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WIPO - PCT Applicant's Guide 国内段階の概要

    目次

    概要
    国内段階の早期開始の請求
    概要
    国内手数料
    国際出願の翻訳文
    国際出願の写し
    特定の種類の保護の選択
    発明者の表示
    国内様式の使用
    概要
    発明者の宣誓書、譲渡証等
    代理
    優先権書類の写し及びその翻訳文
    特許性の実体的な条件
    翻訳文の補充
    優先権の回復
    欠落又は正しい要素若しくは部分の引用による補充
    国内段階のための国際出願の補正
    国際段階における決定の国内段階における検査
    期間遵守の遅滞の許容
    受理官庁又は国際事務局による誤りの訂正
    国内段階における手続
    指定官庁に対する通信及び手数料の支払
    生物材料の寄託
    ヌクレオチド・アミノ酸の配列表の提出
    早期審査請求

    第 1 章 PCT 出願人の手引国内段階の利用方法

    NP 1.001
    PCT 出願人の手引 (「手引」) の本部分には、 PCT 手続のうち「国内段階」、すなわち指定官庁 (又は選択官庁) に対する手続についての情報が掲載されている。 PCT 手続のうちの「国際段階」の情報については、 PCT 出願人の手引の「国際段階」を参照いただきたい。
    NP 1.002
    本部分は 2 部構成である。最初に本編は、国内段階移行時に出願人が何をしなければならないかについて詳細に説明されている。
    NP 1.003
    本編の後に各指定官庁又は選択官庁に関する「国内編」がある。各国内編は次のような構成である。
    (i) 概要及び国内段階移行の要件 - 概要を後述する、国内段階移行に関して充足しなければならない各指定 (又は選択) 官庁の具体的な要件のリストを掲載している (日本語版は「タイトル頁 - 目次及び略語のリスト」及び「概要 - 本編で概要を述べた国内段階移行時に充足しなければならない各指定官庁 (又は選択官庁) の要件のリスト」で構成) 。
    (ii) 国内段階の手続 - 国内段階の開始後における当該官庁に対する主な手続の概要、概要に掲載されている特別の要件についての更に詳細な説明、並びに国内段階移行時又は国内段階の間に出願人が支払わなければならない手数料、及び出願人が使用することができる又は使用しなければならない国内様式を掲載している。
    (iii) 附属書 - 国内編に掲載されている手数料表、当該官庁に対する手数料の支払方法に関する説明、及び国内段階において出願人が使用する様式の見本若しくは記載例を掲載している (この附属書の様式のコピーは、関係官庁で認められている) 。
    NP 1.004
    この手引の本文中、「第…条」は PCT を、「規則…」は PCT 規則を、そして「第…号」は実施細則を意味する。国内編の本文中で使用されたこれらの表現は、 PCT に関するものと国内法令に関するもののいずれかを示す表示に従って解される。「…項」は別段の表示がある場合を除き、 PCT 出願人の手引国内段階本編の本文の引用である。
    NP 1.005
    指定国 (又は選択国) である PCT 締約国の管轄官庁は通常、関係国の国内官庁である。 ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約又は欧州特許条約の締約国については、国内官庁又は関係する広域官庁 (それぞれ、 ARIPO 、ユーラシア特許庁又は欧州特許庁) に対して、指定の種類 (国内保護又は広域特許) に応じて国内段階手続が行われる。(広域特許制度に関しては、国際段階 IP 4.022 項から IP 4.026 項を参照)。 ARIPO ハラレ議定書又は欧州特許条約の締約国であって、国内ルートが閉鎖されている国に対して、国内段階の手続は、もっぱら ARIPO 、又は欧州特許庁のそれぞれに対して行われる (本編 IP 2.002 項を参照)。 PCT 締約国の国内法令が、欧州特許の拡張を通じて特許保護を与える場合、国内段階の手続は欧州特許庁に対して行われる (国際段階 IP 5.054 項を参照)。 OAPI 協定の締約国すべてに対して、国内段階の手続はもっぱら OAPI 官庁に対して行われる (国際段階 IP 4.022 項から IP 4.026 項及び本編の IP 2.002 項を参照)。附属書 B は各締約国に関する管轄指定官庁についての情報を含んでいる。
    NP 1.006
    指定官庁 (及び選択官庁) としての官庁 (国内官庁又は広域官庁) に関する各章は、当該官庁によって承認されている。しかし、当然、各章で想定されるすべての問題を扱うことはできない。更に、運用及び規則は変わる可能性があるので、いかなる場合にも信頼できるものは、法律及び規則である。できる限り早くこの手引の訂正、補充又は更新を行うが、出願人は各国の弁理士又は特許代理人を利用することをお勧めする。各国の弁理士又は特許代理人は、いかなる書物によっても代えることのできない専門知識及び経験を有している。

    第 2 章 国内段階への移行 (概要)

    NP 2.001.国内段階とは何か。
    第 11条(3),
    第23条,
    第40条

    国内段階は PCT 手続の 2 つの主な段階のうちの第 2 のものである。国内段階は国際段階に続くものであり、国際出願において指定された締約国の官庁又は締約国のために行動する官庁における当該国際出願の処理である (国際段階を参照)。国際出願は各指定国において国際出願日から国内出願 (又は広域出願) としての効果を有し、その発明の保護の付与の決定は、各指定国の国内官庁又はその指定国のために行動する官庁 (「指定官庁」) の職務である。一般的に指定官庁による国際出願の処理である国内段階は、 NP 3.001 項及び NP 3.002 項に述べる期間が満了する国際段階の終了まで繰り延べられる。
    NP 2.002.どのような場合に指定官庁となるのか。
    第 2条(xiii),
    第4条

    締約国の国内官庁は、国際出願で国内保護を指定した場合に指定官庁となる。願書の提出は、国際出願日に条約に拘束されているすべての締約国の指定を構成する。ただし、規則 4.9 (b)が自国に適用される旨を国際事務局に通告した国については、この包括的指定から除外することができる (国際段階の IP 5.053 項を参照)。 PCT 締約国が、 ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約又は欧州特許条約の締約国であり、更に当該国が広域特許 (ARIPO 特許、ユーラシア特許又は欧州特許) に関して指定されている場合、当該広域官庁 (ARIPO 、ユーラシア特許庁又は欧州特許庁) が指定官庁となる。 ARIPO ハラレ議定書、ユーラシア特許条約又は欧州特許条約の締約国が 2 回指定されている場合、すなわち国内特許保護と広域特許保護とに対して指定されている場合、当該国に関しては 2 つの指定官庁 (当該国の国内官庁及び関係する広域特許) が存在することになる。しかしながら、 ARIPO ハラレ議定書又は欧州特許条約のいずれかの締約国が、その国内ルートが閉鎖されていて、当該国における特許の保護が、国際出願を介して、広域特許 (ARIPO 特許又は欧州特許) の方法を通じてのみ得られる場合で、このように国内ルートが閉鎖されている国のいずれかが指定された場合、関連する指定官庁は、常に当該指定に応じて ARIPO 又は欧州特許庁のいずれかとなる (国際段階の IP 4.022 項から IP 4.026 項を参照)。特許保護を欧州特許の拡張を通じて指定国に対して求める場合、事実上、欧州特許庁は指定官庁になる。ただし、類似の取り決めを欧州特許機構と行っている国に対してのみ利用可能である (附属書 B (EP) 及び欧州特許庁に関する国内編 (概要) を参照)。 OAPI 協定の締約国が指定された場合には、当該協定の規定に従って、常に OAPI が指定官庁となる。(国際段階の IP 4.022 項から IP 4.026 項を参照)。それぞれの締約国における管轄指定官庁は附属書 B に示されている。
    NP 2.003
    第24条(1)(i),
    第24条(ii),
    規則90の2.2

    国内段階移行期間の満了前に出願人が自発的に指定を取り下げた場合、指定が取り下げられた指定国の国内官庁又はその指定国のために行動する国内官庁は、指定官庁でなくなる。
    NP 2.004.どのような場合に選択官庁となるのか。
    第 2条(xiv),
    第31条

    国際予備審査の請求書が提出された場合には、出願人が国際予備審査の結果を利用する意思を有する国の国内官庁又はその国のために行動する国内官庁をいうとき、「指定官庁」に代えて「選択官庁」という用語を使用する。指定国のみを選択することができるので、すべての選択官庁は必ず指定官庁でもある。
    NP 2.005
    第37条,
    規則90の2.4

    国際予備審査の請求が国内段階における審査若しくは処理の開始の日以前に取り下げられた場合、又は出願人が予備審査手数料若しくは取扱手数料を支払わなかったため、その国際予備審査の請求がされなかったものとみなされた場合、その国際予備審査の請求において選択された国の国内官庁若しくはその国のために行動する国内官庁は、選択官庁でなくなる。
    NP 2.006.国内段階はどのように開始されるのか。
    第22条(1),
    第23条,
    第39条(1)(a),
    第40条

    国内段階は出願人が所定の期間の満了前又は早期開始の明示の請求とともに、所定の手続をした場合にのみ開始される。出願人は、その手続を求める通知を受けることを期待してはならない。期間内にその手続を遂行する責任を負うのは出願人自身である。大部分の指定国において、その手続をしないことはその出願にとって致命的である (NP 4.003 項及び NP 4.004 項を参照)。その手続はいずれかの理由により国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解、又は、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章又は第 II 章) をまだ入手することができない場合であっても、所定の期間内に行わなければならないことに注意すべきである。その手続及び所定の期間の詳細については、以下の項で述べる。

    第 3 章 国内段階へ移行する期間

    概要
    NP 3.001.指定官庁に対して国内段階へ移行する期間はいつか。
    第 2条(xi),
    第22条

    後述することに従い、優先日から 30 か月が経過するまで通常、いずれの指定官庁も国際出願の処理又は審査をすることができず、指定官庁に対する手数料の支払及び指定官庁に対する国際出願の翻訳文の提出をそれぞれ、当該 30 か月の満了までに遵守すればよい (「優先日」とは、国際出願が優先権主張を含んでいる場合には優先権を主張している出願の出願日を意味し、当該主張を含んでいない場合には国際出願の出願日を意味する;国際出願が複数の優先権の主張を含んでいる場合、「優先日」とは優先権を主張している最先の出願の出願日を意味する)。ただし一部の指定官庁に関しては、 30 か月の期間ではなく、これまでの 20 か月の期間が適用されている。これは、現段階で関連する国内法令と改正された PCT の規定 (第 22 条(1)) との間の整合性が持たれていないために、このような官庁では、整合性を持たない旨の宣言を行っているからである。この宣言は、それぞれの官庁が取り下げるまで有効である。更に一部の官庁では、事情に応じて、 30 か月又は 20 か月よりも遅く満了する期間を定めている。各官庁で適用される期間の定期的な改正については、関係する国内編を参照されたい。また、https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/time_limits の WIPO ウェブサイトでも、一覧表を利用することができる。
    NP 3.002.選択官庁に対して国内段階へ移行する期間はいつか。
    第 2条(xi),
    第39条(1),
    第64条(2),
    規則54の2

    移行期間は通常、優先日から 30 か月であり、これは選択されなかった指定官庁に対する国内段階移行期間と同じである (NP 3.001 項を参照)。 20 か月の移行期間を適用する指定官庁に関して (NP 3.001 項を参照)、出願人が優先日から 19 か月以内に国際予備審査を請求した場合、移行期間は優先日から 30 か月となる。各選択官庁が適用する国内法令では優先日から 30 か月よりも遅く満了する移行期間を定めることができる。国内編 (概要) には、遅く満了する期間を定める各選択官庁における移行期間の長さが掲載されている。これは NP 3.001 項に示す一覧表と同じものである。一部の官庁では、出願人が第 I 章 (第 22 条) 又は第 II 章 (第 39 条(1)) のいずれに基づき国内段階に移行したのかによって異なる移行期間を適用しているので留意されたい (詳細については NP 3.001 項で述べた一覧表を参照)。この場合に出願人は、国内段階に適時に移行するために、優先日から 30 か月以内に選択官庁に対して国内段階に移行することが推奨される。
    NP 3.003.国内段階へ移行するための注意書を指定官庁が出願人へ送付するか。国際調査報告又は国際予備審査報告が遅延した場合にどういう事が発生するのか。
    指定官庁は通常、国内段階へ移行するための期間が満了しようとしている (又は満了した) 旨の注意書を出願人へ送付することはない。したがって、出願が指定官庁に対する効果を喪失しないように、その適用される期限を監視することは出願人自身の責任となる。たとえ、出願人が今後の手続について決定をしなければならない時期までに、国際調査報告及び国際調査機関の書面による見解、又は、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章又は第 II 章) が作成されていなくとも、出願人は、国内段階へ移行するために必要とされる行為には適宜対処する責任がある (国際段階の IP 7.023 項、 IP 7.027 項、 IP 7.031 項及び IP 10.074 項を参照)。
    国内段階の早期開始の請求
    NP 3.004.国内段階へ移行する期間の満了前に国内段階を開始することができるのか。
    第23条,
    第40条

    PCT 第 23 条及び第 40 条は、出願人が国際出願の処理又は審査の早期開始について関係国内官庁に対し明示の請求をした場合を除き、国内処理を NP 3.001 項及び NP 3.002 項で述べた期間の満了前に開始することができないと規定している。ただし、この請求は出願人が次の各項で述べる所定の手続をしない限り効力を持たない。出願人は NP 4.028 項の情報に注意されたい。

    第 4 章 国内段階へ移行するためにすべき手続

    概要
    NP 4.001.国内段階の開始前に出願人は何をしなければならないか。
    第22条(1)
    (該当すれば) 次の手続をしなければならない。
    (i) 国内手数料の支払 (NP 4.005 項から NP 4.007 項を参照)。
    (ii) 規定されている場合には翻訳文の提出 (NP 4.008 項から NP 4.026 項を参照)。
    (iii) 例外的な場合 (第 20 条の規定に基づき国際出願の写しが指定官庁に送達されていない場合) には、国際出願の写しの提出。ただし、指定官庁が要求していない場合を除く (NP 4.027 項及び NP 4.028 項を参照)。
    (iv) 例外的な場合 (国際出願をする時に発明者の氏名及びあて名を願書に表示していないが指定官庁が国内出願時よりも遅い時点でそれらを表示することを認めている場合) には、発明者の氏名及びあて名の表示の届出 (NP 4.030 項及び NP 4.031 項を参照)。
    NP 4.002
    第27条(1),
    第27条(2),
    第27条(6),
    第27条(7),
    規則51の2

      NP 4.001 項で述べた手続の他に国内段階において国際出願に関してしなければならない手続がある。これらの手続は下記及び各指定官庁に関する国内編で述べられているが、国内段階に入る期間内にする必要はない。
    NP 4.003.国内段階へ移行するために必要な手続をしなかった場合にどうなるのか。
    第24条(1)(iii),
    第39条(2)

     国内段階へ移行する期間の満了時に必要な手続 (のすべて) をしなかった場合、国際出願は、国内出願としての効果を失い、手続 (のすべて) をしなかったその官庁については終了する。 1 つの官庁について必要な手続の不履行は他の官庁に対する国際出願の効果に影響しない。出願人が国際出願を国内段階において続行しないと決定した場合には、この効果の自動的喪失により国際出願又はある国の指定若しくは選択の出願人による明示の取下げの負担が軽減される。
    NP 4.004
    第48条(2)(a),
    規則49.6,
    規則82の2

     出願人が所定の期間内に所定の手続をしなかった場合、出願人は指定官庁に対して国際出願の効果の維持及びその遅滞の許容を請求することができる (NP 6.022 項から NP 6.027 項を参照)。
    国内手数料
    NP 4.005.国内段階へ移行するためにどのような手数料をいつ支払わなければならないのか。
    第22条(1),
    第39条(1)(a),
    規則49.1(a)(ii),
    規則76.5

     国内段階へ移行するために支払う手数料については、各国内編 (概要及び附属書) に掲載されている。各手数料は国内編に表示されている通貨及び期間内に支払わなければならない。年金又は更新手数料を国内段階の開始時までに支払わなければならない場合には、年金又は更新手数料を国内段階へ移行する所定の期間の満了までに支払わなければならない。国内編には、この点に関する必要な情報が掲載されている。
    NP 4.006.どのように国内手数料を支払うのか。
    各国内編の附属書に情報が掲載されている。
    NP 4.007.出願人は国内手数料の免除、減額又は払戻しを請求する権利を有するのか。
     国内手数料の免除、減額又は払戻しは多くの指定官庁で認められている。各国内編 (概要) には、手数料の免除、減額又は払戻しの請求ができるのか否か、及び、その場合の条件及び金額に関する情報が掲載されている。
    国際出願の翻訳文
    NP 4.008.どのような場合に国際出願の翻訳文を提出しなければならないのか。
    第22条(1),
    第39条(1)(a),
    規則49.1(a)(i),
    規則76.5

     出願又は公開の言語が指定官庁で認められる言語でない場合には、国際出願の翻訳文を提出しなければならない。
    NP 4.009.国際出願をどの言語に翻訳しなければならないのか。
    規則49.1(a)(i),
    規則76.5

     指定官庁の定めた言語は各官庁に関する国内編 (概要) に掲載されている。複数の言語が掲載されている場合、出願人は出願人にとって最も適切な言語を選択することができる。国際出願の翻訳文の言語は、通常、指定官庁に対するすべての手続の言語でもあることに注意すべきである。
    NP 4.010.翻訳文の内容は何か。
    規則49.5(a),
    規則49.5(k)

    翻訳文には、出願時若しくは補正後又はその両方 (NP 4.014 項から NP 4.017 項、 NP 4.019 項及び NP 4.020 項を参照) の、発明の名称を含む (名称を国際調査機関が作成又は補正した場合、翻訳文には同機関が作成又は補正した名称のみを含まなければならない) 発明の詳細な説明、請求の範囲 (NP 4.014 項を参照) 及び図面の文言事項 (NP 4.022 項を参照) を含まなければならない。受理官庁が引用によって補充された頁を認めている場合には (国際段階 NP 6.027 項から NP 6.031 項を参照)、その頁を翻訳文に含まなければならない。各国内編 (概要) には、関連する指定官庁で要求する翻訳文の内容が記載されている。要約及び願書の翻訳文については、以下の項を参照。
    NP 4.011.要約の翻訳文は必要か。
    規則49.5(a)
     通常、要約は翻訳しなければならないが (要約を国際調査機関が補正又は作成した場合、翻訳文には同機関が作成又は補正した要約のみを含まなければならない)、一部の官庁は国内段階において翻訳文を要求しない。要約の翻訳を必要とする各官庁に関する国内編 (概要) には、その旨の表示が掲載されている。
    NP 4.012.願書の翻訳文は必要か。
    規則49.5(a)(i)
     指定官庁は願書の翻訳文を要求する権限を有するが、ほとんどの指定官庁は願書の翻訳文を要求しない。願書の翻訳文を必要とする各国内官庁に関する国内編 (概要) には、その旨の表示が掲載されている。
    NP 4.013.出願人は願書の翻訳文をどのように作成するのか。
    規則49.5(b)
    通常、願書を翻訳する方法は、国際出願の願書中の出願時の記載事項を、翻訳文の言語による願書の様式に記載することである。願書の翻訳文を要求する指定官庁はすべて、翻訳文の言語による願書の様式を出願人に無料で提供する義務がある。翻訳文の言語による願書様式の使用は任意なので、翻訳文の言語による願書の様式を入手していない出願人は、別の様式により翻訳文を提出できる。
    NP 4.013A.規則 4.17 に基づく申立ての翻訳文は要求されるのか。
    規則49.5(a)(i)
    申立ては願書様式の一部を構成しており、したがって指定官庁が願書の翻訳文を出願人に要求する場合に限り、申立ての翻訳文を提出しなければならない (NP 4.012 項及び NP 4.013 項を参照)。
    NP 4.014.請求の範囲を第 19 条の規定に基づき補正した場合、どちらの請求の範囲を翻訳しなければならないのか。
    規則49.5(a)(ii)
     指定官庁は、出願時における請求の範囲及び第 19 条の規定に基づく補正後の請求の範囲の両方の翻訳文を要求する権限を有する。各国内編 (概要) には、適用される要求についての情報が掲載されている。国際出願が国際予備審査の対象となった場合の第 19 条の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文については、 NP 4.019 項を参照。
    NP 4.015
    規則49.5(cの2)
     指定官庁が出願時における請求の範囲及び第 19 条の規定に基づく補正後の請求の範囲の両方の翻訳文を要求しているが、出願人が要求されている 2 つの翻訳文の 1 つのみを提出した場合、指定官庁は、提出されなかった翻訳文にかかる請求の範囲を無視するか、又は出願人に対し提出されなかった翻訳文を、事情に応じて相当の期間内に提出するよう出願人に求めるかのいずれかを行う。この求めを発出したが、提出されなかった翻訳文が期間内に提出されなかった場合、指定官庁は提出されなかった翻訳文にかかる請求の範囲を無視するか、又はその国際出願を取り下げられたものとみなすか、いずれかをすることができる。
    NP 4.016
    規則49.5(l)
      NP 4.015 項で概要を述べた手続は、すべての指定官庁に適用されない。出願時における請求の範囲及び第 19 条の規定に基づく補正後の請求の範囲の両方の翻訳文を要求する各指定官庁に関する国内編 (概要) には、両方の翻訳文が提出されなかった場合に求めを行うのか否か、及び提出されなかった翻訳文がこの求めに対しても提出されない場合の帰結について掲載されている。
    NP 4.017.第 19 条の規定に基づく請求の範囲の補正の説明書は翻訳しなければならないのか。
    規則49.5(c)
    この説明書は指定官庁が要求する場合 (国内編 (概要) を参照) に限り翻訳しなければならない。説明書の翻訳文の不提出は国際出願自体に何の影響もなく、翻訳文の不提出があっても、指定官庁はその説明書を無視するだけである。
    NP 4.018.寄託された生物材料への言及は翻訳しなければならないのか。
    規則49.5(h)
    寄託された生物材料への言及が明細書中に含まれている場合、寄託された生物材料への言及の翻訳文は明細書の翻訳文の一部である。寄託された生物材料への言及が明細書中に含まれていないが、任意の用紙 (国際段階の IP 11.075 項を参照) 又は後の文書によって提出されている場合、寄託された生物材料への言及の翻訳文は国際出願の翻訳文とともに提出しなければならない。出願人が寄託された生物材料への言及の翻訳文を提出しなかった場合、指定官庁が必要であると認めたときは、出願人に対し翻訳文を提出するよう求める。
    NP 4.018A.国際段階で行った優先権回復請求に添付した書類又は証拠は翻訳しなければならないのか。
     受理官庁が行った優先権回復の決定を規則 49 の 3.1 (d)に基づき指定官庁が検査する場合、その指定官庁は、受理官庁に提出した宣言又はその他の証拠の翻訳文を作成するよう出願人に要求することができる。
    NP 4.019.国際出願が国際予備審査の対象となった場合に何を翻訳しなければならないのか。
    第36条(2)(b),
    規則70.16,
    規則74.1,
    規則76.5

     国際予備審査機関に提出され、特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) の作成のために使用された、明細書、請求の範囲及び図面の第 34 条の規定に基づく補正書は、当該報告に添付される。同様に、第 19 条の規定に基づく補正書及び規則 91.1 (b)(iii)の規定に基づき許可された明白な誤記の訂正を含む差替え用紙も、それが考慮された場合には、当該報告に添付される (したがって、このような補正書は、それが後の補正によって置き換えられた場合、又は第 34 条に基づく補正によって取り消されたものとみなされた場合には、通常であれば当該報告に添付されない;しかし例外的に、国際予備審査機関が、置き換えられた又は取り消された補正が出願時の国際出願の開示内容を超えているものとみなした場合には、最後に行われた置換え又は取消し補正によって置き換えられた又は取り消された差替え用紙が当該報告に添付され、この報告には、規則 70.2 (c)で規定する、その旨の表示が含まれる)。当該報告に添付された補正書の翻訳文は、第 39 条(1)で規定する期間内に、国際出願の翻訳文とともに提出しなければならない。
    NP 4.020
    規則70.16,
    規則76.5(iv)

     特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) に添付されなかった第 19 条の規定に基づく補正書があった場合、この補正書の翻訳文はほとんどの選択官庁に提出する必要はない。しかし、一部の選択官庁は第 19 条の規定に基づく補正書が特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) に添付されなかったとしても、その補正書の翻訳文を要求する。詳細については国内編 (概要) を参照。
    NP 4.021.翻訳文は図面を含まなければならないのか。
    規則49.5(a)(iii),
    規則49.5(e),
    規則76.5

     出願人は、国際出願の翻訳文とともに図面の原本を指定官庁に提出するよう要求されない。官庁は図面の写しの提出を要求できるだけであるが、実際に要求する官庁はほとんどない。各指定官庁に関する国内編 (概要) には、この情報が掲載されている。図面の写しが国内段階移行期間内に提出されない場合、国際出願は国際出願の効果を失うことはないが、指定官庁は、出願人に対し提出していない図面の写しを提出するように求める。
    NP 4.022.図面の文言事項の翻訳文はどのように提出しなければならないのか。
    規則49.5(d),
    規則49(f),
    規則76.5

    図面、表などに文言事項が記載されている場合、その文言事項は翻訳しなければならない。翻訳した文言事項の実際の提出に使用できる 2 つの方法がある。第 1 の方法は翻訳した文言事項を含む図面、表などの新たな用紙を提出する方法である。第 2 の方法は当初の文言の上にその翻訳文を貼り付けた当初の図面の写しを提する方法である。しかし、第 2 の方法は写しが良質であり、指定官庁による複製に適合することを要する。そうでない場合、指定官庁は出願人に対しその欠陥の補充を求める。図面中にしばしば用いられる「 Fig.」という表現は、いかなる言語への翻訳も要しない。図面の文言事項の翻訳文を国内段階移行期間内に提出しなかった場合、国際出願は国内出願の効果を失う可能性がある。
    NP 4.023.翻訳文の様式上の要件とは何か。
    規則49.5(j),
    規則76.5

    国際出願の翻訳文及び図面の写しは指定官庁の定める様式上の要件を満たさなければならない。しかし、指定官庁は国際出願の翻訳文が出願時における国際出願手続に関する PCT 及びその規則に定める様式上の要件と異なる要件を要求する権利、そして要件を追加する権利を有していない。したがって、指定官庁に提出された書類が国際出願に関する様式上の要件を満たす場合、指定官庁はその書類を受理しなければならない。これらの様式上の要件の詳細については、国際段階の IP 5.177 項、 IP 6.032 項及び IP 6.051 項を参照。
    NP 4.024.翻訳文を何通提出しなければならないのか。
    規則51の2.1(c),
    規則76.5

    原則として、国内段階へ移行するための翻訳文は 1 通で十分である。しかし、 2 通又は 3 通以上の翻訳文を要求する指定官庁がいくつかある。このような場合については、国内編 (概要) に掲載されている。 1 通又は 2 通以上の翻訳文が欠落している場合、指定官庁は、その翻訳文を提出する機会を国内段階が開始したときに出願人に与える。
    NP 4.025.翻訳文は証明されなければならないのか。
    規則51の2.1(d)(ii),
    規則76.5

    国内段階へ移行するために提出する翻訳文は公の当局又は宣誓した翻訳者により証明 (certified) される必要はない。しかし指定官庁は、後で翻訳文の正確性について疑問を持った場合、出願人に対し当該翻訳文の証明書を提出するよう求めることができる。
    NP 4.026.翻訳文は確認されなければならないのか。
    規則51の2.1(d)(i),
    規則76.5

    翻訳文の確認 (verification) とは、翻訳文が出願人又は署名者の知識の及ぶ限りにおいて完全かつ正確である旨の出願人又は翻訳者が署名した陳述が添付されていることをいう。翻訳文の確認を要求する指定官庁はわずかである。当該出願官庁に関する国内編 (概要) には、その旨の表示が掲載され、(様式を含む) 詳細が掲載されている。
    国際出願の写し
    NP 4.027.国内段階へ移行するために出願人は国際出願の写しを指定官庁へ提出しなければならないのか。
    第22条(1),
    第39条(1)(a),
    規則47.1(a),
    規則49.1(aの2),
    規則49.1(aの3),
    規則76.5,
    規則93の2.1

    通常、指定官庁は出願人が国際出願の写しを提出するよう要求しない。第 20 条に基づき国際事務局が国際出願の写しを送達していない又はすることができなかった場合、この写しを要求する指定官庁はきわめて少数である (詳細については、国内編 (概要) を参照)。規則 93 の 2.1 に基づき国際事務局が送達を行うのは、国際出願の国際公開以降である。出願人には、様式 PCT/IB/308 ((第 22 条(1)に基づく 30 か月の期間を適用していない指定官庁に対する) 国際出願の送達について出願人に行う最初の通知)、及び様式 PCT/IB/308 ((第 22 条(1)に基づく 30 か月の期間を適用している指定官庁に対する) 国際出願の送達について出願人に行う 2 回目の追加的通知) によって、その旨が通知される。出願人がこれらの様式を受領した場合には、すべての指定官庁が、その通知で特定された日付において送達が正規に行われた旨を確実に証明するものと認めているので、出願人は指定官庁に国際出願の写しを送付しなくてもよい。
    NP 4.028
    第 13条(2)(b),
    第22条(1),
    第23条(2),
    第39条(1)(a),
    第40条(2),
    規則47.4

     他方、出願人は、国際出願の写しの送達前に国際出願の早期の処理の明示の請求をした場合 (NP 2.006 項及び NP 3.004 項を参照)、指定官庁に対する早期の処理の明示の請求と同時に国際出願の写し及び第 19 条の規定に基づき国際事務局に提出した補正書の写しを提出するか、又は第 13 条(2)(b)の規定に従い国際出願の写しを指定官庁へ送付するよう国際事務所に要請するか、いずれかを行う必要がある。また当然であるが、国内段階へ移行するために必要なその他の手続も遂行しなければならない。
    特定の種類の保護の選択
    NP 4.029
    規則49の2.1,
    規則76.5

     願書の提出は、第 43 条又は第 44 条が適用される各指定官庁に関して、その国を指定することによって取得可能なすべての種類の保護の許可が、国際出願によって求められている旨の表示を構成する。この結果、ある指定官庁において、国際出願を特許の付与のための出願ではなく、その指定官庁で取得可能な他の種類の保護の付与のための出願、又は複数の種類の保護の付与のための出願として取り扱うよう出願人が希望する場合、出願人は、国内段階へ移行するための行為をする時点で、自分が選択した保護の種類を当該指定官庁に対して表示しなければならない。出願人は、ある指定官庁において、国際出願を、追加特許、追加証、追加発明者証、追加実用証などの出願、又は継続出願若しくは一部継続出願として取り扱われることを希望する場合にも同様に、そして同じ期間内に、この表示をしなければならない。第 22 条又は第 39 条で規定する行為をする時点でこの表示をするよう出願人に要求する指定官庁も一部には存在するが、この表示、又は該当すれば、ある種類の保護から他の種類の保護への変更の表示については、国内法令で規定する、更に遅い期間内に行うことを認めている指定官庁が多い。
    発明者の表示
    NP 4.030.国内段階へ移行するためにどのような場合に発明者の氏名及びあて名を表示しなければならないのか。
    第22条(1)
    発明者の氏名又はあて名が国際出願時に願書に表示されていない場合には、国内段階へ移行する時点で指定官庁にその情報を届け出なければならない。その情報の表示が要求され国内段階移行時にそれらの事項を届出なかった場合、ほとんどの指定官庁は、出願人に対しその情報を届け出るよう求めるが、一部の指定官庁は求めない。詳細については国内編 (概要) に掲載されている。
    NP 4.031
    第27条(2)(ii),
    規則51の2.1(a),
    規則76.5

    発明者の氏名及びあて名の表示は、発明者又は発明等に関するその他の宣言と区別しなければならない。後者は国際段階に移行した後に満たすことができる「特別の要件」とみなされる (NP 5.001 項から NP 5.005 項を参照)。
    国内様式の使用
    NP 4.032.国内段階へ移行するために国内様式の使用が義務付けられているのか。
    規則49.4,
    規則76.5

    出願人は国内段階移行の所定の手続をするために国内様式を使用する必要はない。しかし、一部の指定官庁は出願人が使用できるように国内様式を用意しており、その使用を勧めている。国内編には、国内様式に関する情報が掲載され、国内編の附属書には、それらの様式の見本が掲載されている。

     第 5 章 国内段階に関連して満たさなければならない特別の要件

    概要
    NP 5.001.「国内官庁の特別の要件」とは何か。その要件をいつ満たさなければならないのか。
    第27条(1),
    第27条(2),
    第27条(6),
    第27条(7),
    規則51の2,
    規則76.5

    指定官庁は国内段階へ移行する期間の満了前に、第 22 条(1)に規定する手続、すなわち、国内手数料の支払、翻訳文の提出 (適用される場合)、例外的な場合には、国際出願の写しの提出、並びに発明者の氏名及びあて名の表示 (NP 4.001 項を参照) 以外の手続を要求することは許されない。第 27 条の認める範囲の国内法令のすべての他の要件は本書に「国内官庁の特別の要件」として掲載されている。国内段階に移行した後に国内官庁の特別の要件を満たすことができる。規則 51 の 2 は、特に共通な要件及び国内段階が開始された後に国内官庁の特別の要件を満たす機会を出願人に与えなければならないことを規定している。通常、この機会は求めで指定した期間内にこの特別の要件を満たすことの求めを送付するか、又は求めでなく、出願人がこの特別の要件を満たさなければならないための所定の期間を国内法令で規定することにより与えられる。
    NP 5.002
    国内編 (概要) には、各指定官庁について (国内段階の開始のために満たさなければならない特別の要件がある場合) 国内段階の開始のために満たさなければならない特別の要件、及び関係する指定官庁が出願人に対し特別の要件を満たすよう求めるのか否か、求めが行われない場合には、その要件を満たすべき期間が掲載されている。国内編 (概要) に掲載されているすべての特別の要件は国内段階の開始のための手続時に満たしておくことが、強く推奨される。なぜならば、こうすることが経済的であり、後で特別の要件を満たすことを忘れる危険を避けることができるからである。特別の要件のうち特に共通な事項については、次項以下に概略が説明されている。詳細については、各国内編 (概要) に掲載されている。
    発明者の宣誓書、譲渡証等
    NP 5.003.発明者であること、出願に係る権利等を証明するために、何をしなければならないのか。
    規則51の2.1(a),
    規則51の2.2,
    規則51の2.3,
    規則76.5

    一部の指定官庁では国内法令及び運用によって出願人に次を提出するよう要求している。
    (i) 発明者の特定に関する書類
    (ii) 出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する書類
    (iii) 出願人が先の出願をした出願人でない場合又は先の出願がされた日以後出願人の氏名が変更されている場合には、先の出願に基づく優先権を主張する出願人の資格に関する証明を含む書類
    (iv) 発明者であることについての宣誓又は申立てを含む書類
    (v) 特定の期間内における不当な行為に起因する開示、特定の博覧会における開示及び出願人による開示のような不利にならない開示に関する証拠又は新規性の喪失の例外に関する証拠
    ただし、上述した書類は通常、出願人が規則 4.17 に基づく申立てを提出していれば要求されない (NP 5.005 項を参照)。特定の指定官庁で何が要求されるのかに関しては国内編 (概要) に記載されている。国内編の附属書には、このために使用しなければならない又は使用することができる様式が含まれている。指定官庁が要求する書類 (規則 4.17 に基づく申立てを除く) は常に、出願人が関係する指定官庁に送付しなければならず、国際事務局に送付してはならない。国際事務局がこの書類を受領しても、自身の一件書類に保管するだけであって指定官庁には送付しない。
    NP 5.004.発明者であること、出願に係る権利等に関する要件をいつ満たさなければならないのか。
    この要件は通常、関係する要件が国内段階移行期間内 (NP 3.001 項及び NP 3.002 項を参照) に満たされていなかった場合、指定官庁が出願人に送付しなければならない求めの日から少なくとも 2 か月の期間内に満たさなければならない。ただし、一部の指定官庁は、 2 か月の期間が適用される国内法令と適合していない旨を国際事務局に通告している (該当する国内編 (概要) を参照) 。
    NP 5.005.国内段階での国際出願手続を簡素化するために、国際段階で何をすることができるのか。
    規則4.17,
    規則51の2.2

     出願人は願書様式の第Ⅷ欄に、次に示す規則 4.17 に基づく 1 件又は複数の申立てを含むことができる。
    規則4.17(i),
    規則51の2.1(a)(i)

     -第 VIII 欄(i) : 発明者の特定に関する申立て (なお、発明者の氏名及びあて名が願書の他の部分、すなわち、通常であれば第 II 欄又は第 III 欄に記載されている場合には、第 VIII 欄(i) にこの申立てをする必要はない)
    規則4.17(ii),
    規則51の2.1(a)(ii)

     -第 VIII 欄(ii) : 出願し及び特許を与えられる国際出願日における出願人の資格に関する申立て
    規則4.17(iii),
    規則51の2.1(a)(iii)

     -第 VIII 欄(iii) : 先の出願に基づく優先権を主張する国際出願日における出願人の資格に関する申立て
    規則4.17(iv),
    規則51の2.1(a)(iv)

     -第 VIII 欄(iv) : 発明者である旨の申立て (米国に関してのみ)、なお、申立てに署名しなければならない
    規則4.17(v),
    規則51の2.1(a)(v)

     -第 VIII 欄(v) : 不利にならない開示又は新規性の喪失の例外に関する申立て
     規則 4.17 (i)から(iv)までの要件を満たす申立てが願書に含まれている場合、指定官庁は (別段の通知を国際事務局にした場合を除き) 、その申立ての真実性について合理的な疑義がない限り、その申立ての対象に関する書類又は証拠を要求してはならない (NP 5.003 項を参照) 。規則 4.17 (v)に基づく不利にならない開示又は新規性の喪失の例外に関する申立ての場合、関係する指定官庁はいつでも更なる証拠書類を要求する資格がある。更なる詳細については、国際段階 のIP 5.074 項から IP 5.080 項を参照。
    代理
    NP 5.006.出願人は国内段階のための代理人によって代理されなければならないのか。
    第27条(7),
    規則51の2.1(b),
    規則76.5

    ほとんどの指定官庁は非住居者の出願人に対し、代理人による代理を要求する。その他の指定官庁は非住居者の出願人に対し、国内に送達用あて名を所有することを要求する。国内編 (概要) には、代理人の選任又は送達用あて名のいずれが要求されるのかについて掲載されている。
    NP 5.007.いつどのように代理人を選任するのか。
    第27条(7),
    規則51の2.1(b),
    規則76.5

    国内段階へ移行する手続をするために、代理人を選任することが強く推奨される。送達用あて名が要求される場合には、国内段階移行手続時に表示すべきである。代理人による代理又は送達用あて名の記載の要件は、国内段階が開始された後にのみ適用される。代理人の選任は出願人により署名された委任状によりしなければならない。委任状の見本は国内編の附属書及びウェブサイト https://www.wipo.int/en/web/pct-system/forms/pa/index に掲載されている。
    NP 5.008.誰が国内段階のための代理人として行為できるのか。
    第27条(7)
     この点については、各指定官庁に関する国内編 (概要) に掲載されている。代理人の氏名 (又は名称) 及びあて名のリストについては、国際事務局でなく指定官庁から入手することができる。
    優先権書類の写し及びその翻訳文
    NP 5.009.国内段階のために優先権書類の写しをいつ提出しなければならないのか。
    規則 17.2(a)
     国際段階において優先権書類を受理官庁又は国際事務局へ提出しなければならず、国際事務局は、それを指定官庁が利用可能な状態にする (詳細については、国際段階の IP 5.070 項を参照)。優先権書類を国際段階において期間内に受理官庁又は国際事務局へ提出した場合、指定官庁は、優先権書類の原本 (すなわち、先の出願の認証謄本) を出願人から要求することができない。しかし、指定官庁は優先権書類の写し、すなわち先の出願の写し及び出願日を証明する書面の両方の写しからなる優先権書類の原本の単なるコピーを、優先権書類の翻訳文とともに要求できる (NP 5.010 項を参照)。
    NP 5.010.国内段階のために優先権書類の翻訳文をいつ提出しなければならないのか。
    規則 17.2(a),
    規則51の2.1(e),
    規則76.4,
    規則82の3.1(b)

     指定官庁は、関係する発明の特許性の決定、並びに、規則 4.18 及び 20.6 に基づき引用によって補充されている要素又は部分が、関係する優先権書類に完全に含まれているのか否かの決定に、優先権主張の有効性が関与する場合に限り、優先権書類の翻訳文を提出するよう出願人に要求することができる。更に、明細書、請求の範囲、図面のいずれかの部分が引用によって補充されている場合、指定官庁は、所定の部分が優先権書類の翻訳文のどこに含まれているかの表示を提出するよう出願人に要求することもできる。

     第 6 章 国内段階に関するその他の事項

    特許性の実体的な条件
    NP 6.001.国内段階における特許性の実体的な条件に関する PCT の効果は何か。
    第27条(5),
    第27条(6),
    第33条(5)

    PCT は各締約国が特許性の実体的要件を定める自由を各締約国に委ねている。これは何が「先行技術」を構成するのかについて顕著である。しかし、国際段階のために PCT 及びその規則に定義されている先行技術の要件は、概ね、国内法令が定義したものと同等以上に厳しいので、国内段階以前に引用されていなかった先行技術が国内段階で提示されることで不意を衝かれる可能性は、きわめて小さい。他方、 PCT は国内法令が出願人に対し国内段階において同法令に規定した特許性の実体的要件に関する証拠の提出を要求することを妨げない。
    翻訳文の補充
    NP 6.002.出願人は国際出願の翻訳文の誤りを補充することができるのか。
     国際出願の翻訳文に誤りがある場合、国内段階において、すべての指定官庁に対しその誤りを補充することができる。
    NP 6.003.
    第46条
    しかし、国際出願の翻訳文の範囲は原語の国際出願の範囲を超えるものであってはならない。たとえば、不正確な翻訳の結果、翻訳文の言語の国際出願の範囲が原語の国際出願の範囲より狭い場合には、その範囲を広げることができるが、原語の国際出願の範囲を超えるものであってはならない。翻訳文の範囲が原語の国際出願の範囲より広い場合、指定官庁又は指定国のその他の権限のある機関は、それに応じて国際出願若しくはこの国際出願で与えられた特許の範囲を限定することができる。
    優先権の回復
    NP 6.004.受理官庁が優先権の回復を決定した場合、指定官庁における効果は何か。
    規則49の3.1
    受理官庁が「相当な注意」の基準に基づき優先権を回復した場合には、指定官庁が規則 49 の 3.1 (g)に基づき国内法令が適合していない旨の通告を行わない限り (NP 6.005 項を参照)、原則としてすべての指定官庁で当該回復が有効となる。受理官庁が「故意ではない」の基準に基づき優先権を回復した場合には、当該基準又は出願人からみて当該基準より有利な基準に基づく優先権の回復を国内法令が規定する指定国においてのみ、当該回復が有効となる。受理官庁が優先権の回復を拒否する決定を行った場合には、指定官庁が規則 49 の 3.1 (g)に基づき国内法令が適合していない旨の通告を行っていない限り、その指定官庁の法域において回復が不可能であるのか常に検査することができる (NP 6.006 項を参照)。
    更に、回復の実体要件の 1 つが満たされていることについて合理的な疑義がある限定された状況において、指定官庁は回復の肯定的な決定を検査することができる。たとえば国際段階における関係手数料が支払われていないなど、純粋に方式的な理由に対して検査を行うことはできない。
    NP 6.005.受理官庁が優先権の回復を決定した場合、国内法令が適合していない旨を通告している指定官庁における帰結は何か。
    規則49の3.1(g)
     一部の指定官庁は、当該官庁に適用される国内法令が、規則 49 の 3.1 (a)から(d)の規定と適合していない旨を規則 49 の 3.1 (g)に基づき国際事務局に通告している。したがって、該当する指定官庁は、上述した概要における指定官庁に対する手続に関する限り、受理官庁による優先権の回復の決定を有効とする義務はない。国内法令が規則 49 の 3.1 の規定と適合していない旨を国際事務局に通告している官庁の一覧は、次の WIPO ウェブサイトから確認できる https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp# R _ 49ter_ 1 _g 。
    NP 6.006.優先権の回復請求を指定官庁に直接行うこともできるのか。
    規則49の3.2
    出願人が指定官庁に対して国内段階に移行すれば、その指定官庁に優先権の回復請求を直接行うこともできる。規則 26 の 2.3 (j)が該当するため、受理官庁に優先権の回復請求を行うことができなかった場合、又は受理官庁が採用する回復のための基準ではなく、出願人が希望する基準に基づき優先権の回復を取得する場合、又は受理官庁に対する回復の請求をその受理官庁が拒否した場合 (規則 49 の 3.1 (e)を参照)、出願人はこの機会を当てにすることができる。ただし一部の指定官庁は、当該官庁に適用される国内法令が、規則 49 の 3.2 (a)から(g)までの規定と適合していない旨を規則 49 の 3.2 (h)に基づき国際事務局に通告している。したがって、該当する指定官庁では、その官庁に行われた優先権の回復請求を認めない。国内法令が規則 49 の 3.2 の規定と適合していない旨を国際事務局に通告している官庁の一覧は、 次のWIPO ウェブサイトから確認できる https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp# R _ 49ter_ 2 _h 。
    NP 6.007.優先権の回復請求を指定官庁に行う場合の期間はいつか。
    規則49の3.2(b)(i),
    規則49の3.2(f)

    優先権の回復を請求する要件を満たすための期間は、第 22 条に基づき適用される国内段階移行期間から少なくとも 1 か月であるが、指定官庁は、国内法令で許されていれば、更に長い期間を適用するのは自由である (規則 49 の 3.2 (f))。出願人が第 23 条(2)に基づき国内段階移行のための明示の請求をした場合、当該 1 か月の期間は指定官庁が当該請求を受領した日から開始する。指定官庁が出願人に対し、国際出願が適時に提出されなかった理由の記述を裏付ける申立て又は証拠を提出するよう要求した場合、指定官庁は、当該書類を提出するために事情に応じて相当の期間を出願人に認める。
    NP 6.008.優先権の回復請求は指定官庁にどのように行うべきか。
    規則49の3.2(b),
    規則49の3.2(f)

    優先権の回復請求は、指定官庁あての書簡によって行わなければならない。
    優先権の回復請求が認められるためには、次の要件を満たさなければならない。
     -国際出願に先の出願に基づく優先権主張が含まれており、優先期間の満了日から 2 か月以内に国際出願が提出されていなければならない。国際出願の出願時に関係する優先権主張が含まれていない場合には、規則 26 の 2.3 (e)に基づく期間の満了前に、規則 26 の 2.1 (a)に基づき (国際段階 IP 6.038 項から IP 6.040 項を参照) 優先権主張を追加しなければならない (規則 26 の 2.3 (c))。
     -回復請求では、優先期間内に国際出願が提出されなかた理由を記述すべきである (NP 6.010 項を参照)。この理由の記述は、官庁が採用する回復のための基準のうち出願人が満足させるよう求めているもの (NP 6.009 項を参照) を考慮して作成すべきである。
     -請求には指定官庁が要求する回復請求手数料の支払を伴わなければならない (特定の指定官庁が当該手数料を要求するのか否かについては、国内編附属書Ⅰを参照)。
     -指定官庁が要求する場合には、当該官庁からの求めがあったことを条件として、理由の記述を裏付ける申立てその他の証拠を提出しなければならない (規則 49 の 3.2 (c)) (適用される期間については NP 6.007 項を参照)。
    NP 6.009.指定官庁が適用する回復の判断基準は何か。
    規則49の3.2(a),
    規則49の3.2(f)

     一般的に、回復のための基準は 2 つある。状況により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず優先期間内に国際出願が提出されなかった場合、又は、故意ではなく優先期間内に国際出願が提出されなかった場合である。 該当する規則を適用するすべての官庁は (NP 6.006 項を参照)、これらの基準のうち少なくとも 1 つ、又は出願人の立場からみて、より有利な基準を採用しなければならない。指定官庁が希望すれば、回復のための基準の両方を採用することができる。
    NP 6.010.優先権の回復請求の理由の記述には何を記載しなければならないのか。
    規則49の3.2(b)(ii)
    理由の記述には、優先期間内に国際出願が提出されなかった理由を表示すべきである。ここには、状況により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず、又は故意ではなく、優先期間内に国際出願が提出されなかった状況が発生したと指定官庁が判断することができる、関連するすべての事実及び事情を含むべきである。
    NP 6.011.請求を拒否しようとする指定官庁に意見を述べる機会はあるのか。
    規則49の3.2(e)
    指定官庁が優先権の回復請求を拒否しようとする場合には、その意向について出願人に通知しなければならない。出願人はその後、拒否の意向に関する通知で指定された事情に応じて相当の期間内に、拒否の意向に対して意見を述べる機会が与えられる。この通知は実務上、申立てその他の証拠を提出する求めとともに出願人に送付される。
    欠落又は正しい要素若しくは部分の引用による補充
    NP 6.012.受理官庁が引用による補充を認めた頁は指定又は選択官庁で認められるのか。
    規則82の3.1
     指定及び選択官庁は限られた範囲内で、引用による補充を認めた受理官庁の決定を検査することができる (規則 82 の 3.1 (b))。指定又は選択官庁が次を発見した場合、すなわち: 出願人が優先権書類提出又は提出の請求の義務に従わなかった場合;願書に引用により含める旨の陳述が欠落している若しくは願書とともに提出されていない場合;引用による補充の確認書が提出されていない場合;要求される翻訳文が提出されていない場合;又は、対象となる要素若しくは部分が優先権書類中に完全には記載されていない場合に関して、指定又は選択官庁は、欠落若しくは正しい要素又は部分を含む用紙が提出された日に基づき国際出願日が認められたものとして国際出願を扱うことができるが、事前に出願人に対して、この帰結について意見を述べる機会を与えなければならず、この場合に出願人は規則 82 の 3.1 (d)に従い、提出した欠落部分又は正しい要素若しくは部分を無視するよう請求することができる。同様に、規則 20.8 (b)又は 20.8 (bの 2)に基づき国内法令が適合していない旨を通告している指定官庁は (国際段階の IP 6.027 項を参照)、規則 20.8 (c)に基づき、引用による補充の利益を伴わずに国際出願日が認められたものとして扱うことができるが、事前に出願人に対して、この帰結について意見を述べる機会を与えなければならず、この場合にも出願人は、提出した欠落部分又は正しい要素若しくは部分を無視するよう請求することができる。
    国内段階のための国際出願の補正
    NP 6.013.出願人は国内段階のために国際出願を補正することができるのか。
    第 19条,
    第28条,
    第34条(2)(b),
    第41条,
    規則46,
    規則52.1,
    規則66.1,
    規則78

    PCT は、出願人が指定官庁に対する請求の範囲、明細書及び図面を補正する機会を保証している。出願人は、すでに国際段階において請求の範囲を補正する機会があったはずであるが (国際段階を参照)、更に国内段階において各指定官庁について異なった補正をすることができ、また明細書又は図面についても補正 (この補正は、出願人が国際予備審査の請求をする場合を除くほか、国際段階においてできない) することができる。すべての指定官庁及び選択官庁は、出願人が国内段階の開始に必要な手続をしたときから少なくとも 1 か月間はこの補正を認める義務がある。規則 52.1 及び規則 78 に定める例外的な場合には、この期限を更に遅くすることができる。いかなる場合も、ほとんどの指定官庁及び選択官庁は、(該当する場合には) 国内審査手続中いつでも補正を認める。審査請求を明確に行わなければならない一部の指定官庁又は選択官庁では、出願人が国内段階に移行した後に限り補正を請求することができる。これについては国内編でも述べる。
    NP 6.014.出願人は国内段階のために国際出願の明白な誤記を訂正することができるのか。
    規則91.3(f)
    通常、明細書、請求の範囲及び図面中の明白な誤記は、指定官庁に対して訂正することができる。出願時における国際出願の範囲を超えるものでない限り、訂正は補正 (NP 6.013 項を参照) として提出することができる。
    NP 6.015.明白な誤記の訂正が許可された場合の指定及び選択官庁における効果は何か。
    規則91.3(e),
    規則91.3(f)

    一般に、指定及び選択官庁は、国際事務局から規則 91.3 (a)に基づき関係する訂正の許可の通知を受け取る日の前に既に国際出願の処理又は審査を開始している場合を除き、国内段階における国際出願を「訂正されたもの」として処理しなければならない。指定及び選択官庁が規則 91.1 に基づき許可された訂正を無視することができるのは、自身が権限のある機関であったならば明白な誤記の訂正を許可しなかったと認めた場合のみである (規則 91.3 (f)を参照)。ただし、指定官庁は、事情に応じて相当の期間内に、当該官庁が訂正を無視することについて意見を述べる機会を出願人に与えた場合に限り、国際段階において許可された訂正を無視することができる。
    NP 6.016
    国際段階において訂正が拒否され、出願人が規則 91.3 (d)の規定に基づく公表の要請をした場合 (国際段階の IP 11.043 項を参照)、出願人は指定官庁に対し、指定官庁の定める言語により再度訂正の請求をすべきである。
    NP 6.017
    明白な誤記の訂正の許可の条件は、指定官庁が適用する国内法令及び運用による。出願人は、適用される条件について関係指定官庁に照会することが勧められる。
    国際段階における決定の国内段階における検査
    NP 6.018.どのような場合に検査を請求することができるのか。
    第25条
    次の決定の検査を指定官庁に請求することができる。
    (i) 受理官庁が、国際出願の欠陥のため国際出願日を認めることを拒否した場合
    (ii) 受理官庁が、国際出願の欠陥又は所定の手数料の不払のため、その国際出願は取り下げられたものとみなす旨を宣言した場合
    (iii) 国際事務局が、所定の期間内に記録原本を受理しなかったと認定したため、その国際出願は取り下げられたものとみなすと認めた場合
    第25条(2)(a)
    上記のような国際段階において行われ、かつ、国際出願自体に影響を与える決定は、すべて各指定官庁による検査の対象となる。指定官庁による検査は、受理官庁の拒否若しくは宣言又は国際事務局の認定が当該官庁の過失の帰結であるのか否かを確認するための審査によって行われる。
    NP 6.019.いつどのように検査を請求することができるのか。
      NP 6.018 項で述べた 3 つの決定のいずれかであって出願人が検査を希望した場合、出願人は次の手続をしなければならない。
    第25条(1)(b)
    (i) 第 25 条に基づき、国際事務局が出願人の特定した指定官庁に対し出願に関する書類の写しを送付することを請求する (この請求は、英語又はフランス語で行わなければならない)。
    第25条(2)(a),
    規則51.2

    (ii) 国際出願に影響を及ぼす決定の検査は、場合に応じて、受理官庁又は国際事務局の過失を示す事実及び証拠を付して各指定官庁に対し別個に請求する。同時に (NP 6.020 項を参照)、出願人は国内段階に移行するために、国内手数料を各指定官庁に支払い、必要な場合には国際出願の翻訳文を提出しなければならない。手数料及び必要な翻訳文の詳細については、国内編 (概要) を参照。指定官庁に対する請求は、指定官庁が認める言語でしなければならない。請求された検査が国際出願日を認めることを拒否したことに係わるものである場合、出願人は拒否の通知の写しを添付して請求しなければならない。
    NP 6.020
    規則51.1,
    規則51.3

     国際事務局に対する請求及び指定官庁に対する請求であって、要求される翻訳文及び手数料を伴うものは、両方とも出願人に不利な決定が通知された日から 2 か月以内に関係官庁に到着しなければならない。
    NP 6.021.指定官庁による検査の結果はどのようなものか。
    第24条(2),
    第25条(2)(a),
    第48条(2)(a)

    出願人が前の項で概説した要件を満たしている場合、指定官庁は決定が正当であったのか否かの認定を行い、決定が受理官庁又は国際事務局の過失の結果であると認めたならば、その過失の結果が生じなかったものとして取り扱い、国際出願日から正規の国内出願として国際出願の効果を認めなければならない。決定が過失の結果でないと認めた場合であっても第 24 条(2)の規定に基づき国際出願としての効果を認めることができる。後者は、(補正の提出又は手数料の支払等の) 所定の期間が遵守されなかった結果の決定かもしれない。この場合、出願人は指定官庁に対し、決定の検査の請求だけでなく、その遅滞の許容の請求もすることが勧められる。遵守されなかった期間の許容の詳細については以下の項に記載されている。
    期間遵守の遅滞の許容
    NP 6.022.期間遵守の遅滞は許容されるのか。
    第48条(2)(a),
    規則82の2

    国際段階又は国内段階のいずれかにおいて、国際出願が取り下げられたものとみなされることとなった期間遵守の遅滞は、場合によって許容される。遅滞の許容は期間を遵守しているものとして国際出願の効果を認める決定と解される。しかし、遅滞の許容を国際段階において請求することはできない。(国際段階及び国内段階の両方における) 遅滞の許容は、国内段階においてのみ各指定官庁により個別に、かつ、当該指定官庁に関する限り認められる。各指定官庁の国内法令に定める条件は、遅滞を許容すべきか否かを決定するために重要である。遅滞の許容に関するすべての国内法令は、国内出願と同一の方法及び同一の条件で国際出願にも適用される。この規定の例として、権利の回復、復活、原状回復、放棄出願の復活、処理の継続、手続の続行等があげられる。
    NP 6.023.遅滞が許容される期間にはどんな種類があるのか。
    規則82の2.1
    期間とは、 PCT (条約又は規則) の定める期間及び PCT の各機関の定める期間、並びに国内段階へ移行する期間を含む出願人の指定官庁に対する手続のために当該指定官庁が定めた期間又は適用される国内法令の定める期間のいずれかである。
    NP 6.024.国内段階への移行期間を徒過した出願人、又は適用される期間内に第 22 条若しくは第 39 条(1)で規定される行為を遂行しなかった出願人は、何をしなければならないのか。
    第48条(2)(a),
    規則49.6,
    規則82の2.2

    出願人が第 22 条又は第 39 条(1)の要件を満たさなかった場合、締約国は規則 49.6 に基づき、国際出願に関する出願人の権利を回復する可能性を提供しなければならない。この可能性についての詳細は規則 49.6 に示されている。締約国の一部は、規則 49.6 (f)に基づき、国内法令がこの規則と整合しない旨を国際事務局に通告している。この通告の一覧表は、次の WIPO ウェブサイトから確認できる https://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/reservations/res_incomp# R _ 49 _ 6 _f 。締約国が国内法令を改正するために必要な手続を開始すれば、その旨の通告が公示 (PCT 公報) で公表され、通告の一覧表は更新される。更に、締約国が規則 49.6 (f)に基づく通告を行っている場合であっても、出願人は、出願に関する権利を回復する制度が存在しているのか否かについて、関係官庁に確認することが推奨される。締約国の一部には、自国の国内法令に権利の回復規定が既に含まれているが、当該規定が規則 49.6 の内容に沿うものでないという理由のみによって、この通告を行っている国もある。したがって、出願に関する権利を回復するための手続自体が存在していない国がある一方で、規則 49.6 と比べて出願人に更に有利又は不利となる回復制度が存在している国もある。
    NP 6.025.期間を徒過した出願人はどうすべきか。
    第48条(2)(a),
    規則51.1,
    規則51.3

    出願人は、国内段階の開始のために必要なすべての手続をしなければならない (NP 4.001 項から NP 4.031 項を参照)。同時に、出願人は遅滞の許容及び国際出願の効果を認めることを指定官庁に対し、請求しなければならない。その手続は、遅滞を許容する請求のための期間を含む国内で適用される要件による。要件は国内編に掲載されている。通常、出願人は許容の請求を行い、不利な決定の通知の日から 2 か月又は期間の満了 (たとえば、国内段階の開始の期間) の日から 2 か月のいずれかの期間内に国内段階の開始のための手続をした場合には、その期間を遵守したものと確信することができる。
    NP 6.026
    第24条(2),
    第48条(2)(a)

    所定の期間内に要件を満たさなかったために国際出願が取り下げられたものとみなされる旨を宣言した受理官庁の決定に対し、再検査を請求するとともに遅滞の許容の請求を行うべきである (NP 6.018 項から NP 6.021 項を参照)。指定官庁は受理官庁の決定を承認した場合であっても、国内法令の規定に従い権利の回復、放棄出願の復活、手続の続行等に関する規定により遅滞が許容されるので、国際出願の効果を認めることができる。前の項で述べたとおり、関係官庁に対して、国内法令で定める期間内に遅延の許容を請求することを含む、適用される国内法令で定めるすべての条件を出願人は満たさなければならない。
    NP 6.027.郵便業務における異常により生じた書類の到達の遅延は許容されるのか。
    第48条(1),
    規則82

     条約若しくは規則の定める期間が文書又は書簡の到達の遅延によって徒過した場合、郵便の遅延又は郵便業務の中断により生じた書類の到達の遅延は許容される。ただし、十分な証拠が提出され、その郵便が郵便当局の書留扱い又は指定官庁が国際事務局に通告した配送サービスで発送されたことを条件とする。同様に、同一条件下において、文書又は書簡が郵送中に亡失した場合には、文書又は書簡の新たな写しをこれに代えることができる。ただし、差替える文書又は書簡は、亡失した文書又は書簡と同一であることを立証することを条件とする。詳細については規則 82 を参照。
    受理官庁又は国際事務局による誤りの訂正
    NP 6.028.受理官庁又は国際事務局によるどのような誤りを訂正することができるのか。
    規則82の3
    受理官庁が国際出願日を誤って割り当てた場合又は受理官庁若しくは国際事務局が願書中の優先権の主張がされなかったものと誤ってみなした場合であって、その誤り自体が当該指定官庁によって国内法令又は国内運用に従って訂正する誤りである場合、指定官庁は、この誤りを訂正しなければならない。
    NP 6.029.いつどのように誤りの訂正を請求しなければならないのか。
    出願人は誤りの訂正を指定官庁に請求し、受理官庁の認めた国際出願日が受理官庁の誤りのために正しくないこと、又は優先権の主張がされなかったものと受理官庁若しくは国際事務局が誤ってみなしたことについて、指定官庁が満足する程度まで十分に証明しなければならない。誤りの訂正の請求は国内段階の開始時にすべきである。
    国内段階における手続
    NP 6.030.国内段階の開始後、出願人はどうすべきか。
    通常の国内手続が国内段階における国際出願に適用される。以下及び国内編 (概要) に述べることは、国内段階へ移行するためにしなければならない手続、及び国内段階への移行時にすべきであるが、国内段階の開始後もすることができる手続に関することである。その後の手続、少なくとも主要な手続の概略が、各指定官庁に関連する国内編 (概要) に説明されている。指定官庁に対する特許手続について熟知していない出願人は、指定官庁に対する代理人による代理が義務付けられていない場合であっても、専門的な助言を求めるべきである。
    指定官庁に対する通信及び手数料の支払
    NP 6.031.国際出願をどのように表示すべきか。
    指定官庁に対し、送付するすべての文書及び支払うすべての手数料 (及び文書又は支払に添付するいずれかの書簡) については、指定官庁が国際出願に付与した国内の連続番号の通知をすでに受けている場合には、その国内の番号を表示しなければならない。国内の番号が通知されていない場合 (又は付与されていない場合) には、国際出願番号を表示すべきであるが、国際出願日、出願人の氏名又は名称及び発明の名称も表示することが推奨される。
    生物材料の寄託
    NP 6.032.生物材料の寄託に関する要件は何か。
    附属書 L には、生物材料の寄託に関する指定官庁の要件の詳細が掲載されている。
    ヌクレオチド・アミノ酸の配列リストの提出
    NP 6.033.配列リストの提出について満たさなければならない要件は何か。
    実施細則附属書C,
    規則 13の3.1(a),
    規則 13の3.3,
    規則49.5(aの2)

    指定官庁は、実施細則附属書 C で定める標準(WIPO 標準 ST.26)以外の形式によるヌクレオチド・アミノ酸の配列表を提出することを出願人に要求してはならない。国際出願に標準に準拠していない配列表が含まれている場合、及び/又は、言語依存フリーテキストが指定官庁の認める言語によるものでない場合、指定官庁は、これらの要件を満たす配列表又は翻訳文の提出を出願人に要求することができる。
    早期審査請求
    NP 6.034.国内段階ですべての出願人は早期審査が利用できるのか。
    出願人は、自身の国際出願について受領した特許性に関する国際予備報告 (第 I 章又は第 II 章) が肯定的なものであれば、特許審査ハイウェイに参加している又は他の官庁による肯定的な PCT 成果物に基づき早期審査を提供する一部の官庁に対して、早期審査を請求することができる。詳細については https://www.wipo.int/en/web/pct-system/filing/pct_pph を参照されたい。
    Current version applicable from 2025年9月4日 , printed on 2026年2月17日