もっとも受理官庁は特別な場合において、紙形式で提出された書類を受理することを決定することができるが、これは義務づけられていない。
    受理官庁が紙形式による国際出願の提出を認めている場合には、受理官庁に国際出願の書類を直接提出又は郵送することができる。
    受理官庁は、国際出願日を取得する目的での紙形式による国際出願書類の提出を許可できるが、この場合に受理官庁は、対応する受理官庁からの通知の日から 2 か月以内に電子形式で書類を再提出するよう要求することができる。対応する書類が適時に再提出されない場合、受理官庁は出願が取り下げられたものとみなす宣言を行う。
    国際出願の書類は更に、その他の高速通信手段、特にファクシミリによって受理官庁に提出できるが、受理官庁が出願人の利用可能なファクシミリを設置していること、及び受理官庁が要求している場合には、原本を 14 日以内に提出することが条件とされる (附属書 B を参照)。国際出願の書類及び出願後の書類のファクシミリによる提出に関する要件は、 IP 11.067 項から IP 11.070 項に詳細に説明されている。
    IP 6.004.受理官庁は、国際出願の秘密を保持するのか。
    第30条
    そのとおり、国際出願の秘密を保持する。国際公開が行われる前に、出願人の請求による場合又はその承諾を得た場合を除き、第三者が国際出願にアクセスすることは認められない。ただし、指定官庁は、自己が指定された事実を限られた書誌的データとともに公表することができる。秘密保持に関する更に詳細な点については、第 30 条、及び IP 11.072 項から IP 11.074 項を参照。
    国際出願日
    IP 6.005.国際出願日が認められるために国際出願が満たしていなければならない条件は何か。
    規則 20.1,
    規則20.2

    国際出願が次の条件を満たしていると認めた場合、受理官庁はその国際出願に「国際出願日」を認めなければならない。
    (i) 出願人が住所又は国籍上の理由によって明らかに当該受理官庁に国際出願をする資格を欠いていないこと (IP 5.008 項、 IP 5.020 項及び IP 5.023 項を参照)。
    (ii) 国際出願が所定の言語で作成されていること (IP 6.006 項を参照)。
    (iii) 国際出願に少なくとも次のものが含まれていること。
    (a) 国際出願をする意思の表示
    (b) 国際出願日において PCT に拘束される 1 つの締約国の指定を構成する願書 (規則 4.9 (a)に基づく; IP 5.052 項を参照)
    (c) 出願人の氏名又は名称 (出願人の氏名若しくは名称のスペルが誤っている場合、そのすべての名が記載されていない場合、又は法人にあっては名称の記載が略称で若しくは不完全に行われている場合であっても、出願人の氏名又は名称の記載は、出願人の同一性を確認することができるように行われていれば、国際出願日を認めるためには十分である)
    (d) 明細書であると外見上認められる部分
    (e) 請求の範囲であると外見上認められる部分
    IP 6.006.国際出願のすべての部分が同一の言語で記載されていない場合、受理官庁は国際出願日を認めるのか。
    規則 12.1,
    規則20.1(c),
    規則20.1(d)

    ほとんどの受理官庁においては、明細書及び請求の範囲が規則 12.1 (a)及び(c)の規定 によって受理官庁が認める言語で作成されていれば (国際出願のその他の要素は必ずしもそうでなくとも) (規則 20.1 (c)及び IP 5.013 項を参照) 、国際出願が所定の言語で作成されている、という国際出願日を認めるための要件は十分に満たされる。国際出願のその他の要素が受理官庁の認める言語で作成されていない場合には、国際出願日に影響を与えずに後で補充することができる (IP 6.032 項及び IP 6.034 項を参照) 。国際調査を行う国際調査機関で認められる言語・国際公開言語以外の言語で行われた国際出願の場合、出願人は翻訳文を提出しなければならない (IP 6.013 項から IP 6.020 項を参照) 。しかし、官庁によっては、規則 20.1 (c)が適用される国内法令と整合しない。整合しない限り、この規則はその官庁に適用されない。したがって、受理官庁としての当該官庁に行われた国際出願のすべての要素は、国際出願日が認められる前に規則 12.1 の言語の要件を満たさなければならない (詳細については附属書 C を参照) 。
    IP 6.007.[削 除]
    IP 6.008.いずれの日付が国際出願日として認められるのか。
    規則 20.1,
    規則20.2

    この問いに対する答えは、国際出願日を認めるための要件 (IP 6.005 項を参照) が、受理官庁が国際出願を受理した日若しくは規則 20.6 に従い受理したものとみなされる日 (IP 6.026 項から IP 6.031 項を参照)、又は、その要件に関する欠陥の補充の場合には後の日に、満たされているのか否かによる。前者の場合、国際出願日は受理官庁が国際出願を受理した日であり、後者の場合には受理官庁が補充を受理した日である。当然、補充はいくつかの条件を満たさなければならない。特に、補充は所定の期間内に行わなければならない。この点については IP 6.025 項で更に述べる。同一の国際出願に属するすべての用紙が受理官庁によって同日に受理されなかった場合については IP 6.026 項を参照。
    IP 6.009.手数料の不払、不足又は遅延は国際出願日に影響を与えるのか。
    規則27

    与えない。しかし、最終的には受理官庁はこれらの欠陥によって国際出願が取り下げられたものとみなされる旨を宣言する (IP 5.195 項及び IP 5.196 項を参照)。国際出願日が認められない国際出願及び取り下げられたものとみなされた国際出願は、いずれも国際段階におけるその後の手続から除外されるが、国際出願日を認めるための要件を満たしている国際出願は、(手数料の不払又はその他の理由によって) PCT の規定によって取り下げられたものとみなされた場合であっても (工業所有権の保護に関するパリ条約が定める条件を満たしていれば)、パリ条約に基づく優先権の主張の基礎となる出願として引用することができる。
    IP 6.010.受理官庁は、国の安全を理由に国際出願としての取扱いを拒否することができるのか。
    第27条(8),
    規則22.1,
    第330号

    各締約国は、自国の安全を保持するために必要と認める措置を自由に講じることができる。たとえば、各受理官庁は、国際出願として取り扱わず、記録原本を国際事務局に及び調査用写しを国際調査機関に送付しない権限を有する。受理官庁としての国際事務局に国際出願が行われた場合、国際事務局は、国の安全に関する規定を充足しているのかチェックしない。これを充足するのは出願人の責任である。国際出願日は認めたが、国の安全を考慮した結果として記録原本を送付しない場合、受理官庁は、優先日から 13 か月又は遅くとも 17 か月経過前に国際事務局に対しその旨を宣言しなければならない。
    IP 6.011.出願人は、自身の出願に対し国際出願日が認められたのか否か、又はその出願が国際出願として取り扱われないこと若しくは取り下げられたものとみなされたことをどのように知るのか。
    規則20.2,
    規則20.4(i),
    規則 20.5(c),
    規則 20.5の2(c),
    規則22.1,
    規則29.1(ii)

    受理官庁が国際出願に対し国際出願日を認めた場合には、すみやかに出願人に対しその日及びその国際出願番号を通知する。また、受理官庁は (第 11 条の要件の欠如についての否定的な決定又は国の安全を考慮して国際出願として取り扱わないことを理由として)、国際出願が国際出願として取り扱われない旨又は取り下げられたものとみなす旨を決定する場合には、その旨を出願人にすみやかに通知する。
    IP 6.012.いったん認められた国際出願日は、「取り消される」のか。
    規則29.3,
    規則29.4,
    規則30.1,
    規則82の3.1,
    第312号

    国際出願日が認められた後、受理官庁がそれを認めるべきでなかったことを発見した場合、その国際出願は取り下げられたものとみなされ、受理官庁はその旨を宣言し、出願人にすみやかに通知する。国際事務局又は国際調査機関は、国際出願日を認めるべきでなかったと判断した場合、関係する事実について受理官庁の注意を喚起する。しかし、この決定は、国際出願日から 4 か月以内に限り有効に行うことができ、宣言する意向を決定前に出願人に通知しなければならず、該当すれば、規則 20.6 (a)に基づき欠落している要素を含めることを確認するよう求める通知を伴うべきである。出願人は、通知から 2 か月以内に意見書を提出する権利、又は該当すれば、欠落している要素を引用により含めることを確認する権利を有する。国際出願日を認める際の受理官庁による誤りの訂正については規則 82 の 3.1 及び国内段階の NP 6.028 項を参照。
    国際出願の翻訳文
    IP 6.013.どのような場合に国際出願の翻訳文が要求されるのか。
    規則 12.1
    すべての受理官庁は、国際出願に関して、国際公開の言語であって、その受理官庁に対して行われた国際出願の国際調査を管轄する国際調査機関で認められる言語、又は該当すれば複数の国際調査機関のうちの少なくとも 1 つの国際調査機関で認められる言語のうち、少なくとも 1 つの言語を認めなければならない。更に、いずれの受理官庁も、国際出願について 1 つ又は複数の言語を認めることができる。国際出願が行われた言語が、国際公開の言語によるものでない場合、及び/又は、国際調査を行う国際調査機関で認められる言語によるものでない場合には、出願人に翻訳文が要求される。
    IP 6.014.国際調査機関が認めない言語によって国際出願がされた場合の翻訳文の要件とは何か。
    規則12.3
    国際出願が行われた言語が、国際調査を行う国際調査機関で認められない言語によるものである場合、出願人は、その国際調査機関で認められる言語によるものであって国際公開の言語による国際出願の翻訳文を受理官庁に提出しなければならない。なお、国際出願が国際公開の言語によるものでない場合 (IP 9.017 項を参照)、国際出願が翻訳される言語は、その受理官庁で出願をすることを認めている言語でもなければならない。明細書の一部を構成する配列表が含まれているが、国際調査機関が認める言語による、配列表における言語依存フリーテキストの翻訳文を出願時に提出していない場合には、この翻訳文が要求されることがある。翻訳文は、認められる言語による言語依存フリーテキストを含む新たな配列表において提出しなければならない。出願人は、言語依存フリーテキストをその翻訳文に差し替えること、又は受理官庁が認める場合には、 2 つの言語 (1 つは英語によるものが要求される) による言語依存フリーテキストを含む新たな配列表として翻訳文を追加することができる (願書の翻訳文については、 IP 6.019 項を参照)。
    IP 6.015.国際調査機関が認めない言語によって国際出願が行われた場合には、いつまでに国際出願の翻訳文を提出するのか。
    国際出願の翻訳文は、受理官庁が国際出願を受理した日から 1 か月以内に受理官庁に提出しなければならない。受理官庁が出願人に国際出願番号及び国際出願日を通知する前に、出願人が要求される翻訳文を提出していなかった場合、受理官庁は、望ましくは通知とともに、国際出願を受理官庁が受理した日から 1 か月の期間内、又は要求される翻訳文が同期間内に提出されていなければ、通知の日から 1 か月以内若しくは受理官庁が国際出願を受理した日から 2 か月以内のいずれか遅く満了する期間内に、該当すれば遅延提出手数料 (IP 6.017 項を参照) の支払とともに、要求される翻訳文を提出するよう出願人に求める。
    IP 6.016.翻訳文が未提出の場合、又は遅延提出手数料が不払の場合、出願は取下げとなるのか。
    受理官庁が出願人に翻訳文の提出の求めを送付し、更に該当すれば遅延提出手数料の支払の求めを送付し、出願人が適用される期間内にこれに応じなかった場合、国際出願は取り下げられたものとみなされ、受理官庁はその旨を宣言する。ただし、当該受理官庁が、出願が取り下げられたものとみなされる宣言を行う前であって、優先日から 15 か月の期間の満了前に受領した翻訳文及び支払は、適用される期間の満了前に受領したものとみなされる。
    IP 6.017.翻訳文の遅延提出手数料の額はいくらか。
    規則 12.3(e)
    受理官庁が国際出願を受理した日から 1 か月の期間経過後に提出された翻訳文について徴収することができる遅延提出手数料の額は、手数料表第 1 項に示す国際出願手数料の 25 %の額を超えてはならないが、 30 枚を超える国際出願の各用紙についての手数料は考慮されない。
    IP 6.018.国際出願の要約又は図面の文言事項の言語が、明細書又は請求の範囲の言語と異なる場合の翻訳文の要件とは何か。
    規則26.3の3(a)
    国際出願の要約又は図面の文言事項の言語が、明細書及び請求の範囲と異なる言語によるものである場合、受理官庁は、国際出願が国際公開される言語による要約又は図面の文言事項の翻訳文を提出するよう出願人に求める。ただし、要約又は図面の文言事項が、その国際出願が国際公開される言語によるものである場合、又は国際出願の言語が国際調査を行う国際調査機関で認められない言語であるために国際出願の翻訳文が要求されている場合であって、その翻訳文が、国際出願が国際公開される言語によるものでもある場合、この求めは行われない。
    IP 6.018A.明細書及び請求の範囲が単一の言語で記載されていない場合の手続はどのようになるのか。
    規則 12.3(c),
    規則 12.3(d),
    規則 12.3(e),
    規則26.3の3(e)

    概して PCT は、国際出願の明細書及び請求の範囲については受理官庁が認める言語で提出するよう要求している。所定の言語を遵守することは、国際出願日を取得するための要件である (第 11 条(1)(ii)、規則 20.1 (c)、並びに IP 6.005 項~ IP 6.006 項参照) 。受理官庁が認めない言語によって明細書及び請求の範囲が記載されている場合、その官庁は規則 19.4 の救済措置の手続に基づき、いかなる言語による出願も認める、受理官庁としての国際事務局に出願書類を送付しなければならない (IP 6.034 項参照) 。
    明細書及び請求の範囲、又はその一部が、単一の言語で記載されていないが、そこで使用されているすべての言語が受理官庁で認める言語によるものである場合、受理官庁は、単一の言語による明細書及び請求の範囲の翻訳文を国際出願の受理日から 1 か月以内に提出するよう出願人に求める。この言語は次のすべての要件を持たす言語であることが要求される。
    (i) 出願時の明細書及び請求の範囲に含まれている言語の 1 つである。
    (ii) 国際調査を行う国際調査機関が認める言語である。
    (iii) 国際出願が公開される言語である。
    ただし、たとえば、(コンピュータ符号化言語のような) 言語非依存型の用語、一部の技術用語であってその音訳及び翻訳を含むもの、科学公表物の引用、又は翻訳技術に関する発明の場合など、開示内容を理解するために複数の言語の使用が支援となり、翻訳文の要求が不適切とみなされる特別な場合、受理官庁はこの求めを行わない。
    上述した 3 つの判断基準すべたが満たされない場合 (たとえば使用されている複数の言語が、受理官庁が認めるものであるが、選択された国際調査機関が認める言語又は公開の言語でない場合) 、受理官庁は規則 12.3 又は 12.4 に基づき、国際出願の翻訳文を提出するよう出願人に求める。
    すべての状況において、要求されている翻訳文が 1 か月の期間内に提出されない場合、受理官庁は、通知の日から 1 か月以内又は受理官庁が国際出願を受理した日から 2 か月以内のいずれか遅く終了する期間内に、適用される遅延提出手数料を支払うよう出願人に要求することができる (IP 6.015 項から IP 6.017 項参照) 。
    IP 6.019.願書の言語が国際公開をするために受理官庁が認める言語でもない場合、願書を提出するための翻訳文の要件とは何か。
    規則12.1(c),
    規則26.3の3(c)

    明細書及び請求の範囲の言語と無関係に、願書を提出する目的に関する限り、願書は常に国際公開について受理官庁が認める言語によるものでなければならない。願書がこの要件を満たさない言語によるものである場合、受理官庁は、この要件を満たす翻訳文を提出するよう出願人に求める。
    IP 6.020.国際調査機関が認める言語であるが国際公開の言語でない言語で国際出願がされた場合の翻訳文の要件とは何か。
    規則12.4,
    規則48.3

    国際出願が、国際公開の言語でないが国際調査を行う国際調査機関で認められる言語によって行われた場合、出願人は、受理官庁が国際公開のために認める言語による国際出願の翻訳文を受理官庁に提出しなければならない。明細書の一部を構成する配列表が含まれているが、国際公開の言語による配列表における言語依存フリーテキストの翻訳文を出願時に提出しておらず、国際調査の目的で規則 12.3 (a)に基づき翻訳文が要求されていない場合には、この翻訳文が要求されることがある。翻訳文は、国際公開の言語による言語依存フリーテキストを含む新たな配列表において提出しなければならない。出願人は、言語依存フリーテキストをその翻訳文に差し替えること、又は受理官庁が認める場合には、 2 つの言語 (1 つは英語によるものが要求される) による言語依存フリーテキストを含む新たな配列表として翻訳文を追加することができる (願書の翻訳文に関しては IP 6.019 項を参照)。
    IP 6.021.国際出願が行われた言語が、国際調査機関の認める言語であるが公開の言語ではない場合、その国際出願の翻訳文はいつまでに提出するのか。
    国際出願の翻訳文は、優先日から 14 か月以内に受理官庁に提出しなければならない。出願人が同期間内に要求される翻訳文を提出しなかった場合、受理官庁は、要求される翻訳文を提出するよう出願人に求め、該当すれば、優先日から 16 か月以内に、遅延提出手数料 (IP 6.023 項を参照) を支払うよう求めることができる。
    IP 6.022.翻訳文が未提出の場合、又は遅延提出手数料が不払の場合、出願は取下げとなるのか。
    受理官庁が出願人に対して、翻訳文の提出、及び該当すれば、遅延提出手数料の支払を求める通知を送付したが、出願人が当該期間内に求めに従わない場合、国際出願は取り下げられたものとみなされ、受理官庁はその旨を宣言する。ただし、国際出願が取り下げられたものとみなされる旨を受理官庁が宣言する前であって、優先日から 17 か月以内に、受理官庁が翻訳文及び手数料の支払を受領した場合には、同期間の満了前に受領したものとみなされる。
    IP 6.023.翻訳文の遅延提出手数料の額はいくらか。
    受理官庁が優先日から 14 か月の期間経過後に提出された翻訳文について徴収できる遅延提出手数料の額は、手数料表第 1 項に示す国際出願手数料の 25 %の額を超えてはならないが、 30 枚を超える国際出願の各用紙についての手数料は考慮されない。
    欠陥の補充、及び、欠落要素若しくは部分又は誤って提出された場合の正しい要素若しくは部分の引用による補充
    IP 6.024.国際出願におけるどのような欠陥をどのような期間内に補充することができるのか。
    以下の項は、考えられる典型的な例におけるこの問いに対する一般的な答えを与えるものである。
    IP 6.025.どのような欠陥が国際出願日に影響を与えるのか。
    (i) 国際出願が国際出願日を認めるための要件を満たしていないことを、受理官庁が発見した場合、すなわち、
    (a) 出願人が、当該受理官庁に国際出願をする資格を住所又は国籍上の理由によって明らかに欠いていること (ただし、 IP 6.035 項及び IP 6.036 項も参照)。
    (b) 国際出願が、国際出願をする意思の表示を含んでいないこと。
    (c) 国際出願が、国際出願日において PCT に拘束されるすべての締約国を指定していないこと (規則 4.9 (a) に基づく; IP 5.052 項を参照)。
    (d) 国際出願が、出願人の氏名若しくは名称又は少なくとも IP 6.005 項 (iii)(c) に記載された出願人の氏名若しくは名称に関する所定の最小限の表示を含んでいないこと。

    (e) 国際出願が、明細書であると外見上認められる部分及び請求の範囲であると外見上認められる部分を含んでいないこと。
    規則19.4,
    規則20.3,
    規則 20.6,
    規則 20.7

    この場合に受理官庁は、出願人に対し欠陥の補充をすることを求める。補充期間は補充の求めの日から 2 か月である。期間内に補充が行われた場合には、補充の受理の日が国際出願日となる。補充が行われない場合、出願は国際出願として取り扱われない (ただし、出願人の住所及び国籍については IP 6.035 項及び IP 6.036 項を参照、受理官庁で認められる言語であるが国際調査を行う国際調査機関で認められない言語であって国際公開の言語でもない言語によって行われた出願については IP 6.013 項から IP 6.020 項を参照)。欠陥が上述した(i)(e)に関するものであれば、受理官庁は、関係する欠落要素を規則 4.18 に基づく引用により含めることを規則 20.6 に従って出願人に確認することを求め (IP 6.027 項から IP 6.031 項を参照)、確認されれば、先行する日を国際出願日として保持することができる。国際出願の要求される要素が受理官庁で認められない言語によるものである場合、その受理官庁は、規則 19.4 の規定に基づき、国際出願を受理官庁としての国際事務局に送付する (受理官庁としての国際事務局は、いかなる言語による国際出願も認める; IP 6.034 項及び附属書 C を参照)。
    規則20.5,
    規則 20.5の2,
    規則 20.7

    (ii) 受理官庁は、明細書部分、請求の範囲、すべての図面若しくはその一部が、欠落している又は欠落していると思われると判断した場合、又は、明細書、請求の範囲、明細書若しくは請求の範囲の一部、すべての図面若しくはその一部が、誤って提出された若しくは提出されたものと思われると判断した場合、その旨を出願人に通知し、欠陥を補充することを求め、又は以下該当するようであれば、欠落部分又は正しい要素若しくは部分を規則 4.18 に基づく引用により補充することを規則 20.6 に従って確認することを求める (詳細については IP 6.027 項から IP 6.031 項を参照)。当該欠落部分又は正しい要素若しくは部分の提出期間は求めの日から 2 か月である。この受理官庁による求めが行われなかったが、出願人が欠陥に気付き自ら補充することを希望する場合には、受理官庁が書類を最初に受領した日から 2 か月以内であれば補充することができる。欠落部分又は正しい要素若しくは部分が同期間内に提出された場合には、その受領日が国際出願日となるが、この例外として、出願人が欠落要素又は正しい要素若しくは部分を規則 4.18 に基づく引用により補充したことを規則 20.6 に従い確認できる場合には (IP 6.027 項から IP 6.031 項を参照)、最初に書類を提出した日を国際出願日として保持することができる。国際出願で言及している図面が期間内に提出されない場合、国際出願における図面の言及は存在していないものとみなされ、最初に認められた国際出願日を保持する。ただし、国際出願日が後の日に訂正され、訂正後に認められた国際出願日が、関係する優先権主張の優先期間の満了から 2 か月経過後となる場合、 PCT に基づく手続に関する限り、優先権主張は無効とみなされる (IP 5.060 項及び IP 6.038 項を参照)。
    規則 20.5(e),
    規則20.5の2(e)

    (iii) 国際出願日が訂正された場合、出願人は、後に提出した要素若しくは部分に関する通知 (様式 PCT/RO/126) の郵送日から 1 か月の期間内に受理官庁に提出する書面において、書類を最初に受領した日を国際出願日として保持する目的で、欠落部分又は正しい要素若しくは部分を無視するよう請求することができ、その場合、以下該当するようであれば優先権主張を保持することができる (規則 20.5 (e) 又は規則 20.5 の 2 (e))。出願人には、国際出願日が回復されたのか否かに関して受理官庁が行った決定 (様式 PCT/RO/129) が通知される。
    IP 6.026.国際出願のすべての用紙が同日に受理されなかった場合はどうなるのか。
    規則20.3(b),
    規則 20.5(b),
    規則 20.5(c),
    規則 20.5(d),
    規則 20.5の2(b),
    規則 20.5の2(c),
    規則 20.5の2(d),
    規則 20.7

    補充の求めを第 11 条(2)(a)又は第 14 条(2) (IP 6.025 項を参照) の規定に基づき送付した後に更に用紙を受理した場合には、当該用紙の受理日が、概して国際出願日として認められるが、その用紙を規則 20.7 に基づく期間内に受理することが条件であり、更に、出願人が引用による補充によって後で提出した用紙を含むことができる場合を除く (IP 6.027 項から IP 6.031 項を参照)。補充の求めが送付されていないが、同一の国際出願に関するすべての用紙 (要約を除き) を受理官庁が同日に受領しておらず、出願人がこの後で提出した用紙の引用による補充を確認していない場合、受理官庁は、願書に国際出願を完全にする書類を受領した日を記入することによって願書を訂正し、その遅い日を国際出願日として認める。ただし、用紙を最初に受領した日から 2 か月以内に後で提出した用紙を受理することを条件とする。各用紙には、それを実際に受理した日を記入する。これらの後に提出した用紙が、誤って提出された用紙を補充する目的であるが、出願人がこれらの後に提出された用紙の引用による補充について確認していない場合、当該誤って提出された用紙は出願書類から削除される。要約の欠落又は要約を後で受領したこと自体によって、願書に記入された日を訂正すること又は後の国際出願日を認めることはない。
    IP 6.027.国際出願日に影響を与えずに欠落頁又は正しい頁を国際出願に追加することができるのか。
    規則19.4(a)(iii),
    規則20.3,
    規則20.5,
    規則 20.5の2,
    規則 20.8

    一定の条件で可能であるが、結果としての国際出願日は一部の締約国で認められない (IP 6.031 項を参照)。規則 4.18 に基づき、第 11 条(1)(iii)(d)若しくは(e)で規定する国際出願の要素、又は規則 20.5 (a)で規定する明細書、請求の範囲、図面の部分、又は規則 20.5 の 2 (a)で規定する明細書、請求の範囲、図面の要素若しくは一部が国際出願に含まれていないが、第 11 条(1)(iii)で規定する 1 つ又は複数の要素を受理官庁が最初に受理した日に主張されていた優先権の基礎となる先の出願に完全に含まれていた場合には、この欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を引用することによって、国際出願に含むことができる。この引用による補充は、第 11 条(1)(iii)で規定する 1 つ又は複数の要素を最初に受領した日に、引用によって補充された要素又は部分を受理していたものとみなされる効果を有する。この結果、国際出願日は、第 11 条(1)(iii)で規定する 1 つ又は複数の要素を最初に受理した日を保持する (ただし、出願日を認めるための第 11 条のその他の要件すべてを満たしていることを条件とする)。この手続は、受理官庁が、規則 20.3 (a)(ii)及び(b)(ii)、 20.5 (a)(ii)及び(d)、並びに 20.6 のいずれかの規定が自国の国内法令と整合していない旨を、規則 20.8 (a)に基づき国際事務局に通告している場合、欠落頁には適用されない。更にこれらの手続は、受理官庁が規則 20.5 の 2 (a)(ii)及び(d)のいずれかの規定が国内法に適合しない旨を規則 20.8 (aの 2)に基づき国際事務局に通告している場合、正しい頁について適用されない。このような受理官庁は、不整合の通知のために、引用による補充に関する確認の求めを行うことも、それを認めることも行わない。これに代えて当該受理官庁は、上述した補充の手続を適用する (IP 6.025 項)。規則 20.8 (a)・規則 20.8 (aの 2)に基づき国際事務局に通告しており、したがって欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分の引用による補充を認めない受理官庁の一覧は、https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp のWIPO ウ ェ ブ サ イ トから確認することができる。国際出願後に、一部の欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を補充しなければならないことが明らかになった場合、出願人は受理官庁に対して、規則 19.4 (a)(iii) に基づき、欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分の引用による補充を認めている国際事務局の受理官庁に国際出願を送付するよう請求することができる。
    IP 6.028.引用による補充によって、どのように欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を国際出願に補充するのか。
    規則4.18,
    規則 20.6

    規則 4.18 で規定する引用による補充の陳述は、第 11 条(1)(iii)に規定する 1 つ又は複数の要素を受理官庁が最初に受理した日に、国際出願に含まれていなければならない。国際出願に紙形式又は電子形式の様式 PCT/RO/101 を使用すれば、この陳述は願書内に自動的に含まれる。この陳述が出願時の願書に含まれていなければ、出願時に、その他の方法で願書に含ませる又は願書とともに提出することにより、陳述を国際出願に追加することができる。更に、欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を完全に含む先の出願に基づく 1 つ若しくは複数の優先権主張を、国際出願の出願時に行っていなければならない。規則 26 の 2.1 (a) に基づきそのような優先権主張を追加することでは要件を満たさない。要件を満たした場合、出願人は後述する期間内に、受理官庁に書面による通知を行い、引用による補充の確認を行うべきである。この通知には次を添付すべきである。
    - 先の出願に記載されている要素の全体又は当該部分を含む 1 枚以上の用紙
    - 出願人が規則 17.1 (a)、(b) 又は (b の 2) の要件を満たしていなければ、提出された先の出願の写し
    - 規則 20.6 (a) (iii) が適用される場合には、先の出願の翻訳文
    - 欠落部分又は正しい部分の場合には、先の出願、及び該当すれば先の出願の翻訳文の、どこに当該部分が記載されているのかに関する表示
    IP 6.029.欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分の引用による補充はいつまでに確認するのか。
    規則 20.7
    欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を提出するよう受理官庁から求め (様式 PCT/RO/103 又は PCT/RO/107) が送付されていない場合、確認するための期間は受理官庁が書類を最初に受理した日から 2 か月である。この求めが送付されている場合、確認するための期間は求めの郵送日から 2 か月である。優先権主張の基礎となる最先の出願の出願日から 12 か月経過後に当該期間が満了する場合、受理官庁はこの状況について出願人の注意を喚起する (欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分が引用によって補充されることが確認されず、結果として国際出願日が優先期間満了後の日に訂正された場合には、国際出願日の訂正によって優先権を失うおそれがある旨の警告として;これは、欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分が引用によって補充されることが確認された場合であっても、引用による補充の規定を適用していない国に関して同様に当てはまる (IP 6.031 項を参照))。欠落要素に関して、この 2 か月の期間終了前に、出願人が第 11 条(2)に基づく補充、又は第 11 条(1)(iii)(d)若しくは(e)で規定する欠落要素を規則 20.6 (a)に基づき引用によって補充する旨を確認する通知のいずれも提出しなかった場合、この期間経過後であるが規則 20.4 (i)に基づく書面 (様式 PCT/RO/104) を出願人に送付する前に受理官庁が受領した当該補充又は通知は期間内に受理されたものとみなされる (規則 20.7 (b))。
    IP 6.029A.正しい要素又は部分の引用による補充が確認された場合、誤って提出された要素又は部分はどうなるのか。
    規則 20.5の2(d),
    第309号(b)(iv)

    受理官庁が、規則 20.6 (b)に基づき第 11 条(1)(iii)でいう 1 つ又は複数の要素を最初に受領した日において、正しい要素又は部分が企図する国際出願に含まれていたものとみなされた場合、誤って提出された当該要素又は部分は引き続き出願に残される。受理官庁はこれらの誤って提出された用紙に「誤って提出 (規則 20.5 の 2)」と表記し、これを企図する国際出願の対応する要素の末尾に移動させる。受理官庁は誤って提出された用紙を国際事務局に送付し、これは国際出願の一部として公開される。
    IP 6.030.引用による補充の要件を満たさなかった場合の帰結は何か。
    規則20.3(b)(i),
    規則 20.4,
    規則 20.5(c),
    規則 20.5(e),
    規則 20.5の2(c),
    規則20.5の2(e)

    引用による補充の要件すべてが満たされなかった場合 (たとえば、先の出願に欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分が完全に含まれていない場合)、国際出願には後の国際出願日 (欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を受理した日、ただし、第 11 条(1)で規定するその他の要件すべてが同日に満たされている場合) が認められる (IP 6.025 項及び IP 6.026 項を参照)。ただし出願人は、規則 20.5 (e)又は規則 20.5 の 2 (e)に基づき、欠落要素若し く は 部 分 又 は 正 し い 要 素 若 し く は 部 分 を 無 視 す る よ う 請 求 す る こ と が で き る (IP 6.025 項(iii)を参照)。この場合、国際出願日は回復され、欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分は提出されなかったものとみなされる。
    IP 6.031.欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分の引用による補充が認められた場合、指定又は選択官庁における効果は何か。
    規則20.8(c),
    規則82の3.1

    ほとんどの締約国において、当該要素又は部分は出願時の国際出願に実際に含まれていたものとして扱われる。指定及び選択官庁は限られた範囲内で、引用による補充を認めた受理官庁の決定を検証することができる (規則 82 の 3.1 (b))。指定又は選択官庁が次を発見した場合、すなわち、出願人が優先権書類提出の義務に従わなかった場合;補充の陳述が欠落している若しくは願書とともに提出されていない場合;引用による補充を確認する書面が提出されていない場合;要求される翻訳文が提出されていない場合;又は、対象となる要素若しくは部分が優先権書類中に完全に含まれていない場合、指定又は選択官庁は、欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を含む用紙が提出された日に基づき国際出願日が認められたものとして国際出願を扱うことができるが、事前に出願人に対して、この結論について意見を述べる機会を与え、少なくとも規則 82 の 3.1 (d)に従い未提出の欠落部分を無視するよう請求する機会を与えなければならない。
    なお、規則 20.8 (b)・規則 20.8 (bの 2)に基づき国内法令が整合していない旨を通告している指定官庁は、欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を含む用紙が提出された日に基づき国際出願日が認められたものとして国際出願を扱うことができるが、事前に出願人に対して、この結論について意見を述べる機会を与え、少なくとも規則 20.8 (c)に従い未提出の欠落要素若しくは部分又は正しい要素若しくは部分を無視するよう請求する機会を与えなければならない。
    IP 6.032.どのような欠陥は国際出願日に影響を与えないのか。
    受理官庁は、次を発見した場合、すなわち、
    規則2.3,
    規則4.1(d),
    規則4.15

    (i) 国際出願に署名がない (又は IP 5.091 項で述べた場合には、押印がない;出願人が署名することを拒否した場合又は発見若しくは連絡できない場合については IP 11.027 項も参照)。
    規則4.4,
    規則4.5

    (ii) 国際出願が所定の方法で表示した出願人の氏名又は名称 (IP 6.005 項(iii)(c)で述べた事項以外、この場合については、 IP 6.025 項(i)(d)を参照) を含んでいない。この記載については規則 4.4 及び 4.5 に規定されている。特に、この規則には出願人のあて名、住所及び国籍についても規定されている。
    規則4.3

    (iii) 国際出願が発明の名称 (すなわち、請求の範囲に記載されている発明の名称) を含んでいない。
    規則8

    (iv) 国際出願が、要約を含んでいない。
    規則 11,
    規則26.3

    (v) 国際出願及び該当すれば国際出願の翻訳文が規則に規定している程度にまで所定の様式上の要件を満たしていない (様式上の要件は規則 11 で詳細に規定されている;この要件は国際公開が適度に均一なものであるために必要な程度にまでチェックが要求され、この要件が、国際公開が適度に均一なものであるために必要な程度にまで満たされている場合には、当該様式上の要件を満たさないことを理由に取り下げられたものとみなされない)。
    第3条(4)(i),
    規則 12.1,
    規則26.3の3(a)

    (vi) 明細書及び請求の範囲以外の国際出願の要素が認められた言語で作成されていない (IP 5.013 項、 IP 6.005 項(ii)及び IP 6.006 項を参照)。
    規則26.1,
    規則26.2,
    規則26.2の2(b),
    規則26.3の3(b),
    規則26.5,
    規則29.1

    この場合に受理官庁は、欠陥を是正するよう出願人に求める (ただし、受理官庁が認める言語によって行われたが翻訳文が要求される国際出願については IP 6.013 項から IP 6.020 項を参照)。補充の提出期間は求めの日から 2 か月である。この期間内 (期間延長を含む; IP 6.037 項を参照) に補充が行われた場合、国際出願日は、受理官庁が国際出願を受理した日に維持される。補充されない場合、国際出願は取り下げられたものとみなされる。しかし、官庁によっては、認められる言語によって作成されていない要素の補充に関する規則 26.3 の 3 (a)の規定が、適用される国内法令と整合しない。整合しない状態が続く限り、この規則は当該官庁に適用されない。したがって、受理官庁としての当該官庁に行われた国際出願のすべての要素は、国際出願日が認められる前に規則 12.1 の言語の要件を満たさなければならない (IP 6.006 項を参照、及び詳細については附属書 C を参照)。
    IP 6.033.[削 除]
    IP 6.034.受理官庁が認めない言語によって出願をした場合どうなるのか。
    規則19.4(a)(ii),
    規則19.4(b),
    規則19.4(c)

    国際出願が、出願先の国内 (又は広域) 官庁で認められない言語であるが、受理官庁としての国際事務局で認められる言語によって行われた場合、国際出願は、受理官庁としての国際事務局に代わり、その受理官庁が受理したものとみなされる。実際に、受理官庁としての国際事務局は、いかなる言語によって行われた国際出願も受理する (附属書 C を参照)。この場合、その国際出願には関係する国内 (又は広域) 官庁が日付印を押し、(国の安全に関する規定によって妨げられない限り) すみやかに国際事務局に送付される。この送付は送付手数料に等しい額の手数料の支払を条件とすることができるが (IP 5.184 項(i)及び附属書 C を参照)、その他の支払われた手数料は国内 (又は広域) 官庁が出願人に払い戻さなければならず、その後に適用される手数料を受理官庁としての国際事務局に支払わなければならない (附属書 C を参照)。このように送付された国際出願は、国内 (又は広域) 官庁が受理した日付に、受理官庁としての国際事務局が受理したものとみなされる。ただし、国際出願時に管轄受理官庁に対して支払う手数料の期間の計算に関して、国際出願を受理した日付は、受理官庁としての国際事務局が実際にその国際出願を受理した日付とみなされる。
    IP 6.035.出願人が締約国の居住者又は国民であるが「管轄でない」受理官庁に出願をした場合どうなるのか。
    規則19.4(a)(i),
    規則19.4(b),
    規則19.4(c)

    国際出願が締約国の居住者又は国民である出願人によって条約に基づき受理官庁として行動する国内 (又は広域) 官庁に誤って出願されたが、その官庁が (出願人の住所及び国籍を考慮する) 規則 19.1 又は 19.2 の規定に基づきその国際出願の受理を管轄しない場合、その出願は、受理官庁としての国際事務局に代わり、その官庁が受理したものとみなされる (IP 5.008 項及び IP 5.009 項を参照)。この場合、国際出願はその国内 (又は広域) 官庁によって日付が付され、(安全保障に関する規定によって送付できない場合を除き)、すみやかに国際事務局に送付される。国内官庁は、その送付を送付手数料に等しい手数料の支払を条件とすることができるが (IP 5.184 項(i)及び附属書 C を参照)、支払われた他の手数料を出願人に払い戻し、更に受理官庁としての国際事務局に該当する手数料を支払わなければならない (附属書 C (IB) を参照)。このように送付された国際出願は、その国内 (又は広域) 官庁がその出願を受理した日に受理官庁としての国際事務局が受理したものとみなされるが、国際出願時に支払う手数料の期間の計算に関しては、国際出願を受理した日を、受理官庁としての国際事務局が国際出願を実際に受理した日とみなす例外がある。
    IP 6.036.出願人は住所及び国籍の記載を補充することができるのか。
    規則4.5,
    第329号

    願書の出願人の住所及び国籍の記載が、出願人の国際出願を行う資格を裏付けていない場合 (IP 5.020 項、 IP 5.023 項及び IP 6.005 項(i)を参照)、すなわち、出願人が (若しくは出願人が 2 人以上であれば、出願人のいずれも) 締約国の居住者又は国民とみられない場合には、明らかに第 11 条(1)(i)に規定する欠陥があるので、受理官庁は、その欠陥を補充する求めを発出する (IP 6.025 項(i)(a)を参照)。この場合、出願人は、受理官庁が国際出願を実際に受理した日に当該受理官庁に国際出願を行う資格を有していた旨を証明することができるかもしれない。したがって、この場合、出願人は住所・国籍に関する記載の補充の提出とともに受理官庁に証拠を提出すべきである。受理官庁がその証拠に基づき出願人の国際出願をする資格を確信している場合、第 11 条(1)(i)に規定する欠陥の補充の求めは、第 14 条(1)(a)(ii)及び規則 4.5 に規定する出願人の住所・国籍の所定の記載の欠陥の補充とみなされるので、その記載を補充することができる。この補充を行った場合、第 11 条(1)(i)に規定する欠陥は存在しないものとみなされるので、この欠陥は、国際出願の実際の受理の日を国際出願日として認めることを妨げない。しかし、受理官庁としての米国特許商標庁が前述の手続を適用しない旨を表明していることに留意されたい。
    IP 6.037.欠陥を補充する期間は延長することができるのか。
    規則26.2
    受理官庁は、第 14 条(1) (IP 6.032 項を参照) に基づき欠陥を補充する 2 か月の期間を延長することができる。受理官庁は、補充のための期間が満了した後であっても、出願人が補充を期間内に提出したのか否か、及びそのように補充された国際出願は取り下げられたものとみなすべきであるのか否かについての決定を行う前であればいつでも、職権又は出願人の請求によってその期間を延長することができる。他方、第 11 条若しくは第 14 条(2)に基づく欠陥の補充 (IP 6.025 項を参照)、及び規則 16 の 2 に規定する不払又は不足する手数料の支払 (IP 5.193 項及び IP 5.195 項を参照) のために受理官庁が定めた期間は延長することができない。
    IP 6.038.優先権の主張の欠陥は補充することができるのか。
    規則26の2.1(a),
    規則26の2.2(b),
    規則91

    受理官庁又は国際事務局に対する通知によって、優先権の主張の欠陥を補充し、又は記載されていなかった優先権の主張を追加することができる。優先権の主張を補充又は追加する期限は、優先権の主張を補充又は追加する通知を国際出願日から 4 か月以内に行うことができない場合、優先日から 16 か月以内、又は補充若しくは追加によって優先日が変更される場合には、変更された優先日から 16 か月以内のうち、当該 16 か月の期間がいずれか先に満了する期間である。受理官庁又は国際事務局が優先権を無効とみなす宣言をする前であり (IP 6.043 項を参照)、適用される期間の満了の後 1 か月以内に優先権の補充を受理した場合には、当該期間内に受理したものとみなされる。優先権の主張を補充するために、優先権の主張に関するいかなる記載も、変更、追加又は削除することができる。なお優先権主張における明白な誤記は、優先日から 26 か月以内であれば規則 91 に基づき訂正可能であるが、その誤記の訂正によって最先の優先日が変更しないことを条件とする。
    IP 6.039.
    出願人が国際出願の早期公開を請求している場合、請求後に受理官庁又は国際事務局が受理した優先権の主張を補充若しくは追加するための通知は、早期公開の請求が国際公開の技術的準備が完了する前に取り下げられない限り、提出されなかったものとみなされる。
    IP 6.040.国際出願における優先権主張の補充の結果として新たな優先日となった場合、次の期間はどのように計算するのか。
    規則26の2.1(c)
    優先権の主張の補充又は追加によって優先日が変更される場合、変更前の優先日から起算される期間であって満了していないものについては、変更後の優先日から起算される。
    IP 6.041.出願人は優先権の主張の欠陥を補充するよう求められるのか。
    規則26の2.2
    受理官庁、又は受理官庁が行わなければ国際事務局が、優先権の主張について次のいずれかを発見した場合、すなわち、
    (i) 国際出願が優先期間の満了日後の国際出願日であるが、優先権の回復請求が行われていない。
    (ii) 優先権の主張が規則 4.10 に定める要件 (IP 5.057 項を参照) を満たしていない。
    (iii) 優先権の主張の記載が、優先権書類の対応する記載と同一でない。
    この場合に状況に応じて受理官庁又は国際事務局は、出願人に優先権の主張を補充するよう求める。
    IP 6.042.国際出願日が 12 か月の優先期間経過後である場合、受理官庁は優先権主張の補充を求めるのか。
    規則26の2.2(a),
    規則26の2.3

    国際出願日が優先期間経過後であるが、優先期間の満了日から 2 か月以内であるということが欠陥の理由である場合、受理官庁は、規則 26 の 2.3 に基づき優先権の回復の請求を行うことができることを (IP 5.062 項から IP 5.069 項を参照) 出願人に通知する。ただし、その受理官 庁が 、 適 用 さ れ る 国 内 法 令 が 規 則 26 の 2.3 (a)から (i)の 規 定 と 整 合 し て い な い 旨 を 規 則 26 の 2.3 (j)に基づき国際事務局に通告している場合を除く。
    IP 6.043.受理官庁からの優先日を補充する求めに応答しなかった場合、優先権主張は無効とみなされるのか。
    規則26の2.2(c)
    出願人が、受理官庁又は国際事務局からの優先権の主張を補充する求めに対して期間内に応じなかった場合、この条約に基づく手続に関して、優先権主張は無効とみなされ、事情に応じて受理官庁又は国際事務局は、その旨を宣言して出願人に通知する。ただし、先の出願の番号が欠落している、優先権の主張における表示がこれに対応する優先権に記載されている表示と合致しないこと、又は、国際出願の国際出願日が、優先期間が満了した日よりも遅い日であること (ただし、国際出願日が優先期間の満了の日から 2 か月以内であることを条件とする) だけを理由として、優先権主張が無効とみなされることはない。
    IP 6.044.
    規則26の2.2(d),
    規則26の2.2(e)

    受理官庁又は国際事務局が、 PCT に基づく手続に関して優先権主張が無効であると宣言した場合、又は、規則 26 の 2.2 (c)が適用されるという理由のみで優先権の主張が無効とみなされなかった場合には (IP 6.043 項の最終文を参照)、国際事務局は、優先権の主張に関する情報、及び国際公開の技術的な準備が完了する前に国際事務局が受理した出願人の提出した当該優先権の主張に関する情報を国際出願とともに公表する。出願人が、優先権の主張の補充又は追加を希望するが規則 26 の 2.1 に基づく期間が満了している場合には、優先日から 30 か月を経過する前であれば特別の手数料の支払を条件として (実施細則第 113 号(c)を参照)、当該事項に関する情報を公表することを国際事務局に請求することができる。
    IP 6.045.規則 4.17 の申立てにおける欠陥は補充できるのか、申立ての追加はできるのか。
    規則26の3.1
    出願人は、補充の求め (IP 6.046 項を参照) に対する応答として又は自発的に、国際事務局に通知書を提出することによって、申立てにおける欠陥を補充することができ、更に (欠落している) 新たな申立てを追加することができる。申立てを補充又は追加するための期間は優先日から 16 か月である。この期間経過後に国際事務局が受領した補充又は追加は、それが国際公開の技術的な準備が完了する前に国際事務局に到達した場合には、その期間の末日に国際事務局が受理したものとみなされる。
    IP 6.046.規則 4.17 に基づき行われた申立てにおける欠陥のうち、出願人に補充が求められる可能性があるものはどれか。
    規則26の3.2(a)
    願書に含まれているいずれかの申立てが欠陥を含んでいる若しくは不完全であるとみられることを受理官庁又は国際事務局が発見した場合、事情に応じて受理官庁又は国際事務局は、 IP 6.045 項にいう期間内に申立てを補充するよう出願人に求めることができる。出願人に対する求めとなり得る欠陥の種類は、たとえば、申立てが所定の標準文言を含んでいない、空欄に名前や日付等が記入されていない、更に、米国に関する発明者である旨の申立てについては、所定の署名がされていない、などが挙げられる。
    IP 6.047.規則 4.17 の申立ての補充又は追加はどのように提出するのか。
    第216号,
    第317号

    申立ての補充又は追加は、その補充又は追加される申立て自体、及び補充又は追加を説明する書簡で構成される通知書によって行われなければならない。この通知書はいかなる場合であっても、それが受理官庁が行った求めに対する回答としての通知書であっても、国際事務局に直接提出すべきである。それにもかかわらず受理官庁に通知書が提出された場合、受理官庁はその通知に日付印を押して国際事務局に送付する。
    IP 6.048
    第214号(c)
    補充された申立ての場合、出願人は (第 VIII 欄の (i) から (v) までのうち) 適切なものを使用した差替え用紙を提出しなければならない。追加された申立ての場合、出願人は上述した第 VIII 欄の適切なものを使用するか、又は空白の用紙を使用することができる。米国を指定する場合に関する発明者である旨の申立ての補充又は追加では、発明者は署名及び日付の記入を行い 、 「 発明者である旨の補足の申立て (規則 4.17 (iv) 及び 51 の 2.1 (a)(iv))」と標題を記載すべきである。
    IP 6.049.出願人が規則 4.17 の申立てを補充しなかった場合にはどうなるのか。
    規則48.2(b)(iv)
    規則 4.17 の要件を満足しているのか否かと無関係に、国際事務局は申立て (提出時のもの又は補正されたもののいずれか) を公開する。更に、申立てが行われた事実が、公開された国際出願のフロントページに含まれる。
    IP 6.050.国際事務局が、適用される期限後に規則 4.17 の申立ての補充又は追加を受領した場合にはどうなるのか。
    規則26の3.1,
    第419号(c)

    国際事務局が適用される期間 (IP 6.045 項を参照) 経過後に申立ての補充又は追加を受領した場合、国際事務局はその旨を出願人に通知する。国際事務局はその申立てを公開せず、また指定官庁に送達もしないが、出願人に対して、出願人自身が関係する指定官庁に直接その申立てを提出すべきである旨を通知する。発明者である旨の申立てであって、複数の発明者のうち少なくとも 1 人が署名している場合、国際事務局はその申立てを出願人に返送する。
    IP 6.051.国際段階において上記の欠陥を指摘するのは、受理官庁だけなのか。
    規則28
    国際事務局又は国際調査機関の見解として、国際出願が規則に従い少なくとも出願人の 1 人によって署名されていない、又は、所定の方法で表示された出願人の氏名若しくは名称又は少なくとも出願人の 1 人に関する所定の記載が含まれていない、又は、所定の様式上の要件を規則に定められている程度にまで満たしていないと判断される場合、事情に応じて国際事務局又は国際調査機関は、その欠陥について受理官庁の注意を喚起する。受理官庁は、欠陥がないと信じる場合を除き、通知の日から 2 か月以内に欠陥を補充するよう出願人に求める (IP 6.032 項を参照)。
    IP 6.052.補充はどのように提出するのか。
    規則26.4,
    規則92.1

    補充は一般に、補充を含む 1 枚又は 2 枚以上の差替え用紙の形態で提出し、書簡を添付しなければならない。差替え用紙を添付する書簡において、差替え用紙と差替えられる用紙との相違を説明しなければならない。差替え用紙を添付しない書簡による補充は、補充によって書き換えられる用紙の明確性及び直接複製の可能性に悪影響を与えることなく、書簡から記録原本の願書又はその他の部分に書き換えられることができる性質である場合に願書の補充についてのみ可能である。各書簡の署名及びその他の要件に関しては規則 92.1 を参照。
    IP 6.053.補充は手数料の支払を伴うのか。
    補充の請求及び補充の実行の双方とも無料である。また、補充のための期間の延長についても無料である (IP 6.037 項を参照)。
    IP 6.054.受理官庁の不利益な決定に対し出願人は上訴又は請願書を提出することができるのか。
    PCT は国際段階における訴願又は請願について明確に規定していない。しかし実際のところ、受理官庁は、請願について受理官庁自身の決定を再考し、国内の裁判所又は紛争審理機関が国内 (又は広域) 官庁によって行われた決定に対する上訴を受け入れるということを示している。しかし後者の場合、出願人が受理官庁の決定について、出願人に有利な変更が認められたとしても、そのような決定は指定国を拘束しないので、特に、出願人が所定の期間内に第 22 条(1)、第 39 条(1)(a)又は第 25 条に規定する手続を講じなければ、国際出願で指定した国において効力を持たない。
    IP 6.055
    第25条,
    規則29.1,
    規則51

    PCT は、受理官庁が国際出願日を認めることを拒否する決定又は国際出願が取り下げられたものとみなされる旨を宣言する決定について、指定官庁による検査を規定している (この検査の請求期間を含む手続の詳細については、国内段階の NP 6.018 項から NP 6.021 項を参照)。
    IP 6.056.受理官庁に対する期間を遵守しなくともよいのか、また受理官庁に対する書類の提出の遅滞が許されるのか。
    第24条(2),
    第48条(2)(a),
    規則82の2

    PCT の規定によると、締約国は、期間不遵守が国内法令であれば許される理由と同一の場合、自国に関する限り遅滞を許さなければならない。更に締約国は、期間不遵守が他の理由による場合であっても、自国に関する限り遅滞を許すことができる。そして、指定官庁は、国際出願又は国の指定が取り下げられたものとみなされる旨の受理官庁の決定が正しいと認められる場合であっても、国際出願 (IP 5.003 項から IP 5.007 項を参照) の効果を維持することができる (詳細については、国内段階の NP 6.021 項を参照)。
    記録原本及び調査用写し
    IP 6.057.どのように記録原本が国際事務局へ送付されるのか。
    第22条(1),
    第24条(1)(ii),
    第24条(1)(iii),
    規則22.1,
    規則22.3

    国際事務局が所定の期間内に記録原本を受理しなかった場合、国際出願は取り下げられたものとみなされるので、 PCT に基づく手続に関して国際出願の真正な原本とみなされる記録原本は (IP 5.180 項を参照)、期間内に国際事務局に届かなければならない。しかし、この場合、事前に出願人に通知されることなく国際出願が取り下げられたものとみなされることはない (IP 6.058 項を参照)。記録原本が届かない場合であっても、所定期間内に指定官庁に対して国内段階に移行する出願人の義務を救済するものではない (国内段階のNP 6.022 項から NP 6.027 項を参照)。
    IP 6.058.国際事務局は記録原本の受理をどのように確認するのか。
    規則20.2(c),
    規則22.1(e)

    国際事務局は、一度受理官庁から国際出願番号及び国際出願日の通知を受けたら記録原本の受理を確認する。国際事務局は、優先日から 13 か月以内に記録原本を受け取っていない場合、受理官庁に対し記録原本を送付するよう要請する。国際事務局は、その 1 か月経過後も記録原本を受け取っていなければ、出願人にその事実を通知する。出願人は受理官庁に対して、記録原本を国際事務局に送付すること、又は出願人が自ら国際事務局宛に送付できるよう国際出願の認証謄本を発行すること (これは、無料で行わなければならない) のいずれかを請求できる。国際事務局は、国際事務局から出願人に対する上述した通知から 3 か月経過後にのみ、記録原本を所定の期間内に受け取っていないと決定することができる。したがって出願人は、権利の喪失が生じる前に常に警告され、自身で記録原本の送付を引き受ける機会が与えられる。この場合、国際出願の写しの証明は無料で行われなければならず、特別な場合 (たとえば、国際出願を国際出願として取り扱うことが国の安全上の考慮によって妨げられる場合、詳細については規則 22.1 (e)を参照) のみ、国際出願の写しの証明を拒否することができる。
    IP 6.059.どのように調査用写しは国際調査機関へ送付されるのか。
    規則12.1(c),
    規則 23.1,
    規則25.1

    調査用写し (IP 5.180 項を参照) は、受理官庁が国際調査機関に送付する。国際調査手数料が全額受理官庁に支払われた場合のみ (IP 5.184 項(ii)、 IP 5.193 項、 IP 5.195 項及び IP 5.198 項を参照)、及び、国際調査機関が認めない言語によって国際出願が行われた場合には要求される翻訳文を提出した後のみ (IP 5.181 項を参照)、調査用写しが送付される。したがって、国際調査報告の作成の遅延を避けるために、すみやかに調査手数料を支払い、及び該当すれば、すみやかに翻訳文を提出することが出願人の利益である。国際調査機関は、国際事務局、出願人及び受理官庁に、調査用写しの受領の事実及び日付を通知する。
    IP 6.060.出願人は国際出願の認証謄本を入手することができるのか。
    規則21.2
    受理官庁は、請求及び手数料の支払が行われた場合、出願時における国際出願及びそれに係る補充書の認証謄本を出願人に対して請求に応じて交付しなければならない。出願人が国際出願に基づく優先権の主張を希望する場合には、国際出願の認証謄本が優先権書類となる。優先権書類の写しについては、 IP 5.070 項を参照。

    第 7 章 国際調査手続: 国際調査機関による国際出願の処理

    概要
    IP 7.001.国際調査機関における主な処理手続は何か。
    規則43,
    規則43の2.1

    国際調査機関において国際出願が受ける主な処理手続は次のとおりである。
    (i) 国際調査の実施
    (ii) 国際調査報告の作成
    (iii) 書面による見解の作成
    IP 7.002.いずれの国際調査機関が管轄するのか。
    規則4.14bis,
    規則35

    受理官庁 (受理官庁としての国際事務局を除く; IP 5.008 項を参照) は、行われた国際出願についての国際調査の実施を管轄する 1 つ又は 2 つ以上の国際調査機関を特定する。一部の受理官庁につい ては国際出願 が行われた言語に応じて、又は国際調査機関が認めな い言語によって国際出願が行われた場合には翻訳文の言語に応じて、異なる国際調査機関が管轄する。受理官庁が管轄する複数の国際調査機関を特定した場合、出願人は、 (言語の制限を条件として) それらの国際調査機関の中から選択することができる。附属書 C は、各受理官庁が特定した管轄国際調査機関及び管轄国際調査機関が国際調査のために容認する国際出願の言語を掲載している。国際出願が受理官庁としての国際事務局に行われた場合、国際調査機関は、管轄する受理 (広域) 官庁に対して国際出願が行われた場合に管轄したであろう国際調査機関が管轄する。附属書 D には、各国際調査機関が認める言語のすべてが掲載されている。 2 つ以上の国際調査機関が国際調査を管轄する場合、出願人は願書に選択した機関を表示しなけれ ば ならず (IP 5.072 項を参照)、 ま た、それを手数料計算用紙に表示すべきである (IP 5.093 項及び IP 5.187 項を参照)。なお、国際調査機関としての一部の官庁の権能に関する各種取決めの枠組内において、このような機関は、一部の国際出願に関して、同機関が管轄するのか否かについて制限を設けることができる。取決めについての協定の全文は WIPO ウェブサイト https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements から参照可能である。詳細は附属書 D を参照。
    IP 7.002A.出願人は国際調査を行う機関に先の調査結果に関するコメントを提出することができるのか。
    国際出願が先の出願に基づき優先権を主張しており、当該先の出願に関して国際調査機関と同じ官庁が既に調査を行っていた場合、一部の国際調査機関は、優先権主張の基礎となる出願に関する先の調査結果に応答して出願人が提出したコメントを国際調査時に考慮する旨表明している。出願人がこのコメントを考慮するよう希望する場合には、国際出願と併せて当該コメント を受理官庁に 提出し、願書 第 IX 欄の「そ の他」のチェ ックボックスをマークし、「先の調査結果に関する非公式なコメント」と表示すべきである。そして、当該非公式なコメントは、調査用写し及び記録原本と併せて国際調査機関及び国際事務局に送付される。先の調査結果に関する非公式なコメントは PATENTSCOPE において公開される (このサービスを提供する国際調査機関に関する情報については附属書 D を参照) 。
    IP 7.003.国際調査の目的は何か。
    規則33

    国際調査の目的は関連する先行技術を発見することにある。「先行技術」は世界のいずれかの場所において書面による開示 (図面その他の図解を含む) によって公衆の利用可能な状態に置かれているすべてのものをいう。請求の範囲に記載されている発明が新規性を有するのか否か、進歩性 (すなわち、非自明性) を有するのか否か、及び公衆の利用可能な状態に置かれたことが 当該国際出願 日前に生じて いるのか否か を決定すると きに役立つ場合、その「先行技術」は、その国際出願について「関連する」 (詳細については規則 33 を参照)。国際調査は国際出願に含まれている明細書及び図面 (該当する場合) に妥当な考慮を払い、請求の 範 囲 に 基 づ き 行 う 。 国 際 調 査 の 結 果 は 、 国 際 調 査 報 告 に お い て 述 べ ら れ る (IP 7.023 項か ら IP 7.026 項を参照)。
    IP 7.004.国際調査機関によりどのような文献が調査されるのか。
    規則34.1

    国際調査機関はできる限り多くの関連する先行技術を発見するよう努め、いかなる場合であっても、いわゆる「最小 限資料」を調査しなければ ならない。概して、その最小限資料は、 1919 年以降にフランス、 1920 年から 1945 年までにドイツ、 1945 年以降にドイツ連邦共和国、日本 (日本国特許庁 (JPO) 以外の国際調査機関については、英語による要約文が一般的に入手可能な場合に限る)、中華人民共和国 (中国国家知識産権局 (CNIPA) 以外の国際調査機関については、英語による要約文が一般的に入手可能な場合に限る)、韓国 (知識財産処以外の国際調査機関については、英語による要約文が一般的に入手可能な場合に限る)、旧ソビエト連邦及び現ロシア連邦 (連邦知的財産局 (ロシア連邦) 以外の国際調査機関については、英語による要約文が一般的に入手可能な場合に限る)、スイス (イタリア語の資料を除く)、英国、米国、アフリカ知的財産機関 (OAPI)、アフリカ広域知的財産機関 (ARIPO)、ユーラシア特許庁及び欧州特許庁によって発行及び公表された特許文献、公表された国際 (PCT) 出願並びに様々な日付以降の約 135 種類の技術定期刊行物からなる。しかし、国際調査機関が最小限資料より多くの資料を所有している場合には、できる範囲でその追加の資料を調査することも義務付けられていることを強調する。
    IP 7.004A.後に提出された欠落部分又は正しい要素若しくは部分が、国際出願に含まれている場合にはどうなるのか。
    規則20.5,
    規則 20.5の2

    通常であれば、補充された欠落部分又は正しい要素若しくは部分を出願を基礎として国際調査が行われる。正しい要素若しくは部分を引用によって補充した場合、誤って提出された要素又は部分は規則 20.5 の 2 (d)に従い国際出願に引き続き残されるが、国際調査の目的では考慮されない。
    IP 7.004B.
    規則 20.5(c),
    規則 20.5(d),
    規則 20.5の2(c),
    規則 20.5の2(d),
    規則40の2.1

    ただし、国際調査機関が国際調査報告の作成を開始した後になって初めて、欠落部分又は正しい要素若しくは部分が、引用によって補充された又は含まれた旨が国際調査機関に通知された場合、国際調査機関はそれに関する追加手数料を支払うよう出願人に通知することができる。この通知では、通知の日から 1 か月以内に追加手数料を支払うよう出願人に求め、手数料の支払額を表示する。その後に出願人は、この追加手数料を国際調査機関に直接支払わなければならない。追加手数料が期間内に支払われない場合、国際調査機関は、欠落部分又は正しい要素若しくは部分を考慮することなく、国際調査報告及び書面による見解を作成する。
    ヌクレオチド・アミノ酸の配列表
    IP 7.005.国際調査中に、どのような特別の要件がヌクレオチド・アミノ酸の配列表に適用されるのか。
    規則5.2,
    規則 13の3.1,
    第208号,
    第513号(a)

    国際調査機関は、実施細則の附属書 C で定める配列表に記載することが要求されている、 1 つ又は複数のヌクレオチド・アミノ酸の配列の開示が国際出願に含まれているが、所定の標準 (IP 5.099 項を参照) に準拠する、国際調査機関が認める言語による配列表が (国際出願の一部として又は国際調査の目的で事後提出されたものとして) 提出されていないことを発見した場合、国際調査機関は出願人に対して、この標準に準拠する配列表の提出、又は国際調査機関が認める言語による言語依存フリーテキストの翻訳文を含む配列表の提出、及び該当すれば、遅延提出手数料の支払を求めることができる。国際調査機関が要求する配列表は、国際調査を行 うためのもの である。配列 表に関する発 明の開示に係 る国内法令の 要件申請は、手続の国内段階に関する事項である。
    IP 7.006.[削 除]
    IP 7.007.[削 除]
    IP 7.008.国際事務局は、電子形式の配列表を作成するために何らかのソフトウェアの使用を推奨しているのか。
    電子形式の配列表は、 WIPO Sequence を使用して作成することが望ましい (IP 5.104 項を参照)。
    IP 7.009.配列表の提出用に国際調査機関が認める磁気ディスク又はその他の電子搬送体にはラベルをどのように貼付するのか。
    実施細則 附属書F 添付書類IV - 2.(f)
    磁気ディスク又は管轄国際調査機関が認めるその他の電子媒体は、ラテンアルファベットのブロック体 大文字でタイ プ印字又は手 書きによって 、出願人の氏 名又は名称、 発明の名称、書類記号、そのデータを記録した日付、コンピュータのオペレーティングシステム、管轄国際調査機関の名称を記載したラベルをはがれないように貼付しなければならない。磁気ディスク又は管轄国際調査機関が認めるその他の電子媒体が国際出願日の後に提出された場合、ラベルには国際出願日及び国際出願番号も記載しなければならない。
    IP 7.010.求めに応じて配列表を提出する手続はどのようなものか。
    規則 13の3.1(a),
    規則 13の3.1(c),
    規則 13の3.1(d)

    実施細則附属書 C で定める標準に準拠する配列表 (IP 7.005 項から IP 7.008 項を参照) 、又は言語依存フリーテキストの翻訳文を含む配列表の提出を求める国際調査機関からの通知では、求めに対する応答期間を定める。国際調査機関は、求めに応じた配列表の提出に関して、遅延提出手数料の支払を条件とすることができる。遅延提出手数料の額は国際調査機関によって定められるが、(30 枚を超える国際出願の各用紙について支払われる手数料を除き) 手数料表第 1 項に示す国際出願手数料の 25 %を超えてはならない。出願人の提出する配列表には、配列表が出願時における国際出願の開示の範囲を超えていない旨の記載を添付しなければならない。出願人がこの応答期間を満たさない場合、国際調査機関は国際調査を行う範囲を制限することができる (IP 7.013 項を参照)。書類を提出するための手段については、IP 11.067項からIP 11.070項を参照。
    IP 7.011.国際調査機関に提出された配列表は、国際出願の一部となるのか。
    規則 13の3.1(e)
    規則 13 の 3 に基づき国際調査機関に別個に提出された配列表は、いずれも国際調査の目的に限定して使用され、国際出願の一部を構成しない。ただし、国際出願の公開後、国際事務局は PATENTSCOPE (https://www.wipo.int/patentscope/en/) において、このような配列表を公衆の利用可能な状態に置く。出願人は事後的に (第 34 条に基づき又は国内時に) 明細書を補正し、 WIPO 標準 ST.26 に準拠した明細書の配列表を取り入れることができる。
    IP 7.012.国際調査機関に提出された配列表は、国際予備審査機関又は国内段階において指定官庁の要件も満たすのか。
    規則 13の3.2,
    規則49.5(aの2)

    国際予備審査においては、国際調査における配列表に関する要件と同じ要件が適用される (IP 10.063 項を参照)。たとえば国際予備審査機関は、国際予備審査の目的で、実施細則附属書 C で定める標準に準拠する配列表、又は国際予備審査機関が認める言語による言語依存フリーテキストの翻訳文を含む配列表を、国際予備審査機関に提出するよう出願人に求めることができる。指定官庁に関しては、いかなる指定官庁も、実施細則附属書 C で定める標準に準拠するもの以外の配列表を指定官庁に提出するよう出願人に要求することはできない。指定官庁は、配列表が所定の標準に準拠していないことを発見した場合、及び/又は、指定官庁が認める言語による言語依存フリーテキストが含まれていないことを発見した場合には、この要件を満たす配列表又は翻訳文を提出するよう出願人に求めることができる (国内編を参照)。
    国際調査の制限
    IP 7.013.国際調査機関は、ある対象の調査を拒否することができるのか。
    規則 13の3.1(d),
    規則39.1

    国際調査機関は次のいずれかの事由に該当する請求の範囲に記載されている発明について国際調査することを要しない。
    (i) 科学及び数学の理論
    (ii) 植物及び動物品種、又は植物及び動物の生産の本質的に生物学的な方法、ただし、微生物学的方法及び微生物学的方法による生産物を除く
    (iii) 事業活動、純粋に精神的な行為の遂行若しくは遊戯に関する、計画、法則又は方法
    (iv) 外科的若しくは治療的な人体又は動物体の処置方法、及び人体又は動物体の診断方法
    (v) 情報の単なる提示
    (vi) コンピュータプログラムのうち国際調査機関が当該プログラムについて先行技術を調査する態勢にある範囲外のもの
    しかし、実際のところ一部の国際調査機関は、上述した分野を様々な程度まで調査している。たとえば、複数の国際調査機関が国内 (又は広域) 手続において通常調査される対象を調査している (詳細については附属書 D を参照)。更に国際調査機関は、ヌクレオチド・アミノ酸の配列表に関して、所定の標準で提出されていない場合、又は認められる言語によるものが利用できない場合 (IP 7.005 項から IP 7.012 項を参照)、有意義な調査を行うことができない範囲については国際出願の調査を要しない。国際調査機関は請求の範囲を調査することを要しない場合には、国際調査報告を作成しない旨を宣言することができる。この場合の国際調査報告の欠如自体が国際出願の有効性に影響を与えず、その国際出願の手続は指定官庁への連絡を含み継続されることに留意されたい。国際調査機関がその管轄権について制限を設ける可能性に関しては IP 7.002 項を参照。
    IP 7.014.国際調査機関は不明確又は欠陥のある国際出願の調査を拒否することができるのか。
    規則6.4(a)

    国際調査機関が明細書、請求の範囲又は図面が有意義な調査を行うことができる程度まで所定の要件を満たしていないと認めた場合、当該国際調査機関は調査報告を作成しない旨を宣言することができる (この宣言は一部の請求の範囲についてのみ行うこともできる)。特に、明細書又は請求の範囲が不明確な場合に生じる。国際調査報告の欠如自体は国際出願の有効性に影響を与えず、その国際出願の手続は指定官庁に対する連絡を含み継続される。国際調査機関は請求の範囲の一部分のみが「調査不可能」であると認めた場合には、この部分については調査をしないが国際出願のその他の部分については調査する。この結果として国際調査機関は、調査された請求の範囲に関する部分的な調査報告書を作成する。この部分的な調査報告書には更に、一部の請求の範囲が調査不可能と判断された旨の第 17 条(2)(b)に基づく宣言も含まれる。これは規則 6.4 (a)の第 2 文及び第 3 文に規定する記述方法を満たさない多数従属請求の範囲の場合に適用することができる (IP 5.113 項を参照)。
    発明の単一性
    IP 7.015.「発明の単一性」の要件の目的は何か。
    規則 13

    調査手数料 (IP 5.184 項(ii)及び附属書 D を参照) は、国際出願が「発明の単一性」の要件を満たす場合のみ国際出願についての国際調査を行う国際調査機関に対するものである。これは国際出願が 1 つの発明又は一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明に関するものでなければならないことを意味する。発明の単一性の要件は、 IP 5.114 項から IP 5.123 項に詳細に説明されている。
    IP 7.016.国際出願が発明の単一性の要件を欠いていると国際調査機関が認めた場合どうなるのか。
    規則 13,
    規則40.1,
    規則40.2(a),
    規則40.2(b),
    規則40.2(e)

    国際調査機関は、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないことを発見した場合、出願人に対して当該発見の理由及び追加手数料の支払額を明記して追加手数料を支払うよう求める。更に該当すれば、求めに規則 40.2 (e)で規定する異議申立手数料の額を示し、その額を支払うよう出願人に求めることもできる。この追加手数料は求めの日から 1 か月以内に、国際調査機関に直接支払う。附属書 D には各国際調査機関が要求する追加の発明ごとの追加の調査手数料の額が掲載されている。
    IP 7.017
    国際調査機関は、出願人に対して追加手数料を支払うよう求める場合、請求の範囲に最初に記載されている発明に限定した部分的な国際調査の結果 (関連する請求の範囲は求めに明記される) を求めに添付することができる。この部分的な国際調査の結果は、国際調査報告を作成するときに出願人が求めに定めた期間内に追加手数料を支払ったその他の発明の調査報告とともに国際調査報告に記載される。
    IP 7.018
    規則 13

    国際調査機関はいかなる場合にも「主発明」、すなわち、請求の範囲に最初に記載されている発明 (又は単一の一般的発明懸念を形成するように連関している一群の発明) に関する国際出願の部分について国際調査報告を作成する。更に、国際調査機関は、出願人が求めに定めた期間内に追加手数料を支払った発明 (又は単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明) に関する国際出願の部分についても国際調査報告を作成する。
    IP 7.019.出願人は追加手数料の支払に対して異議を申し立てることができるのか。
    規則40.2(c),
    規則40.2(d)

    出願人は異議を申し立て、すなわち、国際出願が発明の単一性の要件を満たしている旨又は要求された追加手数料の額が過大である旨の理由を示した陳述書を添付して、追加手数料を支払うことができる。異議は国際調査機関内の枠組みにおいて設置される検査機関によって審理され、決定される。異議を正当と認める限度において追加手数料の全部又は一部が払い戻される。出願人の請求によって、異議及び当該異議についての決定の書面は国際調査報告とともに指定官庁に通知される。
    IP 7.020
    規則40.1,
    規則40.2(e)

    出願人が異議申立を伴い追加手数料を支払った場合、国際調査機関は出願人に対して異議の審理のための手数料 (「異議申立手数料」) を支払うよう要求することができる。国際調査機関が課す異議申立手数料があれば、その詳細が附属書 D に掲載されている。追加手数料支払の求めから 1 か月以内に出願人が要求される異議申立手数料を支払わなかった場合、異議は申し立てられなかったものとみなされ、国際調査機関はその旨を宣言する。
    IP 7.021.出願人が求められた追加手数料を支払わなかった場合どうなるのか。
    所定の期間 内に出願人が 国際調査機関 の示した追加 の手数料のす べてを支払わ なかったが、その一部のみを支払った又は追加手数料をまったく支払わなかった場合、国際調査機関は国際出願の当該部分について調査しない。国際出願の当該部分に関する国際調査報告の欠如自体は、国際出願の有効性について影響を与えず、その国際出願の手続は、すべての請求の範囲につい て、指定官庁 への連絡を含み継続される 。しかし、指 定国の国内法 令に基づき、調査が行われなかった国際出願の部分は、当該指定国に関する限り出願人が当該指定国の国内又は広域官庁に特別手数料を支払った場合を除き取り下げられたものとみなす旨を定めることができる。そのような規定を適用する指定国はわずかである。特別手数料についての詳細は関係する国内編に記載されている。
    発明の名称及び要約
    IP 7.022.国際調査機関が発明の名称若しくは要約の欠落又は欠陥を発見した場合どうなるのか。
    規則37,
    規則38,
    規則44.2

    そのような場合及び所定の場合に、適切な発明の名称又は要約を作成するのは最終的には国際調査機関である。詳細については、規則 37 、規則 38 及び規則 44.2 並びに IP 5.173 項を参照。
    国際調査報告
    IP 7.023.国際調査報告はいつ作成されるのか。
    規則42

    国際調査報告は、国際調査機関による調査用写しの受領から 3 か月の期間 (IP 6.059 項を参照)、又は優先日から 9 か月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に作成しなければならない。
    IP 7.024.国際調査報告の内容は何か。
    規則43
    国際調査報 告には特に、 関連があると 認められる文 献の列記、発 明の属する分 類の表示 (国際特許分類に従う) 並びに調査を行った分野の表示 (この分野は分類記号の表示によって特定される) 及び調査した電子データベース (実行可能であれば使用された調査タームを含む) が記載されている。列記された文献のうち特に関連のあるものについては、特別に表示しなければならない。すべての請求の範囲には関連しない列記された文献は、その関連する請求の範囲との関係において表示する。列記された文献の一部の箇所のみが関連し又は特に関連する場合、その一部の箇所は、たとえば、頁、段又は行を表示することによって特定しなければならない。国際調査報告にはいかなる見解の表明、理由、論証又は説明も記載しないよう留意することが重要である。詳細については規則 43 を参照。
    IP 7.025.出願人及び国際事務局は国際調査報告をどのように受領するのか。
    規則44.1

    国際調査機関は出願人及び国際事務局に、国際調査報告の写し (又は国際調査報告が作成されない場合には、その旨の宣言の写し、 IP 7.013 項及び IP 7.014 項を参照) 並びに同機関が作成した書面による見解 1 通を同日に送付する。国際事務局は、公開された国際出願とともに国際調査報告を公開し (IP 9.015 項を参照)、写しを指定官庁に送付する。
    IP 7.025A.出願人は国際調査報告に応答することができるのか。
    規則には、出願人が国際調査報告に応答する機会について具体的に規定していないが、出願人は報告書を受領した後、第 19 条に基づき国際出願の請求の範囲を補正する機会を 1 回有する (IP 9.004 項から IP 9.011 項を参照)。国際調査機関の書面による見解に応答する可能性については IP 7.030 項を参照。
    IP 7.026.出願人は国際調査報告に列記された文献の写しをどのように入手することができるのか。
    規則44.3

    出願人は請求によって国際調査機関から国際調査報告に列記された文献の写しを入手することができる。国際調査機関によっては、自動的にこの文献の写しを国際調査報告とともに出願人に追加手数料なしで送付する。附属書 D には、自動的に文献の写しを追加手数料なしで送付する国際調査機関及びその他の国際調査機関に関する請求による写しの送付のための手数料の額が掲載されている。
    国際調査機関の書面による見解
    IP 7.027.国際調査機関の書面による見解とは何か。
    規則43の2.1(a)
    国際調査機関は、国際調査報告の作成又は第 17 条(2)(a)で規定する宣言と同時に、請求の範囲に記載された発明が新規性、進歩性及び産業上の利用可能性を有していると思われるのか否かの問題について、予備的かつ拘束力のない書面による見解を作成する。これは、国際予備審査機関が国際予備審査中に作成する書面による見解の範囲ときわめて近似している。
    IP 7.028.
    規則44.1
    書面による見解を作成する目的で先行技術を決定するための基準日となるのは、国際出願日、又は先の出願の優先権が主張されていれば、当該優先日である。この日付は、国際調査報告を作成するために使用される日付と異なるが、国際予備審査のために使用される日付と一致している。国際調査機関の書面による見解が作成される言語は、国際調査報告が作成される言語と同じであり、国際調査報告又は第 17 条(2)(a)で規定する宣言とともに出願人及び国際事務局に通知される (IP 7.025 項を参照)。書面による見解は、国際事務局が入手できない状況を除き、国際出願の公開と同日に PATENTSCOPE で公衆に利用可能な状態となる。
    IP 7.029.書面による見解はいつ作成しなければならないのか。
    規則42

    国際調査機関は原則として、受理官庁が同機関に送付した調査用写しを受領してから 3 か月、又は優先日から 9 か月の、いずれか遅く終了する期間内に、国際調査報告及び書面による見解を作成しなければならない。
    IP 7.030.出願人は国際調査機関の書面による見解に応答することができるのか。
    規則には、国際調査機関の書面による見解について出願人が意見を述べるための特別の規定が含まれていないが、 PCT 総会の決定によると、出願人は、非公式ベースでコメントを国際事務局に提出することができる。この非公式なコメントは、国際予備審査が請求されていない場合、国際調査機関の書面による見解に対して出願人が反論する機会を与えるためのものである。非公式なコメントの文字数制限は存在していない。国際事務局に非公式なコメントを提出する場合には、その旨を明確に特定すべきである。非公式なコメントは国際公開日から PATENTSCOPE において公衆の利用可能な状態に置かれる。非公式なコメントは優先日から 28 か月以内に提出し、国内段階移行時に国内官庁が利用可能な状態としておくことが推奨される。優先日から 30 か月経過後に受領した非公式なコメントは国際事務局のファイルとしてのみ保管され、指定官庁に送付されない。国際事務局の実務として、非公式なコメントの言語に関する限り、いかなる言語の非公式なコメントであっても受理して指定官庁に送付する。国際調査機関の書面による見解に対して公式に応答をする場合には、第 II 章による手続の一部として、第 34 条に基づき国際予備審査機関に直接提出しなければならない。国際予備審査請求を行う場合、第 I 章に基づき提出した非公式なコメントは指定官庁に送付されないが、 PATENTSCOPE において引き続き公衆の利用可能な状態に置かれる。
    IP 7.031.国際調査機関の書面による見解と特許性に関する国際予備報告 (IPRP) (第 I 章) との関係は何か。
    規則44の2
    国際予備審査報告が作成されなかった場合、又は作成されない場合には、国際調査機関の書面による見解が、国際予備審査機関に代わって国際事務局が発行する特許性に関する国際予備報告 (IPRP) (第 I 章) の基礎となり、(もしあれば) 出願人が提出した非公式なコメントとともにすべての指定官庁に通知される。特許性に関する国際予備報告 (第 I 章) は、優先日から 30 か月経過後に PATENTSCOPE において公衆の閲覧に供される。
    IP 7.032.
    規則43の2.1(c),
    規則66.1の2

    国際出願に関して国際予備審査請求が行われた場合、国際調査機関が作成した書面による見解は、国際予備審査機関が別段の通知を国際事務局に行った場合を除き、原則として、国際予備審査機関が最初に作成する書面による見解として、国際予備審査機関が使用する。

    第 8 章 補充国際調査

    概要
    IP 8.001.補充国際調査とは何か。
    規則45の2
    補充国際調査は 、 第 15 条 (1) に基づき行われる国際調査 (第 7 章で説明した「主国際調査」) に追加して、 1 つ又は複数の補充国際調査を、主国際調査を行った国際調査機関以外の国際機関 (「補充調査のために指定された機関」) それぞれが行うよう、出願人が請求することを可能とするものである。
    IP 8.002.出願人にとって補充国際調査はどのような利益があるのか。
    補充国際調査を請求することによって、国内段階で新たな先行技術が引用されるリスクが低減する。様々な言語、様々な技術分野において先行技術の多様化が進んでいることから、主国際調査を行う機関は、関連する先行技術すべてを発見することができるとは限らない。このように特許手続の早期段階で 1 つ又は複数の補充国際調査を請求することによって、言語面及び技術面の双方における調査範囲が拡大する。また、後に国内段階に移行する可能性がある国において補充調査を行うことができる場合もある。
    IP 8.003.いずれの機関に対して補充国際調査を行うよう請求することができるのか。
    規則45の2.1(e),
    規則45の2.9(b)

    補充国際調査を行う用意がある旨を表明している国際調査機関であって (附属書 SISA を参照)、主国際調査を行わなかった国際調査機関のみに対して、補充国際調査を行うよう請求することができる。
    IP 8.004.各機関は同一の補充国際調査サービスを提供しているのか。
    規則45の2.9(a),
    規則45の2.9(c)

    補充国際調査を行う用意がある機関は、国際事務局との取決めに基づき、このサービスに関する制限及び条件を定めることができる (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements を参照) 。この制限には、主国際調査に関して適用することができる制限を上回る、補充調査を行う対象となる事項に関する制限 (IP 7.013 項及び IP 7.014 項を参照)、並びに特定の期間内に行う補充国際調査の総数に関する制限 (附属書 SISA を参照) を含むことができる。
    IP 8.005.補充調査請求は、いつ行うのか。
    規則45の2.1(a),
    規則45の2.1(e)(i)

    多くの場合には、出願人が主国際調査報告を受領した段階で補充調査を請求する。出願人はいずれにしても、優先日から 22 か月以内に補充国際調査を請求しなければならない。この期間経過後に請求を受領した場合には、請求されなかったものとみなされ、この期間を延長する規定は存在しない。
    補充調査請求
    IP 8.006.補充調査はどのように請求するのか。
    規則45の2.1(b),
    第102号(f),
    第102号(g)

    国際事務局は、補充調査請求書の作成を容易にするために、 WIPO ウェブサイトにおいて編集可能な PDF 形式の様式 PCT/IB/375 「補充調査請求書 (Supplementary Search Request)」を提供している (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/forms/instructions において、編集可能な形式の作成及び保存方法の手引が示されている)。この様式に附属する備考の記載に従い、様式を作成すべきである。この様式を使用することは任意であるが、強く推奨される。更に、ePCT 経由で国際事務局に当該様式を提出することが推奨される。
    IP 8.007.2 件以上の補充国際調査を請求できるのか。
    規則45の2.1(a)
    出願人が 2 件以上の補充国際調査を行うよう希望する場合には、望ましくは様式 PCT/IB/375 を使用して、請求の対象となる補充国際調査ごとに別個の請求書を提出すべきである。
    IP 8.008.補充調査請求書をどこに提出するのか。
    規則45の2.1(b),
    規則45の2.4(e)

    補充調査請求書は国際事務局に提出しなければならず、補充調査のために指定された機関ではない。国際事務局は、すべての方式要件が満たされていることを確認した後、補充調査のために指定された機関に対して補充調査請求書を送付する。
    IP 8.009.補充調査請求はいずれの言語によって行うのか。
    規則92.2(d),
    第104号

    補充調査請求は、英語又はフランス語によって行うべきである。
    IP 8.010.補充国際調査に関して国際事務局と通信する言語は何か。
    規則92.2(d),
    第104号

    出願人と国際事務局との通信は、出願人の選択によって英語又はフランス語とすべきであり、国際出願が英語又はフランス語によって行われた場合には、国際出願と同じ言語を使用する。ただし、ePCT 経由で出願人から国際事務局に通信する場合には、国際出願の公開言語を使用することもできる。
    IP 8.011.補充調査のために指定された機関はどのように表示するのか。
    規則45の2.1(b)(ii)
    補充調査のために指定された機関は、補充調査請求書の様式の第 1 頁冒頭にある機関の名称又は 2 文字のコードによって表示すべきである。
    IP 8.012.補充調査請求書の他にどのような書類を提出しなければならないのか。
    規則 13の3.1,
    規則45の2.1(c)

    国際出願が行われた言語、又は (もしあれば) 主国際調査若しくは国際公開のために翻訳文を提出した言語のいずれも、補充調査のために指定された機関で認められないものであれば、補充調査請求書にとともに、その機関が認める言語による国際出願の翻訳文を提出しなければならない。実施細則の附属書 C に定める配列表を記載するよう要求されている、 1 つ又は複数のヌクレオチド・アミノ酸の配列の開示が国際出願に含まれている場合、出願人は要求があれば、補充調査請求書とともに、(その機関が認める言語による、所定の標準に準拠する) 電子形式による配列表の写しを国際事務局に提出することが望ましい。
    第 I 欄 国際出願の表示
    IP 8.013.国際出願をどのように特定するのか。
    規則45の2.1(b)(i),
    第109号,
    第110号

    出願人は、第 I 欄に示す国際出願番号、国際出願日 (日付の形式については IP 5.061 項を参照) 及び発明の名称によって、国際出願を明確に特定すべきである。国際調査機関が新たな発明の名称を定めた場合には、その名称を表示すべきである。
    IP 8.014.
    国際出願がいくつかの先の出願の優先権の主張を伴う場合には、優先権主張の基礎となる最先の出願の出願日を、優先日として表示すべきである。出願人が希望すれば、 25 文字以内で書類記号も表示することができる (IP 5.017 項を参照)。
    第 II 欄 出願人
    IP 8.015.出願人をどのように特定するのか。
    規則45の2.1(b)(i)
    出願人は、第 II 欄に自己の氏名又は名称及びあて名を表示して特定すべきである。氏名又は名称及びあて名を表示する要件は、願書様式 (PCT/RO/101) の要件と同じである (IP 5.025 項から IP 5.034 項を参照)。
    IP 8.016.
    出願人が 2 人以上いる場合、補充調査請求書に関しては 1 人のみを特定すればよい。すべての出願人を代表する、通知の送付先となる出願人を表示することが推奨される。補充調査請求書の第 III 欄に代理人又は共通の代表者を表示している場合、その代理人又は共通の代表者に通知が送付される (IP 11.015 項から IP 11.017 項も参照)。
    IP 8.017.出願人は電子メールによる通知をどのように受領するのか。
    規則4.4(c)
    補充調査請求書の様式第 II 欄に電子メールアドレスが表示されている場合、国際事務局、及び補充調査のために指定された機関 (電子メールによる通知のサービスを提供している場合) は、国際出願に関する通知を出願人に電子メールで送付し、これによって処理又は郵送における遅滞を回避する。この場合には、補充調査のために指定された機関が紙形式の確認書を追加的に送付する意向を持たない限り、通常であれば紙形式の通知が郵送されない。代理人又は共通の代表者も電子メールアドレスを提示している場合、電子メールによる通知は選任された代理人又は共通の代表者のみに送付される (IP 8.018 項を参照)。なお、すべての機関が当該通知を電子メールで送付するわけではない (附属書 B を参照)。電子メールアドレスが提示されて いない場合、 又は出願人が 補充調査請求 書の様式第 II 欄の対応するチェックボックスをマークして、通知を郵送のみによって受領することを選択している場合、又は補充調査のために指定された機関が電子メールによる通知の送付を行わない場合、通知は郵便のみによって所定のあて名に送付される。電子メールアドレスの詳細を最新のものとして、受信がブロックされる状態を回避するのは、いかなる理由があろうとも出願人の責任である。願書に表示した電子メールアドレスに変更があれば、規則 92 の 2 に基づき、望ましくは国際事務局に直接、変更を記録するよう請求すべきである。
    第 III 欄 代理人又は共通の代表者
    IP 8.018.補充調査のために指定された機関に対する手続に関して、どのように代理人を選任するのか。
    規則45の2.1(b)(i),
    規則90.1,
    規則90.2,
    規則90.4,
    規則90.5

    補充調査のために指定された機関に対する手続を含む国際段階でのすべての手続に関して出願人を代理する代理人は、願書様式 (PCT/RO/101) 第 IV 欄又は受理官庁に提出する別個の委任状によって選任することができる (IP 5.041 項から IP 5.046 項、 IP 11.001 項から IP 11.014 項も参照)。
    IP 8.019.補充調査のために指定された期間に対する手続のために、代理人を特別に選任できるのか。
    ただし、補充調査のために指定された機関に対する手続について代理人が特別に選任される場合には、その旨を補充調査請求書の様式第 III 欄に表示し、出願人が様式に署名すべきである。
    IP 8.020.
    代理人の選任は、出願人が署名した別個の委任状によって行うこともできる。第 III 欄又は別個の委任状の表示には、代理人の氏名及びあて名を含まなければならない (IP 5.025 項から IP 5.029 項を参照)。代理人の電話番号・ファクシミリ番号・電子メールアドレスも表示することが推奨される。代理人が補充調査のために指定された機関として行動する官庁で登録されている場合には、代理人が登録されている番号又はその他の表示も含むことが推奨される。委任状の見本は、 WIPO ウェブサイトにおいて編集可能な PDF 形式で入手できる。補充調査のために指定された機関に対する手続について特別に選任する場合には、その機関に別個の委任状を提出しなければならない。包括委任状が、補充調査のために指定された機関として行動する官庁に対し出願人を代理する代理人を認可しており、この選任が、この機関に対する手続に関して特別に行われている場合には、この機関に包括委任状を提出しなければならない。補充調査のために指定された機関は、別個の委任状又は包括委任状の写しを当該機関に提出する要件を放棄することができる (附属書 SISA を参照)。
    IP 8.021.代理人は電子メールによる通知をどのように受領するのか。
    規則4.4(c)
    補充調査請求書の様式第 III 欄に電子メールアドレスが表示されている場合、国際事務局、及び補充調査のために指定された機関 (電子メールによる通知のサービスを提供している場合) は、通知を代理人又は共通の代表者に電子メールで送付し、これによって処理又は郵送における遅滞を回避する (IP 8.017 項を参照)。この場合には、補充調査のために指定された機関が紙形式の確認書を追加的に送付する意向を持たない限り、通常であれば紙形式の通知が郵送されない。電子メールアドレスが提示されていない場合、又は代理人又は共通の代表者が補充調査請求書の様式第 III 欄の対応するチェックボックスをマークして、通知を郵送のみによって受領することを選択している場合、又は補充調査のために指定された機関が電子メールによる通知の送付を行わない場合、通知は郵便のみによって所定のあて名に送付される。
    IP 8.022.通信用あて名とは何か。
    第108号
    代理人が補充調査のために指定された機関に対する手続について特別に選任されている場合、その機関からのすべての通知は、その代理人のみに送付される。それ以外の場合の通信は、場合によっては、以前に選任されていた代理人、又は共通の代表者に送付される。ただし出願人は、代理人又は共通の代表者のいずれも選任しておらず、第 II 欄に表示したあて名以外の異なるあて名に通信を送付するよう希望する場合には、その希望するあて名を第 III 欄に表示することができる。この場合には、第 III 欄の最後のチェックボックスにマークしなければならない。ただし、第 III 欄の「代理人」又は「共通の代表者」のチェックボックスのいずれかをマークしてあれば、この最後のチェックボックスにマークしてはならない。
    第 IV 欄 補充国際調査の基礎
    IP 8.023.補充国際調査に関して、言語はどこに表示するのか。
    規則45の2.1(b)(iii)
    補充国際調査に関して、出願人は言語を第 IV 欄に表示し、かつ、その言語が出願時の国際出願の言語であるのか、又は規則 12.3 若しくは 12.4 に基づき受理官庁に提出した翻訳文の言語であるのかについて表示すべきである。出願時の国際出願の言語、又は (該当すれば) 規則 12.3 若しくは 12.4 に基づき提出した翻訳文の言語のいずれも、補充調査のために指定された機関で認められていないものであれば、その機関で認められている言語による国際出願の翻訳文を、補充調査請求書とともに提出しなければならない。この場合には、言語に関する最後のチェックボックスにマークすべきである。上述した項目の複数が該当する場合、出願人は対応するチェックボックスにマークして、いずれの言語によるものが補充国際調査の基礎を構成するのか表示することができる。
    IP 8.024.出願人は、調査の対象となる一部の発明を、いつ、どのように選択することができるのか。
    規則45の2.1(d),
    規則45の2.5(d)

    国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと国際調査機関が認めた場合には、出願人は複数の発明の中から、補充調査のために指定された機関による調査を希望する発明を選択することができる。出願人は、第 17 条(3)(a)に規定する主発明以外の発明に補充国際調査を限定することを希望する場合、補充調査請求書の様式第 IV 欄の最後のチェックボックスにマークして、用意されている空欄に当該発明に係る請求の範囲の対応番号を記載することによって、その希望を表示することができる。ただし、補充調査のために指定された機関は、補充国際調査を開始する前に国際調査報告を入手することができる場合には、主国際調査の対象とならなかった請求の範囲を調査から除外することができる。
    第Ⅴ欄 照合欄
    IP 8.025.照合欄の目的は何か。
    出願人は、補充調査請求書に添付して提出された書類が完全なものであるのか国際事務局が確認することができるよう、特に、それぞれのチェックボックスで表示している場合には、国際出願の翻訳文及び配列表を実際に受理しているのか確認することができるよう、第Ⅴ欄に記入すべきである。
    第 VI 欄 出願人、代理人又は共通の代表者の署名
    IP 8.026.誰が補充調査請求書に署名しなければならないのか。
    規則90.3(a),
    規則92.1

    補充調査請求書には、出願人の 1 人又は選任された代理人が署名しなければならない。ただし 、 補充調査請求の取下げには追加の署名が要求されることがある点を留意されたい (IP 11.048 項から IP 11.061 項を参照)。
    補充調査請求書の様式の備考
    IP 8.027.補充調査請求書の様式の備考とは何か。
    補充調査請求書の様式の備考は、この様式の記入の便宜となることを意図している。この備考には、補充調査請求書の様式の各欄について、何を記載する必要があるのか、どのように記載するのかについて記載されている。この備考を補充調査請求書とともに提出する必要はない。
    手数料計算用紙
    IP 8.028.手数料計算用紙とは何か。
    手数料計算用紙とは、出願人が国際事務局に支払う手数料の総額を計算する助けとなるものである。通常、この用紙は補充調査請求書様式に添付されている (IP 8.006 項を参照)。出願人は、手数料計算用紙に記入して国際事務局に提出することが強く推奨される。これは国際事務局が手数料の計算をチェッし、計算ミスを特定する助けとなる。手数料計算用紙の備考は、用紙記入の詳細について説明している。手数料 の支払に関す る詳細な情報 については、 IP 5.184 項から IP 5.199 項を参照。
    手数料
    IP 8.029.出願人が支払う手数料にどのようなものがあるのか。
    規則45の2.2(a),
    規則45の2.3(a)

    補充国際調査には、次の 2 種類の手数料を支払わなければならない。(i) 補充調査のために指定された機関のための、補充調査手数料。(ii) 国際事務局のための、補充調査取扱手数料。各機関が課金する補充調査手数料は機関ごとに異なり、国際事務局との取決めに基づき各機関が定める (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements 及び附属書 SISA を参照)。補充調査取扱手数料は PCT 同盟総会で定められ、 PCT 規則附属書の手数料表に記載される。
    IP 8.029A.いずれかの手数料減額が受けられるのか。
    出願人が自然人であり、かつ、 1 人当たりの国内総生産額 25,000 米国ドル未満 (国際連合が公表する、 2005 年基準の米国ドル換算による直近 10 年間の 1 人当たりの実質国内総生産) の国であって、国際事務局が公表する直近 5 年間の平均出願件数によると、その国の自然人である国民及び居住者が行う国際出願の件数が (100 万人当たり) 年間 10 件未満又は (絶対数で) 50 件未満である国として、一覧表に掲げる国の国民かつ居住者である場合、又は、自然人であるのか否かを問わず、国際連合により後発開発途上国に分類される国として一覧表に掲げる国の国 民かつ居住者 である場合には、手数料表第 5 項に従い補充調査取扱手数料の 90 %減額を受ける資格を有する。(手数料減額の資格を有する国民及び居住者のリストについて は https://www.wipo.int/documents/d/pct-system/docs-en-fee-reduction-january.pdf を参照) 。 出願人が複数人である場合、それぞれの出願人が上述した基準のいずれか 1 つを満たさなければならない。出願人又は複数の出願人すべてが補充調査請求時において、その出願の真正かつ唯一の所有者であり、手数料減額の資格を持たない他の当事者に、発明について権利の譲渡、付与、移転又はライセンスの義務を負わない場合に限り、手数料減額の資格を有することに留意されたい。出願人が複数人である場合、それぞれの出願人が上述した基準のいずれか 1 つを満たさなければならない。 1 人又は複数人の出願人すべてが補充調査取扱手数料の減額資格を有する場合、この減額は補充調査請求書の第 II 欄に記載された氏名、国籍及び居住地に基づき適用され、特別の請求を行う必要はない。
    IP 8.030.手数料はいつ支払うのか。
    規則45の2.2(b),
    規則45の2.2(c),
    規則45の2.3(b),
    規則45の2.3(c),
    規則45の2.4(c),
    規則45の2.4(d)

    補充調査手数料及び補充調査取扱手数料は、補充調査請求の受領の日から 1 か月以内に国際事務局に対して支払わなければならない。期間内に全額が支払われなければ、後払手数料を支払う (様式 PCT/IB/377 を参照)。手数料が支払われなければ、国際事務局は請求が行われなかったものとみなす。
    IP 8.031.補充国際調査のための手数料はいずれの通貨で支払うのか。
    手数料の支払はスイス・フラン建のみが認められる。支払額は、支払日に適用される額である。
    IP 8.032.状況によって支払済の手数料を払い戻すことは可能か。
    規則45の2.2(d),
    規則45の2.3(d),
    規則45の2.3(e)

    補充調査のために指定された機関に国際事務局が関係書類を送付する前に国際出願が取り下げられた若しくは取り下げられたものとみなされた場合、又は補充調査請求が取り下げられた若しくは行われなかったものとみなされた場合、国際事務局は、補充調査手数料及び補充調査取扱手数料の両方を出願人に払い戻す。補充調査のために指定された機関が調査を開始する前に、補充調査請求が行われなかったものとみなされた場合、その機関は、国際事務局との取決めに従い、補充調査手数料を出願人に払い戻す (IP 8.029 項を参照)。
    国際事務局による補充調査請求書の処理
    IP 8.033.補充調査請求書の受理後、国際事務局は何を点検するのか。
    規則45の2.1(e)
    国際事務局は、補充調査請求書の受理後、請求書が所定の期間内、すなわち、優先日から 22 か月以内に受理されたのか点検する。国際事務局は、指定された機関が調査を行う権限を有しているのか、すなわち、補充国際調査を提供する用意がある国際機関であって主国際調査を行った国際調査機関以外の機関であるのか確認する。この要件が満たされていなければ、国際事務局は補充調査請求が行われなかったものとみなされる旨を宣言し、様式 PCT/IB/379 を使用して出願人にその旨を通知する (IP 8.003 項から IP 8.005 項も参照)。
    IP 8.034.補充調査請求書にその他の欠陥が含まれている場合にはどうなるのか。
    規則45の2.4(a)
    国際事務局は次に、少なくとも 1 人の出願人及び (該当すれば) 代理人の氏名又は名称並びにあて名、発明の名称、国際出願日及び国際出願番号が補充調査請求書に明確に表示されているのか点検する。国際事務局は更に、補充国際調査を行うために国際出願の翻訳文が必要であるのか、必要であれば翻訳文が提出されているのか点検する。このいずれかの要件が満たされていなければ、国際事務局は様式 PCT/IB/378 を使用して、通知の日から 1 か月以内に欠陥を補充するよう出願人に求める (IP 8.013 項から IP 8.016 項、 IP 8.018 項から IP 8.020 項、 IP 8.023 項を参照)。
    IP 8.035.手数料が支払われない、又は全額支払われない場合にはどうなるのか。
    規則45の2.4(b),
    規則45の2.4(c)

    国際事務局は更に、補充調査手数料及び補充調査取扱手数料が全額支払われているのか点検する。全額支払われていないが、 1 か月の期間が満了していなければ、国際事務局は様式 PCT/IB/376 を使用して、この手数料を賄うために必要な額を支払うよう出願人に通知する。 1 か月の期間が満了している場合、国際事務局は様式 PCT/IB/377 を使用して、通知の日から 1 か月以内に、補充調査取扱手数料の 50 %相当額の後払手数料とともに必要額を支払うよう出願人に求める (IP 8.029 項から IP 8.030 項も参照)。
    IP 8.036.
    規則45の2.4(d)
    出願人がそれぞれの期間内に、この欠陥を補充しない、又は手数料全額を支払わない場合、補充調査請求は行われなかったものとみなされ、国際事務局はその旨を宣言し、様式 PCT/IB/379 を使用して出願人に通知する。
    IP 8.037.国際事務局は、補充調査のために指定された機関に関係書類をいつ送付するのか。
    規則45の2.4(e)
    国際事務局は、すべての手続書類 (IP 8.033 項から IP 8.035 項を参照) が整っていると判断すれば、国際事務局が国際調査報告を受領した日、又は優先日から 17 か月の期間の満了の時、いずれか先に生ずる日の後すぐに、補充調査のために指定された機関に関係書類 (IP 8.038 項を参照) を送付する。上述した時点で一部の書類を入手していなければ、国際事務局は入手後すみやかに送付する。
    IP 8.038.国際事務局は、補充調査のために指定された機関にどのような書類を送付するのか。
    規則45の2.4(e),
    規則45の2.4(f)

    国際事務局は、次の各書類の写しのうち該当するものを、補充調査のために指定された機関に送付する。
    (i) 補充調査請求書;
    (ii) 国際出願;
    (iii) 該当すれば、併せて提出された配列表;
    (iv) 該当すれば、補充国際調査の基礎として用いるために提出された翻訳文;
    (v) 国際調査報告及び書面による見解 (英語による翻訳文を含む);
    (vi) 国際調査機関による発明の単一性に関する追加手数料の支払の求め;
    (vii) 発明の単一性に関する国際調査機関の見解に対する出願人の異議申立、及びそれについての同機関による決定。
    補充国際調査手続
    IP 8.039.補充調査のために指定された機関は補充国際調査の作業をいつ開始するのか。
    規則45の2.5(a)
    補充調査のために指定された機関は、国際事務局から関係書類を受領した後、すみやかに作業を開始すべきである (IP 8.037 項を参照)。しかし、関係書類の受領時に国際調査報告及び書面による見解を利用することができない場合、当該機関は当該書類を受領するまで調査の開始を延期することができる。ただし、国際調査報告及び書面による見解の入手が遅延した場合にかかわらず、優先日から 22 か月の期間の満了前に補充国際調査の作業を開始しなければならない。欠落している書類については国際調査報告に記載される。
    IP 8.040.出願人は、補充調査のために指定された機関に、どのような書類を直接提出することができるのか。
    規則 13の3.1,
    規則45の2.4(e),
    規則45の2.5(c)

    出願人はすべての必要な書類を補充調査請求書とともに国際事務局に提出すべきであり (IP 8.012 項を参照)、国際事務局は、その他すべての関係書類とともに、これを補充調査のために指定された機関に送付する (IP 8.038 項を参照)。第 19 条又は第 34 条に基づく補正は考慮しない。しかし出願人が補充調査請求書に添付して、その機関が認める言語による、所定の標準に準拠する配列表の写しを国際事務局に提出しなかった場合 (IP 8.012 項を参照)、出願人は補充調査のために指定された機関から通知を受け、この写しを同機関に提出するよう要求される。この要件を満たさなければ、当該機関は、配列表 (関連情報については更に IP 7.005 項から IP 7.012 項を参照) なしで有意義な調査を行うことができる範囲内でのみ補充国際調査を行う。
    IP 8.041.制限又は条件によって補充国際調査を行う対象外であると機関が判断した場合にはどうなるのか。
    規則45の2.5(g),
    規則45の2.5(h),
    規則45の2.9

    補充調査のために指定された機関は、第 17 条(2)に基づく限定を除き、その機関と国際事務局との取決めによる制限又は条件によって完全に補充国際調査の対象外であると判断した場合 (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements を参照) 、補充調査請求が行われなかったものとみなされる旨を宣言し、出願人及び国際事務局にすみやかに通知する。ただし、完全に調査の対象外となるわけではないと機関が判断した場合には、一部の請求の範囲だけに調査を限定し、その事実を補充国際調査報告に記載する。
    IP 8.042.補充調査のために指定された機関は一部の請求の範囲の調査を拒絶できるのか。
    規則45の2.5

    一定の状況において、補充調査のために指定された機関は、国際出願の請求の範囲の一部又は全体について補充調査を行う義務を負わない。これには、主国際調査について当該機関が調査しない対象、及び主調査機関が調査しなかった請求の範囲を含む。補充調査のために指定された機関は、いずれかの請求の範囲について調査する義務を負わないと判断した場合、補充国際調査報告を作成しない旨を宣言し (IP 8.048 項を参照)、出願人及び国際事務局にすみやかに通知する。
    IP 8.043.補充国際調査の範囲は何か。
    規則45の2.5(f)
    補充国際調査は、少なくとも、補充調査のために指定された機関として行動する国際機関と国際事務局との取決めにおいて、当該調査のために記載された資料を対象として行う (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements を参照) 。すべての PCT 文献に当該機関が保有するその他の特許及び技術文献を加える機関もあれば、一部の言語による文献を特に重視する機関もある (附属書 SISA を参照)。
    IP 8.044.主国際調査機関が、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと判断した場合にはどうなるのか。
    規則 13,
    規則45の2.5(e)

    主国際調査機関が、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと判断したが、出願人が追加調査手数料を支払わなかった場合、補充調査のために指定された機関は、主国際調査機関が調査しなかった請求の範囲について補充調査を行う義務を負わない。発明の単一性の要件については、詳細を IP 5.114 項から IP 5.123 項に述べている。ただし、補充調査のために指定された機関は、主国際調査機関に同意する義務を負わず、発明の単一性について自己の判断を行うことができる。
    IP 8.045.補充調査のために指定された機関が、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと判断した場合にはどうなるのか。
    規則45の2.5(a),
    規則45の2.5(c)

    補充調査のために指定された機関は、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと判断した場合であっても (発明の単一性の要件については、詳細を IP 5.114 項から IP 5.123 項に述べている)、主国際調査について国際調査機関が行うように追加手数料の支払を出願人に求めることはない。その代わりに同機関は、請求の範囲に最初に記載された発明 (「主発明」) に関する国際出願の部分について補充国際調査報告を作成し、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていない旨の見解を、その見解の理由を特定して出願人に通知する。出願人は通知の日から 1 か月以内に、検査手数料の支払 (附属書 SISA を参照) を条件として、その機関に見解を検査 するよう請求 することがで きる。見解が 正当なもので ないと判断さ れた場合 (IP 8.046 項を参照)、検査手数料は全額が払い戻され、適切であれば修正された補充国際調査報告が発行される。
    IP 8.046.出願人が発明の単一性について、補充調査のために指定された機関の見解の検査を請求した場合にはどうなるのか。
    規則45の2.6(d),
    規則45の2.6(e)

    補充調査のために指定された機関による、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていない旨の見解に対して、出願人が検査を請求して所定の検査手数料を支払った場合、当該機関は、発明の単一性に関する自己の見解について検査する。当該検査は、検査の対象となっている決定を行った者のみによって行ってはならない。検査の結果は出願人に通知される。見解が完全に不当なものであると判断された場合、補充調査のために指定された機関は、国際出願のすべての部分について補充国際調査報告を作成し、検査手数料を出願人に払い戻す。見解の一部が不当であると判断された場合、当該機関は、国際出願が発明の単一性の要件を依然として満たしていないという見解であれば、必要に応じて修正された補充国際調査報告を作成する。出願人は検査から独立して、検査の請求及びその決定の書面について補充国際調査報告とともに指定官庁に送付することをいつでも請求することができる。
    IP 8.047.補充国際調査報告はいつ作成されるのか。
    規則45の2.7(a)
    補充国際調査報告は、様式 PCT/SISA/501 を使用して、優先日から 28 か月以内に作成しなければならない。
    IP 8.048.補充調査のために指定された機関が補充国際調査報告を作成しない旨を宣言した場合にはどうなるのか。
    規則45の2.7(a)
    補充国際調査報告を作成しない旨の宣言は、様式 PCT/SISA/502 を使用して、優先日から 28 か月以内に行わなければならない (IP 8.003 項及び IP 8.004 項を参照)。
    IP 8.049.補充国際調査報告には何を含むのか。
    規則45の2.7(d),
    規則45の2.7(e)

    補充国際調査報告の内容及び外観は、一般的に主国際調査報告と同様である (IP 7.024 項を参照)。ただし補充国際調査報告には、発明の名称及び要約に関するコメントを含まず、保護対象の分類も含まない。更に、補充国際調査で発見されたその他の文献との組み合わせで新たな関連性が認められるために必要でない限り、国際調査報告で既に引用されている関連先行技術文献も再掲載されない。補充国際調査報告には状況に応じて、引用文献に関して主国際調査報告と比べて更に詳細な説明を含むことができる。これは、主国際調査報告と異なり、補充国際調査報告とともに書面による見解が作成されないという事実によるものであり、この追加的な詳細の説明は先行技術を十分に理解する手助けとなる。更に補充国際調査報告には、補充調査を行った範囲についての追加的なコメントを含むことができる。これは特に、主国際調査報告が得られない状況で補充調査が行われた場合に関係する。
    IP 8.050.出願人は、補充国際調査報告で引用された文献の写しをどのように入手することができるのか。
    規則44.3,
    規則45の2.7

    補充国際調査を行う用意がある旨を表明している機関の多くは、補充国際調査報告とともに、当該文献の写しを追加料金なしで自動的に出願人に送付する。附属書 SISA では、各機関がこの文献の写しを提供するための手数料を課金するのかについて表示している。
    IP 8.051.補充国際調査報告はどのように送付するのか。
    規則45の2.8,
    規則47.1(d)

    補充調査のために指定された機関は、同一の日に、補充国際調査報告 (又は補充国際調査報告を作成しない旨の宣言) の写し 1 通を国際事務局、 1 通を出願人に送付する。国際事務局は、国際調査報告の一部を構成するものとして補充国際調査報告を各指定官庁に対する通知に含むが、この要件を指定官庁が放棄している場合を除く。
    IP 8.052.補充国際調査報告の写しは国際予備審査機関に送付されるのか。
    規則45の2.8(b),
    規則45の2.8(c),
    第420号(b)

    出願人が国際予備審査請求を行っており、国際予備審査機関が補充調査のために指定された機関と異なる場合、国際事務局は補充国際調査報告の受領後すみやかに、この報告の写しを国際予備審査機関に送付する。国際予備審査機関は、国際予備審査手続において、この報告を国際調査報告とともに考慮する。ただし、国際予備審査機関が既に国際予備審査報告の作成を開始している場合には、当該報告のために補充国際調査報告を考慮する必要はない。
    IP 8.053.補充国際調査報告は公開されるのか。
    規則44.3,
    規則94.1(b)

    補充国際調査報告は、それ自体としても、又は国際公開の一部としても公開されない。しかし、国際出願が公開され、補充国際調査報告を受領した後、当該報告は国際事務局によって PATENTSCOPE (https://www.wipo.int/patentscope/en/) において公衆の利用可能な状態に置かれる。

    第 9 章国際公開、請求の範囲の補正及びその他の国際事務局による国際出願の処理

    概要
    IP 9.001.国際事務局における主な処理手続は何か。
    国際事務局において国際出願が受ける主な処理手続は次のとおりである。
    規則22.1,
    規則24.2

    (i) 国際事務局は国際出願の記録原本の受領を確認し、受領の事実及び日付を出願人及び関係各機関に通知する。詳細については IP 9.002 項を参照。
    規則46

    (ii) 出願人は国際事務局あての連絡によって、第 19 条の規定に基づき国際出願の請求の範囲を補正することができる。詳細については IP 9.004 項から IP 9.011 項を参照。
    規則48

    (iii) 国際出願は国際事務局によって公開される (この公開は優先日から 18 か月が経過した後すみやかに行われる) 。詳細については IP 9.012 項から IP 9.024 項を参照。
    規則43の2,
    規則44,
    規則47

    (iv) 国際出願、国際調査報告及びそれに含まれる国際調査機関の書面による見解 (特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章: 後述する(v)及び(vi)を参照) の形式による写しは、国際事務局から指定官庁に送付される。詳細については IP 9.028 項及び IP 9.029 項を参照。
    規則44の2
    (v) 予備審査報告 (特許性に関する国際予備審査報告 (PCT 第 II 章)) が作成されなかった場合 、 国際事務局は特許性に関する国際予備審査報告 (PCT 第 I 章 ) を発行する (IP 7.031 項を参照)。
    規則44の2.2,
    規則44の2.3

    (vi) 規則 93 の 2 の規定に従い、国際事務局は、この報告の写しを出願人及び指定官庁に送付するが、優先日から 30 か月の経過前には送付されない。国際事務局は更に、いずれかの指定官庁から請求があれば、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章) の送達と同時に、報告の英語による翻訳文の写しを当該指定官庁及び出願人に送付する。
    第36条,
    規則70,
    規則71,
    規則72,
    規則73,
    規則74

    (vii) 国際予備審査請求が行われると、国際事務局は選択官庁に通知を行い、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 及び関係書類を送付して、(いずれかの選択官庁から請求があれば) 同報告の英語による翻訳文を作成する。 更に詳細については IP 10.006 項、 IP 10.045 項、 IP 10.078 項、 IP 10.079 項及び IP 10.079A 項を参照。
    IP 9.002.国際事務局は国際出願の記録原本の受領をいつ誰に通知するのか、指定官庁にいつ通知するのか。
    規則24.2,
    規則47.1(aの2),
    規則93の2.1

    国際事務局が記録原本をどのように受領し、その受領をどのように確認するのかは IP 6.057 項及び IP 6.058 項に説明されている。国際出願の記録原本は、通常、優先日から 13 か月経過前に国際事務局に到達すべきである。記録原本の受領後、国際事務局は出願人、受理官庁及び国際調査機関 (国際調査機関が通知を希望しない旨を国際事務局に通知した場合を除く) に記録原本の受領の事実及び日付を通知する。これらのすべての通知は、国際事務局の記録原本の受領後すみやかに行われる。
    IP 9.003.出願人は記録原本の受領の通知を受けたときに何をすべきか。
    規則24.2(a),
    規則53.7,
    規則90の2.2

    出願人に送付された通知 (様式 PCT/IB/301) には、指定官庁のリストが含まれており、出願人は、一部の指定 (DE 、 JP 、 KR) を特別に願書から除外したのか否か、そして、その後の指定の取下げの事実が適切に反映されているのか否かについてチェックすることができる。出願人は、この時点で、又は優先日から 30 か月の期間満了前であればいつでも、指定を取り下げるよう希望することができる。
    第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正
    IP 9.004.国際出願の請求の範囲の補正は国際段階においていつ、どのようにすることができるのか。
    規則46,
    規則49.5(a)(ii),
    規則49.5(c),
    規則49.5(cの2)

    出願人は第 19 条の規定に基づき国際段階において国際出願の請求の範囲を 1 回に限り補正する権利を有する (更に、出願人が国際予備審査の請求書を提出した場合及びその場合に限り、第 34 条の規定に基づき国際段階で請求の範囲又は明細書及び図面を補正する機会が与えられる; IP 9.011 項、 IP 10.024 項から IP 10.028 項、 IP 10.067 項から IP 10.071 項を参照)。第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正は (受理官庁又は国際調査機関でなく) 国際事務局に提出しなければならない。補正は、国際出願を公開する言語 (アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語又はスペイン語; IP 9.017 項から IP 9.019 項を参照) で行わなければならない。第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正は、出願人が国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解を受領した後で優先日から 16 か月、又は当該報告及び見解の送付の日 (すなわち、郵送の日) から 2 か月の期間のうち、いずれか遅く満了する期間の末日までに行うことができる。この期間経過後に国際事務局が受理した補正は、国際公開の技術的準備が完了する前であれば受理される。国際調査機関が国際調査報告を作成しない旨を第 17 条(2)(a)の規定に基づき宣言した場合には、第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正をすることができない。ただし、国際調査報告が作成されているが、それと併せて、一部の請求の範囲が国際調査機関による調査が要求されない保護対象に関するものであること、又は有意義な国際調査が実施可能な程度まで所定の要件を充足していない国際出願の部分に関するものであることを理由として、該当する請求の範囲が調査不可能と判断された旨の第 17 条(2)(b)に基づく宣言も第 II 欄に含まれている場合、調査が行われなかった請求の範囲に関しては第 19 条に基づく補正が認められることに留意されたい (IP 7.014 項を参照)。国内段階移行時に請求の範囲が第 19 条に基づき補正されている場合には、出願時及び補正後の双方の請求の範囲の翻訳文 (出願時の請求の範囲すべてを差し替えるために規則 46.5 (a)に基づき提出した完全な請求の範囲一式及び該当すれば説明書の翻訳文の形式によるもの) を、指定・選択官庁に提出しなければならない場合がある (国内編 (概要) を参照)。(国内段階における補正については、 IP 5.111 項、 IP 5.127 項及び IP 5.162 項、並びに国内段階及び国内編を参照)。第 19 条に基づく補正には次を含むべきである。
    (i) 出願時の請求の範囲と差し替える完全な一式の請求の範囲 (IP 9.005 項を参照)
    (ii) 出願時の請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違、及び補正の根拠を表示する書簡 (IP 9.005 項から IP 9.006A 項を参照)
    (iii) 第 19 条に基づく任意の説明書 (IP 9.007 項及び IP 9.008 項を参照)
    IP 9.005.
    規則6.1,
    規則46.5,
    第205号

    第 19 条に基づく請求の範囲の補正を提出する場合、出願人は出願時の請求の範囲と差し替える完全な一式の請求の範囲を提出しなければならない。差替え用紙は、出願時の請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違について注意を喚起する書簡を添付しなければならない。書簡では更に、出願の特定部分 (明細書、請求の範囲、図面) に特に言及して、請求の範囲の補正の根拠も表示しなければならない (IP 9.006 項を参照)。補正が出願時の用紙全体を削除する結果となる場合、補正 (すなわち、削除) は国際事務局あての書簡によってのみ明示される。補正は、 1 つ若しくは複数の新たな請求の範囲の追加、又は出願時における 1 つ若しくは複数の新たな請求の範囲の補正に加えて、 1 つ若しくは複数の請求の範囲の全体の削除を含むことができる。差替え用紙に記載されているすべての請求の範囲には、(請求の範囲の順序に対応して) アラビア数字によって番号を付さなければならない。請求の範囲を削除する場合、その他の請求の範囲の番号の付け直しは要求されない。しかし、出願人は請求の範囲の番号を付け直す場合、すべて連続する番号を付け直さなければならない。
    IP 9.006.添付する書簡には何を含むのか。
    規則46.5,
    第205号

    請求の範囲の補正を含む差替え用紙に添付しなければならない書簡には、出願時における請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違を最初に説明し、次に出願時の出願における補正の根拠を表示しなければならない。これは国際出願に記載した各請求の範囲と比べ次のとおりであるのか否かを記載すべきである。
    (i) 請求の範囲は、変更されていない。
    (ii) 請求の範囲は、削除されている。
    (iii) 請求の範囲は、新規である。
    (iv) 請求の範囲は、出願時の 1 つ又は複数の請求の範囲を差し替える。
    (v) 請求の範囲は、出願時の請求の範囲の分割などの結果である。
    ただし、補正後の請求の範囲を含む差し替え用紙には、加筆訂正による文書を含んではならず、清書による文書だけを含むべきである。この文書に続き、出願時の請求の範囲における補正の根拠を表示すべきである。補正の根拠には、出願における明確な参照を参考にして、補正が出願時の開示の範囲を超える主題が補正に含まれているのか否かを審査官が評価できるように示さなければならない。したがって、「出願時の明細書を参照」「出願時の請求の範囲を参照」といった不特定の表示は、一般的に十分な補正の根拠の表示とみなされない。
    例:
    「請求の範囲第 1 項を補正する。請求の範囲第 2 項乃至第 7 項は変更しない。請求の範囲第 8 項及び第 9 項を補正する。請求の範囲第 10 項乃至第 14 項を削除する。請求の範囲第 15 項乃至第 17 項は変更しない。新たな請求の範囲第 18 項を追加する。
    (i) 補正の根拠: 請求の範囲第 1 項は、第 4 行並びに第 11 行乃至第 14 行が補正され、第 1 及び第 2 槽と逐次結合された周期的な逆洗手段からなるフィルタが示されている。この補正の根拠は出願時の請求の範囲第 2 項及び第 4 項に示されている。
    (ii) 補正の根拠: 請求の範囲第 8 項及び第 9 項の補正に関し、出願時の明細書の段落 2 及び 19 に「速射ピストン」が示されている。
    (iii) 補正の根拠: 請求の範囲第 18 項は新たに追加されたものであり、出願当初の第 3 図に示されている」。
    IP 9.006A.国際出願の言語が添付する書簡と同一でない場合にはどうなるのか。
    規則92.2(d)
    添付する書簡は英語又はフランス語によって提出すべきである。ただし、審査官が参照を容易に発見する手助けとなる場合には、たとえば次のように、国際出願の言語によって国際出願を参照することができる。
    (i) 補正の根拠: 請求の範囲第 2 項の補正に関し、出願時の明細書の段落 23 、 46 及び 85 に「請求項 1 に基づくパーキングアシストシステム」が示されている。
    IP 9.007.補正書に添付する説明書とは何か。
    規則46.4,
    規則48.2(a)(vi)

    補正書には、補正並びにその補正が明細書及び図面に与える影響について出願人による簡単な説明書を添付することができる。説明書は国際出願自体とともに公表される (IP 9.012 項から IP 9.024 項を参照)。特定の補正について言及していない説明は許されない。説明書は英語の場合又は英語に翻訳した場合に 500 ワード以内とする。説明書には国際調査報告又は国際調査報告に列記された文献の関連性に関して誹謗する意見を記載することができない。国際調査報告に列記された特定の文献についての言及は、特定の請求の範囲の補正に関してのみ行うことができる。説明書は国際公開の言語で作成しなければならない (IP 9.017 項及び IP 9.018 項を参照)。
    IP 9.008.
    規則46.4(a),
    規則48.2(a)(vi)

    補正の説明書は、出願時における請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違及び補正の根拠を示す書簡 (IP 9.006 項を参照) と混同してはならず、明確に区別しなければならない。更に、国際予備審査の請求書に含まれなければならない補正の記述の欄 (IP 10.024 項から IP 10.027 項を参照) とも異なるものである。説明書は、「第 19 条(1)の規定に基づく説明書」の見出しによって明示しなければならない。説明書がその要件を満たしていない場合、国際事務局は説明書の公開も指定官庁に対する送達も行わない。
    IP 9.009.補正された請求の範囲は新規事項を含むことができるのか。
    規則66.2(a)(iv)

    PCT は補正が出願時における国際出願の開示の範囲を超えてはならないと規定している。この要件は、第 I 章の国際段階には直接有効ではないが、この要件を満たさないと国際予備審査及び国内段階において出願人に不利な結果となる (IP 10.070 項及び IP 11.047 項を参照)。
    IP 9.009A.差替え用紙に書簡が添付されていなかった場合にはどうなるのか。
    規則46.5(b),
    規則70.2(cの2)

    PCT は、第 19 条の規定に基づく補正時に提出する差替え用紙に、請求の範囲の補正の拠を表示する書簡を添付することを要求している (IP 9.006 項を参照)。出願人が国際予備審査を請求しない限り、この要件を満たしているのかに関する実質的なチェックは国際段階で行われないが、この要件を満たしていなければ、国際予備審査及び国内段階において出願人は不利な結果となるおそれがある (更に IP 11.047A 項も参照)。
    IP 9.010.第 19 条の規定に基づく補正書の写しを国際予備審査機関に提出するのか。
    規則53.9(a)(i),
    規則55.3,
    規則62.1,
    規則62.2

    出願人は、国際予備審査の請求を行った場合、第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正書及び (もしあれば) 第 19 条(1)に基づく説明書の写しを、(既に補正書が提出されていれば) 国際予備審査の請求書とともに又は (補正書が国際予備審査の請求後に提出されていれば) 国際事務局に補正書を提出すると同時に、国際予備審査機関に提出すべきである。国際予備審査機関が規則 55.2 に基づき国際出願の翻訳文を要求した場合、その補正を国際予備審査の対象に含むよう希望する出願人は、第 19 条に基づく補正書の翻訳文も提出すべきである。国際事務局は国際予備審査機関が既に補正書の写しを受領していることを表示している場合を除き、国際予備審査の請求書の提出前に受理した第 19 条に基づく補正書及び説明書の写しがあれば、国際予備審査機関に送付する。第 19 条に基づく補正書及び該当すれば説明書が国際予備審査の請求書の提出後に受理された場合、国際事務局は、いずれにしても写しを国際予備審査機関に送付するが、出願人が期間内に直接国際予備審査機関にこれらの書類の写しを提出することは、国際予備審査を不当な遅延又は不確実性を伴わずに進めることを確実にする。国際予備審査の請求書の様式については IP 10.024 項から IP 10.028 項を参照。
    IP 9.011.どのような場合に第 19 条の規定に基づき請求の範囲を補正するのか。
    第34条(2)(b),
    規則48.2(f),
    規則66.1(b)

    第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正は国際出願とともに公表されるため (IP 9.015 項を参照)、国内法令で仮保護を規定している指定官庁において、仮保護のために請求の範囲を更に適切に定義する理由がある場合、この補正は、出願人にとって有用である (IP 9.024 項を参照)。国際予備審査が行われる場合、出願人は第 19 条の規定に基づく補正書を国際事務局に提出したのか否かと無関係に、第 34 条(2)(b)の規定に基づき (明細書及び図面だけでなく) 請求の範囲の補正を国際予備審査機関に対して提出する権利を有することに留意されたい (IP 10.024 項、IP 10.028 項、IP 10.067 項から IP 10.071 項、 IP 11.045 項から IP 11.047 項を参照)。したがって通常、国際予備審査の請求書が提出された場合には、仮保護に関係する特別な理由、又はそうでなければ国際公開前に請求の範囲を補正する特別な理由がある場合を除き、第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正をする必要はない。
    国際公開
    IP 9.012.国際出願は国際事務局によって、いつ、どのように公開されるのか。
    国際出願は、次の場合を除き国際事務局によって公開される。
    規則 20.4
    (i) 受理官庁によって国際出願の国際出願日が認められなかった場合 (IP 6.005 項から IP 6.012 項を参照)。
    (ii) 国際出願の技術的な準備が完了する前に国際出願が取り下げられたものとみなされた場合。
    (iii) 公開のための技術的な準備が完了する前に国際出願が出願人によって取り下げられた場合 (IP 11.048 項及び IP 11.049 項を参照)。
    第64条(3)
    (iv) 第 64 条(3)(c)に規定されている例外が適用される場合を除き、公開の技術的な準備が完了した時点で、残された指定国が米国だけである場合 (米国が第 64 条(3)(a)に基づく宣言を行っているので)。
    IP 9.013.いつ国際公開が行われるのか。
    規則48.4,
    第113号

    国際公開は優先日から 18 か月が経過した後すみやかに行われる。しかし、出願人が国際事務局にその出願の早期公開を要求した場合、国際事務局は早期公開を行う。出願人が早期公開を要求し、国際調査報告又は第 17 条(2)(a)の宣言書が国際出願の公開に間に合わない場合には、附属書 B (IB) に掲載されている額の特別手数料を国際事務局に支払う。国際事務局の閉庁日を除き、通常であれば国際公開は毎週木曜日に行われる。閉庁日の場合には PCT ニュースレターに公開日が発表される。
    IP 9.014.いつ国際公開のための技術的な準備が完了するのか。
    公開のための技術的な準備は、公開日の 15 日前に完了する。ただし、特定の公開日に公開するよう考慮されるべきあらゆる変更は、国際事務局がその変更処理を可能とするために、 15 日前の期日の遅くとも更に 1 日前に国際事務局に到達すべきである。したがって、そのような変更の受領最終日は常に火曜日午前 12 時 (中央ヨーロッパ時間 (CET))、すなわち、公開日が木曜日であればその 16 日前 (又は木曜日が国際事務局の閉庁日であるために金曜日に例外的に公開される場合には、公開日の 17 日前) である。
    IP 9.015.国際公開は何から構成されているのか。
    規則48.1,
    規則48.2(a),
    規則48.2(f),
    規則48.2(g),
    規則48.2(h),
    第404号,
    第406号(b)

    PCT に基づき行われた国際出願の公開はすべて電子形式で行われる。公開された国際出願には、規則 4.17 に基づく申立て、並びに公開時までに入手可能な場合には、国際調査報告、又は国際調査報告を作成しない旨の国際調査機関による宣言、及び説明書を含む第 19 条の規定に基づく補正書が含まれる。請求の範囲の補正のための期間が公開のための技術的な準備の完了の時点で満了していない場合、国際出願はその旨の注釈とともに公開され、期間内に受領された補正は後に公開される。同様に、国際調査報告又は国際調査機関の宣言が入手不可能な場合、国際出願はその旨の注釈とともに公開され、国際調査報告又は宣言は、国際事務局が受領した後で別個に公開される。国際公開される国際出願は、 2 文字のコード「 WO 」に続く国際公開年及び連続番号で構成される国際公開番号が付される (たとえば、 WO2004/123456)。国際公開を規定する詳細については第 21 条及び規則 48 を参照。
    IP 9.016.国際出願はどこで公開されるのか。
    規則86.1(i),
    第407号(b)

    国際出願が公開される同日に、公開された各国際出願の書誌事項、発明の名称、要約及び(もしあれば)特徴的な図面が PATENTSCOPE において利用可能となる。
    IP 9.016A.出願人は国際公開から特定の情報を省略するよう請求できるのか。
    規則26.4,
    規則48.2(l)

    出願人は、公開の対象から特定の情報を省略するよう、国際事務局に対して理由を示した請求をすることができる。出願人はこの請求に、望ましくは様式 PCT/IB/384 を使用すべきであり、情報の省略によって用紙全体が省略される場合を除き、関係する情報が省略されている差替え用紙を添付し、差替え前の用紙と差替え用紙との相違について注意を喚起する書簡を添付する。出願人は請求書において、当該情報が国際出願について公衆に周知する目的に明らかに資さないこと、当該情報の公開により、いずれかの者の個人的な又は経済的な利益が明らかに損なわれること、当該情報を利用する優先的な公共の利益がないことの理由を説明しなければならない。公開の対象から情報を省略するための請求は、国際公開のため の 技 術 的 な 準 備 が 完 了 す る 前 に 国 際 事 務 局 が 受 領 す る こ と が 要 求 さ れ る (IP 9.014 項 を 参照)。
    国際事務局は、理由を示した請求が上述したすべての基準を満たしているものと判断した場合、その情報を国際公開の対象 (公衆による一件書類の利用を含む、 IP 11.073A 項を参照) から省略し、その決定を出願人に通知する (様式 PCT/IB/385)。国際事務局が請求された情報を国際公開の対象から省略しないことを決定した場合には、その旨を出願人に通知する (様式 PCT/IB/386)。
    国際事務局が国際公開の対象から情報を省略し、当該情報が受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関が保管する国際出願の一件書類にも含まれる場合には、国際事務局は、すみやかにその旨を当該官庁又は機関に通知し、当該情報が公衆に利用可能な状態とならないようにする。
    IP 9.017.国際出願はいずれの言語で公開されるのか。
    規則45.1,
    規則48.3,
    第406号の2

    国際出願がアラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語又はスペイン語で行われた場合には、その出願の言語で公開される。ただし、公開される言語がアラビア語、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語又はスペイン語である場合、国際事務局は、発明の名称、要約及び国際調査報告 (又は IP 7.014 項で述べた宣言書) の英語の翻訳文を作成し、公開された国際出願にその翻訳文を掲載する。出願人が発明の名称の英語翻訳文について提案を希望する場合には、優先日から 14 か月以内に、提案する翻訳文を国際事務局に提出することができる。国際事務局は、翻訳文の作成において可能な範囲内で、提案された翻訳文を考慮する。国際事務局は、該当する場合、名称及び要約のフランス語翻訳文を作成する。名称及び要約は PATENTSCOPE において公開される。
    IP 9.018
    規則48.3(b)
    国際出願が、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語又はスペイン語以外の言語であって国際調査機関が国際調査のために認める言語で行われた場合、出願人は受理官庁が国際公開のために認める言語による国際出願の翻訳文を提出しなければならない。国際出願はその翻訳文の言語によってのみ公開される (IP 6.020 項から IP 6.023 項を参照)。
    IP 9.019
    国際出願が国際公開の言語 (アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語若しくはスペイン語) 又は国際調査を行うために国際調査機関が認める言語のいずれでもない言語によって行われた場合、その国際出願は出願人が提出した翻訳文の言語によって国際公開される (IP 6.013 項から IP 6.020 項を参照)。
    IP 9.020
    規則86.2(a)
    公開された各国際出願のフロントページに掲載されている書誌的データ、発明の名称、要約及び図面は、 PATENTSCOPE において英語及びフランス語によって公開される。
    IP 9.021.公開された国際出願の写しはどのように入手することができるのか。
    規則86.1(i),
    規則86.4

    WIPO ウェブサイトから公開された国際出願をダウンロードする方法に加えて、望ましくは (可能な場合) 国際公開番号を表示して注文することによって、誰でも国際事務局から公開された国際出願の写しを入手することができる。
    IP 9.022.電子形式によって公開された国際出願はどのように入手することができるのか。
    規則86.1(i),
    規則86.4

    電子形式によって公開された国際出願は PATENTSCOPE から入手することができる。
    IP 9.023.優先権書類はどのように入手することができるのか。
    規則4.10(b),
    規則 17.2(c)

    優先権書類を受け取ることを希望する第三者は、先の出願が行われた官庁、いくつかの指定官庁又は国際事務局に申請することができる。国際事務局は、 PATENTSCOPE において入手可能なものについては国際出願の国際公開後、又は紙形式では費用の支払を条件として請求によって、優先権書類の写しを作成する。しかし、国際公開の前に国際出願が取り下げられた、関連する優先権の主張が取り下げられた若しくはなかったものとみなされた、又は優先権の主張の宣言が取り消された場合、国際事務局は優先権書類を提供しない。
    IP 9.023A.国際公開はどのようにして回避することができるのか。
    規則90の2.1(c)

    出願人は、国際出願の取下げ通知を行うことによって、この通知が公開のための技術的な準備の完了前 (IP 9.014 項を参照) に国際事務局に到達していることを条件として、国際公開を回避することができる。取下げ通知は (https://pct.wipo.int/ePCT から高度な認証を利用するサインインによって) ePCT 経由で、望ましくは対応するアクションを利用して、国際事務局に直接提出することが強く推奨される。ePCT のアクションを利用することによって、国際出願が取り下げられたものとして、国際事務局の処理システム内ですみやかに判別することが確約され、これが国際公開の技術的準備の完了前に提出された場合には、公開が回避されるであろう。ePCT が利用できない稀な状況においては、代替的に書類をアップロードするシステムを次のウェブサイトから利用することができる。 https://pct.wipo.int/ePCTExternal/pages/UploadDocument.xhtml 。取下げ通知では、国際公開がまだ回避可能な場合に限り取下げが効力を持つ旨を記載することができる。この場合、当該条件が満たされなければ (すなわち、公開のための技術的な準備が既に完了していれば)、取下げは効力を持たない。たとえば所定の手数料が支払われず、国際出願が取り下げられたものとみなされ、受理官庁がその旨を宣言した場合 (様式 PCT/RO/117) にも同様の効力が生じる可能性がある。ただし、受理官庁がこの宣言を行うだけでは国際公開を回避することができず、国際公開の技 術 的 な 準 備 が 完 了 す る 前 に 国 際 事 務 局 が こ の 宣 言 を 受 領 し て い る 必 要がある (規則 29.1 (v))。国際公開は IP 11.056 項及び IP 11.057 項に概説する優先権主張の取下げによって延期することができる。
    IP 9.024.国際公開の法的効果は何か。
    第29条
    第 29 条は、特定の条件に基づき、審査を受けていない国内出願の国内公開後に仮保護が与えられるのと同様に国際出願の国際公開後に仮保護が与えられることを保証する効力を有する。この効力は、(該当すれば) 優先日から 18 か月経過時の翻訳文の提出、 PCT に基づき公開された国際出願の写しの指定官庁による受領のいずれか又は両方を条件として、締約国が仮保護をすることを可能にするものである。詳細については第 29 条を参照。附属書 B には、各締約国における取扱いが掲載されている。
    IP 9.025.国際事務局において、国際出願の一件書類を利用することができるのか。
    規則94
    1998 年 7 月 1 日より前に行われた国際出願については、役務の費用の支払を条件として、出願人又は出願人の承諾を得た者が、一件書類に収められた文書の写しを国際事務局から入手することができる。 1998 年 7 月 1 日以降に行われた国際出願について、国際事務局は、一件書類の一部を、公開された国際出願とともに PATENTSCOPE において入手可能な状態としている。更に国際事務局は、国際出願の国際公開以降であって第 38 条の規定に従うことを条件として、誰でも役務の費用の支払を請求すれば、出願人による理由を示した請求によって国際公開又は公衆による一件書類の利用から省略されている情報を除き、一件書類中の文書の写しを提供する (国際出願の秘密保持に関する詳細については IP 11.072 項から IP 11.074 項を参照)。
    IP 9.026.[削 除]
    IP 9.027.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の写しは入手できるのか。
    規則94.1(c)
    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の閲覧に関して国際事務局は、選択官庁から請求があれば同官庁に代わり、当該報告の写しを PATENTSCOPE において第三者の利用可能な状態としているが、これは優先日から 30 か月が経過する前には行われない。数多くの選択官庁がこの請求を国際事務局に行っている 。次のウェブサイトを参照されたい。 https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/access_iper 。更に国際事務局は、 PCT 規則 71.1 (b)に基づき国際予備審査機関から受領した関係書類について同様に、 PATENTSCOPE から利用可能としている (IP 10.079A 項を参照)。
    指定官庁への国際出願の写しの送達
    IP 9.028.指定官庁は、いつ、どのように国際出願の写しを受領するのか。
    第22条(1),
    規則47.1(a),
    規則47.2,
    規則47.3,
    規則93の2

    この項及び IP 9.029 項で述べることを条件として、国際事務局は規則 93 の 2 の規定に従い、指定官庁からの請求に応じて、当該指定官庁が指定した時期であって国際公開後に、国際出願が公開された言語による国際出願の写しを各指定官庁に送達する。国際出願を公開する言語が、国際出願が行われた言語と異なる場合、国際事務局は、指定官庁からの請求に応じて、国際出願が行われた言語による当該国際出願の写しをその指定官庁に送付する。これは実務上、公開された国際出願の写しの送付によって行われる (公開された国際出願の写しの内容に関する詳細は、 IP 9.015 項を参照)。国際事務局は更に、 30 か月の期間が適用されない各指定官庁に関して、優先日から 19 か月経過後すみやかに、そして再び、 30 か月の期間が適用される各指定官庁に関して、優先日から 28 か月経過後すみやかに、適用対象となる官庁及びその日付を出願人に知らせる通知 (様式 PCT/IB/308 (1 回目の通知) (19 か月) 及び様式 PCT/IB/308 (2 回目の補助的通知) (28 か月)) を出願人に送付する。これらの通知は、その日付において当該通知が正式に行われた旨を確実に示す証拠として、すべての指定官庁が受け入れなければならない。出願人は、通知を受け取ることによって、そこに記載されている指定官庁には通知が送付されているものとして、国際出願の写しを送付する必要がないことを知る。
    IP 9.029.国際公開前に国際出願の写しを指定官庁に送付できるのか。
    第23条(2),
    第40条(2),
    規則31,
    規則47.4,
    規則61.2(d)

    国際出願の写し (国際調査報告がない場合であっても) は、要求する指定官庁に対しては前項に述べた送達に先立って国際事務局によって送付される。この送達は優先日から 1 年経過前に行うことができない。現在まで、いずれの国内又は広域官庁も、その官庁を指定する国際出願すべての写しをこのように早期に送達することを要請していないので留意されたい。出願人は、希望すればいつでも国際出願の写しを指定官庁に送付すること又は国際事務局による送付を請求することができる。この国際事務局による特別の送付は、附属書 B (IB) に掲載されている額の手数料の支払が必要である。詳細については第 13 条及び規則 31 を参照。この方法による送達は出願人による明示の請求がある場合を除き国際出願の処理を開始する権利を指定官庁に与えるものではないことに留意されたい。しかし、国内処理の早期の開始について指定又は選択官庁に (それぞれ、第 23 条(2)又は第 40 条(2)の規定に基づき) 明示の請求をした場合、国際事務局は、出願人又は指定若しくは選択官庁の請求によって関係官庁にすみやかに送達を行う。

    第 10 章 PCT 第 II 章に基づく国際予備審査

    概要
    IP 10.001.国際予備審査とは何か。
    第31条(1),
    第31条(4)(a),
    第32条(1),
    第33条(1),
    規則53.7

    国際出願の国際予備審査は、「請求の範囲に記載されている発明に新規性、進歩性 (非自明性) 及び産業上の利用可能性があると思われるのか否かの問題について、予備的かつ拘束力のない見解」を得るために、 PCT 第 II 章に基づき請求することができる (第 33 条(1))。国際予備審査は、出願人が、「選択」官庁、すなわち、出願人が国際予備審査の目的で選択した指定官庁に対して使用される請求書 (「demand」と呼ばれる) を提出することによって、「国際予備審査機関」が行う (なお、請求書の提出は、指定されており、かつ、条約第 II 章によって拘束されているすべての締約国の選択を構成する)。国際出願を行う権利を有する出願人すべてが、国際予備審査を請求する権利を有しているわけではない。以下の項では、請求を行うことができる者について説明する。
    IP 10.002.国際予備審査の主な効果は何か。
    第39条(1),
    第40条(1),
    第64条(2)(a)(i),
    第64条(2)(a)(ii)

    国際予備審査の基準が国際的に認められた特許性の基準に対応しているので (IP 10.001 項を参照)、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は、出願人に国内段階を開始する費用と手間をかける前に選択官庁の特許を受ける可能性を評価する機会を与える。また、国際予備審査の実施が請求されたという事実によって、国際予備審査の請求書における選択国での国内段階が、通常、優先日から 30 か月 (一部の選択官庁については更に長い期間が適用される) 経過するまで繰り延べられる。ただし、国際予備審査の請求書が優先日から 19 か月経過前に提出された場合に限る (なお、 19 か月の期間内に選択されなかった場合であっても、 2 つの官庁を除くすべての指定官庁に 30 か月の期間がいずれにしても適用される;詳細については IP 5.005 項を参照)。詳細については IP 10.010 項及び国内編 (概要) を参照。
    IP 10.003.第三者は国際予備審査機関の一件書類に含まれている情報を入手できるのか。
    第38条,
    規則94

    国際予備審査が請求された事実、及び国際事務局又は国際予備審査機関に行われた取下げ通告に示す指定国名が PATENTSCOPE において入手可能であることを除き、国際予備審査手続は、出願人、国際予備審査機関及び国際事務局の秘密にされる。 1998 年 7 月 1 日より前に行われた国際出願について、国際予備審査報告の写しは、作成後に国際事務局によって出願人だけでなく各選択官庁に送付されるが、その他の者又は官庁は、国際予備審査機関又は国際事務局から入手することができない。 1998 年 7 月 1 日以降に行われた国際出願について、第三者は、国内出願の一件書類の利用を国内法令で規定している国の選択官庁を通じて、出願人による理由を示した請求によって国際公開又は公衆による利用から省略されている情報を除き (IP 9.016A 項及び IP 11.073A 項を参照)、国際予備審査機関の一件書類が含まれているすべての書類の写しを入手することができる (IP 10.080 項及び IP 10.081 項、及び IP 11.072 項から IP 11.074 項を参照)。国際事務局から国際予備審査報告及び関係書類を入手する可能性については、 IP 9.027 項を参照。
    国際予備審査の請求
    IP 10.004.どのような条件の下で国際予備審査の請求書を提出できるのか。
    第31条(2)(a),
    規則 18.1,
    規則54

    国際予備審査の請求を行うために満たさなければならない条件が 2 つある。第 1 に、出願人、又は出願人が 2 人以上であれば少なくともその 1 人が、国際予備審査に関する PCT 第 II 章に拘束される締約国の居住者又は国民でなければならない (現在、ウルグアイを除くすべての締約国が PCT 第 II 章に拘束されている) 。第 2 に、国際出願は、 PCT 第 II 章に拘束される締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁に行わなければならない。附属書 A 及び B は各締約国が第 II 章に拘束されるのか否かを示している。したがって、 2 か国以上の締約国に住所・国籍を有するため、通常、受理官庁の選択ができる潜在的な出願人は、後に国際予備審査の利用を希望するのであれば、 PCT 第 II 章に拘束される締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁に国際出願を行うべきである。ただし、国際出願に記載された出願人の名義が変更されたために、国際予備審査請求時に出願人の少なくとも 1 人が第 II 章に拘束される締約国の国民又は居住者となっていない場合には、国際予備審査請求をする権利を失うことがあるので留意されたい。住所及び国籍の概念は規則 18.1 に定義されている (IP 5.023 項を参照)。出願人が国際予備審査を請求する資格を有していない場合、当該請求は行われなかったものとみなされる。
    IP 10.005.いずれの国を選択することができるのか。
    第31条(4),
    第64条(1),
    規則53.7,
    規則90の2.4

    国際出願で指定されており、 PCT 第 II 章に拘束されている、すべての締約国が選択される。印刷されている国際予備審査の請求書の様式 (https://www.wipo.int/documents/d/pct-system/docs-ja-forms-demand-ed-demand.pdf のWIPOウェブから入手可能) には、予備審査の請求を行うことによって、指定国であって条約第 II 章によって拘束されているすべての締約国の選択を構成する旨が予め印刷されている (IP 10.029 項を参照)。なお、指定が取り下げられた国を後に選択することはできないので留意されたい。出願人が一部の国について選択することを希望しなければ、請求書の提出後にその国の選択を取り下げることができる。また、選択されている国の指定を取り下げることは、対応する選択を取り下げる結果になることにも留意されたい。
    IP 10.006.国際予備審査の請求書をどこに提出するのか。
    第31条(3),
    第31条(6)(a),
    第32条(2),
    規則59

    国際予備審査の請求書は、国際出願と別個に、国際出願の国際予備審査の実施を管轄する国際予備審査機関に直接提出する。各受理官庁 (受理官庁としての国際事務局を除く; IP 5.008 項をを参照) は、その受理官庁に対して行われた国際出願の国際予備審査の実施を管轄する 1 つ又は複数の国際予備審査機関を選定できる。更に、国際出願の言語及び国際調査機関が国際調査を行った言語に応じて、国際出願の国際予備審査を異なる国際予備審査機関が管轄できる。ある国際出願について複数の国際予備審査機関が管轄する場合には、その国際出願を受理した受理官庁及び国際出願の言語を考慮して、出願人は国際予備審査機関を選択することができる。国際出願が受理官庁としての国際事務局に対して行われた場合には、その国際出願の受理官庁であったはずの管轄国内 (又は広域) 官庁にその国際出願が行われた場合に管轄するはずであった国際予備審査機関が管轄する。受理官庁として行動する国内 (又は広域) 官庁それぞれに行われた国際出願について管轄する国際予備審査機関及び各国際予備審査機関が認める国際予備審査の言語は、附属書 C 及び E で確認することができる。なお、国際予備審査機関としての一部の官庁の権能に関する各種取決めの枠組内において、このような機関は、一部の国際出願に関して、同機関が管轄するのか否かについて制限を設けることができる。 取決めについての協定の全文は次の WIPO ウェブサイトから参照可能である。https://www.wipo.int/en/web/pct-system/access/isa_ipea_agreements 。詳細は附属書 E を参照。
    IP 10.007.国際予備審査の請求書が管轄国際予備審査機関に提出されなかった場合にはどうなるのか。
    規則59.3(a),
    規則59.3(b),
    規則59.3(e)

    国際予備審査の請求書が、受理官庁、国際調査機関、その国際出願の国際予備審査を管轄しない国際予備審査機関、又は国際事務局に提出された場合、事情に応じてその官庁、機関又は国際事務局は、当該請求書に受理の日付を付し、その日付に管轄国際予備審査機関に代わって、その請求書を受理したものとみなされる。
    IP 10.008.
    規則59.3(c),
    規則59.3(f)

    国際予備審査の請求書が、受理官庁、国際調査機関、又はその国際出願の国際予備審査を管轄しない国際予備審査機関に提出された場合、当該官庁又は機関は、その請求書を管轄国際予備審査機関に直接送付すること、又は国際事務局に送付して次に国際事務局がその請求書を管轄国際予備審査機関に送付すること、のいずれかを行うことができる。
    IP 10.009.
    規則59.3(c),
    規則59.3(d)

    2 つ以上の管轄国際予備審査機関があれば、事情に応じて、国際予備審査の請求書が提出された官庁若しくは機関、又は国際事務局は、出願人に通知し、規則 54 の 2.1 (a)に基づき適用される期間又はその通知日から 15 日のうちいずれか遅い期間内に、その請求書を送付すべき国際予備審査機関を表示するよう求める。出願人がこの表示を行った場合には、その請求書を管轄国際予備審査機関にすみやかに送付する。出願人がいずれの表示も行わなかった場合、その請求書は提出されなかったものとみなされ、事情に応じて、その請求書が提出された官庁若しくは機関、又は国際事務局は、その請求書が提出されなかったものとみなされる旨を宣言する。
    IP 10.010.手続のいずれの段階で国際予備審査の請求書を提出するのか。
    第39条(1),
    規則54の2.1(a),
    規則69.1(a)(iii),
    規則69.2

    国際予備審査の請求書は、次の期間のうちいずれか遅く満了する前であれば、いつでも提出することができる。
    (i) 国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解、又は第 17 条(2)(a)で規定する、国際調査報告を作成しない旨の宣言が出願人に送付されてから 3 か月
    (ii) 優先日から 22 か月
    更に、一部の官庁については (IP 5.005 項を参照)、優先日から 30 か月が経過するまで国内段階移行を繰り延べることを含む、国際予備審査請求の効力をすべて確約するために、請求書を優先日から 19 か月以内に提出しなければならない。国際予備審査は通常、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解が入手可能となる前には開始されず (IP 10.051 項から IP 10.055 項を参照)、出願人が国際予備審査を早期に開始するよう明確に請求しない限り、国際予備審査機関は適用される期間の満了前に予備審査を開始しないので、出願人は通常、自分が特許保護手続を更に進めるのか否かを決定する前に、当該報告及び見解を考慮することを希望することになる。ただし、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解の作成が遅れているのか否かと無関係に 19 か月の期間は満了するので留意されたい。他方、国際予備審査のために利用できる時間の長さは、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解が入手可能となった後、できる限り早期に国際予備審査の請求書を提出したのか否かによる。 なぜならば、多くの場 合、特許性に 関する国際予 備報告 (PC T 第 II 章) は 、優先日から 28 か月以内、又は国際予備審査を開始するために設けられた時点から 6 か月以内、又は (該当すれば) 出願人が提出した翻訳文を国際予備審査機関が受領した日から 6 か月以内の、いずれか遅く満了する期間内に作成しなければならないからである (IP 10.074 項を参照)。国際予備審査のために利用できる時間が多くなれば、それだけ良好かつ品質の高い結果を期待することができる。したがって、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解に基づき、更に国際出願手続を進める価値があると出願人が評価した場合には、できる限り早期に国際予備審査の請求を行うべきである。
    国際予備審査のための国際出願の翻訳文
    IP 10.011.国際出願が、国際予備審査機関が認めない言語で行われた又は国際公開された場合どうなるのか。
    規則55.2
    国際予備審査を行う国際予備審査機関では、国際出願が行われた言語、又は国際出願が国際公開される言語のいずれも認められない場合、出願人は、その国際予備審査の請求書とともに、当該国際予備審査機関が認める言語であり国際公開の言語でもある言語による国際出願の翻訳文を提出しなければならない。国際調査機関及び国際予備審査機関が同一の国内官庁又は政府間機関の一部である場合、翻訳文は要求されず、この場合には国際調査のために提出された翻訳文に基づき国際予備審査が行われる (IP 6.014 項から IP 6.017 項を参照)。各国際予備審査機関が国際予備審査のために認める言語の詳細については附属書 E に記載されている。第 19 条に基づく補正の翻訳文の提出については IP 9.010 項を参照。
    請求書
    IP 10.012.国際予備審査の請求書はどのような様式、内容及び言語を満たさなければならないのか。
    第31条(3),
    規則53,
    第102号(b),
    第102号(i)

    国 際 予 備 審 査 の 請 求 書 は 所 定 の 表 示 を 記 入 し た 印 刷 し た 様 式 又 は 実 施 細 則 に 従 う コ ンピュータ印字 のいずれかで 作成しなけれ ばならない。 予備審査請求作成を容易にするために、国際事務局はダウンロード可能な PDF (portable document format) 形式の請求書様式を同ウェブサイト https://www.wipo.int/ja/web/pct-system/forms/ に用意している。 PDF 形式の請求書様式 (PCT/IPEA/401) は編集可能であり、コンピュータを使用して記入するか、又はプリントアウトしてからタイプライタで記入することができる。予備審査請求書並びに編集可能なバージョンの作成方法に関するガイドは、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語及びスペイン語によるものを入手することができる。
    様式の記入例は上述したアドレスのウェブサイトで閲覧することもできる。印刷した様式は無料で受理官庁又は国際予備審査機関から入手することができる。
    請求書は (https://pct.wipo.int/ePCT から高度な認証によってサインインする) ePCT サービスを利用してオンラインで提出することもできる。
    IP 10.013
    規則53,
    規則55.1

    国際予備審査の請求書の記入が完了した状態では、出願人及び請求に係る国際出願を記載しなければならない。国際予備審査の請求書には、国際出願が国際予備審査の対象とされる旨の申立てが含まれている。国際予備審査の請求書の提出は、指定されており PCT 第 II 章に拘束されるすべての締約国の自動的な選択を構成する (IP 10.029 項、及び IP 10.012 項に示すアドレスから国際予備審査の請求書の記入例を参照) 。該当すれば、国際予備審査を開始する基礎となる補正に関する記述 (IP 10.025 項及び IP 10.026 項を参照)、並びに国際予備審査を行う言語を表示しなければならない。国際予備審査の請求書の言語は、国際出願の言語、又は国際出願が国際公開の言語以外の言語によって行われている場合には、その国際公開の言語によるものでなければならない。ただし、国際予備審査機関が、国際出願が行われた言語又はその国際出願が公開される言語のいずれも認めていないために、その国際出願の翻訳文が要求されている場合には (IP 5.013 項及び IP 10.011 項を参照)、その請求書は当該翻訳文の言語によるものでなければならない。請求書には署名しなければならない (IP 10.031 項、 IP 10.032 項及び IP 11.027 項を参照)。国際予備審査の請求書の様式の各欄の記入については、以下に詳細に記載されている。出願について国際予備審査機関が 2 つ以上管轄する場合 (IP 10.006 項を参照) 出願人によって選択され、予備審査請求書が提出された国際予備審査機関は、請求書の第 1 用紙の上部にあるその目的のため設けられた欄に、望ましくは当該機関の名称又は 2 文字コード (「国名及び 2 文字コード」) (附属書 K) を参照) による表示をもって特定されるべきである。
    第 I 欄 国際出願の表示
    IP 10.014.国際出願の表示に関する要件は何か。
    規則53.6
    国際出願の表示は、その国際出願番号、出願日及び発明の名称によって行わなければならない。出願人が国際公開番号を国際予備審査の請求書の提出時に知らない場合には、国際出願が行われた受理官庁の名称を表示しなければならない。発明の名称は、公開された国際出願に記載されたものと同一 (すなわち、国際調査機関が変更した場合を除き、願書に記載したものと同一、 IP 7.022 項を参照) でなければならない。
    IP 10.015
    出願人の書類記号がある場合、そのために国際予備審査の請求書の様式の第 1 用紙に設けられた欄に 25 文字以内で書類記号を表示することが推奨される (願書及び明細書については、 IP 5.017 項及び IP 5.105 項を参照) 。
    IP 10.016
    国際予備審査の請求書に優先日を表示することは義務でないが、国際予備審査請求が優先日から 19 か月経過前に行われたのか否かを国際予備審査機関がすみやかに確認する助けとなるので、推奨される。
    第 II 欄 出願人
    IP 10.017.誰が国際予備審査の請求書を提出することができるのか、何の記載が要求されるのか。
    第31条(2),
    規則4,
    規則53.4,
    規則53.5,
    規則54.1,
    規則54.2,
    規則60.1(aの2)

    出願人が 1 人の場合、その出願人は PCT 第 II 章に拘束される締約国の居住者又は国民でなければならない。出願人が 2 人以上の場合には、出願人ごとに表示されている選択国と無関係に、そのうち 1 人が PCT 第 II 章に拘束される締約国の居住者又は国民であれば十分である。各出願 人に関して要 求される各種 の表示 (完全な氏名又は名称及びあて名、電話番号・ファクシミリ番号・電子メールアドレス、国籍及び住所) についての詳細な要件は、願書に関する規則 4 で規定するもの (IP 5.023 項から IP 5.034 項を参照) と同一である。出願人が国際予備審査機関に登録されている場合には、出願人がそのように登録されている番号又はその他の表示を第 II 欄に記載することもできる。出願人でない発明者を国際予備審査の請求書に表示しないように留意されたい。出願人の住所又は国籍の問題が生じる場合、国際予備審査機関は、受理官庁、又は国際出願が受理官庁としての国際事務局に行われた場合には当該締約国の国内官庁若しくはその締約国のために行動する国内官庁に対して、出願人が自ら居住者又は国民であると主張する締約国の居住者又は国民であるのか否かの問題を決定することを要請し、出願人にこの要請について通知する。出願人は、国際予備審査機関に対して直接意見を述べる機会が与えられる。国際予備審査機関は、その問題をすみやかに決定する。
    IP 10.018.出願人の氏名又は名義の変更があった場合にどのように記載するのか。
    規則92の2.1
    国際予備審査の請求前に、その氏名又は名義の変更の記録が規則 92 の 2.1 の規定に基づき要請された場合 (IP 11.018 項から IP 11.022 項を参照)、国際予備審査の請求書に表示しなければならない出願人は、国際予備審査の請求時に記録されている出願人である。
    IP 10.018A.出願人は電子メールによる通知をどのように受領するのか。
    国際予備審査請求書の様式第 II 欄に電子メールアドレスが表示されている場合、国際事務局、及び国際予備審査機関 (電子メールによる通知のサービスを提供している場合) は、通知を出願人に電子メールで送付し、これによって処理又は郵送における遅滞を回避する。代理人又は共通の代表者も電子メールアドレスを提示している場合、電子メールによる通知は選任された代理人又は共通の代表者のみに送付される (IP 10.022 項を参照)。なお、すべての機関が当該通知を電子メールで送付するわけではない (附属書 B を参照)。電子メールアドレスが提示されていない場合、又は出願人が第 II 欄の対応するチェックボックスをマークして、通知を郵送のみによって受領することを選択している場合、又は国際予備審査機関が電子メールによる通知の送付を行わない場合、通知は郵便のみによって所定のあて名に送付される。電子メールアドレスの詳細を最新のものとして、受信がブロックされる状態を回避するのは、いかなる理由があろうとも出願人の責任である。願書に表示した電子メールアドレスに変更があれば、規則 92 の 2 に基づき、望ましくは国際事務局に直接、変更を記録するよう請求すべきである。
    第 III 欄 代理人又は共通の代表者
    IP 10.019.出願人は国際予備審査機関に対して代理人による代理の必要があるのか。
    その必要はない。なお、出願人は代理人による代理を受ける義務を負わないが、代理を受けることは認められる。ほとんどの場合、代理人を利用することが非常に望ましい (IP 1.004 項を参照)。
    IP 10.020.出願人は国際予備審査機関に対して代理人による代理が可能なのか。
    第49条,
    規則2.2,
    規則90.1(a),
    規則90.1(c)

    出願人は代理を受けることができる。出願人は、国際出願を行った代理人 (いる場合) 又は国際出願が行われた受理官庁 (附属書 C を参照) に対して手続する資格を有するその他の代理人による代理を受けることができる。出願人は更に、特に国際予備審査の手続のために選任した、及び国際予備審査機関として行動する国内又は広域官庁について適用される規則に従い当該官庁に対して手続する権能を有する者の中から選任された代理人による代理を受けることができる (国内編 (概要) を参照)。代理に関する情報については、更に IP 11.001 項から IP 11.014 項を参照。
    IP 10.021.国際予備審査に関する手続について、いつ、どのように代理人を選任することができるのか。
    規則53.2(a)(ii),
    規則53.5,
    規則90

    国際出願を行うために既に代理人が選任されている場合、この代理人は、国際予備審査の手続についても出願人を代理し、出願人に代わり国際予備審査の請求書に署名することもできる。また、国際予備審査について別の代理人又は追加の代理人を国際予備審査の請求書又は別個の委任状で選任することができる。各代理人に関して要求される各種の表示 (完全な氏名又は名称及びあて名、電話番号・ファクシミリ番号・(1 つ若しくは複数の) 電子メールアドレス) についての要件は、願書について規則 4 に基づき要求されるものと同じである (IP 5.043 項を参照)。代理人が国際予備審査機関で登録されている場合には、代理人がそのように登録されている番号又はその他の表示を第 III 欄に表示することもできる。復代理人を含む代理人の選任方法に関するその他の情報については、 IP 11.001 項から IP 11.014 項に記載されている。
    IP 10.021A.代理人 (又は共通の代表者) は電子メールによる通知をどのように受領するのか。
    様式第 III 欄に電子メールアドレスが表示されている場合、国際事務局、及び国際予備審査機関 (電子メールによる通知のサービスを提供している場合) は、通知をそのアドレスに電子メールで送付し、これによって処理又は郵送における遅滞を回避する (IP 10.018A 項を参照)。電子メールアドレスが提示されていない場合、又は代理人又は共通の代表者が様式第 III 欄の対応するチェックボックスをマークして、通知を郵送のみによって受領することを選択している場合、又は国際予備審査機関が電子メールによる通知の送付を行わない場合、通知は郵便のみによって所定のあて名に送付される。
    IP 10.022.共通の代表者は出願人を代表することができるのか。
    規則2.2の2,
    規則90.2,
    規則90.4

    最初の段階に適用される共通の代表者に関する規定は (IP 5.048 項を参照)、国際予備審査の手続中も引き続き適用される。すなわち、共通の代理人が選任されていない場合には、出願人の 1 人をすべての出願人の共通の代表者として、その他の出願人は選任することができ、共通の代理人も共通の代表者も選任されていない場合には、願書の最初に記載された出願人であって当該受理官庁に対して出願をする資格を有する者が共通の代表者 (「共通代表者とみなされる者」) と解釈される (IP 11.006 項を参照)。国際予備審査の請求時に選任された者が出願人に代わって請求書に署名している場合には、国際予備審査機関、国際事務局又は受理官庁に別個の委任状を提出しなければならない。ただし、国際予備審査機関、国際事務局又は受理官庁は、別個に委任状を提出する要件を放棄することができる。詳細については附属書 B (IB)、 C 及び E を参照。
    IP 10.023.代理人及び共通の代表者にその他のどのような規定が国際予備審査の手続中に適用されるのか。
    国際段階のその他の手続中に適用される代理人及び共通の代表者に関する (たとえば、代理人及び共通の代表者の法律的な地位並びに解任及び辞任に関する; IP 11.001 項から IP 11.014 項を参照) 一般規定と同じ規定が国際予備審査の手続中にも適用される。
    第 IV 欄国際予備審査に対する基本事項 (国際予備審査についての補正に関する記述及び言語の表示)
    IP 10.024.出願人は国際予備審査の前及びその間に請求の範囲、明細書及び図面を補正することができるのか。
    第34条(2)(b),
    規則66.1(b),
    規則66.1(d)

    出願人は、第 34 条(2)(b)の規定に基づき、国際予備審査の開始前及び期間内であれば、国際予備審査の間であっても国際予備審査報告が作成されるまで、そして審査中であっても時間が許せば、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が作成されるまで、請求の範囲、明細書及び図面を補正することができる (請求の範囲については、実際、これが国際予備審査の開始前に請求の範囲を補正する第 2 の機会である;第 1 の機会は、 IP 9.004 項から IP 9.009 項及び IP 9.011 項に述べたように第 19 条の規定に基づく補正書を国際事務局に提出できることによって与えられる)。第 34 条(2)(b)の規定に基づく補正の詳細については、 IP 10.028 項、 IP 10.067 項から IP 10.071 項、 IP 11.045 項から IP 11.047 項を参照。
    IP 10.025.国際予備審査の基礎を記載する目的は何か、国際予備審査の基礎についての補正に関する記述及び言語の表示に記載しなければならないのか。
    規則53.2(a)(iv),
    規則53.9

    (i) 補正に関する記述によって国際予備審査機関ができる限り早期に国際予備審査を開始するために国際予備審査の基礎とする書類を特定することが可能になるので、補正に関する記述は記入すべきである。しかし、この記述を記入しなかったこと又は正確に記入しなかったことは、出願にとって致命的でない。特に、第 19 条又は第 34 条の規定に基づく補正がされず出願人が国際予備審査の請求時にその補正を希望しない場合には、単に、国際予備審査が出願当初の国際出願に基づき開始されることになるだけである。考慮しなければならない期間に十分な余裕をもって補正が国際予備審査期間に送付されるのであれば、出願人は、後で国際予備審査中に補正することを妨げられない。他方、補正はあるがその補正の記述がない場合又は出願人が後で補正することを希望するがその記述がない場合には、国際予備審査の開始が遅れるか、又は出願人は、後に希望する補正が考慮される十分な時間的余裕がないことを知るであろう。
    (ii) 国際予備審査についての言語の表示に記入すること、及びそれに伴う照合欄に記入することによって、国際予備審査機関は、すみやかに国際予備審査を開始するために、請求書及び国際出願がその機関で認められる言語によって行われているのか否か、又は国際出願の翻訳文が必要か否かを迅速に判断することができる。この表示に記入することによって、国際予備審査機関は更に、請求書とともに提出された補正書 (上述の (i) を参照) が適切な言語によるものか否かを判断することができる。
    IP 10.026.補正に関する記述の欄はどのように記入するのか。
    国際予備審査の請求書の提出前に第 19 条の規定に基づき請求の範囲が補正された場合 (IP 9.004 項から IP 9.009 項を参照)、この記述には、国際予備審査について出願人が、その補正を考慮すること (この場合には、その補正書の写しを国際予備審査の請求書とともに提出すべきである)、又は第 34 条の規定に基づく補正によって取り消されたものとみなすことの、いずれを希望するのか表示しなければならない。第 19 条の規定に基づく補正はないが国際予備審査の請求時に補正の期間 (IP 9.004 項を参照) が満了していない場合、この記述には、出願人の選択 に よ っ て 、 国際予備審査の開始を延期するよう希望する旨を表示することができる (IP 10.054 項を参照)。第 34 条の規定に基づく補正書が国際予備審査の請求書とともに提出された場合、この記述にはその旨を表示しなければならない。次に、第 IV 欄の各チェックボックスについて詳細に説明する。
    『 1.出願人は、次のものを基礎として国際予備審査を開始することを希望する。
    ⬜ 出願時の国際出願を基礎とすること。』
    出願人が第 19 条の規定に基づく補正をせ ず国際予備審 査の請求時に その補正を希 望しない、又は出願人が既に第 19 条の規定に基づく補正をしたがその補正を続けることに関心がない、のいずれかの場合には、このチェックボックスをマークする。
    『明細書に関して
    ⬜ 出願時のものを基礎とすること。
    ⬜ 特許協力条約第 34 条の規定に基づいてなされた補正を基礎とすること。
    請求の範囲に関して
    ⬜ 出願時のものを基礎とすること。
    ⬜ 特許協力条約第 19 条の規定に基づいてなされた補正を基礎とすること。
    ⬜ 特許協力条約第 34 条の規定に基づいてなされた補正を基礎とすること。
    図面に関して
    ⬜ 出願時のものを基礎とすること。
    ⬜ 特許協力条約第 34 条の規定に基づいてなされた補正を基礎とすること。』
    規則60.1(g),
    規則69.1(e)

    これらのチェックボックスは、出願人が国際予備審査を開始するときに補正を考慮するよう希望する場合のみマークすべきである。出願人が第 19 条の規定に基づき既に行った補正を考慮するよう希望する場合には、その補正書の写し、及びその補正書に伴う説明書を、国際予備審査の請求書に添付すべきである。チェックボックスがマークされているが、そこに言及されている書類に国際予備審査の請求書が添付されていなければ、国際予備審査機関がそれらの書類を受領するまで、国際予備審査の開始が遅延する。第 34 条に基づく補正書は、国際予備審査の請求書と同時に、同請求書に添付して提出すべきである。出願人は更に、適当なチェックボックスをマークすることによって、国際出願のいずれの部分が補正されているのか指示すべきである。
    規則53.9(a)(ii)
    『 2. ⬜ 出願人は、特許協力条約第 19 条の規定に基づく請求の範囲について行った補正を無視し、かつ、取り消されたものとみなして開始することを希望する。』
    出願人が以前に第 19 条の規定に基づく補正を行った後、この補正を国際予備審査のために考慮することを希望していない場合のみ、このチェックボックスをマークする。このチェックボックスをマークすることによって、補正が第 34 条の規定に基づく補正によって取り消されたものとみなされる効果が生じる。
    『 3. ⬜ 国際予備審査機関が規則 69.1 (b)に従って国際調査と同時に国際予備審査を開始しようとする場合、出願人は規則 69.1 (d)に基づき適用される期間の満了まで国際予備審査の開始を延期することを国際予備審査機関に希望する。』
    国際予備審査の請求時に第 19 条の規定に基づく補正の期間が満了しておらず (IP 9.004 項を参照)、出願人が国際予備審査の請求後にその補正を希望する場合のみ、このチェックボックスをマークすべきである。実際には国際調査報告が入手できる前に国際予備審査の請求をしたときに、このような状況が生じる可能性がある。このチェックボックスをマークしたが出願人が後で第 19 条の規定に基づく補正を行わないことを決めた場合、出願人は第 19 条の規定に基づく補正の意思を有していないこと及び国際予備審査を開始することを国際予備審査機関に届け出るべきである。
    『 4. ⬜ 出願人は、規則 54 の 2.1 (a)に基づき適用される期間の満了まで国際予備審査の開始を延期することを明示的に希望する。』
    規則 54 の 2.1 (a)に基づき適用される期間の満了まで国際予備審査の開始を延期するよう出願人が希望するのであれば、このチェックボックスをマークすべきである。これを希望しておらず、国際調査機関及び国際予備審査機関が同一の機関でない場合には、国際予備審査機関が、所定の手数料、国際調査報告、又は第 17 条(2)(a)に基づく宣言の通知及び国際調査機関の書面による見解を受領した時点で、国際予備審査が開始される。
    IP 10.027.第 IV 欄の複数のチェックボックスをマークすることができるのか。
    マークすることができる。たとえば(1)で、出願人が既に第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正書を提出しており、その補正書を、その後の第 34 条の規定に基づく明細書・図面を補正する (並びに、状況によっては既に補正した請求の範囲を更に補正する) 補正書とともに考慮することを希望する場合には、複数のチェックボックスをマークすることができる。
    IP 10.028.出願人は第 IV 欄で述べた補正に加え国際予備審査の間に補正することができるのか。
    規則66.1(b),
    規則66.4の2

    補正することができる。出願人は、補正に関する記述に何を表示したのかと無関係に、国際予備審査の手続中 (IP 10.067 項から IP 10.071 項を参照) であれば、事後補正又は再度補正の機会が排除されず、この意味で、補正に関する記述は出願人又は国際予備審査機関の行動を拘束しない。たとえば出願人は、補正に関する記述において、過去に行った第 19 条の規定に基づく補正を考慮すべきと表示した場合であっても、この補正に優先するために後で第 34 条の規定に基づく補正を選択することができる。ただし、補正に関する記述に含まれる情報は、国際予備審査機関が国際予備審査をいつ及び何に基づき開始するのか決定するために利用される (IP 10.051 項から IP 10.055 項を参照)。更に、国際予備審査機関が特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の作成を開始した後に受領した補正書又は意見書は、その作成に関して考慮する必要がない (IP 10.068 項を参照)。国際予備審査のために利用できる時間は限られているので、国際予備審査の請求時に、何を国際予備審査の基礎とすべきかできる限り早期に決定することが、出願人にとって利益になる。出願人が第 34 条に基づく補正書を提出する意思を有しているが、国際予備審査の請求書と同時に提出することができない状態であれば、その意思を請求書と同時に提出する書簡の中で示しておくことが望ましい。なお、規則 66.1 の 2 に基づき、国際調査機関の書面による見解は、ほとんどの場合に国際予備審査機関の書面による見解とみなされるので、国際予備審査の請求書と同時に第 34 条に基づく補正書が提出されていなければ、国際予備審査機関は、規則 54 の 2.1 (a)に基づく期間の満了後すみやかに、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の作成を開始する。
    第 V 欄 国の選択
    IP 10.029.いずれの国を選択することができるのか。
    規則53.7
    国際予備審査の請求を行うことは、指定されており、 PCT 第 II 章に基づき拘束されている、すべての締約国を選択した効果を有する。これは通常であれば、現状で PCT 第 II 章に拘束されていない唯一の国であるウルグアイを除く、すべての締約国の選択を意味する。
    第 VI 欄 照合欄
    IP 10.030.照合欄の目的は何か。
    第 VI 欄は、国際予備審査機関が国際予備審査の請求書とともに提出された書類を確認することができるように、出願人が記入すべきである。照合欄では補正に関する記述で言及した補正書に関する表示が特に重要である。 照合欄の表示 は、第 VI 欄の表示に対応すべきである。
    第 VII 欄 出願人、代理人又は共通の代表者の署名
    IP 10.031.誰が国際予備審査の請求書に署名しなければならないのか。
    規則53.4,
    規則53.8,
    規則60.1(aの3),
    規則90.3

    国際予備審査の請求書には、出願人、又は出願人が 2 人以上の場合には国際予備審査を請求するすべての出願人、すなわち、選択された国についてのすべての出願人が署名しなければならない。しかし、代理人又は共通の代表者は、自身を選任した出願人のために署名することができる。国際予備審査の請求書には、すべての出願人のために選任された共通の代理人若しくは共通の代表者又は共通の代理人若しくは共通の代表者が選任されていない場合には、共通の代表者と解釈される出願人 (「共通代表者とみなされる者」) が署名することができる (IP 11.006 項を参照)。もっとも国際予備審査機関は、 1 人又は複数人の出願人の署名が不足していても、出願人の少なくとも 1 人が国際予備審査の請求書に署名していれば、不足している署名を提出するよう出願人に求めることはしないであろう。しかし、国際段階のいずれかの時点で取下げの通告を提出する場合、当該通告は、出願人、又は出願人が複数人いるのであればその全員 (規則 90 の 2.5)、又は、選択に応じて、願書、国際予備審査の請求書若しくは別個の委任状に署名した出願人全員によって有効とされる選任に基づく代理人又は共通の代表者 (規則 90 の 2.4 (a)) のいずれかによる署名が要求される。
    IP 10.032.署名に代えて押印しなければならない、又はできるのはどのような場合か。
    規則2.3
    国際予備審査機関としての中国国家知識産権局 (CNIPA) に対して提出された国際予備審査の請求書及びその他の書類では、署名に代えて押印を使用することができる。受理官庁としての日本国特許庁 (JPO) に対して行われた国際出願であって、国際予備審査機関としての欧州特許庁 (EPO) に対して提出された国際予備審査の請求書及びその他の書類が英語によるものである場合には、押印に代えて署名しなければならない。国際予備審査機関としての知識財産処 (韓国) に対して提出された国際予備審査の請求書及びその他の書類では、書名に変えて押印しなければならない (願書に関しては IP 5.091 項を参照)。
    国際予備審査の請求書の様式の備考
    IP 10.033.国際予備審査の請求書の様式の備考とは何か。
    国際予備審査請求書の様式の備考は、国際予備審査請求書の様式の記入の便宜となることを意図している (https://www.wipo.int/documents/d/pct-system/docs-ja-forms-demand-ed-demand.pdf のWIPO ウェブサイトを参照) 。この備考には、国際予備審査請求書の様式の各欄について、何を記載する必要があるのか、どのように記載するのかについて説明がされている。この備考を国際予備審査請求書とともに提出する必要はない。
    手数料計算用紙
    IP 10.034.手数料計算用紙とは何か。
    手数料計算用紙は、出願人が国際予備審査機関に支払う手数料の総額を計算する助けとなる。通常、この用紙は出願人が受理官庁又は国際予備審査機関から受け取る国際予備審査の請求書の様式に添付されている。しかし、この用紙は国際予備審査の請求書の様式の一部でなく、使用は義務ではないが、出願人が手数料計算用紙に記入して国際予備審査機関に提出することが強く推奨される。これは国際予備審査機関が手数料の計算をチェックし、計算ミスを特定する助けとなる。手数料計算用紙の記入の詳細については、 IP 10.033 項に示す WIPO ウェブサイトのアドレスを参照。手数料の支払に関する詳細な情報は、 IP 10.035 項から IP 10.043 項を参照。
    手数料
    IP 10.035.国際予備審査の請求について支払う手数料にどのようなものがあるのか。
    第31条(5)
    国際予備審査の請求について支払わなければならない 2 種類の手数料がある
    規則58.1(a),
    規則58.1(c)

    (i)「予備審査手数料」は国際予備審査機関が定め、主に国際予備審査の遂行及び特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の作成のために国際予備審査機関が受領する。
    規則57.1
    (ii)「取扱手数料」は PCT 規則の手数料表に定められており、必要な場合には、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の英語への翻訳を含む様々な任務を遂行する国際事務局が受領する (IP 10.039 項を参照)。
    IP 10.036.選択をするために支払う手数料はあるのか。
    「選択手数料」はない。国際予備審査の請求について支払う手数料は IP 10.035 項で述べたものだけである。
    IP 10.037.この手数料は誰に支払うのか。
    規則57.1,
    規則58.1(c)

    予備審査手数料及び取扱手数料は、国際予備審査機関に支払う。国際予備審査機関は、取扱手数料を国際事務局に送金する。
    IP 10.038.手数料はいずれの通貨で支払うのか。
    規則57.2(b),
    規則58.1(c)

    予備審査手数料及び取扱手数料は通常、国際予備審査機関が特定する 1 つの通貨又は複数の通貨の 1 つによって支払う。この点に関するすべての情報は附属書 E に記載されている。
    IP 10.039.手数料の額はいくらか。
    規則57.2(a),
    規則57.3,
    規則58.1(b)

    附属書 E に、各国際予備審査機関に支払う予備審査手数料及び取扱手数料の額が記載されている。
    IP 10.040.どのような手数料の減額が受けられるのか。
    一部の国からの出願人には、オーストリア特許庁、欧州特許庁及びスペイン特許商標庁に支払う予備審査手数料の減額が適用される。詳細については各国の附属書 E を参照。
    IP 10.041
    次のいずれか 1 つに該当する場合、出願人は手数料表第 5 項に従い、取扱手数料の 90 %減額を受ける資格を有する。(a) 出願人が自然人であり、かつ、 1 人当たりの国内総生産額 25,000 米国ドル未満 (国際連合が公表する、 2005 年基準の米国ドル換算による直近 10 年間の 1 人当たりの実質国内総生産) の国であって、国際事務局が公表する直近 5 年間の平均出願件数によると、その国の自然人である国民及び居住者が行う国際出願の件数が (100 万人当たり) 年間 10 件未満又は (絶対数で) 50 件未満である国として、一覧表に掲げる国の国民かつ居住者である。(b) 出願人が自然人であるのか否かを問わず、国際連合により後発開発途上国に分類される国として一覧表に掲げる国の国民かつ居住者である。(手数料減額の資格を有する国民及び居住者のリストについては https://www.wipo.int/documents/d/pct-system/docs-en-fee-reduction-january.pdf を参照) 。出願人が複数人である場合、それぞれの出願人が上述した基準のいずれか 1 つを満たさなければならない。ただし、その出願人又は複数の出願人すべてが請求書の提出時において、その出願の真正かつ唯一の所有者であり、手数料減額の資格を持たない他の当事者に、発明について権利の譲渡、付与、移転又はライセンスの義務を負わない場合に限り、手数料減額の資格を有することに留意されたい。 1 人又は複数人の出願人すべてが取扱手数料の減額資格を有する場合、この減額は補充調査請求書の第 II 欄に記載された氏名、国籍及び居住地に基づき適用され、特別の請求を行う必要はない。
    IP 10.042.手数料はいつ支払うのか。
    規則57.3,
    規則58.1(b)

    予備審査手数料及び取扱手数料は、国際予備審査の請求書を提出した日から 1 か月以内、又は優先日から 22 か月以内の、いずれか遅く満了する日までに支払わなければならないが、規則 59.3 に基づき請求書が管轄国際予備審査機関に送付されていれば、取扱手数料は、当該機関が請求書を受領した日から 1 か月以内、又は優先日から 22 か月以内の、いずれか遅く満了する日までに支払わなければならない。これらの手数料が未払又は後払となった場合の結果については IP 10.047 項を参照。
    IP 10.043.どのような場合に手数料を払い戻すのか。
    規則54.4,
    規則57.4,
    規則58.3

    国際予備審査機関は、国際予備審査の請求書が国際事務局に送付する前に取り下げられた場合、又は出願人が国際予備審査の請求書を提出する資格を有していないために国際予備審査の請求書を提出しなかったものとみなされる場合 (IP 10.004 項を参照) には、取扱手数料を払い戻す。各国際予備審査機関は予備審査手数料又は場合によっては、その一部を払い戻すのか否かをその裁量によって決定する。詳細については附属書 E に記載されている。
    国際予備審査の請求書の処理
    IP 10.044.国際予備審査の請求が受理された後にどのように処理されるのか。
    規則60.1(a),
    規則61.1

    国際予備審査機関は、国際予備審査の請求書を受理すると、その請求書を受理した日付をすみやかに出願人に通知し、その後にその請求がすべての手続要件を満たしているのか否かを審査する。請求が手続要件を満たしていなければ、国際予備審査機関は出願人に対し要件を満たすことを求める。国際予備審査の請求書の欠陥の補充の詳細については、規則 60.1 、並びに IP 10.047 項から IP 10.049 項、及び IP 10.050 項を参照。
    IP 10.045
    第31条(7),
    規則61.1(a),
    規則61.2,
    規則61.3,
    規則61.4,
    第431号

    国 際 予備審 査機 関 は、国 際予 備 審査の 請求 書 又はそ の写 し を国際 事務 局 に送付する。その後、国際事務局は各選択官庁に対し、その選択について通知し、出願人に対して国際事務局が 各 選択官庁に 対 して通知し た 旨を通報す る 。詳細につ い ては規則 61.2 及び規則 61.3 を参照。更に、国際事務局は、請求書が提出された後であってその国際出願が国際公開された後すみやかに、実施細則の規定に従い、その請求及び選択国に関する情報を WIPO ウェブサイト https://www.wipo.int/patentscope/en/ で公開する。
    IP 10.046.国際予備審査の請求書の様式の記載が出願人の国際予備審査を請求する資格を裏付けていない場合には、出願人は何をすることができるのか。
    第31条(2)(a),
    規則61.1(b),
    第614号

    国際予備審査の請求書の様式の第 II 欄に記載した出願人の住所及び国籍の表示が当該国際予備審査機関に対して国際予備審査を請求する出願人の資格を裏付けていない場合 (IP 10.004 項を参照)、国際予備審査機関は出願人に対して、国際予備審査の請求書が提出されなかったものとみなされた旨を通知する。しかし、この表示が誤って記載されたこと、又は実際には出願人が国際予備審査を請求する出願人の資格を裏付ける住所・国籍を有していることはあり得ることである。この場合には、実際に、国際予備審査の請求書を国際予備審査機関が受理した日に出願人が当該国際予備審査機関に対して国際予備審査を請求する出願人の資格を裏付ける住所又は国籍を有していることを示す証拠をすみやかに提出すべきである。その証拠が満足するものであれば、国際予備審査機関は、第 31 条(2)(a)に基づく請求の実際の受領日に要件が満たされたものとみなし、請求書の表示の訂正が可能となる。
    IP 10.047.国際予備審査の請求書の欠陥、言語の要件の不備及び手数料の不払の欠陥は補充をすることができるのか、どのようにすればその補充をすることができるのか、補充の結果どうなるのか。
    国際予備審査機関は、次のいずれかの事項を発見した場合、すなわち、
    第31条(3),
    規則53,
    規則55.1

    (i) 国際予備審査の請求書が様式、内容及び言語の要件を満たさない (IP 10.012 項を参照)
    規則57.3
    (ii) 国際予備審査の請求書の提出日から 1 か月以内に取扱手数料が支払われない、規則 59.3 に基づき請求書が管轄国際予備審査機関に送付されたが同機関の請求書受理日から 1 か月以内に支払われない、又は所定の通貨で支払われない (IP 10.035 項及び IP 10.038 項を参照)
    規則58.1(b),
    規則58の2,
    規則60.1(b)

    (iii) 予備審査手数料が国際予備審査の請求書の提出日から 1 か月以内に支払われない、規則 59.3 に基づき請求書が管轄国際予備審査機関に送付されたが同機関の請求書受理日から 1 か月以内に支払われない、又は所定の通貨で支払われない (この通貨は国際予備審査機関が定める; IP 10.035 項及び IP 10.038 項を参照) 場合には、国際予備審査機関は、出願人に対し、その欠陥を補充し、要件を満たし、要求される手数料を支払うよう求める。様式又は言語の欠陥の場合には、求めの日から少なくとも 1 か月の期間を指定する。この期間は、決定する前であればいつでも国際予備審査機関が延長することができる。手数料支払の欠陥の場合、求めの日から 1 か月の期間を求めに記載する。後払手数料の支払も要求することができる。この期間の延長は認められない。ただし、手数料の支払期間が満了する前に国際予備審査機関が受領した場合、又は未払の手数料を支払う求めを送付した場合であって国際予備審査機関がその請求書は提出されなかったものとみなされる宣言を行う前にその機関が受領した場合、その手数料は適用される期間の満了前に受領したものとみなされる。
    IP 10.048
    規則60.1(b),
    規則61.1(b)

    出願人が指定期間内に求めに応じた場合には、国際予備審査の請求書が国際出願を特定することができない欠陥の場合を除き、国際予備審査の開始が遅れる可能性以外に出願人に不利な結果はない (IP 10.050 項を参照)。後者の場合、国際予備審査機関は、必要な補充を受領した日に国際予備審査の請求書を受理したものとみなし、出願人に対してこの受理の日を通知する。
    IP 10.049
    規則60.1(c),
    規則61.1(b)

    指 定 された (延 長 を含む ) 期 間 経過後 に (少 なくと も 1 人 の) 出 願人 に ついて 署名、又はその他の (規則 54.2 に従い請求を行う権利を有する 1 人の出願人についての) 表示が依然として欠如している場合、国際予備審査の請求書は提出されなかったもの とみなされ、国際予備審査機関はその旨を宣言する。
    IP 10.050
    第39条(1)(a)
    国際予備審査の請求書が IP 10.048 項で述べたように実際に行われた日の後の日に受理されたものとみなされた場合、その受理の日が優先日から 19 か月経過後であれば、国内段階の開始の繰延べの効果 (IP 10.002 項を参照) は消滅する。ただし、この効果は、ある国の指定官庁が、 2002 年 4 月 1 日から施行された第 22 条(1)に基づく 30 か月の期間について、その国の指定官庁に適用される国内法令と整合していない旨を国際事務局に通告している場合にのみ関係する。国際予備審査の請求書が提出されなかったものとみなされた場合にも、国内段階の開始を繰り延べる効果が消滅する (IP 10.049 項を参照)。
    国際予備審査
    IP 10.051.国際予備審査はいつ開始されるのか。
    規則69.1(a)
    IP 10.052 項から IP 10.055 項で述べる例外を条件として、国際予備審査機関は、国際予備審査の請求書を受領し、該当すれば規則 58 の 2.2 に基づく後払手数料を含む、取扱手数料及び予備審査手数料の支払 (全額) を受領し、国際調査報告及び規則 43 の 2.1 に基づき作成された書面による見解、又は国際調査機関が行った国際調査報告を作成しない旨の宣言及び規則 43 の 2.1 に基づき作成された書面による見解のいずれかを受領した時点で、出願人が規則 54 の 2.1 (a)に基づき適用される期間の満了まで国際予備審査の開始を延期する明示的な請求を行っている場合を除き、国際予備審査を開始する。
    IP 10.052.国際予備審査における「短縮」手続とは何か。
    規則69.1(b)
    管轄国際予備審査機関が管轄国際調査機関と同一の (国内又は広域) 官庁の一部である場合、管轄国際予備審査は、当該国際予備審査機関が希望し、出願人が国際予備審査の延期を請求しなければ (IP 10.054 項を参照)、国際調査と同時に開始される (国際調査と国際予備審査が部分的に重なるためにしばし「短縮 (telescoped)」手続という)。
    IP 10.053.国際予備審査機関は第 19 条に基づく補正を考慮するのか。
    規則53.9(a)(i),
    規則62,
    規則69.1(c)

    補正に関する記述が第 19 条の規定に基づく補正書を考慮することを希望する旨の表示を含む場合、国際予備審査機関は当該補正書の写しを受理する前に国際予備審査を開始しない。したがって、国際予備審査にできる限り多くの時間が当てられるために (IP 9.010 項、 IP 10.025 項及び IP 10.026 項を参照)、出願人は国際予備審査の請求書にこの補正書の写しを添付すべきである。いずれにしても国際事務局は、国際予備審査機関が既に補正書の写しを受領したと表明した場合を除き (IP 9.010 項を参照)、この補正書の写しを国際予備審査機関に送付しなければならないが、送付されるべき補正書の写しを待つことは、国際予備審査の開始を遅らせるかもしれない。
    IP 10.054.国際予備審査の開始はどのように延期することができるのか。
    規則53.9(b),
    規則69.1(d)

    補正に関する記述が国際予備審査の開始を延期することを希望する旨の表示を含む場合 (IP 10.026 項を参照) には、次のいずれかが最初に生じるまで、国際予備審査機関は国際予備審査を開始しない。
    (i) 第 19 条の規定に基づく補正書の写しの受領
    (ii) 第 19 条の規定に基づく補正の意思を有していない旨を述べた出願人からの通知の受領
    (iii) 規則 46.1 に基づき適用される期間の経過
    したがって出願人は、国際予備審査の手続に最大限の時間が当てられるために、上述した表示を国際予備審査の請求書に行った場合には、出願人側の補正の情報又は補正しない旨の決定をすみやかに国際予備審査機関に通知すべきである。
    IP 10.055
    規則53.9(c),
    規則55.2,
    規則55.3(a),
    規則55.3(b),
    規則55.3(c),
    規則55.3(d),
    規則69.1(e)

    補正に関する記述の欄に、第 34 条の規定に基づく補正を国際予備審査の請求書とともに提出する旨の表示が含まれているが (IP 10.026 項を参照)、実際にはそれが国際予備審査の請求書とともに提出されていない場合には、国際予備審査機関がその補正書を受領するか、又は国際予備審査機関が出願人に対してその補正書の提出を求め、この求めに指定された期間が経過するか、そのいずれかが最初に生じるまで、国際予備審査機関は国際予備審査を開始しない。国際出願が公開の言語によって行われなかった場合、第 34 条に基づく補正及び該当すれば添付した書簡 (並びに該当すれば第 19 条補正に添付した書簡) は公開の言語によるものとしなければならない。国際予備審査が国際出願に翻訳文に基づき行われる場合 (IP 10.011 項を参照)、第 34 条の規定に基づく補正書、第 19 条の規定に基づく補正書であって考慮すべきもの、及び当該補正書に添付した書簡は、その翻訳文の言語によるものでなければならない。これらの補正書がその他の言語によって提出された場合又は提出される場合には、その補正書の翻訳文であって国際予備審査が行われる言語によるものを併せて提出しなければならない (IP 11.046 項を参照)。補正書又は添付書簡が所定の言語によるものでなければ、国際予備審査機関は合理的な期間内に当該言語によるものを提出するよう出願人に求める。求めで指定した期間内に出願人が補正書・添付書簡を提出しない場合、国際予備審査機関は国際予備審査において補正書を考慮しない。
    IP 10.056.国際予備審査機関は優先権書類及びその翻訳文を求めることができるのか。
    規則66.7
    国際予備審査機関が国際出願の優先権の主張の基礎となった出願の写し (「優先権書類」) を必要としており、国際事務局が既に優先権書類を入手している場合 (IP 5.070 項を参照)、国際事務局は要請によって国際予備審査機関にその写しを送付する。出願人が規則 17.1 の規定に基づき優先権書類を提出しなかった場合、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は優先権の主張がされなかったものとして作成することができるが、指定官庁は、事情に応じた相当の期間内に優先権書類を提出する機会を出願人に与えた後でなければ、優先権主張を無視することはできない。優先権書類が附属書 E に記載されている国際予備審査機関の言語又はそれらの言語の 1 つ以外の言語であり、請求の範囲に記載されている発明に新規性があるとみられるのか、進歩性があるとみられるのか、そして産業上の利用が可能とみられるのか否かの意見を形成するために優先権主張の有効性が関与していると国際予備審査機関が考える場合、国際予備審査機関は、その言語による翻訳文を提出するよう出願人に求めることができる。出願人は求めの日から 2 か月以内にその求めに応じなければならない。求めに応じなければ、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は優先権が主張されなかったものとして作成することができる。
    IP 10.057.国際予備審査の目的は何か。
    第33条(1)
    IP 10.001 項で既に述べたように、 国際予備審査の目的は請求の範囲に記載されている発明が、(i) 新規性、(ii) 進歩性 (非自明性)、及び、(iii) 産業上の利用可能性を有するものと認められるのか否かの問題について「予備的」 (最終的な見解は国内若しくは広域特許庁又は管轄国内若しくは広域裁判所における国内段階で示される) かつ (選択官庁を含む、いかなる者に対しても) 拘束力のない見解を示すことにある。国内法令にこの基準と完全に整合しない規定がある場合、国際予備審査手続における PCT に基づく出願については、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が国内段階において十分可能性の高い結論を示す程度のものである。
    IP 10.058.国際予備審査において、請求の範囲に記載されている発明が新規とみなされる時点はいつなのか。
    第33条(2),
    規則64

    国際予備審査において、請求の範囲に記載されている発明は、先行技術のうちに該当するものがなければ、新規性を有するものとみなされる。規則 64 は、国際予備審査における「先行技術」を定義している。
    IP 10.059.国際予備審査において、請求の範囲に記載されている発明が進歩性を有するものとみなされる時点はいつなのか。
    第33条(3),
    規則65

    国際予備審査において、請求の範囲に記載されている発明は、所定の基準日に当該技術分野の専門家にとって規則 (IP 10.058 項を参照) に定義する先行技術からみて自明でなければ、進歩性を有するものとみなされる。詳細については規則 65 を参照。
    IP 10.060.国際予備審査において、請求の範囲に記載されている発明が産業上の利用可能性を有するものとみなされる時点はいつなのか。
    第33条(4)
    国際予備審査において、請求の範囲に記載されている発明は、いずれかの産業分野において、その発明の対象がその発明の性質に応じて (技術的な意味において) 生産又は使用することができるものであれば、産業上の利用可能性を有するものとみなされる。
    IP 10.061.どのような書類が国際予備審査の基礎となるのか。
    規則66.1,
    規則66.4の2

    国際予備審査は、国際出願を構成する請求の範囲、明細書及び図面に基づく。国際予備審査の請求前にされた第 19 条の規定に基づく補正は、第 34 条の規定に基づく補正によって差し替えられた場合 (IP 10.028 項を参照) 又は第 34 条の規定に基づく補正によって取り消されたものとみなされる場合 (IP 10.026 項を参照) を除き考慮される。また、国際予備審査の請求後にされた補正も、第 19 条の規定に基づくものか、又は第 34 条の規定に基づくものかと無関係に、国際予備審査のために考慮される。ただし、その補正が、国際調査機関が書面による見解又は特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の作成を開始しており、当該見解又は報告のために考慮する必要がない場合を除く。許容される補正の一般論については IP 11.047 項を参照。
    IP 10.062.ある請求の範囲について国際調査報告が作成されていない場合には、どうなるのか。
    規則66.2(a)(vi)
    国際調査報告が作成されなかった発明の請求の範囲 (IP 7.013 項から IP 7.021 項を参照) は、国際予備審査の対象とする必要はないし、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) だけでなく、国際予備審査機関の書面による見解にもその旨を記載する。
    IP 10.062A.国際予備審査機関は追加的な調査を行うのか。
    規則66.1の3
    国際予備審査機関は通常であれば、国際調査報告の作成日後に公表された又は同機関が利用可能となった規則 64 でいう文献を発見する目的でトップアップ調査を行うが、たとえば国際出願が全体として国際予備審査を行う必要がない対象に関するものであると国際予備審査機関が判断した場合など、同機関がトップアップ調査に有益性がないと考える場合を除く。国際予備審査報告にはトップアップ調査が行われたのか否かを表示する。同機関は国際予備審査報告の作成時にトップアップ調査の結果を含むことができる。
    IP 10.063.国際予備審査中に、どのような特別の要件がヌクレオチド・アミノ酸の配列表に適用されるのか。
    規則 13の3.2
    国際予備審査機関は、実施細則の附属書 C で定める配列表に記載することが要求されている、ヌクレオチド・アミノ酸の配列の開示が国際出願に含まれているが、所定の標準 (IP 5.099 項を参照) に準拠する、国際予備審査機関が認める言語による配列表が (場合に応じて、国際出願の一部として又は国際予備審査の目的で) 提出されていないことを発見した場合、国際予備審査機関は出願人に対して、この標準に準拠する配列表の提出、又は言語依存フリーテキストの翻訳文を含む配列表の提出を求めることができる。国際予備審査機関が要求する配列表は国際予備審査の目的に供される。配列表を含む発明の開示に関する国内法令の要件の適用は、国内段階での手続に関するものである。
    IP 10.064.国際出願に関するどんな事項が国際予備審査機関のコメントの対象となるのか。
    規則66.2
    国際予備審査機関は、次に該当すると考えた場合、出願人に対して「書面による見解」で通知する。
    第34条(4)(a)(i),
    第35条(3)(a),
    規則66.2(a)(i),
    規則67

    (i) 国際出願が、国際予備審査を行う必要がない対象に関するものであるから、国際予備審査を行わないことを決定した (この状況は、国際調査について IP 7.013 項で述べたことと同じである)。
    第34条(4)(a)(ii),
    規則66.2(a)(i)

    (ii) 明細書、請求の範囲若しくは図面が明確でない、又は請求の範囲が明細書によって十分な裏付けをされていないため、請求の範囲に記載されている発明の新規性、進歩性 (非自明性) 又は産業上の利用可能性について有意義な見解を示すことができない (この状況は、国際調査について IP 7.014 項で述べたことと同じである)。
    規則66.2(a)(ii)
    (iii) いずれかの請求の範囲に記載されている発明が、新規性、進歩性 (非自明性) 又は産業上の利用可能性を有するものと認められないため、当該請求の範囲について特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が「否定的」となる (IP 10.075 項を参照)。
    規則66.2(a)(iv)
    (iv) 補正が出願時における国際出願の開示の範囲を超えている (IP 10.070 項及び IP 11.047 項を参照)。
    規則66.2(a)(v)
    (v) 請求の範囲、明細書及び図面の明確性又は請求の範囲が明細書によって充分な裏付けをされているのか否かの問題についての意見を、(否定的な) 特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) に付すべきである。
    規則66.2(a)(vi)
    (vi) 請求の範囲が国際調査報告の作成されていない発明に関するものであるから (IP 7.013 項から IP 7.021 項を参照)、国際予備審査機関が、その請求の範囲について国際予備審査を行わないことを決定した。
    規則66.2(a)(vii)
    (vii) 有意義な国際予備審査を行うことができる形式及び言語によるヌクレオチド・アミノ酸の配列表を入手できない (国際調査についての IP 5.099 項と同様である)。
    規則66.2(a)
    (viii) 国際予備審査機関として行動する国内官庁に係る国の国内法令が、多数従属請求の範囲を、規則 6.4 (a)の第 2 文及び第 3 文の請求の範囲の記載方法と異なる方法で作成することを認めない (この状況は、国際調査について IP 5.113 項及び IP 7.014 項で述べたことと同じである)。
    IP 10.065
    規則66.2(a)(iii)
    また 、国際予備審査機関は 、国際出願の形式又は内容の欠陥を通知する場合 、IP 10.064 項で述べた手続と同じ手続を講じる 。発明の単一性の要件 (IP 5.114 項から IP 5.123 項を参照) が問題である場合については、 IP 10.072 項を参照。
    IP 10.066.「書面による見解」とは何か。
    規則66.2,
    規則66.4(a)

    書面による見解とは、出願人に対する国際予備審査機関の通知である。この通知には、 IP 10.064 項で述べた国際予備審査機関のコメントが記載されている。書面による見解は、その理由を十分に記載し、出願人に対して答弁書を提出する機会を与え、答弁の期間 (通常、 2 か月であるが、出願人の請求によって延長可能;詳細については規則 66.2 (d)を参照) を指定しなければならない。国際備審査機関のコメントがない場合 (この場合、国際予備審査機関は直接、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) を作成する)、書面による見解はないかもしれない。特に、出願人が国際予備審査機関のコメントに対して抗弁又は補正によって、迅速かつ真摯に応答した場合、国際予備審査機関は時間が許せば、 1 通以上の追加の書面による見解を出すことができる。
    IP 10.067.出願人は国際予備審査機関の書面による見解に対してどのように対応することができるのか、出願人はこの段階で国際出願を補正することができるのか。
    第34条(2)(a),
    第34条(2)(d),
    規則66.2(b),
    規則66.2(c),
    規則66.2(d),
    規則66.3,
    規則66.4,
    規則66.5,
    規則66.6,
    規則66.8

    PCT には、出願人が電話によって若しくは対面で、口頭又は書面によって国際予備審査機関と連絡することができると明確に規定されているので、出願人は、更に国際予備審査機関からの説明を請求することができ、国際予備審査機関に対して自発的に説明することもできる (第 34 条(2)(a);規則 66.6 も参照)。更に具体的にいうと、出願人は、 IP 10.064 項及び IP 10.065 項で述べた事項のいずれかについて国際予備審査機関から書面による見解を受け取った場合、その書面による見解に対して答弁することができる (第 34 条(2)(d))。答弁には補正・抗弁がある。請求の範囲、明細書又は図面における明白な誤記の訂正 (IP 11.033 項から IP 11.044 項を参照) 以外の変更 (請求の範囲の削除、明細書中の語句又は図面の削除を含む) は、補正とみなされる。補正書の様式については IP 10.071 項を参照。国際予備審査機関が 1 通以上の書面による見解を示した場合、出願人の対応の可能性は最初の書面による見解の場合と同じである。十分な時間が残っていれば、出願人は国際予備審査機関に対して 1 通以上の補正書又抗弁書を提出する追加の機会を与えるよう請求することができる。
    IP 10.068.常に補正と抗弁は考慮されるのか。
    規則66.4の2
    提出された補正又は抗弁を十分な時間的余裕をもって受領した場合には、それらを考慮する。しかし、国際予備審査に当てられる限られた時間を考慮すると、できる限り早期に書面による見解に答弁することが出願人にとって利益である。国際予備審査機関は、書面による見解又は特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の作成を開始した後に、補正又は抗弁を受領した場合には、書面による見解又は特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) のために、その補正又は抗弁を考慮する必要はない。
    IP 10.069.否定的な書面による見解を受領した後には 、 国際出願の変更が義務づけられるのか。
    国際予備審査機関は、国際出願のいかなる変更も出願人に強制することはできないことに留意されたい。すなわち、出願人は国際予備審査機関の見解をすべて又はその一部を無視することができる。そのような態度によって特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が不利又は少なくとも有利でない結果となったとしても、出願人は (国内段階においてその報告に示した困難を克服することを期待して)、自身が望まない変更をするのではなく、不利又は少なくとも有利でない報告を選ぶこともできる。
    IP 10.070.国際出願における補正は新規事項を含むことができるのか。
    第34条(2)(b),
    規則70.2(c)

    第 19 条の規定に基づく補正 (IP 9.009 項を参照) について、第 34 条(2)(b)の規定に基づく補正は出願時の開示の範囲を超えてはならない。国際予備審査機関は、補正がこの要件を満たしていないと認めた場合、書面による見解及び特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) にその旨をコメントし、補正がされなかったものとして当該報告を作成する (IP 11.047 項を参照)。
    IP 10.071.国 際 予備審 査機 関 におい て国 際 出願を 補正 す るため に何 を しなけ れば な らない のか。
    規則 11.14,
    規則46.5,
    規則55.3,
    規則66.8,
    規則70.2(cの2)

    出願人は、過去に提出した用紙を補正した結果として異なるものとなるすべての用紙について、差替え用紙を提出しなければならない。補正は、差し替えられる用紙と差替え用紙との相違について説明し、更に望ましくは補正の理由を説明した書簡とともに提出しなければならない。更に書簡では、出願時における国際出願中の補正の根拠を表示しなければならない。補正の根拠は、国際段階で複数の補正が行われた場合であっても、出願時における国際出願 (明細書、請求の範囲、図面) に常に言及しなければならない。請求の範囲を補正する場合には、出願時の (又は第 19 条に基づき先に補正された) 請求の範囲と差し替える完全な一式の請求の範囲を提出する。補正の根拠を表示する方法の例については、 IP 9.006 項を参照。差替え用紙に書簡を添付しなかった場合の結果については、 IP 11.047A 項を参照。補正が一部の語句の削除又は軽微な訂正若しくは追加であって、その国際出願の関係する用紙の明確性及び直接複製の可能性に悪影響を与えない場合には、その用紙の写しに当該訂正又は追加をすることができる。補正によって 1 枚の用紙の全体が削除されることになる場合、差替え用紙は要求されない。当該訂正は望ましくは補正の理由を説明した書簡によって通知することができる。請求の範囲の補正については、国際調査に関して準用する IP 9.005 項及び IP 9.006 項も参照。国際出願が公開の言語によって行われていない場合、第 34 条に基づく補正及び添付書簡 (並びに第 19 条補正に添付する書簡) は公開の言語によるものとしなければならない。国際出願の翻訳文に基づき国際予備審査が行われる場合 (IP 10.011 項、 IP 10.054 項及び IP 10.055 項を参照) 第 34 条に基づく補正、考慮すべき第 19 条に基づく補正、及び添付書簡は、その翻訳文の言語によるものとしなけ ればならない 。この補正が これ以外の言 語で行われる 、又は行われ た場合には 、 国 際 予 備 審 査 を 行 う 言 語 に よ る 補 正 書 の 翻 訳 文 も 提 出 し な け れ ば な ら な い (IP 5.013 項、 IP 10.011 項及び IP 11.046 項を参照)。第 34 条(2)(b)の規定に基づく補正に関する手数料の支払は要求されない。補正書又は添付書簡が要求される言語によるものでなければ、国際予備審査機関は合理的な期間内に当該言語によるものを提出するよう出願人に求める。求めで指定した期間内に出願人が補正書・添付書簡を提出しない場合、国際予備審査機関は国際予備審査に関して補正書を考慮しない。
    IP 10.072.国際予備審査機関が「発明の単一性」の欠如を発見した場合どうなるのか。
    規則68,
    規則70.13

    国際予備審査機関は、国際出願が発明の単一性の要件 (「発明の単一性」の概念に関する IP 5.114 項から IP 5.123 項を参照) を満たしていないと認めた場合、 2 つの手続を選択することができる。国際予備審査機関は国際出願全体について国際予備審査を行い、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) に発明の単一性の要件を満たしていない旨の見解を記載するか、又は出願人に対して、請求の範囲を発明の単一性の要件を満たすように減縮すること (この場合、国際予備審査機関は減縮の少なくとも 1 つの可能性を明示する)、又は (予備審査手数料は、発明の単一性がある出願を賄うように計算されているので) 追加手数料を支払うことのいずれかを選ぶよう求めることができる。出願人が請求の範囲の必要とされた減縮を選んだ場合、国際予備審査は減縮された請求の範囲について行われる。出願人が追加手数料の支払を選んだ場合、当該報告は主請求の範囲及び追加手数料が支払われた請求の範囲について作成され、その支払われた追加手数料について表示される。追加手数料は、異議申立を伴って支払うことができる。この場合には、国際調査について説明した手続 (IP 7.019 項及び IP 7.020 項を参照) と同様の手続が適用される。出願人が請求の範囲の減縮又は追加手数料の支払のいずれも行わない場合、国際予備審査は、国際予備審査機関若しくは出願人が特定した主発明又は規則 68.5 が定義している疑わしい場合の主発明について行う (すなわち、請求の範囲の最初に記載されている発明が主発明とみなされる) 。
    IP 10.073
    第34条(3)
    発明の単一性の欠如の発見は、国内段階においても引き続き重要な場合がある。国際予備審査機関の発明の単一性の欠如の発見に同意する選択官庁は、国内段階において出願人に対して、請求の範囲を減縮する若しくはこの出願を複数の分割出願とすること、又は主発明に係る部分以外の国際出願の部分を維持するために特別手数料を支払うよう要求することができる (詳細については第 34 条(3)を参照)。
    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章)
    IP 10.074.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) はいつ作成されるのか。
    第35条(1),
    規則69.2

    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は、優先日から 28 か月以内、又は国際予備審査を開始するために規則 69.1 に基づき規定された時から 6 か月以内、又は規則 55.2 に基づき提出された翻訳文を国際予備審査機関が受領した日から 6 か月以内の、いずれか遅く満了する期間内に作成する (IP 10.051 項から IP 10.055 項を参照)。したがって、通常の場合、出願人は遅くとも選択官庁における国内段階開始の 2 か月前に当該報告を受け取る。これによって出願人が国内段階の開始を希望するのか否か、及びいずれの選択官庁において国内段階の開始を希望するのかについて検討し、必要な手続の準備をする時間的余裕が保証される (詳細は国内段階を参照)。
    IP 10.075.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の形式及びその内容はどのようになっているのか。
    第35条(1),
    第35条(2),
    規則70,
    第604号

    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は、請求の範囲が新規性、進歩性 (非自明性) 及び産業上の利用可能性の基準に適合していると認められるのか否かを審査した、各請求の範囲についての (単純に「イエス」又は「ノー」による) 記述及びその他の事項を含む。この記述は適当であれば関連のある文献の列記及び関連のある文献が適用できる基準を指摘し、国際予備審査機関の結論を理由付ける簡単な説明を伴う。当該報告に含まれるその他の事項は、 IP 10.064 項及び IP 10.065 項に列挙されている。この報告では更に、トップアップ調査において関連のある文献が追加的に発見されたのか否かについての表示を含み、トップアップ調査が行われた日付を記載し 、 又はトップアップ調査が行われなかった旨を記載する (IP 10.062A 項を参照)。該当する場合、当該報告は発明の単一性に関連する注釈 (IP 10.072 項を参照) も含む。詳細については、第 35 条(1)及び(2)、規則 70 並びに第 604 号を参照。
    IP 10.076.国際出願の補正は特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) においてどのように言及されるのか。
    規則70.2(cの2),
    規則70.2(e),
    規則70.16

    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) では、当該報告を作成する際に基礎としたもの、すなわち、補正を考慮したのか否か、及び補正を考慮した場合には、いずれの補正を考慮したのかを表示する。第 19 条・第 34 条に基づく補正が行われたが、出願人が国際事務局又は国際予備審査機関に要求される添付書簡を提出していない場合には、当該補正が行われなかったものとして報告書が作成され、報告書にその旨が表示される。考慮された第 19 条・第 34 条の規定に基づく補正を含む差替え用紙及び添付書簡、並びに、規則 91 の規定基づき許可された明白な誤記の訂正を含む差替え用紙及び添付書簡は、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の「附属書類」として添付される。国際予備審査機関が国際予備審査報告の作成を開始した後に明白な誤記の訂正を受理したことを理由として当該訂正が考慮されず、その結果として報告書においても考慮されなかった場合、報告書にはその旨を表示し、当該訂正に関係する用紙は報告の附属書類とされる。第 34 条の規定に基づく補正によって取り消されたものとみなされた (IP 10.026 項を参照) 若しくは後の差替え用紙によって差し替えられた第 19 条の規定に基づく補正、又はすべての用紙を取り消すことになった補正、更に当該差替え用紙に添付する書簡は、国際予備審査報告の附属書類とされない。ただし、国際予備審査機関が、差替え又は取消対象とされる補正が出願時の開示内容を超えてされるものと認める場合、当該差替え又は取消対象とされた差替え用紙及び当該用紙に関連する書簡は報告の附属書類とされない。同様に、出願時における出願中の補正の根拠を表示する要求される添付書簡を、差替え又は取消対象とされる補正とともに出願人が提出しておらず、その結果として差替え又は取消対象とされた補正が行われなかったものとして報告書が作成される場合についても、その差替え又は取消対象とされた差替え用紙及び当該用紙に関連する書簡は報告の附属書類とされない。
    IP 10.077.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は発明の特許性に関する見解を表明することができるのか。
    第35条(2)
    表明することができない。第 35 条(2)には、「国際予備審査報告は、請求の範囲に記載されている発明がいずれかの国内法令によって特許を受けることができる範囲であるのか否か又は特許を受けることができる発明であると思われるのか否かの問題について、いかなる陳述をも記載してはならない」と明記している。この場合、「国内法令」は広域特許条約 (ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約、欧州特許条約及び OAPI 協定) も含むので留意されたい。
    IP 10.078.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は何語で作成されるのか、翻訳文は作成されるのか。
    規則70.17,
    規則72,
    規則74

    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 及び附属書類は、国際出願を国際公開する言語 (IP 9.017 項から IP 9.020 項を参照) で作成されるが、国際予備審査が翻訳文に基づき行われる場合 (IP 5.013 項、 IP 10.011 項及び IP 10.013 項を参照)、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 及び附属書類は、その翻訳文の言語で作成される。各選択国は、自国の国内官庁の公用語以外の言語で作成された当該報告を英語に翻訳するよう要求することができる。この場合、当該報告の本体の翻訳文は国際事務局が作成し、この翻訳文の写しを出願人及び各関係選択官庁に送付する。選択官庁が当該報告の附属書類の翻訳文を要求した場合、附属書類の翻訳文の作成及び送付は出願人の責任である。
    IP 10.079.出願人、国際事務局及び選択官庁は、 特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章)、及び該当する場合にはその翻訳文をどのようにして受け取るのか。
    第36条(1),
    第36条(3)(a),
    規則71.1,
    規則73.2,
    規則93の2

    国際予備審査機関は同日に、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) (及び附属書類、 IP 10.076 項を参照) の写しを出願人及び国際事務局に送付する。国際事務局は規則 93 の 2 に従い選択官庁が翻訳を要求した場合の当該報告の本体の英語の翻訳文だけでなく (附属書類を含む) 当該報告の写しを選択官庁に送付する。ただし、附属書類の翻訳文が必要な場合、その翻訳文を作成して関係選択官庁に送付するのは出願人の責任である (IP 10.078 項及び国内段階を参照)。出願人は、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の翻訳文に誤りがあると考える場合、その誤りについての書面による意見を各関係選択官庁に送付することができ、この書面による意見の写しを国際事務局に送付しなければならない。特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 自体の内容に対するコメントに関する限り、そのコメントを国内段階において選択官庁に対して主張すべきである。
    IP 10.079A.国際予備審査機関の一件書類中のその他の書類は国際事務局に送付されるのか。
    規則71.1(b),
    第602号の2

    国際予備審査機関は更に、該当する場合には、次の書類の写しを国際事務局に送付し、国際事務局はその写しを、特許性に関する国際予備報告の写しの送付と同時に選択官庁に送達する。
    - 国際予備審査機関が発行した書面による見解
    - 第 34 条に基づく補正を含む差替え用紙及び補正に添付した書簡、その差替え対象とされた補正及び書簡を含む
    - 出願人が PCT 規則 66.3 に基づき国際予備審査機関に提出した抗弁を含む書簡 (IP 10.067 項を参照)
    - 国際予備審査機関が発行した、請求の範囲の減縮又は追加手数料の支払を求める通知
    - 請求の範囲の減縮又は追加手数料の支払を求める通知に対する異議申立て、及び、出願人が規則 68.3 (c)に基づき決定を請求しているのか否かと無関係に、それに関する決定
    - 一件書類に存在しており国際予備審査機関が送付を希望するその他の書類
    これらの書類は、国際予備審査機関の一件書類となった後であればいつでも国際事務局に送付されるが、一般的には国際予備審査報告の送付時点までに行われる。なお国際予備審査機関は、送付の技術的準備が完了するまで上述した書類の送付を延期するよう決定できることに留意されたい。
    IP 10.080.出願人及び選択官庁以外の者は、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 及び国際予備審査の一件書類中のその他の書類を入手することができるのか。
    第36条(3)(a),
    第38条(1),
    規則71.1(b),
    規則73.2(a),
    規則94.1,
    規則94.2,
    規則94.3

    国際事務局は特許性に関する国際予備報告及び国際予備審査の一件書類中の関係書類を公開しない。第 36 条(3)(a)によると国際事務局は当該報告を選択官庁に通知する。ただし 2004 年 1 月 1 日以降、選択官庁が請求していれば (この請求の詳細は公示 (PCT 公報) で公表される)、国際事務局は優先日から 30 か月経過後にhttps://www.wipo.int/patentscope/en/の PATENTSCOPE から特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) を利用可能にする。同様に、 2020 年 7 月 1 日付で施行された規則 71.1 (b)及び規則 94.1 (c)の改正によって、 2020 年 7 月 1 日以降に国際予備審査機関が受領又は作成したその他の書類があれば、優先日から 30 月経過後に PATENTSCOPE から利用可能となる (IP 10.079A 項を参照)。国際予備審査機関は出願人及び国際事務局以外のいかなる者にも写しを与えることができない。ただし、出願人の請求による場合又はその承諾を得た場合を除く。しかし、 IP 11.072 項で述べるように、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が選択官庁における一件書類の一部となった場合、出願人以外の者に対してその報告の一件書類を知得されるようにすることについては、その官庁において適用される国内法令が適用される。
    IP 10.081.[削 除]
    IP 10.082.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) に列記された文献の写しを出願人はどのように入手することができるのか。
    第36条(4),
    規則71.2

    出願人は請求によって特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) に列記された文献であって国際調査報告に列記されていないものの写しを国際予備審査機関から入手することができる。附属書 E には、国際予備審査機関が請求によって写しを送付するために課す手数料が掲載されている。
    IP 10.083.特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の国内段階における効果及び有効性は何か。
    特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は、 国際出願が新規性、進歩性 (非自明性) 及び産業上の利用可能性の国際的に認められた基準の適合についての見解を含んでいるので、出願人に対して様々な官庁の国内段階において特許を受ける可能性を評価するための説得力のある根拠を提供する。特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) は選択官庁を拘束するものではないが、選択官庁にとって非常に重要であり、有利な特許性に関する国際予備報告は選択官庁における出願人の手続を助ける。一般に、 PCT の規定に基づき国際予備審査機関として国際予備審査を行った国内又は広域官庁と同一である選択官庁は、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) が国際出願に肯定的であれば、国内段階において特許の付与をすみやかに進める。

    第 11 章国際段階におけるその他の事項

    代理人及び共通の代表者による代理
    IP 11.001.どのような目的で代理人を選任するのか。
    規則90.1
    出願人は、受理官庁、国際事務局、国際調査機関、補充調査のために指定された機関及び国際予備審査機関に対する代理人、すなわち、通常の国際段階において出願人を代理する代理人を選任することができる。出願人は、特に国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関に対し出願人を代理する代理人を選任することができる。国際出願の国際段階において選任された代理人は、自動的に国内段階における国内官庁に対する代理人とみなされない。したがって、その他の代理人は、指定官庁ごとに国内段階のために選任しなければならない (国内編 (概要) を参照)。
    IP 11.002.誰を代理人として選任することができるのか。
    第49条,
    規則83.1の2,
    規則90.1

    国際出願が行われる国内官庁に対し業として手続する権能を有する者を、国際段階における代理人として選任することができる。国際出願が受理官庁としての国際事務局に行われた場合 (IP 5.008 項を参照)、出願人 (又は出願人が 2 人以上であれば、その出願人のいずれか) が居住者若しくは国民である (附属書 C を参照) 締約国の国内 (又は広域) 官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対し業として手続する権能を有する者を、代理人として選任することができる。国際調査機関、補充調査のために指定された機関若しくは国際予備審査機関、又はこれらの機関として行動する国内官庁若しくは政府間機関に対し、業として手続する権能を有する者を、特に国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関に対して出願人を代理する代理人として選任することができる。国内官庁又政府間機関に対し業として手続する権能は、関係する国内官庁又政府間機関が適用する国内法令に従う。
    IP 11.003.すべての出願人は同一の代理人を持たなければならないのか。
    各出願人は自分の代理人を自由に選任することができる。しかし、通常、 2 人以上の出願人すべてが、その全員を代理する同一の者を「共通の代理人」として選任すること (又は複数の共通の代理人、たとえば、出願人のために行動する弁理士若しくは特許代理人の事務所のパートナーを選任すること) が便利である。
    IP 11.004.代理人は復代理人を選任することができるのか。
    規則90.1(d)
    一般に、国際段階において出願人を代理するために選任された代理人は、出願人を代理する復代理人を選任することができる。ただし、元の代理人が選任された書類に復代理人を選任することができない旨の表示がある場合を除く。全般的に、又は特定の国際調査機関、補充調査のために指定された機関若しくは国際予備審査機関についてのみ、のいずれかについて出願人を代理する復代理人を選任することができる。復代理人の選任は、 IP 11.002 項で述べた業として手続をする権能を有するという資格と同一の資格を条件とする。
    IP 11.005.出願人の「共通の代表者」とは何か。
    第9条,
    規則2.2の2,
    規則90.2(a)

    出願人が 2 人以上であり、当該 2 人以上の出願人が国際段階全般において、すべての出願人を代理する代理人を選任しなかった場合には、出願人の 1 人を共通の代表者として他の出願人が選任することができる。締約国の国民又は居住者であって国際出願をする資格を有する者のみを、共通の代表者として選任することができる。
    IP 11.006.共通の代理人も共通の代表者も特に選任していない場合にどうなるのか。
    規則2.2の2,
    規則26.2の2(a),
    規則90.2(b),
    規則90の2.5

    2 人以上の出願人がいる場合において、すべての出願人が共通の代理人又は共通の代表者を選任しなければ、当該受理官庁に国際出願を行う資格を有する出願人のうち、願書に最初に 記 載 さ れ て い る 出 願 人 が (IP 5.020 項か ら IP 5.023 項 を 参 照 )、 す べ て の 出 願人の共通の代表者 (「共通の代表者とみなされた者」) と自動的にみなされる。この「共通の代表者とみなされた者」は、願書、国際予備審査の請求書及び PCT に関するその他の書類に署名することを含み、選任された代理人又は共通の代表者がすべての出願人のためにできる、ほとんどの行為をすることができる。しかし、「共通の代表者とみなされた者」は、他の出願人のために国際出願、指定、 1 件若しくは複数件の優先権の主張、国際予備審査の請求、又は選択の取下げを通告する場合、その取下げについて他の出願人が同意した証拠を提出しない限り、有効に署名することができない。「共通の代表者とみなされた者」自身が代理人を選任した場合、その代理人は、すべての出願人のために一部の書類に有効な署名をすること等を含む、「共通の代表者とみなされた者」自身が行為能力を有している行為をすることができる (しかし同様に、いずれの取下げ通告にも署名することはできない)。
    IP 11.007.代理人又は共通の代表者をどのように選任するのか。
    規則90.4(a)
    代理人又は共通の代表者の選任は、願書又は国際予備審査の請求書 (IP 5.041 項から IP 5.049 項、及び IP 10.019 項から IP 10.023 項を参照) において、別個の委任状 (IP 11.008 項を参照) 又は包括委任状 (IP 11.009 項を参照) によって行う。出願人が 2 人以上いる場合には、これらの方法の組み合わせによって、すべての出願人を代理する共通の代理人又は共通の代表者を選任することができる。ただし、各出願人が願書、国際予備審査の請求書又は委任状のいずれかに署名することを条件とする。
    IP 11.008.別個の委任状の要件は何か。
    規則90.4
    代理人又は共通の代表者を別個の委任状によって選任する場合には、委任状を受理官庁又は国際事務局のいずれかに提出しなければならない。ただし、受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関、国際予備審査機関、国際事務局は、別個に委任状を提出する要件を放棄することができる (放棄に関する詳細は公示 (PCT 公報)、 PCT ニュースレター及び WIPO ウェブサイト https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/waivers で公表される) 。もっとも、官庁、機関又は国際事務局による要件の放棄は、規則 90 の 2.1 から 90 の 2.4 で規定する取下げの通告を代理人又は共通の代表者が提出する場合には適用されないので 留 意 さ れ た い 。 別個の委任状に適した様式については、次の WIPO ウェブサイトを参照されたい https://www.wipo.int/en/web/pct-system/forms/pa/index
    IP 11.009.出願人のしたすべての出願について出願人を代理する代理人を包括委任状によって選任することができるのか。
    規則90.5
    包括委任は可能である。選任が国際段階一般のための場合には、包括委任状の原本を受理官庁に提出しなければならず、選任が特に国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関に対し出願人を代理するための場合には、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関にこれを提出しなければならない。その後、出願人が行った特定の出願に関しては、包括委任状が、願書、国際予備審査の請求書又は別個の通知で言及された時点で選任が有効となる。ただし、受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関、国際予備審査機関は、願書、補充調査請求書、国際予備審査の請求書又は別個の通知に包括委任状の写しを添付する要件を放棄することができる (この放棄の詳細については公示 (PCT 公報) で公表される)。この要件の放棄を行っていない官庁又は機関については、願書、補充調査請求書、国際予備審査の請求書又は別個の通知に、包括委任状の写しを添付しなければならない。署名された委任状原本の写し自体に改めて署名する 必 要 は な い 。 包括委任状に適した様式 については、次の WIPO ウェブサイトを参照されたい https://www.wipo.int/en/web/pct-system/forms/pa/index 。なお、官庁又は機関による要件の放棄は、規則 90 の 2.1 から 90 の 2.4 で規定する取下げの通告を代理人又は共通の代表者が提出する場合には適用されないので留意すべきである。
    IP 11.010.代理人又は共通の代表者はどのような法的位置付けか。
    規則90.3
    代理人若しくは共通の代表者による、又は代理人若しくは共通の代表者に対する行為は、選任が手続全般又は特定の機関における手続 (IP 11.001 項を参照) のいずれに関するのかに応じて、受理官庁、国際事務局、国際調査機関、補充調査のために指定された機関、国際予備審査機関における手続について代理人が代理する、出願人による若しくはその出願人に対する行為の効果を有する。特に、代理人又は共通の代表者は、出願人のために国際出願に関する 書 類 に 署 名 す る こ と が で き る 。 し か し 、 「共 通 の 代 表 者 と み な さ れ た 者 」 で あ る 出 願 人 (IP 11.006 項 を参照) は、他の出願人のための 取下げの通告に署名することができない (IP 11.048 項、 IP 11.050 項、 IP 11.056 項及び IP 11.060 項を参照)。同一の出願人を代理する代理人が複数人いる場合、その代理人による又はその代理人に対する行為は、その出願人による又はその出願人に対する行為の効果を有する。
    IP 11.011.代理人又は共通の代表者の選任を撤回することができるのか。
    規則90.6(a)
    撤回することができる。解任の書面には、選任をした者又はその承継人が署名しなければならない。復代理人も、出願人が解任することができる。代理人が解任された場合には、復代理人も解任されたものとみなされる。
    IP 11.012
    規則90.6(b),
    規則90.6(c)

    国際段階全般における代理人の選任は、別段の必要がある場合を除き、自動的に先の代理人の選任を撤回する効果を有する。同様に共通の代表者の選任は、別段の表示がある場合を除き、自動的に先の共通の代表者の選任を撤回する効果を有する。
    IP 11.013
    署名及び委任状の提出に関する規則は、選任の撤回に準用する (IP 11.007 項及び IP 11.008 項を参照)。
    IP 11.014.代理人又は共通の代表者は辞任することができるのか。
    規則90.6(d),
    規則90.6(e),
    第425号

    辞任は、代理人又は共通の代表者が署名した届出によって行うことができる。署名及び委任状の提出に関する規則は、辞任に準用する (IP 11.007 項及び IP 11.008 項を参照)。国際事務局は、出願人に辞任を通知する。
    出願人への通信
    IP 11.015.PCT の各機関からの通信を誰あてにするのか。
    第108号(b)
    通信は、国際出願の出願人が 1 人である場合には、表示された出願人のあて名に送付する。又は、この出願人が 1 人以上の代理人を選任している場合には、その代理人若しくは最初に記載されている代理人あてに送付する。又は、この出願人が代理人を選任しなかったが通知が送付される特別のあて名を表示している場合 (IP 5.030 項及び IP 5.051 項を参照) には、その特別のあて名に送付する。
    IP 11.016
    第108号(c)
    通信は、 1 人以上の共通の代理人を選任した 2 人以上の出願人がいる場合、その代理人若しくは最初に記載されている代理人あてに送付する。共通の代理人を選任していない場合には、表示された共通の代表者 (選任された共通の代表者又は「共通代表者とみなされる者」である出願人、 IP 11.005 項及び IP 11.006 項を参照) のあて名に送付する。又は、この共通の代表者が 1 人以上の代理人を選任している場合には、その代理人若しくは最初に記載されている代理人あてに送付する。又は、この共通の代表者が代理人を選任しなかったが通知が送付される特別のあて名を表示している場合には、その特別のあて名に送付する。
    IP 11.017
    第108号(d)
    1 人以上の代理人が特に国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関に対し出願人を代理するために選任された場合、これらの機関からの通信は、その代理人又は最初に記載されている代理人あてに送付する。
    出願人、発明者、代理人、又は共通の代表者の変更
    IP 11.018.出願人、発明者、代理人又は共通の代表者の名義、氏名 (名称) 又は住所の変更があった場合にどうするのか。
    規則92の2,
    第422号

    出願人、発明者、代理人又は共通の代表者の氏名若しくは名称、居所、国籍又は住所の変更があった場合、出願人又は受理官庁は、国際事務局に対し変更の記録を要請すべきである。その要請があれば国際事務局は変更を記録し、すべての官庁及びこの変更に関与する PCT の機関に対しその旨を通知する。記録は無料である。
    IP 11.018A.変更の要請はどこに送付するのか。
    規則 92 の 2 には、出願人の選択によって受理官庁又は国際事務局に変更の要請を提出可能であると規定しているが、この要請は (https://pct.wipo.int/ePCT から高度な認証を利用して又は高度な認証を利用せずにサインインする) ePCT 経由で国際事務局に直接行うことが強く推奨される。優先日から 30 か月の適用期間を遵守するためには、(受理官庁ではなく) 国際事務局が変更の要請を受領することが重要となる。
    IP 11.018B.出願人は証拠書類を提出しなければならないのか。
    記録上の出願人又は代理人が変更を要請する場合、その変更に関して証拠書類を提出する必要はない。特に記録上の出願人又は代理人が出願人名義変更の記録を要請する場合、国際事務局は譲渡証又は権利移転を示すその他の証拠書類を要求しない。ただし、国内段階の処理を開始した後、指定官庁が譲渡証又は権利移転に関するその他の証拠書類を要求する可能性はある。この手引の国内編にはその詳細が記載されている。記録上の代理人が新たな出願人の代理についても希望する場合には、要請の提出先である官庁又は機関が委任状の提出要件を放棄している場合を除き (IP 11.008 項及び IP 11.009 項を参照)、新たな出願人が署名した委任状を同時に提出すべきである。国際事務局はこの要件を放棄していることに留意されたい (https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/waivers を参照)。
    願書様式に未記載の者 (以下「新たな出願人」) が、記録上の出願人の書面による同意なしで出願人の名義変更を要請する場合には、譲渡証の写し又は名義変更を裏付けるその他の証拠書類を、変更の要請に添付して提出しなければならない。新たな出願人についての (新たな) 代理人が出願人の名義変更を要請する場合には、要請の提出先である官庁若しくは機関が別個の委任状又は包括委任状の写しの提出要件を放棄している場合を除き (IP 11.008 項及び IP 11.009 項を参照)、証拠書類に追加して、新たな出願人が署名した委任状を提出すべきである。国際事務局はこの要件を放棄しておらず、したがって、このタイプの変更の要請を国際事務局に行う場合には、新たな委任状が常に要求されることに留意されたい。
    第422号の2(a)(iii)
    ある出願人を記録から削除するよう要請されているが、その出願人又はその代理人による署名が要請に含まれていない場合、国際事務局は記録から「削除」されている出願人に変更通知 (様式 PCT/IB/306) の写しを送付する。これは、受理官庁が委任状の提出要件を放棄しているために、出願人に選任されているものと単にみなされているだけの代理人が要請に署名している場合にも適用される。該当する出願人が国際段階において変更に書面で反対した場合、記録変更は行われない。
    特許代理人が事務所を新たに変更し、変更の記録が要請された場合、その変更は住所変更とみなされ、新たな委任状は提出不要である。
    IP 11.018C.新たな出願人は締約国の国民又は居住者であることが要求されるのか。
    出願人の名義変更を記録する場合、新たな出願人が PCT 締約国の居住者又は国民であることは要求されない。 PCT は国際出願を譲渡可能な者についてまったく制限していない。出願人が国際出願を行う権利は、国際出願時に願書様式に表示された出願人の国籍及び居所のみに基づき決定される。ただし、新たな出願人が国際予備審査請求を行う権利を有するのか否かを考慮する場合には、その出願人の居所及び国籍を念頭に置く必要がある (IP 10.017 項及び IP 10.018 項を参照)。
    IP 11.018D.規則 92 の 2 は、それ以外でどのような変更を対象とするのか。
    出願人・発明者に関する表示の追加又は削除、願書様式における出願人・発明者の順序、電子メールアドレスなどに関する変更についても、要請があれば規則 92 の 2 に基づき記録される。
    国際段階では、ライセンス、質権又はその他の担保権など第三者の権利を記録することができないので留意されたい。これらの変更については、適用される国内法に規定する範囲内で、国内段階において適用される国内手続に従い記録する方法だけが考えられる。
    IP 11.019.変更が複数件の出願に関係する場合、出願人は単一の要請が認められるのか。
    変更が複数件の係属中の国際出願に関係する場合、出願人は単一の要請書面を提出し、関係する PCT 出願の一覧表を添付すること (各出願について別個に要請しないこと) が推奨される。一覧表には係属中の国際出願のみ、すなわち優先日から 30 か月の期間が満了していない出願のみを含むべきである。
    IP 11.020.規則 92 の 2 に基づく変更の記録を要請するための特別様式はあるのか。
    規則 92 の 2 に基づく変更の記録を要請するための特別様式は存在しない。要請は受理官庁又は国際事務局宛の書簡様式によって、関係する出願及び変更要請の対象となる情報を明確に特定して行うことができる。名義又は住所変更が要請の対象であり、出願がラテンアルファベット以外の文字を使用した言語によるものであれば、出願言語による新たな名称若しくは住所に追加して、その新たな名称若しくは住所の英語による音訳又は翻訳も表示しなければならない。この要請は (https://pct.wipo.int/ePCT から高度な認証を利用して又は高度な認証を利用せずサインインする) ePCT 経由で国際事務局に直接行うことが強く推奨される。
    IP 11.021.変更の記録を要請するための期間はいつか。
    規則92の2.1(b)
    国際事務局は、優先日から 30 か月の期間満了前に (国内官庁ごとに適用される明確な期間、たとえば 31 か月又は更に遅い期間などと無関係に) 変更の記録の要請を受理した場合、その変更を記録する。出願の国際公開時に特定の変更を考慮するよう出願人が希望する場合には、国際公開の技術的準備が完了する前に (IP 9.014 項を参照) 変更の要請が国際事務局に到達していなければならない。要請が国際事務局に到達した時期が遅く、国際公開に反映させることができない場合であっても、 30 か月の期間内であれば、それは考慮されて指定・選択官庁に通知される。 PATENTSCOPE の書誌データページは 30 か月の満了時まで記録変更を反映するためアップデートされる。 30 か月の期間経過後に要請が国際事務局に到達した場合、変更は記録されず、出願人は指定・選択官庁ごとに当該要請を行わなければならない。
    IP 11.022.記録変更の法的効果は何か。
    原則として、すべての指定及び選択官庁は国際事務局が記録した変更を認容する義務を負う。ただし各官庁は、国際段階で記録された変更に関して、国内段階において追加の証拠又は書類を要求する資格を有する (具体的な官庁に対する国内段階に特定された変更についての新たな要請を含み、国内段階において追加書類を要求する官庁の情報については、この手引の国内編の関連する概要欄を参照されたい)。
    出願人又は発明者の死亡
    IP 11.023.国際段階において出願人又は発明者が死亡した場合にどうするのか。
    第27条(2),
    規則92の2.1(a)

    この問題に対する解答は、適用される国内法令によって異なる。出願人の権利の承継人は、(その相続人、法定代理人、法定代理人が承継した遺産等のいずれであっても) 新しい出願人として表示すべきであり、この変更の記録の要請を規則 92 の 2.1 の規定に基づき行うべきである (IP 11.018 項から IP 11.022 項で概説した手続を参照)。要請した変更の理由を表示しなければならない。出願人の権利を証明する証拠書類は、(国内段階の手続のために指定官庁によって要求されるかもしれないが) 国際段階において要求されない。
    IP 11.024.[削 除]
    IP 11.025.国際出願をする前に発明者が死亡した場合にどうするのか。
    第9条,
    規則 18.1

    この場合には、死亡した発明者の名前を死亡した旨の表示とともに願書に記載しなければならない。たとえば、「バーナード・ジョーンズ (死亡) 」。
    IP 11.026.国際段階において発明者が死亡した場合にどうするのか。
    この場合には、発明者が死亡した旨を表示する変更の記録を要請することができる。この表示が追加された場合、発明者の住所は削除されるであろう。
    国際出願又はその他の書類に署名することができない又は署名することを拒否した出願人
    IP 11.027.一時的に出願人が国際出願に署名することができない場合にどうしなければならないのか。
    規則26.2,
    規則26.2の2,
    第316号

    一時的に出願人が国際出願に署名することができない場合、国際出願は、その出願人の署名なしで行う ことができる 。出願人の署 名又は出願人 の署名した委 任状の欠落は 、第 14 条(1)(a)(i)及び(b)の規定に基づき補充可能な欠陥であり、その補充を要求する可能性があり、受理官庁がこの (潜在的な) 欠陥の補充のために定めた期間内に出願人が適法に署名した願書の写し (又は、願書を代理人が署名した場合には、(必要であれば) 委任状の写し) を提出することによって直すことができる (IP 6.032 項を参照)。
    IP 11.028.- 11.032.[削 除]
    明白な誤記の訂正
    IP 11.033.出願人は明白な誤記を訂正することができるのか。
    規則91.1(a),
    規則91.1(g)

    一般的に、所定の期間内に請求すれば、国際出願又は出願人が提出した他の書類の明白な誤記を訂正することができる。訂正は無料で行われる。規則 91 は、一部の「訂正できない」 (IP 11.037 項を参照) 誤記について想定しており、他の訂正方法をとるよう出願人に要求している (規則 20.4 、 20.5 、 26 の 2 及び 38.3 を参照)。
    IP 11.034.どのような種類の誤記を訂正することができるのか。
    規則91.1(c)
    明白な誤記だけを訂正することができる。誤記は、基準日において (IP 11.036 項を参照)、関連する書類に現れるもの以外の何かが意図されていること及び提出された訂正以外何も意図されていなかったことが、権限のある機関にとって明白であれば、明白なものとみなされる。換言すれば、誤記及びその誤記の訂正の両方が、権限のある機関にとって明白なものでなければならない。
    IP 11.035.誤記が明白なものか否かを判断するときに権限のある機関が考慮できる書類の種類に制限はあるのか。
    規則91.1(d),
    規則91.1(e)

    明細書、請求の範囲若しくは図面、又はそれらの補充書若しくは補正書における誤記の場合、権限のある機関は、誤記及び提出された訂正の両方が明白であるのか否かを判断する上で (IP 11.034 項を参照)、明細書、請求の範囲及び図面、並びに該当すれば、関係する補充書又は補正書の内容のみを考慮する。願書若しくはその補充書、又は規則 91.1(b)(iv) に規定するその他の書類における誤記の場合、権限のある機関は、誤記及び提出された訂正の両方が明白であるのか否かを判断する上で、国際出願自体の内容、並びに関連する補充書及び該当すれば規則 91.1(b)(iv) に規定するその他の書類の内容だけでなく、願書、補充書又は書類とともに出願人によって提出された書類 (当該権限のある機関が利用可能な優先権書類を含む) も考慮すべきである。更に権限のある機関は、基準日 (IP 11.036 項を参照) において、当該機関の国際出願の一件書類に含まれるその他の書類も考慮すべきである。
    IP 11.036.誤記及びその訂正が明白なものか否かを判断するときに権限のある機関が適用する基準日はいつか。
    規則91.1(f)
    提出された国際出願の誤記の場合には、基準日は国際出願日となる。提出された国際出願以外の書類における誤記の場合 (国際出願の補充書又は補正書における誤記を含む) には、基準日は当該書類 (補充書・補正書) が提出された日である。
    IP 11.037.どのような誤記が訂正できないのか。
    規則91.1(g)
    次の場合には、規則 91 に基づき誤記を訂正できない。
    - 複写又は用紙のとじ合わせのような、国際出願の出願時における、明らかな不注意によって生じたものであっても、国際出願の要素又は用紙の欠落にある場合
    - 誤記が要約にある場合
    - 第 19 条に基づく補正書における誤記の場合、ただし、国際予備審査機関が規則 91.1 (b)(iii) に基づき当該誤記の訂正の許可を管轄する場合を除く
    - 優先権の主張又は優先権の主張を補充する又は追加する書面における誤記であって、誤記の訂正により優先日について変更が生じる場合 (この誤記が、規則 26 の 2.1 (a) に基づき補充可能か否かについては、 IP 6.038 項を参照)
    IP 11.038.明白な誤記の訂正は特定の官庁の許可が必要なのか。
    規則91.1(b)
    必要である。訂正は次の権限のある PCT 機関による許可に従う。
    (i) 願書部分又はその補充書における誤記の場合には、受理官庁
    (ii) 明細書、請求の範囲若しくは図面、又はそれらの補充書における誤記の場合には、国際調査機関、又は、国際予備審査請求が行われ、取り下げられておらず、かつ、規則 69.1 に従って国際予備審査を開始すべき日が過ぎている場合には、国際予備審査機関
    (iii) 明細書、請求の範囲、図面若しくはそれらの補充書又は第 19 条若しくは第 34 条に基づく補正における誤記の場合で、かつ、国際予備審査請求が行われ、取り下げられておらず、かつ規則 69.1 に従って国際予備審査を開始すべき日が過ぎている場合には、国際予備審査機関
    (iv) 受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関又は国際事務局に提出された上記 (i) から (iii) に記載されていない書類における誤記の場合であって、要約又は第 19 条に基づく補正書における誤記以外の場合には、状況に応じて、当該受理官庁、当該機関又は事務局
    IP 11.039.訂正のための請求はどこへいつ提出しなければならないのか。
    規則91.2
    訂正のための請求は、訂正を許可する権限のある機関あてに提出しなければならない (IP 11.038 項を参照)。訂正のための請求は、優先日から 26 か月以内に提出しなければならない。請求は、訂正される誤記及び提案された訂正を特定しなければならない。出願人の選択により、請求に簡単な説明を記載することもできる。提案された訂正を表示する方法については、規則 26.4 で定める手続 (IP 6.052 項を参照) が適用される。
    IP 11.040.権限のある機関は明白な誤記の訂正を出願人に求めることができるのか。
    規則91.1(h)
    受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関、又は国際事務局が、国際出願又は他の書類において訂正することができる明白な誤記と認められるものを発見した場合には、当該関係機関は出願人に対し、規則 91 に基づく訂正のための請求をするよう求めることができる。
    IP 11.041.明白な誤記の訂正が請求された場合に権限のある機関はどのような手続をするのか。
    規則48.2(i),
    規則70.16(a)(iii),
    規則91.3(a),
    規則91.3(b)

    出願人が明白な誤記の訂正を請求した場合、権限のある機関は、請求された訂正の許可又は拒否についてすみやかに決定し、決定を出願人及び国際事務局にすみやかに通知する。訂正を拒否する場合には、権限のある機関は拒否の理由についても出願人及び国際事務局に通知すべきである。権限のある機関が規則 91 に基づき明白な誤記の訂正を許可した場合、関係書類は、実施細則第 325 号、第 413 号の 2 、第 511 号及び第 607 号の規定に従い訂正される。受理官庁、国際調査機関又は国際予備審査機関により訂正が許可され、国際公開の技術的な準備が完了する前に国際事務局がその許可を受理し、又は付与した場合には、国際事務局は国際出願の一部として当該訂正された用紙を公開する。国際公開の技術的な準備が完了した後に国際事務局がその許可を受理し、又は付与した場合には、国際事務局は規則 48.2 (i) に基づき国際出願を再公開する。国際予備審査機関が訂正を許可した場合、出願人が提出した訂正された用紙及び明白な誤記の訂正請求は国 際予備審査報 告 (PCT 第 II 章) の附属書類となる。
    IP 11.042.明白な誤記の訂正はいつ有効となるのか。
    規則91.3(c)
    出願時における国際出願の誤記の場合、訂正は国際出願日から有効となる。出願時における国際出願以外の書類の誤記の場合当該国際出願の補充書又は補正書における誤記を含む。訂正は当該書類 (補充書又は補正書) が提出された日から有効となる。
    IP 11.043.明白な誤記の訂正が拒否された場合にどうすることができるのか。
    規則91.3(d),
    第113号(b)

    訂正が拒否された場合、出願人は拒否の日から 2 か月以内に、国際事務局に対して、訂正のための請求、当該機関による拒否の理由、及び出願人が提出することができる簡単な意見書を、国際出願とともに公表するよう請求することができる。ただし、附属書 B (IB) に掲載されている額の特別の手数料を同時に支払うことが必要である。訂正のための請求及び拒否の理由が公表された後、出願人は、指定官庁の国内法令に基づき更なる手続を行い、明白な誤記の訂正を求めることができる。拒否された訂正のための請求は、 IP 10.076 項に述べる一部の状況を除き、国際予備審査報告の附属書類とされない。
    IP 11.044.明白な誤記の訂正が許可された場合の指定及び選択官庁における効果は何か。
    規則91.3(e),
    規則91.3(f)

    一般に、指定及び選択官庁は、国際事務局から規則 91.3 (a)に基づき訂正の許可通知を受領する日前に既に国際出願の処理又は審査を開始している場合を除き、国内段階における国際出願を「訂正されたもの」として処理しなければならない。指定及び選択官庁が規則 91.1 に基づき許可された訂正を無視することができるのは、自身が権限のある機関であった場合に明白な誤記の訂正を許可しなかったと認めた場合のみである。ただし、この場合に指定官庁は、事情に応じて相当の期間内に、当該官庁が訂正を無視することについて意見を述べる機会を出願人に与えた場合のみ、国際段階において許可された訂正を無視することができる。
    請求の範囲、明細書及び図面の補正
    IP 11.045.国際出願の請求の範囲、明細書及び図面を、どのように、いずれの段階で補正することができるのか。
    第34条(2)(b)

    本書の別の部分で述べたように、国際段階において、出願人は国際調査報告を受け取った後に第 19 条の規定に基づき請求の範囲を補正する機会が 1 回ある (IP 9.004 項から IP 9.011 項を参照)。また、国際予備審査の前及び国際予備審査中に第 34 条(2)(b)の規定に基づき明細書及び図面を補正することもできる (IP 10.024 項から IP 10.028 項、及び IP 10.067 項から IP 10.071 項を参照)。これらの補正は第 11 条及び規則 20 (IP 6.024 項から IP 6.026 項を参照) 並びに第 14 条及び規則 26 (IP 6.032 項を参照) の規定に基づく欠陥の補充の可能性、並びに規則 91.1 の規定に基づく明白な誤記の訂正の可能性 (IP 11.033 項から IP 11.044 項まで参照) に追加するものである。また、出願人は、第 28 条及び第 41 条の規定に基づき国内段階において国際出願を補正する機会も保証されている (国内編を参照)。
    IP 11.046.国際段階では、いずれの言語で補正書を提出するのか。
    規則46.3,
    規則55.3

    第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正書を提出するときに使用しなければならない言語については、 IP 9.004 項及び IP 9.017 項から IP 9.019 項を参照。第 34 条の規定に基づく明細書、請求の範囲、図面の補正書を提出するときに使用しなければならない言語については、 IP 10.071 項を参照。
    IP 11.047.国際段階における請求の範囲、明細書及び図面の補正は国際出願に新規事項を導入することができるのか。
    第34条(2)(b),
    規則66.2(a)(iv),
    規則70.2(c)

    第 19 条(2)及び第 34 条(2)(b)は、出願時における国際出願の開示の範囲を超えて補正してはならないと規定している。出願人が国際予備審査を請求した場合を除き、国際段階でこの要件はチェックされない。国際予備審査機関は、補正が当初の開示の範囲を超えていると認めた場合、その旨を書面による見解及び特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) でコメントし、その補正がされなかったものとして当該報告を作成する (IP 10.064 項(iv)及び IP 10.070 項を参照)。国内段階においてこの要件を満たすことは重要であって、この要件を満たさなければ国内段階において、補正の却下、補正によって請求の範囲に記載された新規事項のための後の出願日の付与等の不利な結果となる。他方、指定官庁で適用される国内法令が出願時における出願の開示の範囲を超える補正を認めている場合には、この補正の要件を満たさなくても、その国では何の問題もない。ほとんどの国内法令に共通で欧州特許条約で規定している要件であるが、この要件は、 PCT に基づき締約国を拘束するものでない。この要件は、ほとんどの国内法令に規定があり、国際段階で補正を意図しているすべての出願人に対して有用な警告となると思えるので、 PCT に含まれている。
    IP 11.047A.請求の範囲、明細書又は図面を補正したが、差替え用紙に書簡が添付されていなかった場合にはどうなるのか。
    第34条(2)(b),
    規則46.5(b)(iii),
    規則66.8,
    規則70.2(cの2)

    PCT は、第 19 条又は第 34 条に基づく補正時に提出する差替え用紙に、出願時の出願における補正の根拠を表示する書簡を添付するよう要求している (IP 9.005 項、 IP 9.006 項及び IP 10.071 項を参照)。出願人が国際予備審査を請求しない限り、この要件を満たしているのかに関する実質的なチェックは国際段階で行われない。国際予備審査機関は、差替え用紙に当該書簡が添付されていないこと又は差替え簡に用紙に添付した書補正の根拠が記載されていないことを発見した場合、その補正が行われなかったものとして特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) を作成することができる。この要件を満たすことは、指定官庁でもチェックする可能性があり、要件を満たさなければ補正が結果的に認められないおそれもあるので、国内段階においても重要である。
    取下げ
    IP 11.048.出願人は国際出願を取り下げることができるのか。
    規則90.4(e),
    規則90.5(d),
    規則90の2.1,
    規則90の2.5

    出願人は、国際事務局若しくは受理官庁、又は第 39 条(1)が適用される場合には国際予備審査機関あてに送付され、優先日から 30 か月を経過する前 (IP 5.005 項を参照) に受領された通告によって、国際出願を取り下げることができる。この取下げは無料である。取下げの通告には、すべての出願人が署名しなければならない。
    選択された代理人又は選択された共通の代表者は、選任した出願人のためにこの通告に署名することができるが、「共通の代表者とみなされた者」である出願人 (IP 11.006 項を参照) は、他の出願人のためにこの通告に署名することができない。官庁、機関若しくは国際事務局が、別個の委任状又は包括委任状の写しを提出する要件を放棄している場合であっても、放棄は取下げの通告に適用されない。
    IP 11.049.国際出願を取り下げる効果は何か。
    規則90の2.1(c)

    IP 9.023A 項に概説するように、出願人は国際出願を取り下げることによって国際公開を中止することができる。
    国際公開は 、 IP 11.056 項及び IP 11.057 項で概説するように 、 優先権の主張を取り下げることによって延長することができる。
    IP 11.050.出願人は指定を取り下げることができるのか。
    規則90の2.2,
    規則90の2.5

    出願人は、国際事務局若しくは受理官庁、又は第 39 条(1)が適用される場合には国際予備審査機関あてに送付し、優先日から 30 か月を経過する前 (IP 5.005 項を参照) に受領された通告によって、国の指定、利用可能な保護の種類、又は利用可能な保護の種類のうち一部のみについて、取り下げることができる。この取下げは無料である。取下げの通告には、すべての出願人が署名しなければならない。選択された代理人又は選択された共通の代表者は、選任した出願人のためにこの通告に署名することができるが、「共通の代表者とみなされた者」である出願人 (IP 11.006 項を参照) は、他の出願人のためにこの通告に署名することができない。
    IP 11.051.指定の取下げの効果は何か。
    規則90の2.2(a)
    国際予備審査のために選択された国の指定の取下げは、自動的にこれに対応する選択の取下げを伴う。
    IP 11.052
    規則90の2.2(b)
    国内特許又は広域特許の両方を受けようとして国を指定した場合 (IP 4.022 項から IP 4.026 項、及び IP 5.052 項から IP 5.053 項を参照)、その国の指定の取下げは、別段の表示がある場合を除き、国内特許を受けるための指定のみの取下げを意味する。実際、出願人は、常に、いずれの指定を取り下げようとするのかを明らかにすべきである。
    IP 11.053
    規則90の2.2(c)
    すべての指定が取り下げられた場合には、国際出願自体が取り下げられたものとみなされる。
    IP 11.054
    規則90の2.2(e)
    国際公開の技術的な準備が完了する前に取下げの通告が国際事務局に到達した場合、その出願の国際公開は行われない (IP 9.014 項を参照)。
    IP 11.055
    国際出願に異なる出願国について異なる出願人が記載されている場合、取り下げられた指定国についての出願人は、もはや (いずれの指定国についても) 出願人でなくなる。この場合には、残存する出願人、すなわち、取り下げられなかった指定国についての出願人のみを記載した願書の差替え用紙を取り下げの通告とともに提出すべきである。出願人が差替え用紙を提出しなければ、受理官庁又は国際事務局が願書を訂正する。どちらの機関が訂正を行っても、その旨を他方の機関及び出願人に通知する。
    IP 11.056.出願人は国際出願において申し立てた優先権の主張を取り下げることができるのか。
    規則90の2.3,
    規則90の2.5

    出願人は、国際事務局若しくは受理官庁、又は第 39 条(1)が適用される場合には国際予備審査機関あてに送付し、優先日から 30 か月を経過する前 (IP 5.005 項を参照) に受領された通告によって国際出願において申し立てた優先権の主張を取り下げることができる。この取下げは無料である。取下げの通告には、すべての出願人が署名しなければならない。選択された代理人又は選択された共通の代表者は、選任した出願人のためにこの通告に署名することができるが、「共通の代表者とみなされた者」である出願人 (IP 11.006 項を参照) は、他の出願人のためにこの通告に署名することができない。
    IP 11.057.優先権主張の取下げ後、期間はどのように計算するのか。
    規則90の2.3(d),
    規則90の2.3(e)

    優先権の主張の取下げが国際出願の優先日について変更を生じる場合、もとの優先日から起算した期間であって満了していない期間、たとえば、国内段階の手続を開始することができない期間は、変更後の優先日から起算する (優先権の主張が取り下げられたときに、この期間が既に満了していた場合には、この期間を延長することができない)。しかし、取下げの通告が国際公開の技術的な準備が完了した後に国際事務局に到達した場合、国際事務局は、もとの優先日から起算した国際公開の期限に基づき国際公開の手続を進めることができる。
    IP 11.058.出願人は補充調査請求を取り下げることができるのか。
    規則90の2.3の2
    出願人は、補充国際調査報告又はこの報告を作成しない旨の宣言を出願人に送付する日前であればいつでも補充調査請求を取り下げることができる。ただし、この請求の取下げの結果、国際事務局が補充調査のために指定された機関に対して文献を送付する前であれば、支払われた手数料が払い戻されるのみである。取下げの通告は、国際事務局又は補充調査のために指定された機関のいずれに対して行ってもよく、その機関又は国際事務局が通告を受理することによって取下げの効力が生じる。ただし、報告又は宣言の送付を中止するための十分な期間内に通告が補充調査のために指定された機関に到達しなければ、報告又は宣言は請求に応じて各指定官庁に送付される。同一の国際出願に関して 2 件以上の補充調査請求が行われている場合、通告には、その請求のいずれを取り下げる意向であるのか特定しなければならない。
    IP 11.059.補充調査請求の取下げ通告には誰が署名する必要があるのか。
    補充調査請求の取下げ通告は、出願人、若しくは出願人が 2 人以上であればすべての出願人、又は、各出願人がその選択により、願書、補充調査請求書、国際予備審査の請求書又は委任状に署名することによって選任が有効となっている、代理人若しくは共通の代表者が署名しなければならない。
    IP 11.060.出願人は国際予備審査の請求又は国の選択を取り下げることができるのか。
    第37条,
    規則90の2.4,
    規則90の2.5

    出願人は優先日から 30 か月を経過する前であればいつでも国際事務局あてに送付した通告によって国際予備審査の請求又は国の選択を取り下げることができる。この取下げは無料である。取下げの通告には、すべての出願人が署名しなければならない。選択された代理人又は選択された共通の代表者は選任した出願人のためにこの通告に署名することができるが、「共通の代表者とみなされた者」である出願人 (IP 11.006 項を参照) は、他の出願人のためにこの通告に署名することができない。
    IP 11.061.
    第37条(4)
    30 か月の期間が適用されない指定官庁について、第 22 条の規定する国内段階の開始に関する期間を経過した後で国際予備審査の請求又は国の選択を取り下げる時点で出願人は注意すべきである。なぜならば、この取下げは、その国で国内段階が開始した場合を除き、その国について国際出願を取り下げたものとして各選択国において扱われるからである。しかし、第 22 条の規定する国内段階の開始に関する期間の経過前に国際予備審査の請求又は国の選択を取り下げた場合には、国際出願を取り下げたものとみなされないが、もちろん出願人は、国際段階の開始の期間を経過する前に通常の手続を講じなければならない (5.005 項、及び国内段階のNP 3.001 項を参照)。詳細については第 37 条(4)を参照。
    期間の計算
    IP 11.062.期間の計算に関する規則は何か。
    規則80
    規則 80 には、期間が就業日でない日に満了する場合を含む期間 (年、月又は日のいずれかでもって定めた期間) の計算に関する詳細な規定がある。国際事務局の就業日でない日は、定期的に公示 (PCT 公報) 及び PCT ニュースレターに掲載される。 PCT 期間計算システムは出願人が PCT の期間計算をする手助けとなるよう作られており、 WIPO ウェブサイト https://pct.wipo.int/ePCTExternal/pages/PctTimeline.xhtml?lang=ja で利用できる。通知の日付の日から期間が開始する場合であって、通知がその日付よりも実際に遅い日に郵便で発送された又はその日付の後 7 日よりも遅い日に受領された場合、当該期間は延長される。詳細については規則 80.6 を参照。優先権の主張が取り下げられた場合の優先日に基づく期間の計算については、 IP 11.057 項を参照。
    郵便業務における異常
    IP 11.063.郵便の遅延又は郵便物の亡失は許されるのか。
    第48条(1),
    規則82.1

    規則 82 には、郵便業務の異常、たとえば郵便業務がストライキによって妨害されたために書簡が遅れて到達し又は亡失した場合を扱う詳細な規定がある。この規定は文書の提出期間の満了の後 6 か月を超えない範囲で期間を満たさないことを許すものであるが、文書は期間の満了の少なくとも 5 日前に郵便で発送しなければならない。この規定を利用するためには、書留航空郵便又は平面路による郵便物が差し出されてから通常 2 日以内に名あて地に到着する場合には、書留平面路郵便で発送しなければならない。証拠が名あて人である国内官庁又は政府間機関にとって満足するものであることが必要であり、代わりの文書をすみやかに提出しなければならない。詳細については規則 82.1 (b)及び(c)を参照。
    IP 11.064.配達サービス機関を利用した場合に遅延又は亡失は許されるのか。
    規則82.1(d),
    規則82.1(e)

    一部の国内官庁及び政府間機関も、郵政当局以外の配達サービス機関を文書又は書簡の郵送 に 利 用 す る 場 合 に つ い て 、 こ の 規 定 を 適 用 し て い る 。 詳 細 に つ い て は規則 82.1 (d)及び(e)、更に、いずれの国内官庁及び政府間機関が文書又は書簡の郵送に配達サービス機関を認めているのか、及びどのような場合に規則 82.1 が配達サービス機関の利用に適用されるのかについては、附属書 B を参照。
    期間が遵守されなかったことによる遅滞についての許容
    IP 11.065.不可抗力による状況によって期間を遵守しなかった場合には許容されるのか。
    規則82の4.1,
    第111号

    規則 82 の 4.1 は、出願人が居住する、業務地を有する若しくは滞在する地域において、戦争、革命、市民暴動、ストライキ、天災、感染症拡大、電子通信サービスの全般的な不通、その他の類似する事由などの不可抗力による状況の結果として、国際段階における各官庁、各機関及び国際事務局に対する期間を遵守しなかったことによる遅滞について一般的に許容される根拠について規定している。遅滞についての許容は同規則で定める期間だけに適用され、したがって優先期間はパリ条約第 4 条 C で規定しているので優先権には適用されず (優先権の回復については IP 5.062 項から IP 5.068 項までを参照)、第 22 条及び第 39 条に基づく国内段階移行期間にも適用されない (IP 5.005 項及び IP 5.006 項を参照)。
    IP 11.065A
    規則 82 の 4.1 に基づく不可抗力による状況の結果としての期間不遵守の許容を請求する場合、出願人は合理的に可能となった後できる限りすみやかに関連する手段 (書類の提出、通知に対する応答又は手数料の支払) を講じなければならない。したがって遅滞の原因解消から概して短期間が適用される。たとえばストライキによって代理人が自身の事務所に到着できなければ、多くの場合、準備期間がどのくらい中断されたのかに応じて翌業務日又はその後の短期間に手段を講じるべきであると期待される。他方、災害によって代理人のファイルが完全に破壊された場合には、すべての必要書類及びシステムを復旧させて必要な手段を講じることができるまで長期間を要することが合理的に予測される。電子通信サービス全体が不通であった場合、出願人は、それが局地的な問題ではなく広範な地域に影響を及ぼすものであり、予測又は予見不可能であり、出願人が他に利用可能な代替的通信手段を有していなかったことを証明しなければならない。遅滞の許容請求書及び関連証拠は、合理的に可能な限りすみやかに、そしていずれの場合であっても適用される期間の終了から 6 か月以内に、管轄官庁、管轄機関若しくは国際事務局に提出しなければならない。
    認められるものと考えられる証拠の形態としては、たとえば信頼できる報道機関からのニュース又は関係する国内当局の声明・発表などは、この目的で一般的に認められる。電子通信サービス全体が不通であった場合には、出願人が利用するインターネットプロバイダ又は電力会社の声明も認められるであろう。
    官庁、機関又は国際事務局は、たとえば期間不遵守の許容を正当化するものと考えられる事象が特定の国家又は場所で発生したことに気づいていた場合、証拠に関する要件を放棄することができる。状況に応じて官庁、期間又は国際事務局は、このような放棄を適用する条件の設定及び公表を行い、これを国際事務局に通知し、国際事務局は対象とされる情報を公報において公 表する。ただ しこの場合で あっても利害 関係人は、期 間不遵守の許容を請求し、放棄が適用される状況のために期間が遵守されなかった旨を陳述しなければならない。
    IP 11.065B.官庁又は政府間機関における電子的な通信手段の不通のために期間を遵守しなかった場合には許容されるのか。
    規則82の4.2,
    第111号

    規則 82 の 4.2 は、いずれかの官庁又は政府間機関が許可している電子的な通信手段の不通のために期間が遵守されなかった場合、その官庁又は政府間機関が遅滞の一般的な許容を規定することを認めている。官庁又は政府間機関がこのような許容を規定する場合には国際事務局にその旨を通知し、国際事務局はこの情報を公報、及び次の WIPO ウェブサイトで公表する https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/unavailability 。更に当該官庁又は政府間機関は、そのような事象が発生した時点 (たとえば予期せぬ不通) 又は発生が予定された時点 (たとえば保守スケジュール) で、不通についての情報を、その期間を含めて公表して国際事務局に通知し、国際事務局はその不通に関する情報を、不通となった期間を含めて公報に公表する。遅滞についての許容は同規則で定める期間だけに適用され、したがって優先期間はパリ条約第 4 条 C で規定しているので優先権には適 用されず (優先権の回復については IP 5.062 項から IP 5.068 項までを参照)、第 22 条及び第 39 条に基づく国内段階移行期間にも適用されない (IP 5.005 項及び IP 5.006 項を参照)。
    IP 11.065C
    官庁又は政府間機関が許可している電子的な通信手段の 1 つが不通のために、出願人が期間を遵守しなかった場合 (IP 11.065B 項を参照)、出願人はその電子的な通信手段が利用可能となった翌業務日に、関係する行為の遂行及び遅滞の許容の請求を行い、提出を試みた時点で官庁又は政府間機関が許可している電子的な通信手段の 1 つが不通のために、期間を遵守しなかった旨を表示しなければならない。
    期間延長
    IP 11.065D.「不 可抗力 」の 状 況にお いて 官 庁又は 政府 間 機関は 一般 的 に期間 延長 を 認める のか。
    規則82の4.3,
    第111号

    規則 82 の 4.3 によると、例外的な状況において不可抗力の事象による場合、各官庁、機関及び国際事務局は、延長期間を定めて、規則で定められている期間を一般的に国際段階中に延長することが認められている 。 官庁又は政府間機 関は 、 それが所在する国家が規則 82 の 4.1 (a)に列挙する事象によって生じる全般的な混乱に直面しており (事象のリストについては IP 11.065 項を参照)、その全般的な混乱によって同官庁又は機関の運営に支障を来す状況となり、規則で定める期間内に当事者が官庁又は機関に対して行為を遂行する能力に影響を受ける場合、たとえば感染症の拡大若しくは天災の場合、又は、地震若しくは津波によって官庁又は機関が所 在する場所の社会的基盤 (電力、水道、 道路など) が深刻な被害を受けた場合、この決定を行うことができる。
    全般的な混乱が継続する限りにおいて、関係する官庁、機関又は国際事務局は、延長の追加期間を定めることができる。該当する場合、期間又は延長の追加期間は、その開始日から 2 か月以内とする。官庁、機関又は国際事務局が期間延長又は期間の追加的延長を行う場合には、関係する期間の開始日及び終了日に関する情報を公表し、国際事務局はこの情報を公報及び WIPO ウェブサイトで公表する。この期間中に終了することになる、規則で定められている期間が存在する場合には、規則 80.5 に従うことを条件として、その期間又は追加期間が終了した後の初日に終了する。出願人は期間延長を請求する必要がない。
    このような延長が認められる場合には、規則で定められている期間のみに適用され、したがって優先期間については、パリ条約第 4 条 C で定められていることから適用されず (優先権の回復については IP 5.062 項から IP 5.068 項を参照)、第 22 条及び第 39 条の規定による国内段階移行期間についても適用されない (IP 5.005項及び IP 5.006項を参照) 。延長に関する情報が公表された時点で指定官庁又は選択官庁が国内手続を既に開始していた場合、その官庁は延長又は延長の追加期間を考慮する必要がない。
    書簡、文書及び書類のファイリング
    IP 11.066.書簡、文書及び書類のファイリングに関する規則は何か。
    規則 12.1,
    規則55.2,
    規則92,
    第104号

    規則 92には、国際的な手続において出願人が提出する書簡、文書及び書類に関して詳細な規定が設けられている。書簡には署名しなければならない。その他の提出書類には書簡を添付しなければならない。出願人から受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関及び国際予備審査機関への書簡及び文書は、通常であれば国際出願の言語、又は国際調査、補充調査、国際公開若しくは国際予備審査のために、国際出願の翻訳文が送付又は提出されている場合 (IP 5.013 項、 IP 6.020 項、 IP 8.012 項、 IP 9.018 項及び IP 10.011 項を参照) には、その翻訳文の言語で作成しなければならない。出願人から国際事務局宛の通知は英語又はフランス語で作成しなければならないが、ePCT 経由で提出する場合には国際出願の公開言語を使用することもできる。第 19 条に基づく請求の範囲の補正書 (及び添付する説明書) の言語については、 IP 9.004 項及び IP 9.007 項を参照。国際予備審査の請求書及び第 34 条に基づく補正書の言語については IP 10.013 項及び IP 10.071 項を参照。
    IP 11.067.書類をどのように提出することができるのか。
    規則89の2.2,
    規則92.4,
    第703号,
    第712号

    各国内官庁及び機関は、国際出願に関する書類及び通信を提出するために認められる手段を特定している。対象とされる官庁又は機関宛の書類及び通信を、電子形式又は電子手段によってePCT 経由で提出する可能性については、ePCT External の該当する Office Profile (https://pct.wipo.int/ePCTExternal/pages/OfficeProfile.xhtml) を参照。
    電子形式又は電子手段による提出のみを認める官庁又は機関は、そこに紙形式で提出された書類を、受理しなかったものとして扱うことができる。もっとも官庁又は機関は特別な場合において、その他の手段によって提出された書類を受理することを決定できる。
    官庁又は機関は、紙形式で提出された書類について、対応する通知の日から 2 か月以内に電子形式で書類を再提出するよう要求することができる。書類が電子手段によって再提出されない場合、その書類は無視されるか、又は提出されていないものとみなされる。このような要件を課す官庁又は機関に関する情報は、附属書 B に記載されている。
    規則 92.4 は、ファクシミリ、又はそれ以外で、結果的に印刷又は記載された書類の提出となる同様の通信手段の使用について規定している。これらの通信手段は、関係する国内官庁又は政府間機関が、これらの手段による通信を受信する用意がある場合に限り、使用することができる。一部の官庁及び機関は、一部の種類又はすべての種類の書類に関して、これらの認められる通信手段によって行われた通信については、いかなる場合であっても出願人が 14 日以内に確認しなければならないと要求している。この確認を行わない場合、通信は行われなかったものとみなされる。ただし、この要件が充足さなれなかった場合であっても、一部の状況において、上述した帰結を放棄することができる。官庁又は機関は、原本を提出する明確な要件が存在していない場合であっても、特別な状況において原本を要求することができる。これらの要件の更なる詳細は規則 92.4 に規定されており、具体的な官庁又は機関に適用される要件に関する情報は、附属書 B に掲載されている。
    IP 11.068
    出願人は、電子通信手段によって書類を送付する前に、適用される要件を確認する目的で附属書 B をチェックすべきである。提出書類が国際出願又は国際出願の補正若しくは補充の差替え用紙を構成するものであれば、いかなる場合であっても、当然であるが原本を同日又は翌日に郵送すべきである。
    IP 11.069
    規則92.4(d)
    先に国内官庁又は政府間機関に遠隔通信手段によって送付された書類の原本が、その国内官庁又は政府間機関に送付された場合、原本には、先の送付の日及び送付手段を特定する書簡を添付しなければならない。
    IP 11.070
    このような送付手段によって到達した書類の一部若しくは全部の判読が困難な場合又はその書類の一部が到達していない場合、到達した書類のうち判読困難な部分又は送付した書類のうち到達していない部分については、到達しなかったものとみなされ、その国内官庁又は政府間機関は、すみやかにその旨を出願人に通知する。
    IP 11.071.書類番号を通信に使用できるのか。
    第109号
    出願人又は選任された代理人は、願書様式の第 1 用紙 (IP 5.017 項を参照)、国際出願のその他の要素の各頁 (IP 5.105 項及び IP 5.124 項を参照)、補充調査請求書の様式の第 1 用紙 (IP 8.013 項を参照)、国際予備審査の請求書の様式の第 1 用紙 (IP 10.015 項を参照) 及び国際出願に関するその他の通信の、書類番号のために設けられている欄に書類番号を記入することができる。書類番号は、ラテンアルファベット若しくはアラビア数字、又はその両方によって構成することができる。英数字の間を分離するためにハイフン (-) を使用することができる。書類番号は 25 文字以内とする。受理官庁、国際事務局、国際調査機関、補充調査のために指定された機関及び国際予備審査機関は、出願人あての通信に書類番号を使用する。
    国際出願の秘密保持
    IP 11.072.国際出願はどの程度の秘密として扱われるのか。
    第30条,
    第38条,
    規則94.1(a),
    規則94.1の2(a),
    規則94.1の3(a)

    限定された特別な例外はあるが国際出願は国際公開日まで第三者に対して秘密である (第 30 条を参照)。国際事務局、受理官庁及び国際調査機関は、出願人又は出願人の承諾を得た者の請求に応じていつでも、役務の費用の支払を条件として、一件書類中の文書の写しを提供する。管轄裁判権を有する裁判所による利用の要請は、出願人の承諾に代わるものとして国際事務局に取り扱われるであろう (国際予備審査機関の一件書類の利用については、 IP 11.074 項を参照)。
    IP 11.073
    規則 17.2,
    規則48,
    規則94.1(b)

    国 際 公 開 後 、 国 際 出 願 自 体 は 国 際 公 開 さ れ た 第 19 条 の 規 定 に 基 づ く 補 正 (規則 48.2 (f)を参照)、国際調査報告 (第 21 条(3)及び規則 48.2 (a)(v)を参照) (これらの要素は公開された国際出願に含まれる) 並びに優先権書類 (IP 9.023 項で述べた例外に留意されたい;規則 17.2 を参照) と同様に自由に入手することができる。 1998 年 7 月 1 日以降にされた国際出願について、国際事務局は、国際公開後、いずれかの者による請求及び役務の費用の支払に応じて、国際予備審査に関する文書についての第 38 条の規定に基づく制限に従うことを条件として、一件書類中の文書の写しを提供する。ただし国際事務局は、国際公開の対象から省略された (IP 9.016A 項を参照) 又は公衆による一件書類の利用の対象から省略された一件書類中のいかなる文書 (IP 11.073A 項を参照) も利用可能とせず、また国際事務局の内部使用のためのみに作成されたいかなる文書についても利用可能としない。
    規則94.1の2(b),
    規則94.1の3(b)

    更に受理官庁及び国際調査機関は、国際公開後、いずれかの者による請求及び役務の費用の支払に応じて、国際公開の対象から省略された文書 (IP 9.016A 項を参照) 又は公衆による一件書類の利用の対象から省略された文書 (IP 11.073A 項を参照) を除き、一件書類中の文書の写しを提供することができる。
    IP 11.073A.出願人は、国際事務局に対して一件書類中の特定情報の利用を制限するよう請求できるのか。
    規則94.1(e)
    出願人は、公衆による一件書類の利用から特定の情報を省略するよう、国際事務局に対して理由を示した請求をすることができる。(出願人がこの請求を行う方法については、 IP 9.016A 項を参照)。公衆による一件書類の利用から特定の情報を省略するための請求はいつでも可能である。
    国際事務局が公衆による利用から情報を省略し、当該情報が受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関が保管する国際出願の一件書類にも含まれる場合には、国際事務局は、すみやかにその旨を当該官庁又は機関に通知し、当該情報が公衆に利用可能な状態とならないようにする。
    IP 11.074.国際予備審査はどの程度の秘密として扱われるのか。
    第36条(3)(a),
    第38条,
    規則71.1(b),
    規則94.1,
    規則94.2,
    規則94.3,
    第420号

    第 38 条では、出願人が国際予備審査の請求をした場合、国際事務局及び国際予備審査機関が国際予備審査の一件書類につき承諾を得ない場合に知得されるようにしてはならない旨を明確に規定している。したがって、第三者が国際事務局及び国際予備審査機関の一件書類中の国際予備審査に関する文書を利用することは、出願人が請求した場合、又は出願人の承諾を得た者が請求した場合のみ認められる。ただし、国際事務局が特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 及び関係書類を各選択官庁に通知した後であれば、第三者はこれらの書類の利用が可能となる。この利用可能性は、国内出願の一件書類の利用について国内法で規定しているものと同一の範囲に限定して認められる。更に国際事務局は、選択官庁から請求があれば (この請求の詳細は公示 (PCT 公報) で公表されるが、次のウェブサイトも参照され たい https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/access_iper)、当該請求を行った選択官庁に代わり、規則 71.1 (b)に基づき国際予備審査機関から受領した特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) 及び関係書類の写し (IP 10.079A 項を参照) を提供する。ただし、国際公開の対象又は公衆による利用の対象から省略された情報に関しては、第三者の利用可能な状態とされない (IP 9.016A 項及び IP 11.073A 項を参照)。なお、書類の写しの提供はその官庁に対する手数料の支払を条件とする場合があるので留意されたい。
    生物材料の寄託についての言及
    IP 11.075.国際出願が生物材料及び/又はその寄託機関に対する寄託に関する言及を含まなければならないのはいつか。
    規則 13の2.1,
    規則48.2(a)(viii)

    PCT は当該言及を国際出願に含むことを規定していない。 PCT は単に国際出願に記載された (「…生物材料の寄託又は寄託された生物材料に関して…事項」として定義された)「寄託された微生物への言及」の内容及び当該言及の届出の期間を規定しているにすぎない。当該技術分野の専門家が実施をすることができる程度に十分に国際出願の請求の範囲に記載されている発明を開示するためには、当該言及が必要な場合のみ、すなわち、発明を公衆が入手不可能な生物材料の使用を含んでいて、指定国のうち少なくとも 1 か国の法令がその生物材料の寄託への言及を規定している場合のみ、当該言及の必要性を出願人が判断することになる。附属書 L には、特許手続のために寄託された生物材料への言及を国内法令が規定している PCT 締約国の国内 (又は広域) 官庁又はその締約国のために行動する国内 (又は広域) 官庁がリストアップされている。国内法令が当該言及について規定していない国内 (又は広域) 官庁は (一部の国内 (広域) 官庁に関しては、適用される国内法令が、特に生物材料への言及に関して規定していないが、国際出願における生物材料の寄託への言及の可能性に関して国内 (又は広域) 官庁が提供した情報とともに)、附属書 B に掲載されている。明細書と別個に届け出て国際公開のための技術的な準備が完了する前に国際事務局が受理した記載があった場合には、国際事務局が受理した日付及び記載内容を、公開された国際出願に掲載する。
    IP 11.076.PCT は寄託された生物材料への言及にどんな効果を与えているのか。
    規則 13の2.2
    PCT の要件を満たす寄託された生物材料への言及は、各指定官庁に適用される国内法令の (微生物への言及の内容及び届出の期間に関する) 要件を満たすものとみなされる必要がある。
    IP 11.077.一部の指定国のみを目的として寄託について言及をすることができるのか。
    規則 13の2.5
    生物材料への言及は、すべての指定国又は指定国のうち 1 か国若しくは数か国のみを目的として行うことができる。当該言及は特定の指定国に関してのみ行う旨を明示した場合を除き、すべての指定国に関して言及したものとみなされる。異なる指定国を目的として異なる寄託の言及を行うことができる。
    IP 11.078.言及に含まれなければならない生物材料の寄託に関する表示は何か。
    規則 13の2.3,
    規則12.1の3

    含まれなければならない表示には次の 2 種類がある。
    (i) PCT 規則自体で規定する表示
    (ii) 国際出願において指定された国の (又はこの国のために行動する) 国内 (又は広域) 官庁によって通知され、かつ、公示 (PCT 公報) に掲載された追加事項。追加事項は、生物材料の寄託だけでなく、生物材料自体についても関連させることができる (IP 11.079 項を参照)。
    最初のカテゴリに該当する表示は次のとおりである。
    (i) 寄託をした寄託機関の名称及びあて名
    (ii) 当該寄託機関に寄託した日付
    (iii) 当該寄託機関が寄託について付した寄託番号
    附属書 L には、各国内 (又は広域) 官庁について寄託された生物材料への言及に含まなければならない 2 番目のカテゴリに該当する追加事項があれば、その追加事項が記載されている。この事項は、国際出願が行われた言語、及び規則 12.3 (a)又は 12.4 (a)に基づき国際出願の翻訳文が要求されている場合には、当該翻訳文の言語の両方によって提出しなければならない。
    IP 11.079.言及に含まなければならない生物材料そのものに関する表示は何か。
    規則 13の2.3(a)(iv),
    規則 13の2.7(a)

    一部の国内 (又は広域) 官庁の国内法令は、生物材料の寄託に関する表示の他に少なくとも出願人が情報を入手している範囲内において、たとえば、生物材料の特徴についての短い説明のような生物材料自体に関する表示を含むよう要求している。この要件が国際事務局に通知され、公示 (PCT 公報) に掲載されることを条件として、当該官庁を指定官庁とする国際出願は、この要件を満たさなければならない。附属書 L には、各国内 (又は広域) 官庁について、国際事務局に通知され公示 (PCT 公報) に掲載されたこの種の要件が (もしあれば) 掲載されている。
    IP 11.080.言及は (その中に含まなければならない表示とともに) いつしなければならないのか。
    規則 13の2.4,
    規則 13の2.7(a)(ii)

    国際出願時に寄託された生物材料への言及に表示が含まれていない場合には、その表示を優先日の後 16 か月以内に国際事務局へ届け出ることができる。ただし、当該指定官庁に適用される国内法令によって、国内出願に関して更に早期にその表示の届け出が要求される旨を国際事務局に通告 (国際出願から少なくとも 2 か月前に公示 (PCT 公報) に掲載) されている場合を除く。表示が優先日から 16 か月経過後であるが国際公開のための技術的な準備が完了する前に国際事務局に提出された場合、指定官庁は、この表示が 16 か月の期間の最終日に提出されたものとみなす。しかし、出願人が早期公開 (IP 9.013 項を参照) を請求した場合、指定官庁はこの請求のときに行われていない表示を、期間内に届け出なかったものとみなすことができる ので、すべて の表示を、この請求時まで に届け出るべきである。附属書 L には、国内法令が寄託された生物材料への言及の優先日の後 16 か月よりも早い時に行うことを要求している各国内 (又は広域) 官庁について、この 表示に適用さ れる期間を掲 載している。
    IP 11.081.期間内に表示を届け出なかった場合にどうなるのか。
    規則 13の2.3(b),
    規則 13の2.4,
    規則48.2(a)(viii)

    国際段階においては、寄託された生物材料への言及が所定の期間内に行われたのか否かを判断するためにチェックしない。しかし、この表示を国際公開のための技術的な準備が完了した後に受理した場合、国際事務局は出願時の国際出願に含まれていなかった表示が国際事務局に届けられた日付を指定官庁に通知する。国内法令が寄託された生物材料への言及を行うこと (又は表示を届け出ること) を国内出願で要求していない場合、出願時における国際出願に寄託された生物材料への言及 (又はその言及に必要な表示) が含まれていないこと又は所定の期間内にその言及 (又は表示) を届け出ていないことは、いかなる影響も与えない。影響を与える場合、その影響は国内法令に基づき適用されるものと同様である。
    IP 11.082.どこに対して言及を行うのか。
    第209号
    生物材料の寄託に関する表示が明細書に含まれていない限り、その表示は、同目的で別紙様式 PCT/RO/134 (https://www.wipo.int/ja/web/pct-system/forms/ のWIPO ウェブサイトを参照) によって提出できるので、これを使用することが推奨される。別紙による提出は、国際出願後も行うことができる。この用紙を国際出願時に提出する場合には、願書様式 (上述したウェブサイトのアドレスを参照) の最終用紙の照合欄 (第 IX 欄) でこの用紙について言及すべきである。出願時の明細書中に生物材料の寄託についての表示を求める指定官庁もあり (附属書 L を参照)、出願時に提出された場合の別紙は明細書の用紙の 1 つとして含まなければならない場合もある。これを遵守しなければ、これらの官庁は、別紙に含まれている表示を国内段階で考慮しない。この用紙を後で国際事務局に届け出る場合 (IP 11.080 項を参照)、書簡に同封しなければならない。様式 PCT/RO/134 はePCT を使用して作成することもできる。
    IP 11.083.出願人は生物材料を寄託する寄託機関をどのようにして決めるのか。
    規則 13の2.7(b)
    国内法令が特許手続上生物材料の寄託について定めている各国内 (又は広域) 官庁は、国際事務局に対し、国内法令が認める寄託機関を通知する。国際事務局は、これらの各官庁が通知した寄託機関に関する情報を公示 (PCT 公報) に掲載する。附属書 L には、寄託機関が掲載されている。
    IP 11.084
    規則 13の2.5(c)
    指定官庁が通知した寄託機関に寄託されている場合、指定官庁は生物材料が寄託されている寄託機関に関する理由によって、寄託された生物材料への言及を無視することはできない。したがって、公示 (PCT 公報) (又は附属書 L) によって、出願人は指定官庁が認める寄託機関に生物材料を寄託している旨を確認することができる。
    IP 11.085.国際出願における生物材料の寄託に関する言及は国際調査機関又は国際予備審査機関による試料の入手の可能性を意味するのか。
    規則 13の2.6
    国際調査機関及び国際予備審査機関はそれぞれ、国際調査及び国際予備審査の目的で寄託された生物材料の試料を提出するよう要求することができない。
    IP 11.086.国際出願における生物材料の寄託に関する言及が行われた場合に第三者による試料の入手の可能性はどの程度か。
    規則 13の2.6
    試料の分譲は、指定官庁において適用される国内法令によって決定される。しかし、規則 13 の 2.6 は、各指定官庁 (又は選択官庁) に適用される国内法令に基づく試料の分譲の国内段階の開始までの繰延べを規定しているが、次の 2 つのいずれかの発生による「繰延べ効果」の終了を条件としている。
    (i) 国際出願の国際公開の後、出願人が指定官庁に対し国内段階の開始のために必要な手続を取った (国内段階の NP 4.001 項を参照)。
    (ii) 国際出願の国際公開が行われ、国際公開が指定官庁において適用される国内法令に基づき審査を受けていない国内出願の強制的な国内公開と同一の効果を持った (すなわち、国際出願に「仮保護」が与えられた)。国内法令が「仮保護」を定めている締約国及び国際出願がその保護の資格を有するために満たさなければならない条件については、附属書 B を参照。
    IP 11.087.
    特定の指定官庁 (たとえば、欧州特許庁) については、一定の条件が生じるまで、出願人は、試料を要請する者が指名した専門家に対する試料の交付のみによって、生物材料を分譲するという手続を利用することができる。詳細については附属書 L を参照。
    配列表に関する要件
    IP 11.088.国 際 出願に 開示 す るヌク レオ チ ド・ア ミノ 酸 の配列 に適 用 される 特別 な 要件は 何か。
    規則5.2,
    規則 13の3,
    第208号,
    実施細則附属書C

    IP 5.099 項から IP 5.104 項、 IP 7.005 項から IP 7.012 項及び IP 10.063 項を参照。国内段階については、国内段階の NP 6.033 項、及び国内編を参照。
    締約国である先行国の承継国に対する国際出願の拡張
    IP 11.089.承継国とは何か。
    規則32.1(a)
    承継国とは、国の独立前はその領土がその後消滅した PCT 締約国 (先行国) の領土の一部であって、 PCT が適用される旨の継続の宣言書 (「継続宣言書」) を WIPO 事務局長に対し寄託した国 (承継国) である。この宣言書が寄託された日から、承継国を国際出願で指定することができる。更に、所定の期間内に行われた国際出願は、承継国に拡張される。
    IP 11.090.承継国に対して拡張効果を有する国際出願はどのようなものか。
    規則32.1(b)
    規則 32 は、いかなる国を国際出願で指定した場合であっても、所定の期間内に行われた国際出願の効果が承継国に対して拡張されることを規定している。この所定の期間は、独立の日が、先行国の最後の日の翌日後である承継国については、先行国の最後の日の翌日に始まり、承継国の継続の宣言が事務局長によって工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国の政府に通報された日から 2 か月後に終わる。独立の日が先行国の最後の日の翌日前である承継国は、継続の宣言とともに、この期間が承継国の独立の日に始まることを宣言することができる。
    IP 11.091.承継国に対する国際出願の効果の拡張を出願人はどのように知るのか。
    規則32.1(c)
    国際出願のうち、出願日が適用される期間内に該当し (IP 11.090 項を参照)、その効果が承継国に拡張されるものについての情報は、国際事務局が公示 (PCT 公報) で公表する。
    IP 11.092.拡張の効果とは何か。
    規則32.2
    承継国は、国際出願日に国際出願において指定されているものとみなされる。その国に関して第 22 条若しくは第 39 条(1)に基づき適用される期間は、規則 32.1 (c)に基づく情報が公表された日から少なくとも 6 か月間延長される (IP 11.091 項を参照)。承継国は、この項の前文で述べた期間よりも遅く満了する期間を定めることができ、その場合、国際事務局は当該情報を公示 (PCT 公報) で公表する。
    IP 11.093.
    特定の承継国 (上述を参照) に国際出願の効果を拡張するための手続は、 PCT に拘束されるのであって、欧州特許機構と拡張協定を有する国への欧州特許の拡張手続と混同してはならない (IP 5.054 項及び附属書 B (EP) を参照)。
    IP 11.094.- 11.101.[削 除]
    ライセンシング表示
    IP 11.102.出願人は自身の国際出願に含まれる発明のライセンシングに関心がある旨をどのように表示することが可能か。
    出願人は、(望ましくは) https://www.wipo.int/documents/d/pct-system/docs-en-forms-ib-editable-ed-ib382.pdf から入手可能な、様式 PCT/IB/382 「ライセンシング目的の利用可能性の表示の要請」を完成させるか、又は国際事務局宛の書簡によって要請することができる。様式又は書簡にはライセンシング条項の詳細を含むこともできる。この要請は国際事務局に直接行うべきであり、国際事務局は無料で処理する。
    IP 11.103.ライセンシング目的の利用可能性の表示はいつ要請するのか。
    ライセンシング目的の利用可能性の表示は、優先日から 30 か月の期間の満了前であればいつでも要請することができる。
    IP 11.104.複数のライセンシング表示の要請、又は要請済のものについて変更は可能か。
    出願人が複数の要請を行う場合、又は要請済のものについて変更を希望する場合には、出願人自身の最新の要請が、要請又は変更についての完全な情報を含む自己完結した書類であることが常に要求される。
    IP 11.105.ライセンシング目的の利用可能性の表示はいずれの言語で要請するのか。
    様式 PCT/IB/382 は、間もなく 10 種類の国際公開言語すべて (アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語) によって利用可能となる予定であり、国際事務局はこれらのいずれの言語によってもライセンシング目的の利用可能性の表示の書簡による要請を受理する。
    IP 11.106.ライセンシング表示はどのように利用可能となるのか。
    国際事務局によるライセンシング表示の要請の手続は、出願人がライセンス契約の締結について出願人が関心を持っている旨の表示を書誌情報に記載する。更に、ライセンシング目的の利用可能性の表示について行われた要請 (様式 PCT/IB/382 又はライセンシング表示を含む書簡) にリンクが設けられ、 PATENTSCOPE の「書類」タブにおいて利用可能となる。出願人は、きわめて早期の段階で自身の国際出願に関するライセンシング表示の公開を希望するのであれば、第 21 条(2)(b)に規定する早期国際公開の請求についても検討すべきである。
    IP 11.107.ライセンシング表示は削除できるのか。
    出願人は国際段階又は国内段階であればいつでも、 PATENTSCOPE の「 PCT 書誌情報」タブからライセンシング表示を削除するよう国際事務局に請求できる。削除後、ライセンシング表示の要請及び関連する通信は PATENTSCOPE の関連する「書類」タブから利用可能な出願記録の一部として残される。
    IP 11.108.ライセンシング表示が利用可能な国際出願をどのように検索するのか。
    ライセンシング表示は、関連する国際出願とともに公開されることに加え、 PATENTSCOPE 検索サービス https://www.wipo.int/patentscope/en/ の検索対象にもなり、自己の国際出願に含まれる発明のライセンシングに関心がある旨を表明した出願人を第三者が特定可能とする。この検索対象は構造化検索及び RSS 配信にも利用される。
    第三者情報提供
    IP 11.109.第三者情報提供制度とは何か。
    第801号(a),
    第804号(b)

    この制度によって第三者は、国際出願の請求の範囲に記載する発明の新規性の有無、進歩性の有無についての問題に関与すると信じる先行技術について、ePCT 経由で見解を述べることができる (https://pct.wipo.int/ePCT から高度な認証なしでサインイン)。このサービスに手数料は不要である。包括的なユーザガイドとして第三者情報提供のためのユーザガイド (https://www.wipo.int/documents/d/epct/docs-ja-epct_observations.pdf) を参照されたい。
    IP 11.110.情報提供はいつまでに行うのか。
    第802号(a)(ii),
    第804号(b)

    第三者情報提供は、国際出願の公開日後であって優先日から 28 か月の経過前であれば、出願が取下げ又は取下げ擬制とされていない限りいつでも提出できる。
    IP 11.111.第三者はどのように情報提供を行うのか。
    第802号(a)(i)
    情報はすべて高度な認証なしでサインインしたePCT 経由で、直接又は公開された国際出願の書誌情報タブのリンク経由で提出しなければならない。このシステムの利用には WIPO アカウント (https://www3.wipo.int/authpage/signin.xhtml 参照) が必要となる。情報提供には国際出願日前に公表された文献又は国際出願日前を優先日とする特許文献の引用を少なくとも 1 件、併せて各文献が、請求の範囲に記載する発明の新規性・進歩性の問題にどのように関与するものとみなされるのかに関する簡単な説明を含まなければならない。情報提供には各引用文献の写しを添付することが望ましい。
    IP 11.112.第三者は匿名を維持できるのか。
    第801号(b)(i)
    維持できる。第三者情報提供時に、情報提供者は自身が匿名である状態を維持するよう希望する旨を表示できる。
    IP 11.113.情報提供はいずれの言語によって行うのか。
    第802号(a)(iii),
    第804号(b)

    情報提供は公開の言語によって行うべきであるが (IP 5.013 項を参照)、先行技術文献の写しはいかなる言語でも提出できる。
    IP 11.114.出願人は第三者情報提供に対してコメントできるのか。
    第804号(b)
    出願人は最初に公表された情報について通知を受け、その後の情報はすべて優先日から 28 か月経過後すみやかに通知される。出願人は優先日から 30 か月以内に第三者情報提供に対してコメントすることができる。このコメントはePCT (高度な認証ありでサインイン) 経由で、又は国際事務局に書簡を送付することによって提出しなければならない。出願人のコメントは英語、フランス語又は国際出願の公開言語によって提出すべきである。コメントは PATENTSCOPE から公衆の閲覧が可能である。
    IP 11.115.第三者情報提供に関してどのような制限が存在するのか。
    第801号(b)(iii),
    第801号(b)(iv)

    第三者は各国際出願について 1 回の情報提供が可能であり、提供後は撤回又は変更が認められない。また各国際出願について情報提供は 10 件の上限がある。
    IP 11.116.情報はどのように処理されるのか。
    第802号(b),
    第803号(a),
    第804号(a)

    国際事務局は各情報を審理して、新規性・進歩性の問題に関するものであるのか判断する。国際事務局はその後 PATENTSCOPE で公衆の閲覧を可能とする。なお閲覧可能となるのは情報だけであり、アップロードされた文献は閲覧できないので留意されたい。アップロードされた文献は出願人、管轄国際機関及び指定官庁だけが閲覧できる。提供された情報を国際事務局が拒絶する場合には第三者に通知して理由を示す。
    IP 11.117.第三者情報提供は国際機関及び指定官庁で参酌されるのか。
    第805号
    国際事務局が国際調査報告、補充国際調報告、又は特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) を受領していなければ、提供された情報は国際段階の出願処理に関与しているそれぞれの管轄国際調査機関・管轄国際予備審査機関に送付される。先行技術の写しが含まれていること、又は含まれていなければ審査官が即時に利用可能となることを条件として、各機関が適時に自身の報告書を作成するために情報を参酌できる範囲内で、提供された情報で引用する先行技術を考慮すべきである。情報は優先日から 30 か月経過後すみやかに指定官庁にも送付される。ただし指定官庁は国内段階において情報を参酌する義務を負わない。
    Current version applicable from 2025年9月4日 , printed on 2026年4月13日